まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

クレーンと少年の心

2013年01月31日 | 日記

相変わらず「冬晴れ」の日が続いている。
ポカポカとはいかないが、ポカぐらいの陽気だった。

ジョギングに出ると団地の隅でクレーンが活動中。
何の工事かわからないがクレーンを見ると思わずカメラを向けてしまう。
何を隠そう・・・私は無類の「クレーン好き」である。

青空に立ち聳えるクレーンを見ると
なにかワクワクするような興奮を覚えてしまう。
この心情はどう伝えていいかわからないが、そうなのである。

高いところは苦手なので昇ってみたいとは思わない。
空高く跳梁するクレーンのタワーを下からふり仰ぐのが好きだ。
おお!などと思わず声を出してしまうこともある。

友人にその話をすると誰もが訝しい顔をした。
「上昇志向じゃありませんか?」と言われたことがある。
「性的な衝動の表れですよ」などとからかわれたこともあった。
うーん、この歳になってそんなものがあるとは思えないのだけれど・・・

子供がまだ小さかった頃。「働く車」という絵本を読んでやっていて
クレーンやブルドーザーや大型ダンプなどの絵を見ると
子供より興奮している自分に気がついて、妙におかしかったことがある。
要するに「子供」が抜けきっていないのだろうか・・・
今でも電車やバスに乗ると必ず最前列の席に座って運転手気分にひたる。



世の中にはいろんな「フェチ」の人がいる。
もっぱら女性の体や体の一部、下着などという場合が多いが
クレーンに異常に興奮する私は、さしずめ「クレーンフェチ」と言ったところだろうか。
あまり人には言えない性癖だが、ブログで公表してしまった。

昨日は確定申告に出かける途中に白いクレーンを見かけた。
だいたいクレーンは赤白が多いから「白一色」というのはかなり珍しい。
さわやかとも見えるし、ちょっと間が抜けているようにも見える。
いったいなぜ、どうして白なのか!
関係者に問いただしてみようかとも思ったが、急いでいたのでやめた。



という訳で、本日はクレーンの写真ばかりである。
取るに足らぬ、実にたわいもない話で恐縮してしまう。
ではあるけれど、クレーンには「少年の心」の躍動があるような気がする。
いくつになっても「少年」を失わないでいたいと思う。

   春近し クレーン高々と 少年になる  (杉作)



神様のくれた赤ん坊

2013年01月30日 | 日記

うらうらと陽射しが降り注いで
走るとちょっと汗ばむような一日でした。

冬眠中だった桜の大木も
枝の先が微かに色づいて来たような気がしますね。

ひと足早く、梅は蕾をふくらませ始めています。

いい感じですねえ!
植物も人間も同じで、これから花開こうとする若い蕾は希望を思わせます。
オジサンもぜひ「あやかりたい」ものです。

お、これなんか開き始めていますよ!
間もなく「立春」ですが、確かな春の兆しを感じました。

いつものベンチで一服していると
どこからか怒鳴るような大声が聴こえて来ました。
朝っぱらから酔っ払いかと思いましたが・・・な、なんじゃ、その白塗りは!

  「それでいいのか!お前はそれでいいのか!(怒号)」

訳がわからん!お前こそ、それでいいのか!

どうやら大学の「映画研究会」のようです。
自主映画の撮影中・・・と言ったところでしょうか。
それにしても安っぽい新劇のような大仰なセリフはどうなんでしょうか。

別の撮影ポイントに移動。
オジサンはその「メイク」と「台本」は一考の価値ありと思うけど
ま、楽しそうだからいっか!
そうそう、映画と言えば、昨夜、NHK・BSで懐かしい映画をやっていました。

