ここ数日の朝の寒さは格別だ。
ジョギングに出かける頃には多少は温かくなって来るが
ひと汗かいた後はまた体が冷える。
そんな冷え込みで公園の木々も日増しに色づいて来た。
真っ赤な紅葉も目に鮮やかでいいけれど
こういう「黄葉」の色づきも気持ちが和むようで素敵だなと思う。
中でも「ゆりの木」は黄色に赤や緑も混じってカラフルだ。
公園のメインストリートが「ゆりの木通り」と名づけられているほど多い。
秋空に高々と聳え立って、パラパラと落ち葉を散らす。
池のほとりの「ラクウショウ」も色づいて来た。
なかなか渋い色合いだ。
この季節は赤錆色と緑色が混在してなかなか味わいがある。
池にはカモも帰って来た。
はるばる北のシベリアあたりから飛んできたのだろうか。
疲れも見せず元気に泳ぎ回っている。
カモは人懐っこくて可愛い。
着用のウェットスーツがみごとに水をはじいている。
公園を代表する冬鳥で、これからいよいよ彼らの季節が始まる。
その池のほとりで女の子が遊んでいる。
♪ かごめかごめ かごの中のとりは いついつ出やる・・・
今どきの女の子がそんな歌をうたっているのにちょっと驚いてしまった。
秋はモノ思う季節・・・
オジサンは何を考えているのであろうか?
さて、これから打ち合せだ!
打ち合せばかりでちっともお金が入って来ないぞ!
地下鉄の駅に併設の商業施設で
ハロウィンの風船がフワフワと揺れていた。
そうかハロウィンの季節か・・・と思うがまったく馴染みがない。
ハロウィンがどこの国のお祭りなのか
カボチャがどういう関係があるのか、まったく知識がない。
クリスマス然り、バレンタインデー然り
日本人はどうしてこんなに節操がないのかと嘆きたくなる。
嘆きたくはなるが、まあ「目くじら」を立てることでもないかと思う。
打ち合わせの帰り、何気なく買った文芸春秋。
地下鉄の車内で読んでいたが、ふと気がついた表紙の絵に心惹かれた。
日本画家・松村公嗣氏の「秋けぶく」という作品で
晩秋の木曽川の河原で農家の人たちが落ち葉や稲藁を燃やす風景を描いている。
そう言えば私の故郷でも刈り入れの終わった晩秋の田畑で
あちこちで煙が立ち上っていた光景を思い出す。
あの長閑さ、あの匂い・・・「秋けぶく」とはいいタイトルだなあ、と思った。
その夜はみごとなハロウィンの月だった。
雲間にのぞく冴え冴えとした満月に桑名正博のあの晴れやかな笑顔が重なり
思わず「月のあかり」を歌いたくなった。
今朝は作家・藤本儀一氏の訃報、関西の才能が次々と消えていく。