まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

台風一過の空に・・・

2016年08月31日 | 日記

世間を騒がせた迷走台風は
岩手県大船渡の沿岸から日本列島を突っ切って
日本海で温帯低気圧になりました。

台風直撃をまぬがれた東京都内の空。
スカイツリーの上にはポコポコと平和な雲が流れ
すっかり「台風一過」の気配でした。
せっかくのバイト休みだと言うのに何もする気になれず
一日中、ベッドの上でゴロゴロ状態。
夏の疲れがドッと出たようで使い物になりませんでした。

おお、虹が出ました!
久しぶりのような気がしますねえ。
根本までクッキリと見える結構大きな虹でしたが
何もせず無為に過ごした日の終わりに
こんな美しい虹を見るのは嬉しいような申し訳ないような
ちょっと複雑な気持ちでした。



台風の直撃を受けた東北沿岸。
大きな被害がなかったのは何よりでしたが
その後、福一(福島第一原発)はどうなっているのでしょうか。
先日、小さな新聞記事で福島の原発事故処理にかかった
国民負担の費用がすでに4兆円を超したと報じられていました。
あくまでも除染や汚染物質処理、損害倍書の費用で
これから本格的な「廃炉」作業が始まると
その額はおそらく天文学的にふくらんで行くのでしょう。
汚染水の流入を防ぐ「凍土壁」の建設も
どうやらうまく行っていないようで難問山積の状態です。
ひたすら政府にすがるだけの東電の無為無策ぶりにも呆れますが
そうした現状を全く報じないマスコミの無責任さには
心底、腹が立って来ますし、失望しますね。
押しつけがましいチャリティー番組などいい加減にしてくれ!

夕焼けに染まる西の空。
遠くに見える雨のすだれがとても幻想的でした。
アフリカ諸国歴訪の安倍首相は
各地で「開発援助」の約束手形を切りまくってご満悦でしたが
フクシマの現状を本当にどうするつもりでしょうか。
台風一過の空に日本の未来を憂えるオジサンなのでした。

 


ゴッホとゴーギャン

2016年08月30日 | 日記

駅で見かけたポスター。
ゴッホとゴーギャンがやって来るそうだ。
10月の東京都美術館、こりゃあ、大いに楽しみである。

ゴッホとゴーギャンのカップリング。
単独の美術展としてはおそらく初めての試みではなかろうか。
両者の因縁からすると今までなかったのが不思議で
東京都美術館もなかなか粋なことをするなあとチト感心した。
おそらくこの秋の目玉になるのだろうが
若冲展のように異様な混みようだと困ってしまうなあ・・・

今回は二枚の《収穫》がやって来る。
これはファン・ゴッホがアルルの小麦畑を描いた「収穫」だ。
お得意のモチーフで力強い筆致と
あざやかな色彩がいかにもゴッホを思わせる。
自身「他のすべての作品を完全に圧倒する」と
弟テオへの手紙に書いたようにかなりの自信作と思われる。
まあ、作者の自画自賛は往々にしてアテならないが
ファンとしてはやはり期待してしまう。



一方、ゴーギャンの収描く《収穫》は
日本初公開となる「ブドウの収穫、人間の悲惨」だ。
この絵のどこが悲惨なのかよくわからないが
ワイン用のブドウの収穫を描いた絵はアルルで見かけた光景で
そこにブルターニュの女性を配した、実際にはない言わば創作である。
ゴーギャンもこれは自信作だったようで
パリの友人に「今年描いた最高の絵画だ」と書き送っている。



オランダの牧師の家に育ったファン・ゴッホ。
南米ペルーで幼年期をすごしたゴーギャン。
生い立ちや性格だけでなく
画風もまったく違った二人の画家が
南仏アルルで二ヵ月の共同生活を送ったことはよく知られている。
ゴッホの有名な「耳切り事件」は
ゴーギャンとの確執が原因とも言われているが
互いの熱情をぶつけ合い刺激を与え合う友人だったらしい。
そんなスキャンダラスな興味も含めて
この秋、楽しみな展覧会である。


アメリカン・スナイパー

2016年08月29日 | 日記

遅まきながら・・・
映画「アメリカン・スナイパー」を観た。
封切り時に見逃したままになっていた2年前の映画である。

戦争映画としては「プライベート・ライアン」を凌ぐ
史上最高の興行成績をおさめたと言う。
ただ、いかにもアメリカらしい「戦争賛美」映画ではなく
と言ってあからさまな「反戦映画」でもなく
そのさじ加減がさすがクリント・イースドウッドである。
イラク戦争に4度従軍したクリス・カイルが記した
自伝「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」が原作となっている。


かつてアメリカにとって戦争と言えばベトナムだったが
今やイラク戦争こそが最大のトラウマなのである。



カイルはカウボーイに憧れるテキサスの青年だったが
1998年のアメリカ大使館襲撃事件をテレビで見て愛国心にかられ
海兵隊の特殊部隊「シールズ」に志願。
スナイパー〈狙撃手〉としての類まれなる才能を発揮し
やがて「レジェンド(伝説)」と呼ばれる存在にまでなっていく。
しかし、同時多発テロを契機に
アメリカが泥沼の戦いへと突き進んでいく中で
彼もまた戦争に傷つき、戦場の忌まわしい記憶に苛まれていく。

