十月
早くも十月になりました 齢を重ねるごとに過ぎ去る時間が早く感じます
本来ならば空は高くなり肌寒い日が徐々に増え始めるはずが今年はまだ夏日も
多く有ります 暦の十月は晩秋 天高く馬肥ゆる秋で有って欲しいものです
十月の声きく何か改たまる 細見綾子
十月の街の向かうに熱気球 河原地英武
十月の峠越え来て阿蘇仰ぐ 谷口千賀子
十月や屋根を跳ばんと猫構ふ 貫名哲半
十月の空に伸びらか川燈台 林 尉江
十月や振子電車の一人旅 丸山節子
十月の桜咲くなり幼稚園 正岡子規
十月のしぐれて文も參らせず 夏目漱石
十月の紺たつぷりと画布の上 福永耕二
トンネルを抜け十月の箒売 黒田杏子
十月の明るさ踏んで小松原 鷲谷七菜子
十月は鵙も俳句も響きけり 中嶋秀子
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