まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

100歳の映画監督

2012年05月31日 | 日記

やっと仕事が一段落ついて
昨日は心置きなく「公園のオジサン」となった。

まばゆい初夏の陽射しを浴びて走る。
紫陽花もちらほら咲き始めてそろそろ梅雨の気配だ。

蝶が「無心」で飛び回る姿を見ると心が和む。
人慣れしているのかカメラを近づけてもじっとしている。
ん、草むらに何か赤いものが・・・

ヘビイチゴだった。
蛇が食べるからその名がついたという説もあるし
イチゴを食べに来る小動物を蛇が食べるから名前がついたとも言われる。
いったいどっちやねん!

泰山木の花も開き始めた。
匂いを嗅いでみたいが高くて届かない。
泰山木を見るといつも「泰然自若」という言葉が浮かぶのは何故だろう。

映画監督の新藤兼人さんが亡くなったという知らせを聞いた。
享年100歳、まさに「泰然自若」として生きた映画人だったと思う。
ついこの間、新作「一枚のハガキ」の公開にあたって
お元気な姿を拝見したばかりだったのでちょっと意外だった。

二度ほどお顔を拝見したことがある。
若い頃、私が通っていたシナリオ学校に講師で来られた。
親しくお話をしたことはないが、柔和な笑顔で朴訥な広島弁が印象的だった。
ただ、映画を語る時は「眼光鋭く」ちょっと怖い感じもあった。

一般的には映画監督だが、優れた脚本家でもあった。
ご自身は「社会派」と呼ばれる骨太な映画をコツコツと作り続ける一方
他の監督の映画にも脚本を提供され、ヒット作も多かった。
黒沢明が映画界を代表するスター監督なら、それとは見事に対照的だった。
つねに資金繰りに窮する弱小映画会社「近代映画協会」を率い
まさに「地を這うよう」に映画をつくり続けた雑草の趣があったように思う。
その後、ATGを始めとする数多の独立系映画会社が雲散霧消する中
近代映画協会は今なお健在で、世に作品を送り続けている。
それはひとえに新藤さんの力ではなかろうか・・

心に残る作品はいくつもある。
音羽信子さんとの運命的な出逢いとなった「愛妻物語」は忘れられない。
中でも「裸の島」は鮮烈だった。
セリフが一言もない「映像詩」でありながら実にドラマチックな作品だった。
心をわしづかみにされるような映像の力に感嘆した記憶がある。



それにしても100歳はすごいなあ、と思う。
先日、引退宣言はされたものの「生涯現役」だった。
私も生涯現役でありたいとは思うが、果たしてそんな情熱を維持できるかどうか・・・
生きていても「死んでいるような」人間が多い中
晩年の新藤さんは色紙を求められると、決まってこの一言をしたためたと言う。


いみじくも山田洋次監督が口にしたように
「仰ぎ見るような」映画界の巨人だったと思う。合掌!


巨人・大鵬・玉子焼き

2012年05月30日 | 日記

先日、ダービーの馬券を買いに行った帰り
池袋方面に出ようと東京ドームの前を通りかかった。

東京ドームは言うまでもなく読売巨人軍のホームグランドである。
昔は後楽園球場と言ったが、今はもう知る人も少ない。
もちろん野球だけでなく各種のイベント、コンサートも行われる。

遊園地も併設していて一大レジャータウンとなっている。
週末などは大勢の子供や若者たちで「イモの子を洗うよう」な騒ぎである。
この水道橋駅近くに好きな居酒屋があって、時々出かけるが、しばらく入行っていない。

ドームのすぐ横に系列のホテルもあって、ここのバイキングは結構いける。
そんなことはどうでもいいのだが、高い建物を見るとつい写真を撮りたくなってしまう。
こういうアングルはどうだろう、面白くないかな?