私生活ではバーで知り合ったカヤと結婚し
二人の子供も授かって傍目には順調そのものだったが
仲間が戦場で次々と傷つき、倒れていく様子を目の当たりにする中で
カイルはPTSD(心的外傷ストレス障害)に蝕まれていく。
戦地から戻って愛する家族に迎えられても
彼の心は「戦場」のままだった。
実際、イラク戦争でPTSDに陥ったアメリカ兵は
二万人とも三万人とも言われ
世界の警察官が支払った戦争の代償はあまりにも大きく
癒しようもなく深いのである。
実にあっけなく示唆に富んだ映画のラストがいい。

道に転がっているセミの亡骸を片づけていると
カマキリがお食事中だった。(笑)
バタバタともがくセミの喉もと(?)に食らいつき
勝ち誇ったように抑え込んでいる。
うーん、「夏のスナイパー」は何とも残酷だなあ!
弱肉強食、食物連鎖、自然淘汰、栄枯盛衰・・
いろんな言葉を思い浮かべつつ
オジサンは慌ててその場を立ち去ったのである。


つまらない男

2016年08月28日 | 日記

またまた台風ですよ。
一度は南方海上に去ったと思っていた台風が
フラフラと迷走しながら、突然、向きを変えて帰って来ました。

やっと嫁にやってホッとした筈の娘が
婚家との折り合いが悪く、突然、出戻って来るようなもので
まことに迷惑な話であります。(笑)
聞けば過去最大級という性質の悪い台風らしく
日本列島への影響が心配されます。
そうそう影響と言えば・・・
この人の不用意な発言が波紋を広げていますねえ。



民進党の代表選に出馬を表明した蓮舫議員が
岡田代表を「大好きです!」などと持ち上げながら
返す刀で「本当につまらない男です」とバッサリ斬って捨てました。
外国人特派員協会での記者会見は
時々、思わぬホンネの発言が飛び出すので面白いのですが
うーん、この発言はいかがなものでしょうか。
どんな立場の人間にしろ
女性から「つまらない男」と一刀両断された男性は
面目丸つぶれで、立つ瀬がありません。
もし私が言われたら、ショックで三日間は寝込みますね。
いろいろいい訳をしているようですが
カメラに向かって「編集しないで」と断ってからの発言ですから
これはほとんど確信犯ではないでしょうか。

言われたご本人は平静を装って大人の対応に終始していますが
実ははらわたが煮えくり返っているのでは・・・
まあ、確かに蓮舫議員の言う通り
この人は本当に面白味のない「つまらない男」ですね。
誰かが「原理主義」と呼んでいましたが
とにかく真面目の上に「くそ」がつくぐらいの謹厳居士で
パフォーマンスなどにはおよそ縁のない人です。
その誠実さは誰しも認めるところですが
最大野党の党首としてはもう少しなんとかならないものか
もうちょっと冗談の一つも言えないものか
いつも歯がゆい思いで見ています。

世の中には「つまらない男」が山ほどいますね。
私はそんな男と一緒になるとついつい
お前、本当につまんねえ人間だなあ、と罵倒しそうになります。
もちろんそんなヤボなことはしませんが。

とにかく自慢話が多い男。
人の批判ばかりしている男。
子供が出来たとたん保守的になる男。
食にまったく興味のない男。
携帯ばかり気にしている男。

イライラして二度と顔を見たくないと思ってしまいます。
まあ、それぞれの性格や事情もあるので
人を悪しざまに批判することは避けたいものですが
そんな優柔不断なことを言うと
私も「つまらない男」と批判されるのでしょうか。


雲ながるる果てに

2016年08月27日 | 日記

積乱雲だらけの空でした。
デッカイ雲が次から次へと湧きあがっては
大空を流れて行きます。

これぞまさに夏空の醍醐味ですねえ。
昨日は雲に見とれてばかりで仕事になりませんでした。
いい年こいたオッサンが大口空けて
雲に見とれているようでは日本の将来が心配になります。
先日、何かの雑誌で性格占いを見ていたら
雲が好きな人は「現実逃避型」と書いてありました。
うーん、そうかも知れません。

それにしても・・・
壮大な雲のドラマは見ていて飽きません。
雲のかたちはまさに千変万化
あたかもスペクタクル巨編映画を見るようで
ドキドキが止まりません。
そんなノーテンキなことを言っているのは私だけかと思ったら
先日、職場の先輩に聞くと・・・
「私もこの季節の空を見るのが大好きなんだ」という返事。
同志を得たような喜びで思わず手を取り合いました。
この先輩は武蔵野美術大学の出身で
かつてはデザイン事務所を経営して一世を風靡した方ですが
わかる人にはわかるんですねえ。(笑)



その昔、「雲ながるる果てに」という映画がありました。
私が生まれた年、1953年の作品ですから
もう60年以上も前の映画です。
社会派の名匠として知られる家城巳代治監督が
戦没海軍飛行予備学生の手記をもとに描いた反戦映画です。

鶴田浩二、木村功、岡田英次など
独立プロらしからぬオールスターキャストでした。
本土南端の特攻隊基地を舞台に
祖国防衛のために出撃していく特攻隊員たちの
短い青春をリアルに描いています。
どこかの名画館で観たと思うのですが筋書きは覚えていません。
夜来の雨があがって出撃の朝
仲間に「戦争のない国で待っている」と言い残し
飛び立っていく隊員たちの緊張した笑顔と
雲ながるる果てにというタイトルだけを鮮明に覚えています。
数ある「特攻隊映画」の中でも
とくに印象深い映画だったような気がします。

ツカイツリーの上に次々と雲が湧き
雄大に流れて行きます。
特攻隊員たちにとって流れる雲の果てにあるのは死でしたが
その犠牲によって「戦争のない国」が実現しました。
もう二度と再びそんな時代が来てほしくありませんねえ。