10月 8日

2012-10-07 21:59:11 | Weblog
             ( 柿・甘柿・渋柿・熟柿 )



柿熟す馬籠の空に昼の月            栗田やすし


柿実る幹黒き辺にまた逢はめ          沢木欣一


柿の朱を点じたる空こはれずに          細見綾子







柿むく手母のごとくに柿をむく          西東三鬼


柿剥いてくれし刃を置く柿の上          猿橋統流子


山柿や五六顆おもき枝の先            飯田蛇笏


つまらなく夫婦の膝の柿二つ           石川桂郎



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



山柿に日ざし移れり都府楼址           倉田信子


色づくは渋柿ばかり揖斐の里           中山敏彦


奥美濃の寺に猿来る柿日和            安住敦子



   伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp      
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10月 7日

2012-10-07 00:45:32 | Weblog
               ( くわりん・榠樝の実・花梨の実 )


開設から2600日目のブログです
俳句は無名がいい 飯田龍太の言葉を座右にしています
先師田中先生は佳い句は一人歩きをする 作者の知らない所で好評を得たりする
それこそ俳句詠の嬉しさではないかと聞かされ、龍太の言葉と合い通じるものを感じています
知識が豊富で有る事と佳い句が詠める事とは別世界でそれに多弁な事は自信の無さの表れのように
感じてしまいます 十七音の短詩に多くの自解はもう短詩ではないのです
鑑賞者に通じなければ潔く引き、推敲するか新しい作品で臨む事が大事だろうと日頃思っています

昨日は尊敬する俳句の先輩Sさん(師匠と呼んでいます)が上京されると言うので俳友のKさん
Mさんと仕事を抜け出し浅草・雷門で一時間ほどお茶をする事ができました
久々にお目にかかっても変わらぬ謙虚さはかえって圧倒的な存在感を感じます
30数年俳句をしてきて、この人には俳句ではかなわないと思わされたお一人
再会が叶って前文のような感想をあらためて思い出し書きだした次第です



くわりんの実教材につき盗るべからず        沢木欣一


大くわりん風の葉ずれの傷のこる           細見綾子






昏れかかる山を幾重に榠樝の実           矢島渚男


花梨の実高きにあれば高き風             池上樵人


くわりん頭上尻に玲瓏雨雫               山口青邨


奥伊予や瀬音に太る花梨の実             稲瀬奈加枝



伊吹嶺の俳句 (ムーさんの俳句歳時記から転載させて頂いています)
http://m6towers.kuronowish.com/saijiki/saijiki_top.html



たわわなる花梨の下に無縁仏           山本光江


裏山に日の当たりをり花梨の実          高橋 毅


くわりんの実もぎし指先ほの甘し         澤田正子
 



    伊吹嶺HP http://www.ibukinet.jp      
コメント (2)
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