この日はちょうど巨人vs日本ハム戦が行われていた。
どうやら巨人が勝ったらしく、ファンが満足そうにゲートからゾロゾロと出てくる。
この間までチームはどん底だったのに、すっかり調子づいてしまった。

ハッキリ言って私は巨人が大嫌いである。
巨人そのものより、横暴かつ傲岸不遜な「巨人的体質」が大嫌いなのである。
権力や中央集権や官僚が嫌いなのと同根である。
嫌いになった直接のきっかけは例の「江川事件」だが、それを知る人ももう少ない。
少年時代は熱心な巨人ファンで野球選手に憧れた。
と言うより、私の世代はテレビの野球中継は巨人戦ばかりだったから
自然にそうなったと言った方がいい。



私は「巨人・大鵬・玉子焼き」と呼ばれる世代である。
この間、若いディレクターにそんなことを言ったら怪訝な顔をされた。
無理もないと思いつつも、ちょっと淋しかった。
要するに子供の好きなものを羅列しただけで、確か昭和30年代の流行語だった。
好きだった「巨人」は嫌いになり、無敵の強さを誇った「大鵬」はすでに土俵を去り
残ったのは「玉子焼き」だけだが、昔ほど好きではなくなった。



勝利の喜びに沸く巨人ファン。
女の子が多いのにちょっと驚いてしまう。
女性はいつだって強いもの、華やかなものに憧れるんだよな・・・

この女の子たちはみごとな関西弁だった。
新幹線の時間を気にしていたから、わざわざ東京までやって来たのだろうか。
東京ドームで巨人戦を見るのが今どきのオシャレのようだ。

東北弁のオッサンも熱心に激写中。
ひょっとして「巨人・大鵬・玉子焼き」の世代かも知れない。
そう言えば、このコピーの考案者が堺屋太一氏だというのは余り知られていない。
コピーのもともとの真意は「子供が好きなもの」ということではなく
大人になってからも相変わらず子供と同じようなものが好きだと大騒ぎしている
「半人前で子供っぽい使えない大人」を揶揄した言葉だったと言う。
うーん、俺もそんなところあるなあ・・・

地下鉄の後楽園駅の前で時ならぬ行列を見かけた。
いったい何事か、何か事件でもあったのかと、隣の人に聞いてみると・・・

  「ああ、巨人の選手が出てくるのを待っているんですわ」
  「へえ・・出待ちですか!」
  「そうそう、出待ち。まるで芸能人ですな。アホらしい!」

と言いつつ、オジサンはその場を立ち去る様子はなかった。

その「出待ち」の列にいたオレンジのカップル。
お互いの顔を見つめ合いながら、とても微笑ましくいい感じだった。
悪いこと言わんから、巨人ファンなんかやめなはれ!
出待ちなんかせんと、とっとと二人でどっかへ行きなはれ!
と言いつつ、オジサンは地下鉄の駅に向かった。

 


虹の実況中継

2012年05月29日 | 日記

昨日、いつものジョギングを終えて仕事場でPCに向かっていると・・・

昼過ぎ、風が強くなったと思うと、突然、東の空に暗雲が・・・
最近はどうも大気が不安定なようで、こういう日が多いような気がする。

見る見る雨が降り出して来た。
時々、雷鳴も轟いて、あたりが暗くなって来た。
天候が大きく変わる時はついワクワクしてしまって、仕事に手がつかない。

豪雨と言っていいほどの激しい雨。
ベランダもたちまち水浸しになって来る。
下では逃げまどう人たちの悲鳴のような声が聞こえている。
ああ、可哀そうに・・・

雨の帯が渦巻くように空を駆け巡っている。
新宿の高層ビル群も見えず・・・
それでもいつしか雷鳴が遠ざかり、一時間ほどで雨もあがった。

ふと見ると、東の空にキレイな虹がかかっていた。
虹を見るなんてずいぶん久しぶりだ。
また仕事が手につかなくなってカメラを持ち出しベランダでパチリ、パチリ。

雨あがりの木々がまたひときわ新緑を際立たせている。
子供みたいに思わず表に飛びだしたくなったが、ここはガマン、ガマン。

この虹をどれだけの人が見上げているのだろうか・・などと思う。
そう言えば「♪ Somewhere Over The Rainbow・・・」なんて歌があった。
ジュディ・ガーランドがミュージカル映画「オズの魔法使」の中で歌っていた。
確か戦前の映画だが田舎娘役のガーランドが可愛かった。
「虹の彼方」には何があるのか・・・そう考えるだけで楽しくなって来る。



