
( 桜 )
開花宣言から,余寒のつづく関東地方ですが、やっと満開に近づいて
きているようです。板橋赤塚の東京大仏の桜も写真のように咲きました。
宴を禁止している寺領で花見の賑わいは無くても,満開の桜大樹が供花の
ように静かな華やかさを感じさせてくれます。
俳句をする者は心ひそかに桜の句で生涯一句の秀逸を目指しているのでは
ないでしょうか?
ころころも毎年挑んでは,陳腐な語呂遊びに終わっています。
ころころの心に残る先達の数句をご紹介します。
これはこれはとばかりの花の吉野山 貞室
しばらくは花の上なる月夜かな 芭蕉
まさをなる空よりしだれざくらかな 富安風生
風に落つ楊貴妃桜房のまま 杉田久女
山ざくら石の寂しさ極まりぬ 加藤楸邨
ちるさくら海あをければ海にちる 高家窓秋
夜桜やうらわかき月本郷に 石田波郷
生誕も死も花冷えの寝間ひとつ 福田甲子雄
一日がたちまち遠し山ざくら 宮坂静雄
けふ見たる桜の中に睡るなり 藤田湘子
晩年の父母あかつきの山桜 飯田龍太
去年はお世話さまでした。
大仏の半躬は桜ころもかな こう
主宰にとっていただけたので嬉しい句です。
お句 大仏の半躬は桜ころもかな こう
まさにこの写真の通りですね。
良いお句でした。
今月の我結社の記事に主宰の2008年感銘句
5句が鑑賞とともに紹介されていました
鏡中にはたと母居る寒灯 岡本眸
こうさんも良き師をもたれて良かったですね。