日本史学習拾遺

日本史よもやま話、授業の補足、学習方法

奥出雲幻想

2012-11-23 19:40:40 | 旅行
昨日、帰宅すると、小包が届いていました。
出雲の国(島根県)から届いた、奥出雲の特産品の詰め合わせでした。
私は、数年前に出雲地方に旅をした時に食べた「仁多米(にたまい)」がおいしい!と感激し、以来、仁多米を時々買っていました。そもそも、私の父方は新潟なので、お米は小さい頃から今に至るまで、おいしいコシヒカリを食べてきましたから、それで間に合っているといえばそうなのですが、時々、在庫が切れそうになることがあり、そういう時に通販で買っていました。

お米の袋に貼ってあるシールを集めると、四季折々の季節に応じた奥出雲の特産品をプレゼント!
ということなので、何年もかけて集め、やっとたまったので、送ってあったのでした。

小包を開けてみると、すばらしい!立派なマイタケのパックと、トマトソース、高菜のぴり辛煮の3品が入っていました。すべて奥出雲地方の特産品です。
今日は、マイタケをどう料理しようか、天ぷらにしようか?とも考えましたが、バター炒めもおいしいようなので、そうしました。
おいしかった!
「雪○まいたけ」とはまた別物の、香り高い、立派でおいしいマイタケでした。

私は、出雲地方に旅をしてから、その地域が大好きになり、別荘でも持って住みたいと思うくらいなのです。その魅力は、ちょっとやそっとの文字数では書ききれないほどですので、今日も少しだけしか書きませんけれども。

最近の日本史の授業では、「たたら製鉄」が出て来ましたが、それをやっていたのがこの奥出雲地方です。
この地方のお気に入りは、出雲そば、松江の和菓子・特に「若草」、松本清張の小説『砂の器』に出てくる「亀嵩駅」近くの温泉、出雲大社へ電車で向かった時のさいはての感じ、宍道湖の夕日、もちろん仁多米、この地域の大社造りの神社の雰囲気の面白さ、などなど・・・

また、私は、『出雲国風土記』の内容が、他の風土記と違っていることにも興味があります。いつか詳しく調べてみたい、と思っています。

Q 奈良時代に各国が風土記を作るように命じられたのは何年で、何という天皇の時ですか?

A 713年、元明天皇の時ですね。

Q 今はほとんどが残っていませんが、現存する風土記は五カ国ありますが、どこの国ですか?

A 常陸、出雲、播磨、豊後、肥前ですね。そのうち、完全に残っているのは出雲だけです。

このあたりは、受験生なら必ず知っていなければならない内容です。

そして、今、出雲といえば、上野の東京国立博物館で、
古事記1300年・出雲大社大遷宮 特別展「出雲―聖地の至宝―」
http://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1473

という企画展が開催されています。これがもう、あさってまで!?となってしまいました。
もっと早く、ここにも紹介したかったのですが。
先日、私はこれを見て来ました。
出雲大社の最初の建物は、とてつもなく巨大だった・・・その模型が展示されています。不思議と背の高い(足の長い)建物なのです。48mもの高さがあったとか。
そして、2000年に発見された、鎌倉時代の柱「宇豆柱」という、太い杉の丸太が3本束ねられたものが、そのまま出雲から運んで展示してあり、その太さに圧倒されました。こんな太い柱で、どんなに巨大な建物が建てられていたのだろうと。

昔は、巨大な建物の覚え歌として「雲太、和二、京三」というものがあったそうで、一番大きいのが「雲太」すなわち出雲大社、「和二」は奈良(大和)の東大寺大仏殿、「京三」は平安京の大極殿のことだそうです。現代の出雲大社は、そんなに大きくはありません。しかし、あの柱の太さはすごかったので、さもありなんという気もします。
そういう巨大な建物が、なぜ出雲にあったのか?・・・不思議だと思いませんか?

他にも、授業でも触れた、358本もの銅剣がまとまって出土した「神庭荒神谷(かんばこうじんだに)遺跡」の銅剣も何本か展示されていました。(教科書p.15欄外①)この遺跡の名前も弥生時代の遺跡として受験的には覚えておいてください。
島根を旅した時に、博物館(風土記の丘?)でたまたまこの銅剣がたくさん展示してあったのを見ていました。
あの、まとまって出土した様子は、図説p.36 にも写真がありますが、驚きです。358本という本数にも意味があるようです。1985年に発見されたそうですから、最近のことです。

また長くなってしまいました。
できれば、高校生の皆さんにも、上野の国立博物館で見てもらいたいのですが、もうあさってで終わってしまうので、どうかな・・・企画展は高校生は400円で見られます。安いですよね。大人はその倍の料金なのですよ。

東京国立博物館の構内で高さ48mの巨大神殿が体験できるARアプリ

http://www.shimane-iit.jp/ict/ar/

というのがあって、私は写真で見てだまされたのですが、博物館の外に模型が建てられているのかと思ったら、それは、アプリを使って撮影した、幻の神殿だったのです。

興味と時間があったら、行ってみてください。特に、もう進路が決まっている人。

まだまだ出雲の話は尽きないですが、いい加減このへんでストップしましょう。ではまた。