工房八重の部屋

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アスニー山科講座 『南極・昭和基地から往復2,000kmの旅行記』

2012年06月14日 | Weblog
山科アスニー講座 、13日水) 606回 <講演> 

『南極・昭和基地から往復2,000kmの旅行記』

講師は、第38次・45次日本南極地域観測隊調理担当越冬隊 北田 克治氏

北田氏は、以前「越冬隊のお正月」の講演があり、その面白い講演に

今回もぜひ聞きたい!と思いました!

今回は、昭和基地から、1000キロ先のドームフジ基地に10ヶ月ぶりに、

ドラムかんに入れた燃料を、隊員8人が5台の雪上者で運ぶ旅の模様を動画で

説明してくださいました。

千キロの南極の道を、約片道21日間かけて行くとのことです。

1000キロ先のドームフジ基地には、8人の隊員が常駐し、医師コックさんもいて

生活し、観測しています。

マイナス50度の酷寒で、氷におおわれた3800Mの高所にあり空気が薄い場所で、

その基地では、厚さ4千Mもの氷におおわれた場所で、3000Mまでの深さに

掘削し、氷を掘り出すと、その氷は72万年前のもので、氷の中の空気は、その当時の

ものなので、72万年前の地球の様子が解るとのことです。

雪原は平なとこもありますが、岩のような「さすつるぎ」がゴロゴロしている場所を

そりの上にのせたドラム缶の何台もの荷台を、雪上車が引っ張っていく、大変な旅です!

持って行く燃料の3分のⅠは、運ぶ雪上車が必要とし、狭い雪上者の中での生活も

快適とはいえないでしょう! なにしろ南極には、ガソリンスタンドもコンビニも

無いのですから???

ご飯は高所で空気が薄く、圧力がまでないと炊けないので、あらかじめ炊いたご飯を

持参し、発動機を動かして電子レンジを使って温めるとのことです!

途中に今は使われていないみずほ基地があったり、ダイアモンドダストを見たり

ペンギンやアザラシ等の動物がいたり!

北田氏の動画を使った解説は、映画よりも迫力ありました。

視界が悪くても、GPSで行けるので、現代は道に迷うということがない!

ドームフジ基地に着いたら、基地の隊員達がお風呂にはまず「お風呂に入れ!」と勧めて

くれました! 21日間お風呂に入れ無かったので、さぞや臭かったのでしょう!

歓迎パーティを基地のコックさんが作ってくれ、帰路前には、北田氏も用意していた

お寿司の食材で、寿司屋を開店! 基地の方が楽しそうに、寿司を食べている

様子が微笑ましい! 大変喜ばれたそうです!

帰路は昭和基地までは降りなので、19日間の日程!

隊員がお誕生日の方がいてたので、あらかじめ用意していたケーキにローソクたてて

祝っている様子など、困難な生活な中で、楽しんでいました。

南極という中で、仕事しながらの生活は大変なことでしょう!

その中で、ささやかな楽しみを見つけて、生活している様子には、励まされますね!

北田氏は現在は国際日本文化センター内のレストランで店長と調理の仕事されて

おられるとのことで、2回に渡る南極での生活は忘れがたい貴重な体験だったようです!


講師は、第38次・45次日本南極地域観測隊調理担当越冬隊 北田 克治氏