まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

野仏に会った

2011年11月30日 | 日記
昨日は「チャリンコ逃避行」で新座市の平林寺を訪ねたが
その帰りに近所をもう少しブラブラしてみた。
このあたりの地名は「野火止」(のびどめ)と言う。



その昔、焼畑農業が盛んだった頃、野焼きの火が住居に飛び火しないよう
見張りの塚や堤を設けたことが地名の由来となったらしい。



平林寺の裏手を流れている小川は「野火止用水」と呼ばれている。
何ともロマンあふれる名前ではないか。
用水の傍らには赤い帽子と前垂れをかけたお地蔵様。



真新しい花が手向けられているのは
地元の人がこのお地蔵様を大事にしている証なのだろう。



野火止用水は立川から新座市を通って新河岸川へと注ぐ。
もともとこのあたりは関東ローム層の乾燥した台地で水が乏しかったため
今から350年ほど前、川越城主だった松平信綱が
多摩川から灌漑用の水を引いたのがその始まりだと言う。(パンフレット)



一時は生活用水が流れ込んで衰退の危機にあったと言うが
地元のボランティアが水質浄化に取り組み
今は貴重な「歴史遺産」として新座市が史跡に指定して保護している。



平林寺裏手の原生林は今も武蔵野の面影を色濃く残している。
野鳥のさえずりがひっきりなしに聴こえて来る。



農家の庭先に咲く野菊の花。
何ということもない風景だが思わず足が止まる。



用水は森の中を、住宅街の脇を、幹線道路の下の暗渠を貫き
とこまでも伸びていく。



畑の傍らに建つ野火止用水の碑。



前方を小さな女の子が走って行く。
どうやらお爺ちゃんと散歩に来たらしいが飽きたのだろう。
「おじいちゃん、もう足が疲れた。お家に帰りたいよう。お爺ちゃん!」



時々、ジョギング中の人と出会う。
こんな「牧歌」の中を走ると気持ちがいいだろうなあ・・・



「ああ、いい風景だなあ」と、また足が止まる。いや、自転車を止める。
スケッチブックを持ってくればよかったと思う。



民家の軒先にはオレンジ色の「残り柿」。
晩秋から冬にかけての里山の代表的な風物詩だ。

  行き暮れて 思うことありや 残り柿  (杉作)



行き暮れた先で出逢ったのが畑の「野仏」。
冬枯れの大地にぽつねんと並ぶ石仏たちの寂寥と慈愛。
周りに人がいないのを見計らって、思わず頭を垂れてしまった。

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チャリンコ逃避行

2011年11月29日 | 日記
仕事に行き詰ると無性にどこかへ行きたくなる。
いや「逃げたくなる」と言った方が正確かも知れない。
ジョギングでは余りにも日常なので
そんな時は愛用のチャリンコを転がしてちょっと遠出をしてみる。



で、やって来たのが埼玉県新座市の「平林寺」だ。
自転車で一時間ほどの距離にある。
以前に「紅葉の名所」と聞いたことがあって地図を見ながらやって来た。



噂にたがわず境内は真っ赤だった
ウィークデーにも関わらず人が多い。
ここは臨済宗妙心寺派の名刹で座禅道場にもなっているらしい。



普段から公園の紅葉を堪能しているので
ブログに「紅葉を見に観光名所へ行く人の気が知れない」などと書いたが
やはり「本場は違う!」と反省した。



私の中古カメラは発色が悪いので臨場感をお伝え出来ないのが残念だが
文字通り「燃えるような赤」で、紅葉とはかくなるものかと見とれてしまった。
周りからも「おお!」とか「いやあ!」とか感嘆の声しきり。



境内のたたずまいも、どこか京都の古刹を思わせるような風情がある。



これは樹齢500年という「高野槇」の巨木。
紀州・高野山に多く自生していることからその名がついたと言われている。
水に強くて朽ちにくいことから風呂の湯船に使われることも多いとか。
私も以前「高野槇」の風呂に入ったことがあるが香りも肌ざわりも素晴らしかった。



紅葉の中の「鐘楼」もなかなか趣きがある。



境内の奥には川越城主・松平信綱公の墓所。
三代将軍・家光にも仕えた信綱は知才あふれる名君だったと言う。



境内の広さはおよそ13万坪。
武蔵野の面影を色濃く残す森は国の天然記念物にも指定されていると言う。
野鳥の声があちこちから聞こえてくる。



どこへ行っても紅葉、紅葉、紅葉。



その鮮やかな赤の残像が
目を閉じても瞼の裏に焼きつくようだった。



帰り際、山門の脇に掲げてあった一句。
仕事の方も「待ったなし」なので急いで帰らないと・・・

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AKBがやって来た!