前田陽一監督の「神様のくれた赤ん坊」、観ました?
もう30年以上も前の作品ですが、日本のロードムービーの傑作です。
同棲中の晋作(渡瀬恒彦)と小夜子(桃井かおり)のもとに
母親に捨てられた一人の少年が連れて来られることからドラマは始まります。
母親は晋作の昔の彼女で、どうやら男と駆け落ちしたらしい。
少年の父親かも知れない晋作は強引に押しつけられて困り果てますが
父親候補は他にも4人いて、二人は養育費をせしめるための「集金旅行」に・・・

うーん、とにかく渡瀬恒彦が若い!
桃井かおりは、この頃から変わらず「桃井かおり」でした。
父親探しの旅はすったもんだの連続ですが、脚本が実によく出来ていて面白いです。
喜劇を撮らせたら前田陽一の右に出る監督はいないと思いますね。
二人の心理描写が秀逸だし、脇役陣の演技も達者で
もう何度も観ているのに、全然、古びた感じはなくて、観るたびに新鮮です。
笑わせて、ホロッとさせて、しみじみとした余韻のある
日本では数少ないハートウォーミングなロードムービーの名作。
DVDが出ていますので、皆さんも、ぜひ!

モクレンの蕾もふくふくと・・・
気温だけでなく、ハートもウォーミングになる春が待ち遠しいです。


 


ただいま通院中。

2013年01月29日 | 日記

東京はまたまた雪でした。

朝起きた時はそんな気配はなかったのに
7時前からドンドンと雪が舞い始めて、たちまち白一色に。

冬木立がキレイですねえ。
先日の大雪と違って、ほんのり「薄化粧」といった感じです。
女性もやっぱり厚化粧より薄化粧の方が・・・
バカなことを思いつつ、朝から自転車で近くの病院へ。

出かける頃には雪もすっかり止んで陽射しが出て来ました。
月に一回の通院治療も2年以上になります。
長年の不摂生の賜物とは言え、成人病というのはやっかいなものです。

雪木立のラインアート。



枯れ薔薇のドライフラワー。

病院の前庭はちょっと春の装い。
お蔭で検査の「数値」も順調でほぼ健康体。
「いいですねえ!」という先生の言葉に思わず破顔一笑でした。

薬を待つ間に雑誌の「サライ」をパラパラとめくっていると
武者小路実篤の詩が目に入りました。

  自分は一個の人間でありたい
  誰にも利用されない 誰にも頭を下げない 一個の人間でありたい
  他人を利用したり 他人をいびつにしたりしない
  そのかわり自分もいびつにされない 一個の人間でありたい  (「一個の人間」)

帰り道・・・
その詩を噛みしめながら自転車をこぎました。
今の時代、他人に頭を下げずに生きていくことは難しいことだけれど
卑屈になり過ぎると人間がいびつになります。
他人を利用したり、利用されたりすると品性が卑しくなります。
「一個の人間」であり続けることは、なかなか努力も胆力もいることなのですね。



雪の雫をまとった梅の小枝がキレイでした。

その梅の木の下でムクドリが走り回っていました。

シジュウカラは元気だけど
さて、オジサンは「ロクジュカラ」どう生きていくべきか。
いろいろと考えてしまった「通院」の日でした。
とりあえず「痛飲」を控えて摂生しなくてはと、駄洒落ばかりですが・・・

 


抽象もいいなあ

2013年01月28日 | 日記

先日、閉幕間際の展覧会に行ってきました。
国立近代美術館で開催された「美術にぶるっ!」と題される
話題のベストコレクション展です。

去年に引き続き、この展覧会は二度目です。
今回は「抽象画」を中心にじっくり観ようと思って来ました。
個人的には前衛絵画はちょと苦手で、ずっと避けて来たのですが・・・


<パブロ・ピカソ 「ラ・ガループの海水浴場」>

やっぱりピカソはいいですね。
会場でパッと目を惹かれて近づいて見たらピカソだったりします。
とにかく着想が自由で大胆で、難解ではあっても「哲学」を感じることがあります。


