朝から小雨まじりの空、しかも肌寒い。
ジョギングは断念し、散歩がてら買い物に行くことにする。
買い物は大好きで、我が家の食品関係の購入は一手に引き受けている。
中でも「魚屋」は言葉を聞いただけでウキウキして来る。
ここはスーパーのワンフロアは優にあろうかと言う鮮魚専門店。
魚介類はもう何でも揃っていて、寿司や弁当コーナーまで設けている。
まず目についたのがピカピカのスルメイカ。
刺身もいいし、大根と煮てもいいし、バター焼きなんて手もあるなと思う。
北陸直送の甘エビ。この間食べたけど、ホント、とろけるような甘さだった。
ご存じ伊豆沖の「金目鯛」。これはやっぱり塩焼きかなあ・・・
大好きなカワハギ。肝を溶かしこんだ鍋で頂くと冬場は絶品!
メバルは煮付が一般的だけど唐揚げにしてもウマイ!
大好きなお魚たちに囲まれていると、何やら狂おしいような興奮状態になってくる。
この巨大な貝は「平貝(タイラギ)」。貝柱をスライスしてカボスでも絞って食べたら最高!
サザエもあった。やっぱり「壺焼き」だろうか。とくに肝のホロ苦さがたまりません。
おお、関西人には馴染みの深い「ハモ」だ!
湯引きもいいし、炙ってわさび醤油も、ああ、松茸と一緒に鍋にしたら・・・(絶叫)
と、あれこれとお魚を品定めしていると・・・
なぜか唐突に画家・中川一政の絵を思い出した。
「薔薇」や「駒ケ岳」「真鶴風景」で有名な中川画伯だが、魚の絵も数多く残している。
それが何とも飄逸で存在感があって素晴らしい!
アトリエのあった真鶴の魚屋さんから聞いた話なのだが
画伯から注文があると、彼はその朝一番に港に揚がった新鮮な鯛を持って馳せ参じる。
ところが画伯はその鯛を一日、二日と凝視するばかりで一向に筆を取らない。
そして、やっと対象物(鯛)を我がものとして構想がまとまり
画き出す頃には鯛はすっかり変色して腐臭を放っていたとか・・・
右から左へと書き飛ばすだけの放送作家などとは違って
なるほど一流の画家とはそうしたものかと、大いに感心・得心した覚えがある。
で、魚屋で何を購入したかと言えば・・・
家族の「エビフライが食べたい!」という声に抗しきれず、海老とキスを買って帰宅。
ホントはイキのいい「イナダ」を刺身にしてもらって一杯やりたかった!