2011年11月28日 | 日記
ジョギング帰りにスーパーに寄ったら
何やら黄色い歌声と怒号のような歓声が聞こえて来た。
いつもの「アンパンマンショー」とは様子が違うのでちょっと覗いてみると・・・
な、な、なんと!



AKBが来ているではないか!
揃いのコスチュームとミニスカートでステージ狭しと歌い踊っている。
そうか、とうとう我が団地にもAKBが・・・と思ったのだが、ちょっと様子が違う。



どこか「イモ臭い」と言うか「垢ぬけない」と言うか・・・
今をときめく「AKB48」にしてはあまりにも地味で輝きがない。
それに人数も10人ほどだし・・・



見れば「AKB48」とはどこにも書いていない。
その名は「AKBN(AKABANE)」。
北区の赤羽で結成されたアイドルグループでちょっと話題になっているらしい。
予算0、所属タレント0から紅白出場を目指すというのがウリだと言う。
要するにAKB46のパロディと言ったところか。



にも関わらず、ステージ前では「親衛隊」らしき男連中が陣取り
歌に合わせて体を揺すり、手を突き上げ、聴くに堪えないダミ声で合いの手を入れる。
最初は冗談かと思ったが表情は陶酔感にあふれている。
これは一体全体、どうなっているのか・・・



坊やも手すりにつかまって食い入るように見つめている。
お世辞にも可愛らしいとは言い難い、ごく普通のありふれた女の子ばかりだが
その表情からは「輝こう!」「輝きたい!」という切実感が漂っている。
見ているこっちが恥ずかしいような、息苦しいような気分になって来る。



まあ、考えてみれば「本家のAKB」だってつい数年前までは
秋葉原のオタクを相手にヘタな歌やダンスを披露する冴えなイモねえちゃん達だった。
それが今や日本中の男たちが「ニヤニヤ」する一大アイドルグループにブレイク。
AKB関連の番組製作会社やイベント会社は業績が急上昇と言うから
おそらく「日本経済」に与えるAKB効果も少なくないはずだ。



それもこれもすべては「この人」のお蔭なのだが・・・
一体、何をしようとしているのか、どこへ行こうとしているのか、皆目、見当かつかない。
日本の男たちの深層に巣食う「ロリコン願望」をみごとに看破し
巨大ビジネスに育て上げた手腕には敬服するものの、どれだけ儲けたら気が済むのか?
芸能界に憧れるだけのアホ娘たちを、全国からかき集め、甘い言葉で騙し、調教し
テレビと結託して大儲けしても、その先に果たして何があるのか?
毎月の家賃にも汲々とするフリーランス男は、やっかみ半分でそう思うのである。



そんな資本の論理も商業主義の罠も露知らぬ女の子たちは
精一杯の笑顔をつくり、身をくねらせ、男たちに媚を売るように歌う。
赤羽から紅白を射とめたら、それはそれで快挙なのだろう。
だが、その先に何があるのか・・・



男たちの怒号と歓声は続く。
このままで日本は本当に大丈夫だろうか・・・と思いつつ
大きくため息をついて会場を後にした。

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銀座の愉しみ

2011年11月27日 | 日記


久しぶりの銀座だ。
最近は接待してくれるようなお大尽も少なくなって、めったに飲みに来ることもない。
それでも銀座には「心浮き立つ」独特の雰囲気がある。



週末の銀座は歩行者天国。
ほとんどが買い物客だが私には別の愉しみがある。



銀座は小さなギャラリーが点在する「画廊の街」だ。
バブルの時代は絵画の価格が高騰して「投機熱」で大いに湧き返ったが
最近は本来の静けさに戻ったようだ。



そんな小さな画廊をブラブラ覗いて回るのが好きだ。
美術館に飾られる巨匠や大家の絵と違って無名の画家や新人の作品ばかりだが
その中に輝くような「異彩」を放つ作品に出逢うことがある。
自分だけの「名画」を見つける愉しみだろうか。



ほとんどが「入場料無料」だし、何より空いているからゆっくり観賞できるのがいい。
時には思わず「欲しいなあ!」と触手が伸びそうになる一枚もある。
あるにはあるが、やはり先立つものが・・・