雲が晴れて新宿の高層ビルもくっきり・・・

お、今度は空高くさらに大きな虹が・・・
うーん、なんか儲けたような気分になって来た!
人生も暗雲が去った後には素敵なことが待っているかも知れない。

    雨去りて 五月の空に 虹を見る (杉作)

虹が消えた後はきれいな夕焼けだった。
以上、他愛のない「虹の実況中継」だったが
ちょっと得した気分になっていただいたのではないだろうか?

 


成長力

2012年05月28日 | 日記

気持ちのいい新緑の中を「速歩」で歩く、
週末はパートナーの「ピアノ小僧」も一緒に汗を流す。
その木立の中でビックリするような「光景」を目にしてしまった!

これはつい2週間ほど前に撮った「タケノコ」の写真。
先日のブログに掲載し「こんなに伸びたら食べられない」などと書いた。
高さはせいぜい50~60センチだったように思う。
それが、しばらく見ない間に・・・

な、なんとこんなにデカくなってしまっていた!
まさに木立を突き破らんばかりに空に向かって聳えているではないか!
高さにすると3メートル以上にもなっている。
もう「タケノコ」ではなく立派な竹だ、いや、立派すぎるぐらいだ。
竹の「成長力」の凄さは話には聞いていたが、まさかこれほどまでとは・・・
ちょっとミステリーでも見る思いで茫然としてしまった。



オジサンにはもはや成長の余地はないが
子供たちの成長力には時に舌を巻くことがある。
ずっとクリア出来なかった課題を、ある日突然、いとも簡単に達成したり
まだまだ幼いと思っていたのに、驚くほど大人びた言葉や行動で大人を唖然とさせたり
とにかく「発見」に満ちあふれた生きものである。



この人はどうであろうか・・・
もともと小柄で華奢な体だったが
先日、「これからは前に習えをしなくていいから楽になった」などと言う。
普通、学校で整列する時には身長順にそれぞれ両手を前に揃えて並ぶが
今度から手を腰に当てるだけでよくなったと言うのだ。
要するに「一番前」ということではないか!うーん、成長がとまっているのか・・・
身長はともかく、この夏はピアノの発表会や初めてのコンクール出場が控えている。
驚くべき「成長力」をぜひ見せて欲しいものだ。



森の中でちょっと見慣れない白い花が咲いていた。
調べてみると「カルミア」という花だった。
おわんを伏せたような花びらの中に星型の可愛い模様が見える。
小さい花だがとても存在感がある。要するに体の大小ではなく「存在感」なんだ!

午後から久しぶりに後楽園のWINSに出かける。
最近はすっかり馬券から遠ざかっていたが、やは「りダービー」は特別だ。
本当は競馬場に行きたかったけれど・・・

みんな一心不乱に馬券の検討中。
混んでいるように見えるが、昔はこんなものではなかった。
馬券売り場は長蛇の列で立錐の余地もないほどの熱気につつまれていたのに・・・
競馬人気の低迷は深刻で、売り上げ減にも歯止めがかからない。
さて、東京優駿「ダービー」である。
私はブログでも宣言したようにC・ウイリアムズ騎乗の
ディープインパクト産駒「トーセンホマレボシ」に一票を投じたのだが・・・

勝ったのは同じディープ産駒でも「ディープブリランテ」の方だった。
2着馬フェノーメノの追撃をクビ差かわして、みごと7500頭の頂点に立った。
あり余る才能を持ちながら、最近は2着、3着続きで人気を下げていた。
その間に人智を超えた「成長」を遂げていたのだろう。
ゴール後、岩田騎手が馬上で泣き崩れている姿を見てジーンと来た。
私の狙ったトーセンホマレボシは残念ながら3着だった・・・