<アンリ・ルソー 「第22回アンデパンダン展に誘う自由の女神>

ルソーというのも面白い画家ですね。
元々、税関官吏の単なる「日曜画家」だったのに50歳を超えて独学で絵の道へ。
脱サラ男が突然、「爆発」したようなエネルギーを感じます。


<古賀春江 「海」>

日本の抽象画家の中では古賀春江がいいですねえ。
あ、女性ではなく男性ですよ。
代表作の「海」、画面いっぱいに「遊び心」があふれていて実に楽しい絵です。


<北脇昇 「クォ・ヴァディス」>

クォ・ヴァディスとは「いずこへ行き給うぞ」という意味のラテン後とか。
現実感のない風景ですが、置き去られたようなカタツムリの殻が印象的です。
どこか寂寞とした画家の心象風景を感じますね。


<イヴ・タンギー 「聾者の耳」>

「もっとも純粋なシュルレアリスト」と呼ばれたイヴ・タンギーの作品。
海岸らしき場所に不可解な物体が並ぶ絵ですが、不思議に心がなごみます。
イヴ・タンギーは海が大好きな画家だったそうですよ。


<草間弥生 「冥界への道標」>

草間弥生はいつ観ても、どの作品を観ても、スゴイと思います!
これは詰め物をした布や、使い古した靴や木切れなどを組み合わせた造形物です。
何か体の軸を揺すぶられるような衝撃を感じます。

草間弥生は例の赤い水玉アートで知られたオバチャンです。
個人的には日本人で世界で通用する数少ない前衛アーティストだと思います。
信州・松本の出身で、市内に素敵な美術館がありますので、ぜひ!

展覧会を観終わった後、ブラブラと皇居周辺を散歩。
休日にも関わらず「皇居ランナー」は相変わらずえっさえっさと走っていました。
まことにご苦労なことです。



皇居の一番の人気スポットはやはり二重橋。
大勢の人がカメラを構えてパチリ、パチリ、外国人も多かったですねえ。

我が家のピアノ小僧も熱心に撮っていました。
クラシック好きだけにトラディショナルなものに惹かれるのでしょうか。
うーん、よくわかりません。



帰り道に寄ったビルの中庭には桜が咲いていました。
十月桜が咲き残ったものですが、ずいぶん息が長いなあとちょっと驚きました。
春の桜が咲くのはまだまだ先ですねえ。

 


一期一会の空

2013年01月27日 | 日記

氷点下の芸術。

霜柱が地表をぐいと押し上げている。
残虐な気持ちになって靴でぐしゃと押しつぶしてみた。
寒い朝である。

空にはめずらしく雲が浮かんでいる。
最近は「雲一つない冬晴れ!」というのが多かったから味わいを感じる。
空にはやっぱり幾ばくかの雲があって欲しい。

少年野球「銀輪部隊」が通過。
これから久しぶりに試合らしく弾むような勢いである。

ようやく雪が消えて野球場にも活気が戻って来た。
オジサンたちも少年に戻る。
「デカイの頼むぞ!」とベンチから大声が飛ぶが・・・

外角のカーブに体が泳いであえなく三振。
当たれば飛びそうな体格だが、なかなか当たらない。
「球春」などという言葉が浮かぶ。

風が吹くと「ガマの穂」が宙に舞う。
綿クズのような冠毛がふわふわと漂って奇麗だ。

夕方、外出から帰って来ると茜の空。
片々たる雲が時々刻々と色どりを変えていく様に見とれる。
しみじみと「一期一会の空だなあ・・・」と思う。

同じ空、同じ雲、同じ夕焼け・・・というのは二度とない。
人と人との関係も同様である。
それが頭ではわかっているつもりでも
人間関係を粗末にしているなあ、と感じることが多い。
もっと人と丁寧に付き合わなければと思う。



空にポッカリと満月だった。
一期一会の月を見上げながら、わが身の至らなさを思った。