川端裕人のブログ

旧・リヴァイアさん日々のわざ

シドニー子育て記

2009-04-24 22:37:51 | ひとが書いたもの
シドニー子育て記―シュタイナー教育との出会いシドニー子育て記―シュタイナー教育との出会い
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2008-11

これは、熱く、おもしろい本。
「美味しんぼ」の雁屋哲さんが、「教育難民」としてシドニーに移り住み、シュタイナー教育に出会ったことで、日本に帰れなくなったお話。

海外在住で、シュタイナー学校に子どもを通わせているファミリーをいくらか知っているけれど、彼ら彼女らが言う「神秘主義の部分はとりあえず、ほうっておいて、いいとこ取り」というのはアリだなあと、思った。
それに、あえて、シュタイナーの神秘家としての部分はふれず、教育思想の部分だけを実践するシュタイナー学校も多いようなのだ。見識というものだと思う。

雁屋さんは、子どもを「日本の教育から引っぱがしたかった」と言うのだが、それはすごく分かる。
なにかこの国で、教育にかかわる場に身を置いていると(保護者というのは、まさに教育に関わる立場)、まさにそんな気分になる。

閉塞感、閉塞感、閉塞感!

その原点の部分で共感を覚える。

それにしても……大使館の書記官が「便利だから永住権を」といきなり、そんなものくれてしまったのはなぜか。
びっくりすることしきり。

ほんと、全然、関係ないですが、やや長期のビザを取りに、ニュージーランド大使館に本日、赴いたぼくは、えらく無愛想に「申請はもっと直前になってから」と追い返された。
ずいぶんな違いですこと!



疫学関連2点

2009-04-24 08:23:36 | 喫煙問題、疫学など……ざっくり医療分野
毎日新聞石戸記者による「社会事象を疫学で解明--津田敏秀さん」
http://mainichi.jp/area/okayama/news/20090423ddlk33070635000c.html

ワイネフさんによる「小谷野敦裁判記」
http://ameblo.jp/winef/theme3-10012380330.html#main

石戸記者のインタビューは「疫学入門」みたいな内容。

水俣病を食中毒として扱っておけば……というのは、もはや、知る人ぞ知ることになっていると思うけれど、こうやって新聞に出るのはいいことだ。

臨床のみからは、因果関係は導けないという、津田さん本人の若き日の忸怩たる思いから解き明かされているのがよい。

石戸記者は「安心の風景」を連載した人。
犯罪不安社会の中でも紹介されている、量刑や処遇と再犯率についでの疫学的研究などから、こっち方面に興味をのばすのは、自然なことに思う。
犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)犯罪不安社会 誰もが「不審者」? (光文社新書)
価格:¥ 777(税込)
発売日:2006-12-13
市民のための疫学入門―医学ニュースから環境裁判まで市民のための疫学入門―医学ニュースから環境裁判まで
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2003-10


もう一方、ワイネフさんの方は、とうとう小谷野さんの方から民事の訴訟を受けたよう。
争点としてはなにになるのだろう。

もしも、「インチキ学者」といった表現についての名誉毀損を問題にされるだけなら、受動喫煙について法廷で記録の残るやりとりをする、ということもかなわないかもしれない。
もっとも、小谷野さんも、ワイネフさんのことを相当言葉で貶めている。
名誉毀損という解釈も成り立つだろう。
たがいに、名誉毀損であると述べ立てるなら、時間の無駄。
せっかく裁判するのだから、これまで食い違ってきた議論がきちんとかみあうことを願ってやまない。
笑って禁煙できる本笑って禁煙できる本
価格:¥ 1,000(税込)
発売日:2007-04-06