まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

キャラクター時代

2012年12月16日 | 日記

公園のグランドにフェンスに囲まれた一角がある。
グランドの地下は雨水利用のための巨大なプールになっていて
その「耐震工事」の現場である。

工事の発注者は東京都水道局。
もう一年以上にわたって工事が行われているが
最近の工事現場は環境や住民に配慮してさまざまな工夫がされている。
例えばこの工事現場のフェンスのイラスト・・・・



季節によってイラストは変わるのだが
今は水道との関わりから「雨」のイラストが描かれている。
雨の呼び方もさまざまだなあ・・・と思う。



村に降る雨ではなく、強く降ってすぐに止む雨のこと。
「にわか雨」「通り雨」、藤沢周平に「驟り雨」という小説もあったような気がする。
確か和菓子の名前にもあったし、名刀「村雨」なんてのもあった。

いい言葉だなあ・・・
五月の「五月雨」も素敵な言葉だ。

つまりは「天気雨」のことなのだが
無数の「狐火」が婚礼行列となって山道を行く光景をイメージする。
日本語は本当に豊かだあと感心する。

で、フェンスの反対側に描かれているのがこのイラストである。
東京都水道局のキャラクターで「水滴くん」と言うらしい。
名前がイージーな気もするが、なかなか可愛らしいキャラではないかと思う。



女性版もある。
夫婦なのか、恋人なのか、それとも兄妹なのか・・・・
情報不足で定かなことはわからない。

いまや世の中はキャラクタービジネス全盛の時代を迎えている。
企業もキャラクターによるイメージ戦略が重要で
その成否によって売り上げや業績に大きく影響が出て来る。
とくに「ゆるキャラ」人気はすさまじく
「ひこにゃん」やら「くまモン」やら「バリィさん」やら
自治体や官公庁も血眼でキャラを開発してキャンペーンに乗り出す。
観光客が激増した県もあるというからバカに出来ない。



その点で言えば、「水滴くん」も結構いけるのではなかろうか。
水道局は地味だからイメージアップには持ってこいだと思うのだが・・・
ついでに言えば、私の風貌もかなりキャラ向けだと思う。
誰かに頼んでイラストをつくってもらって、売り出したら「大儲け」といかないだろうか。
ま、しかし、性格が悪いからなあ・・・



さて、今日は投票日である。
各党首のキャラクターはかなり明確ではあるのだが
政党の性格付けが曖昧で、いったいどこが違うのか判然としない。
いずれにしても、これからの大事な政治を
安易にキャラクターやイメージなどに託していい筈がない。
投票直前まで迷いそうだ。


 


北風ピープー

2012年12月15日 | 日記

まだまだ紅葉・・・ではあるけれど
師走の風の冷たさと気忙しさで紅葉を愉しむゆとりがない。

どうも風邪気味で体調もよくない。
巷ではノロウィルスが猛威をふっているらしいが大丈夫だろうか。
加齢のせいか今年は例年になく寒さがこたえる。
仕事や体調の関係もあって日課のジョギングもちょっと休みがちだ。

最近、どうもブログに情けないようなことばかり書いているような気がする。
読者の方からも「元気出して下さいよ」などと言われる。
うーん、ちょっと後ろ向きになっているのかなあ・・・と大いに反省。

明日は総選挙の投票日である。
事前調査によると自民党が300議席に迫る勢いだと言う。
ガッカリではあるが、結局、国民は「安定」を求めているということだろうか。
確かに民主党政治は「不安定」の連続ではあった。
政権交代によって何か好転したことがあるかと問われれば
ほとんどが「失望」の連鎖だったような気がする。
未熟な政党だった・・・と言ってしまえばそれまでだが
と言って、未熟さゆえにすべてが「断罪」されるのはどうだろうか。
失敗の経験を生かして「リベンジ」のチャンスを与えてやりたいとは思うが
残念ながら日本社会には失敗を許容する鷹揚さがない。



北風がピープーと吹き抜ける。
風が吹くと枯れ葉がハラハラと舞い落ちる。
民主党の運命もかくありなん・・・などと落魄の思いがつのる。



カメラに向かって枯れ葉が舞い落ちる。
今年もそろそろ終わりだが、自分の一年はどうだっただろうかと考える。
「政権公約」という点で言えば民主党と同じかも知れない。
あれこれ目標はあった筈なのに、達成できたことはほとんどなかった。
来年こそは!と北風の中でしばしの闘志を燃やす。



皆さんの一年はどうでしたか?
達成できた目標はありますか?