何やら「芸人さん」のような名前の画家の個展に興味を持ったのだが
ふと、向こう側に女性の名前が見えた。



女流画家の個展かと思ったが「作陶展」とある。
陶芸の個展というものをあまり見たことがないので覗いてみた。



奇抜なアート作品ではなく楽しそうな「生活雑器」だった。
どれもシンプルで使いやすそうな器だが絵柄にちょっした「遊び心」がある。
思わず見入ってしまった。



千葉で作陶教室をやっているという「女主人」は朗らかで豪快な人だった。

  「あの、写真撮らせてもらっていいですかね?」
  「え、写真!私の??」
  「あ、いや、作品の・・・」
  「ハハハ・・そうですよね。どうぞどうぞ!」
  「ちょっとブログに載せたいなと思って」
  「ブログやっておられるんですか。更新とかしてます?」
  「ええ、一応、頑張って毎日・・・」
  「偉いわあ!私もやってるんですけど、全然、更新してなくて、ハハハ」



「器は人なり」と言うかどうかは知らないが
どの作品も奇をてらったところ全くがなく
生活感あふれる中にも独特の「大らかさ」「楽しさ」がある。



生活雑器はやはり使い勝手のよさが一番なのだろう。
しかし、いい器には「ああ、これにアレを盛ったらいいだろうなあ」と思わせるような
使い手のイマジネーションを刺激する「訴求力」がある。



それに比べて我が家の生活雑器は使い勝手ばかりで
夢かないし、使う楽しさもイマジネーションもないよなあ・・・と心の中でぼやく。
暮らしの中の「イノベーション」の必要性を痛感した。

   アトリエ金澤陶芸教室   http://www1.ka1.koalanet.ne.jp/kanazawa/



その後、ブラブラ歩いているとこんな風景に出会った。
とても銀座のど真ん中とは思えぬ「うらぶれた」路地の風景。



剥き出しの配管がちょっと痛ましいようなビルの裏。
常に取り澄ました表情でスキを見せない「あの人」の中に
思わぬ人間臭さを見たようで、思わずほくそ笑んてしまった。


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銀座YAMAHA

2011年11月26日 | 日記
息子のお伴で銀座の「YAMAHA」へ出かけた。



クラシックに限らず音楽に携わっている人にとって
ここはある意味で「聖地」のような存在だと聞いたことがある。
我が家のピアノ小僧もスキップして出かける。



音楽関係の書籍やCD、DVD、楽譜などが棚にギッシリ。
興味のない私はとたんに手持無沙汰になる。



POPS系もあるにはあるがクラシック関係が圧倒的に多い。
お客さんも「深窓のご令嬢」といった上品な方々が圧倒的に多い。
私のような「演歌ファン」はお呼びでない。



息子が熱心に見ている「楽譜」コーナー。
最近はなぜかワーグナーに凝っているようで目を輝かせてかぶりつく。
そのくらい学校の勉強も熱心になれよ!



息子がチラシの裏に描いたワーグナーの似顔絵?
なんか似ているような気はするがよくわからない。



喫茶店でかいたワーグナーの楽譜?

「ここのところがいいんだよ」
「へえ、なんちゅう曲?」
「『ニーベルングの指輪』の「神々のたそがれ」の“ブリュンヒルデの自己犠牲”の一節だよ。」
「???・・・何やて?」



5階はピアノ売り場。
当然、息子の目の輝きは最高潮に達する。



いずれも100万以上のピアノが「買ってください」と手招きする。
私はひたすら目を伏せて無視。
我が家の年代モノの中古ピアノは音の出が悪い鍵盤もあるらしい。
しかしなあ・・・



世界的な名器「ベーゼンドルファー」。
スタインウェイと同様、ピアノ弾きには憧れの的らしい。
値札を見ると、な、な。、なんと998万円!(気分が悪くなる)



無謀にもその世界的名器を「試弾」してみるピアノ小僧。
聴く人が聴くと音がまったく違うらしい。

「ね、違うでしょ?」
「そ、そうかな。別にそんな風には・・・」



息子のさり気ないアピールを無視して私は外へ。
一服して気を落ち着けようと思う。
まあ、「弘法筆を選ばす・・・」と言うし、しばらくは現状維持でガンバレ!

明日はそんな私の「銀座ぶらり散歩」をご紹介する。お楽しみに・・・

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