昨日は冷たい雨でした。
梅雨入りだから仕方がないけれど
気温が低く、何やら心まで冷たくなるような雨でした。
何となく仕事をする気にならず
カメラを手に公園に出てはみたけれど
人影もなく、興趣をそそられる風景もなく、思わずため息・・・
こういう光景を見ると芭蕉の句を思い出します。
五月雨を あつめて早し 最上川
芭蕉が「奥の細道」の旅に出かけたのは確か45歳の年でした。
住まいの芭蕉庵を売り払って旅の資金を捻出したと言われていますから
退路を断った相当な覚悟の旅だったに違いありません。
奥の細道の行程はおよそ2400キロ。
弟子の曾良だけを伴っての7ヶ月間に渡る長旅でした。
当時の東北は未開の地でしたから難行苦行の連続でしたが
芭蕉の旅に賭ける執念はすさまじく、彼にとって旅は人生そのものでした。
月日は百代の過客にして 行きかふ年も又旅人なり
最近、どうも怒りっぽくなっています。
ついつい愚痴を言うことも多くなっています。
何より「自分に失望する」ことが増えて来たような気がします。
昔はそんことはなかったのになあと、思わずため息・・・
ふと茨木のり子の詩を思い出しました。
ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのは どちらなのか
苛立つのを 近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
厭なことの一切を 時代のせいにはするな
わずかに光る 尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい 自分で守れ ばかものよ
茨木のり子「自分の感受性くらい」
この詩を読むといつも反省しますね。
ひ弱で情けない自分がどやしつけられた気分になります。
ホント、いい年こいて「ばかものよ!」ですねえ。(笑)
雨の日のブルーは脱ぎ去って
皆さんも、くよくよせずに頑張りましょう。