枯れ枝にオナガがとまっている。
尾っぽが長いからオナガ。
めったに姿を見せないが、葉が落ちるとよく見える。

お、飛んだ!
飛ぶのは苦手らしく下手なバタフライのようだ。
何やら爺さんの「悪あがき」のように見えなくもない。

完全防寒で絵を描いている爺さん・・・いや、オジサン。
写真を撮るようになってからは趣味のスケッチはすっかりご無沙汰で
こういう人を見ると心が・・・



さあ、明日の選挙はどうするか・・・
いったい誰に、どの政党に投票したらいいのか
わが心の混迷も続くのである。

 


空が燃えている

2012年12月14日 | 日記

この季節は一年で一番空気が澄んでいる。
私の心はどんよりと曇り空だが
空だけはあっけらかんと見事にに澄みきっている。

東の空が燃えている。
朝焼けのスカイツリーを見るといつも「さあ、今日も!」と思う。
何かいいことがありそうな気がするのだが・・・

一日、これといって「いいこと」はなかった。
悩み事や心配事ばかりで、最近どうも心が弾まない。
夕方、外出から帰って来ると団地の高層棟に夕陽が当たっていた。

西の空が夕焼けの気配。
何もいいことがなかったから、夕陽でも撮るか・・・と急ぎ足。

自宅マンションの廊下に上がると西の空が燃えている。
朝は条件がいいが、夕方は雲が出ることが多く、なかなかこんな風景は撮れない。

夕陽に染まった空のパノラマ。
雲のグラデーションも幻想的でキレイだ!
単焦点カメラではこれで精一杯なので、慌てて望遠を取りに部屋へ。

富士山にグッと酔ってみた・・・いや、寄ってみた。
太陽はすでに山の向こうに隠れたらしく、シルエットが浮かび上がる。
いつだったか河口湖のホテルに泊った夜
窓から外を見ると、暗闇の中に富士のシルエットがぼんやりと浮かんでいて
その存在感に圧倒された記憶がある。

見ている間にも時々刻々と空模様が変化していく。

赤と黒、スタンダールの小説のような空だ。(なんのこっちゃ)
カメラを撮るのも忘れて見とれてしまう。

富士山のシルエットも急速に濃くなる。
燃える空というのはいいものだなあ・・・と思う。
「身を焦がす」という言葉があるが、最近はトンと身を焦がすような体験がない。
もはや「身を焦がすような恋」は望むべくもないけれど
せめて仕事ぐらいは身を焦がすように燃えてみたいものだ。
なにもいいことのない一日だったけれど
こんな富士山を見られただけでよしとするか・・・と自分に言い聞かせる。
長い人生、そんな一日もある。


銅版画とマグロ

2012年12月13日 | 日記

足立区千住にやって来ている。
ブラリと町散歩を楽しんだが、もともとの目的はここである。

石洞美術館。
聞き慣れない名前の美術館だったが
金属関係の会社が社屋の一角を美術館スペースにしている。

銅版画家「駒井哲郎」さんの展覧会である。
佐藤千壽さんというコレクターがこの金属会社のオーナーらしい。
恥ずかしながら「銅版画」というものをほとんど知らない。
昔、インスタントコーヒーのCMに山本容子さんという銅版画家が出ておられた。
ブームになった「違いがわかる・・・」シリーズの女性版だったが
卑俗な私は銅版画家がどうしても「同伴画家」に聞こえて仕方がなかった。
ホステスさんの同伴出勤じゃあるまいし・・・



駒井哲郎さんは昭和初期に活躍した版画家である。
同時代の棟方志功に比べるとマイナーだが日本の銅版画の先駆者である。
モノクロームの世界で自己の内面や夢、幻想などを表現する独特の作風で知られる。
サンパウロ・ビエンナーレで入賞、東京芸大の教授もつとめられた。

銅版画とは銅製の金属板に鉄筆を使って絵を描く版画である。
一般にはエッチングなどと呼ばれる。
木を彫るのが木版画、金属に絵を描くのが銅版画。
鉄筆だから木版画に比べると硬質で表現も微細な印象になるようだ。

