取材で明治学院大学を訪れました。
今年で創立150年を迎える歴史ある大学だそうです。
場所は東京港区白金台。
都内でも有数の高級住宅地ですね。
そんな土地の高いところに大学をつくったら
さぞ学費も高いだろうなあと余計なことを心配してしまいます。
入り口近くにみごとな銀杏が一本。
そう言えば神宮外苑の銀杏並木も今が盛りでしょうか。
土地代が高いせいか(妙にこだわってますが)キャンパスは意外に狭く
5分も歩けば突き抜けられそうでした。(笑)
ミッション系らしく礼拝堂がありました。
私の出た大学は生粋の「バンカラ系」でしたので憧れてしまいます。
せっかくだから礼拝でもさせてもらおうかと思いましたが
罪深いオジサンは、とても一時間や二時間の懺悔で済むとは思えず
時間もないので泣く泣く断念しました。(笑)
校内には重文指定の建物もありました。
創設者は医師で宣教師のカーティス・ヘボン博士です。
有名な「ヘボン式ローマ字」の発案者ですね。
大村益次郎などの幕末の志士や島崎藤村もここに学んだそうです。
チリ一つ落ちてないオシャレでキレイな大学でした。
私が大学生だった頃は物々しい「立て看」がキャンパス中に並び
「アジビラ」が風に舞う騒然とした雰囲気でしたが
今では「立て看」も「アジビラ」も知る人がほとんどいなくなり
茫々たる時の流れを思うばかりです。
訪ねた教授を待つ間、食堂でコーヒーを飲みました。
私が大学生だった頃は、食堂と言えば年がら年中「素うどん」でしたし
下駄ばきで通学する学生が何人もいました。
「素うどん」も「下駄」もすっかり消えて、茫々たる時の流れを思うばかりです。(笑)
それにしても・・・
今の学生たちは何を考えているのでしょうか?
どんな問題意識を持って勉強しているのでしょうか?
私の頃は社会の「矛盾」や「不正」に真っ先に反応するのが学生でした。
60年~70年代の学園紛争はその最たるものでしたが
あれ以後、大学は牙を抜かれたように「先鋭さ」を失ってしまいました。
飼いならされた猫のような大人しい学生ばかりになってしまいました。
世の中には「矛盾」や「不正」が
あの頃の何倍も溢れかえっていると言うのに・・・
女学生たちの屈託のない平和なお喋りを聞きながら
オジサンはそんなことを考えていました。