公園の紅葉もしだいに「本格的」になって来た。
若葉の頃も好きだが、色づく木々を見るのはまた違った楽しみがある。
ジョギング帰りに芝生広場を通りかかると
恒例の「ロハスフェスタ」に大勢の人が集まっていた。
年に一回、東京と大阪で開かれる国内最大のイベントだと言う。
私も200円也の入場料を払い木製のバッジをもらって会場へ。
(料金を取るのはロハス的なのか?)
広い会場には200をこえるブースが点在し
こだわりの手作り雑貨や家具、食器、アンティークの店などが所狭しと並ぶ。
LOHASは(lifestyles of health and sustainability)の頭文字だ。
直訳すると「健康と地球環境を大切にするライフスタイル」・・・と言ったところか。
2000年頃からアメリカで始まった社会・啓蒙運動で
大量生産・大量消費による環境破壊を反省し、質素で自然志向の生活を実践する層を差す。
アメリカではロハス志向の人々は成人の三分の一にもなるとか。
人気があるのはやはり手作りの「雑貨」や「小物」の店だ。
ちょっと覗いて見ると「へえ、こんなものがこんなにするの!」という印象。
率直に言って「ロハスは高い!」
まあ、健康や自然志向の商品は結構な値段のするものが多いけれど・・・
これは「流木細工」の店。
オブジェ風の置物やインテリア、可愛いボタンなどが並ぶ。
なかなかオシャレで気に入ったのもあったが小さなボタンが1個120円もする。
貧乏人はついつい「拾って来たものなのに・・・」などと思ってしまう。
ひときわ賑わいを見せていたのが会場奥の飲食コーナー。
北は北海道から南は石垣島まで全国から馳せ参じた
「ロハス自慢」の屋台が自然食系のさまざまな食べ物を供している。
カレー、ハンバーガー、コロッケ、焼きそば、オムレツ、ナンにケバブ・・・
このスモークハムやソーセージを売る店の親爺は
まだ午前中なのに「もうあと○○個で売り切れだよ!」などと叫んでいる。
本当かねえ、目の前にまだ山のようにハムが並んでいるのに・・・
それぞれ買い求めて来た食べ物を並べ
秋晴れの空の下で皆さんピクニック気分で楽しくお昼ごはん。
会場で使われているのは「リユース食器」が多く
ゴミを出さないように食後は食器を洗って店に返す仕組みになっている。
なるほど「こういうのはいいな」と思う。
考えてみれば大震災や原発事故を体験したいま
日本人の生活意識やライフスタイルも大きく変わりつつあると思う。
生活の「豊かさ」や「便利さ」があらためて問い直されている。
今回の震災を「第二の戦後」と表現する人がいたが
しっかりとした戦後の総括もないまま高度成長をひた走って来た日本にとって
実際、この「震災」「原発」という未曽有の悲劇は大きな「しっぺ返し」でもあった訳で
もう一度、国のありかたも含めて、足元を見つめなおす機会にしなければならない。
さて、かく言う私はどうしたらいいのだろう。
健康にいいことはせいぜいジョギングぐらいでも酒もたばこもやめられない。
徹夜も多いし、時には暴飲暴食に走ることもある。
とても「ロハス」には程遠い生き方をしている。
だからせめて「身の丈に」あった暮らしをしたいと思うのだけれど・・・
会場ではベルギーから来日した女性歌手が気だるいボサノバを歌っていた。
これが妙に暖かく透明感のある「ロハス的」な声でちょっと聴き惚れてしまった。
「うーん、入場料の200円は安かったかも・・・」