人も馬もタケノコも「無限」の成長力を秘めている。
最近、何かと存在感が希薄になっている「日本経済」だってそうではないだろうか。
バブル崩壊以後、国民もすっかり自信を失っているように見えるが
まだまだ捨てたものじゃない、潜在的な「成長力」は相当なものだと思う。
もう一度自信を取り戻して、輝きを取り戻して欲しい。
そのためには政府の「成長戦略」が欠かせないのは言うまでもない。
オジサンだって、ひょっとして、まだどこかに成長の余地が残っているかも知れない。



 

 


回転寿司は文化か

2012年05月27日 | 日記

久しぶりに回転寿司に出かけた。

いつもの公園の近くにあるチェーン店だが我が家のお気に入りである。
その下の「溶岩焼き肉」もちょっと惹かれるが入ったことはない。

いつもは30~40分待ちはザラなのに時間が早いので意外に空いている。
実はこのブログでも「スシロー」は何度か取り上げていて
読者から「単なる店の宣伝じゃないですか!」とお叱りの声も受けるが
断じて「宣伝費」や「賄賂」の類は貰ってないので、念のため・・・

しばらく来ない間に「タッチパネル」方式に変わっていた。
以前は流れている寿司以外のものを注文する時はインターホンだったのだが
店内の騒音で聴こえにくかったり、混んで待たされたり、大変だった。
これでずいぶん便利になったが子供はゲーム感覚でドンドン注文する。オイオイ・・



家族の一番人気が「海老アボカド」・・・ちなみにアボガドではなくアボカドだそうだ。
私は食べないが、アボカドの熟し具合いが絶妙らしい。
玉ねぎが惜しげもなくテンコ盛りになっている。

好物の「シメサバ」を頼む。
関西で言う「バッテラ」だが、ちゃんと薄い昆布をまとっていて
酢の加減もサバのシメ具合もなかなかである。

これも人気の「サーモン」だが、上に大根おろしがのせてあるのがニクイ。
これにちょぴっとお醤油をたらして食べると美味。
何にでも「ひと手間」加えてあるところがこの店のいいところだ。



これは「胡麻アジ」の軍艦。
新鮮なアジをざっくり叩いて胡麻油で和えてある。
ちなみにお米は契約農家の100%国産米でシャリも実に美味しい。

ドンドン客が増えてきて厨房は戦争状態のようだ。
その喧噪の中で「うーん、回転寿司はもはや日本の文化だな・・・」などと思った。
先日、私が愛読するブログの女性が昨今の「AKB現象」を取り上げて
日本文化の衰退、荒廃を大いに嘆いておられた。
私もAKBには眉をひそめる一人で、日本人の「幼児化」には大いに危惧を抱く。
いかに「現象」に過ぎないと言いつつも、AKBはすでに「巨大産業」に成長している。
その巨大マネーの「おこぼれ」にあずかるマスコミも挙って媚を売り
吹けば飛ぶような芸人・河本淳一は叩いても、「AKB批判」などついぞ口にしたことがない。
文化の問題も嘆かわしいが、そのことの方が怖いと思う。



お口直しに食べた「カンパチ」が美味しかった。
鮮度もさることながら下に敷いてある「オオバ」の風味がうれしい!

最近のお気に入りはこの「キス天握り」である。
揚げ物もすべて店内調理だから揚げたてアツアツでやけどしそう!
キスのホコホコとした食感は抜群!但し、ボリュームがあるから息子と半分ずつ。



最近、新しくメニューに加わった「ローストビーフ」。
国産牛ではないとは思うがお肉はやわらかくて大変に美味しゅうございました。
上にのった西洋ワサビがツーンと鼻に来て涙が出た。



そんなこんなで、またまたビールの杯が進んでしまった。
ひと皿すべて105円、家族三人で腹一杯たべて5000円でお釣りが来た。
まことに安上がりな「日本文化」ではないか。
食べ過ぎを反省しつつ、俺はやっぱり「AKB」より「回転寿司」だなあ、と思った。