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10月 9日

2012-10-08 23:47:40 | Weblog
            ( 栗・毬栗・落栗・虚栗・山栗 )



頂上に子と来て若き栗のいが          沢木欣一


家裏の栗落つ音の昔のまゝ            細見綾子


灯の暗き丹波の郷や虚栗             赤尾恵以


毬栗の青きまま落つ不破の関          清水弓月


笑栗を置けば艶めく綾子句碑           梅田 葵



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



毬栗を掌に転がせて句碑訪へり         国枝洋子


竹炭と栗並べ売る無人小屋            松平恭代


一袋焼栗買へり夜の駅              河原地英武



    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp      
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10月 8日

2012-10-07 21:59:11 | Weblog
             ( 柿・甘柿・渋柿・熟柿 )



柿熟す馬籠の空に昼の月            栗田やすし


柿実る幹黒き辺にまた逢はめ          沢木欣一


柿の朱を点じたる空こはれずに          細見綾子







柿むく手母のごとくに柿をむく          西東三鬼


柿剥いてくれし刃を置く柿の上          猿橋統流子


山柿や五六顆おもき枝の先            飯田蛇笏


つまらなく夫婦の膝の柿二つ           石川桂郎



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



山柿に日ざし移れり都府楼址           倉田信子


色づくは渋柿ばかり揖斐の里           中山敏彦


奥美濃の寺に猿来る柿日和            安住敦子



   伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp      
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10月 7日

2012-10-07 00:45:32 | Weblog
               ( くわりん・榠樝の実・花梨の実 )


開設から2600日目のブログです
俳句は無名がいい 飯田龍太の言葉を座右にしています
先師田中先生は佳い句は一人歩きをする 作者の知らない所で好評を得たりする
それこそ俳句詠の嬉しさではないかと聞かされ、龍太の言葉と合い通じるものを感じています
知識が豊富で有る事と佳い句が詠める事とは別世界でそれに多弁な事は自信の無さの表れのように
感じてしまいます 十七音の短詩に多くの自解はもう短詩ではないのです
鑑賞者に通じなければ潔く引き、推敲するか新しい作品で臨む事が大事だろうと日頃思っています

昨日は尊敬する俳句の先輩Sさん(師匠と呼んでいます)が上京されると言うので俳友のKさん
Mさんと仕事を抜け出し浅草・雷門で一時間ほどお茶をする事ができました
久々にお目にかかっても変わらぬ謙虚さはかえって圧倒的な存在感を感じます
30数年俳句をしてきて、この人には俳句ではかなわないと思わされたお一人
再会が叶って前文のような感想をあらためて思い出し書きだした次第です



くわりんの実教材につき盗るべからず        沢木欣一


大くわりん風の葉ずれの傷のこる           細見綾子






昏れかかる山を幾重に榠樝の実           矢島渚男


花梨の実高きにあれば高き風             池上樵人


くわりん頭上尻に玲瓏雨雫               山口青邨


奥伊予や瀬音に太る花梨の実             稲瀬奈加枝



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



たわわなる花梨の下に無縁仏           山本光江


裏山に日の当たりをり花梨の実          高橋 毅


くわりんの実もぎし指先ほの甘し         澤田正子
 



    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp      
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10月 6日

2012-10-06 00:20:34 | Weblog
            ( 赤とんぼ・秋茜 )


赤とんぼ御穂田に生れとなめせり        沢木欣一


雨やんで僅かな日ざし赤とんぼ         細見綾子


から松は淋しき木なり赤蜻蛉           河東碧梧桐


くさや干す浜に群れくる秋茜            岡田透子


華厳落つしぶきの中の赤とんぼ          村田脩




伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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初あかね卯建の街を縫ひゆけり         鈴木みすず


赤とんぼ一三階の窓に来る            後藤暁子


風に飛ぶクルスの丘の赤とんぼ         日野圭子


赤とんぼ野川の道を後先に            中村修一郎




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10月 4日

2012-10-04 00:18:36 | Weblog
             ( 木犀・金木犀・銀木犀 )



金木犀風の行手に石の塀           澤木欣一


神鶏の乗りて大金木犀咲く          石原八束


木犀の金の着崩れはじまりぬ         加倉井秋を






木犀の匂へる宿の能登飯田         細見綾子


木犀やしずかに昼夜入れかはる        岡井省二


木犀の金銀の香も更けにけり         鈴木紀枝


銀木犀文士貧しく坂に栖み          水沼三郎



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



木犀の風吹き抜くる杓子庵           矢野愛乃


板塀を越えてこぼるる銀木犀          小島千鶴


訃報きく金木犀の幽かな香           上杉美保子





伊吹嶺10月号 遠峰集より


神輿待つ樽満々と勢ひ水

水掛くる人もずぶ濡れ八幡祭

深川や水に暮れたる夏祭

驟雨来る蓮の浮葉にひびきあひ

灼けゐたり芭蕉稲荷の石蛙             こころ





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10月 3日

2012-10-03 00:25:51 | Weblog
              ( 新蕎麦・走り蕎麦 )


能書きは要らぬ新蕎麦打たれけり        石田郷子


引く水のひとつは土間に走り蕎麦        甲賀 山村


新蕎麦のそば湯を棒のごとく注ぎ        鷹羽狩行


走り蕎麦銚子ふたつの長居なる         橋本榮治


新蕎麦に間のある風の深大寺          秋篠光広





蕎麦屋の酒の肴「栃尾揚げ」
(これは美味い)


伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
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岡持で新蕎麦届く楽屋口             野島秀子


大食ひの番付表や走り蕎麦            森垣昭一


大津絵の鬼新蕎麦の湯気被る          上田博子




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10月 2日

2012-10-01 23:40:14 | Weblog
             ( 現の証拠 季=夏 )


散歩コースの植物園に今、紅白の現の証拠が多く咲いています 夏の季語です
現の証拠の名の由来はこれを煎じて飲めば医者要らず、
下痢止め、便秘の解消、利尿、腹痛解消、胃腸病、風邪予防の薬効があるという
効き目が現の証拠だというところから来ているとされています



げんのしようこのおのれひそかな花と咲く      種田山頭火


陣場野は現の証拠の花浄土              栗田せつ子


通り雨ありたる現の証拠かな              右城暮石


現の証拠の花と呼ばれてももいろに          辻桃子


比良に雲げんのしようこは白なりき          吉岡三枝子








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10月 1日

2012-10-01 00:42:02 | Weblog
                ( 盗人萩・山萩 )


花の小さなくびれが盗人の足跡に似ていると言うことから付けられた名前だと言う事
ですが,可憐な小さな花には少し可哀相な気がします



盗人萩夕日に濡れて華やげる          古賀まり子


隠れ逢ふごとし盗人萩の宿            山田弘子


曲りゐる盗人萩の花の先             京極杞陽


落城の跡に茫々盗人萩              深野カツイ


首あらふ盗人萩のこぼるるよ           宮坂静生





山萩
秋の七草でいう萩はこの花の事


山萩の一枝を弾ねし猿かな             鈴木鷹夫


山萩の撓みに細る塩の道              村上光子


山萩の一夜もありし放浪記             片山辰水




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