モノクロームだけでなく青一色の世界もあった。
深海を泳ぐ魚だろうか、どこか深い孤独も感じさせる。
抽象あり、具象あり、デザイン風あり、駒井さんの世界は多岐にわたる。

この魚はホノボノとして、とってもよかった!
版画というと昔、年賀状を版画でつくったことがあるぐらいだが
エッチングもやってみたいなあ・・・と思った。

一番気に入ったのがコレだった。
ずんぐりとした酒瓶にバスケットに入れられたパン。
細かくひっかかれた鉄筆の粗い線と彫り痕が心象風景にも見える。
寒々としているが不思議な気高さがある。

展覧会を観終わった後
昼飯を食おうとブラブラ歩いていたら市場があった。
「千住の魚河岸」というキッチフレーズに思わず惹かれてしまった。

すでに活気のある時間は過ぎて閑散としていたが
場内には仲買人相手の寿司屋やウドン屋などが軒を並べている。

そんな中で選んだのがこの店だった。
かなりくたびれた印象の喫茶店ではあったが
この品書き看板に迫力があった。

うーん、スゴイ、よりどりみどりだ!
いかにも市場らしく営業時間は朝5時から昼の2時までである。
「コーヒー100円」は有り難いし「ゆっくり食事40席」もなかなかいい!
私、市場の食堂は大好きなのである。

いろいろ迷ったが・・・
「海老フライとまぐろブツ」定食にした。
大ぶりでプリプリの海老フライも美味かったが
まぐろのブツは中トロも混じっていて絶品だった、味噌汁もうまかった。
身も心も満腹になった一日だったぜ!

 


♪知らない町を・・・

2012年12月12日 | 日記

知らない町を歩いてみたい・・・
ひょっとしたら、それが「旅」の原点なのかも知れない。

例えば・・・
こんな変哲もない路地に胸がときめいたりする。

例えば・・・
名前も知らぬ植物をじっと観察したりする。
見るものすべてが新鮮に思える。

京成本線千住大橋駅。
上野から4つか5つ目の駅である。
銅版画家の「駒井哲郎」の展覧会にやって来たのだが
その前に町をブラリと歩いてみたくなった。

気持ちのいい冬晴れの日で
日中はポカポカと温かく、ちょっと汗ばむような陽気だった。
住所表示を見ると足立区千住橋戸町とある。
東京に来てもう10年以上になるが
足立区という場所に足を踏み入れた記憶はほとんどない。

小さな神社があった。
町の鎮守さんといったところだろうか。
境内には人っ子一人見当たらず閑散としていたが・・・

猫がいた!
下町には野良猫がつきものである。
こちらが「ニャー」と鳴きマネをすると律儀に「ニャー」と答える。
なんとも可愛いやつだった。

拝殿の前にキツネもいた。
まさに駆けださんばかりの躍動的なキツネである。
こんなのは初めてだなあ・・・と感動!

これはいわゆる「ゴミ屋敷」なのか。
テレビのワイドショーなどで見たことはあったが
実際にこの目で見るのは初めだった。
いやあ、下町歩きは「驚き」と「発見」に満ちあふれているなあ・・・

千住大橋をオジサンが渡って行く。
そうか、ここはウォーターフロントなのだなあと気づく。

下を流れているのは隅田川。
ぼんやり川面を眺めていたら岸壁にこんな文字があった。

そうだ、芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのは
確かこの千住大橋のたもとだったことを思い出す。
元禄2年、芭蕉46歳。
多くの弟子たちに見送られ、はるばる三千里の旅人となった芭蕉。
それはまさに難行苦行の命がけの旅であった。

    旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る (芭蕉)

橋の上からは東京スカイツリーも見える。
こういう下町から見上げるスカイツリーはちょっといいなあ・・・

  ♪  知らない町を歩いてみたい どこか遠くへ行きたい 
        知らない海を眺めていたい どこか遠くへ行きたい

    遠い街 遠い夢 夢はるか 一人旅

    愛する人と めぐり合いたい どこか遠くへ行きたい

どこか遠くへ行きたいけれど・・・近くも悪くないなあ、と思った。