溝蕎麦・牛の額
溝蕎麦の白埋め尽す城の堀 矢野孝子
舟着場跡や溝蕎麦一面に 岸本典子
溝蕎麦や島の湧水鳴りどほし 若山智子
溝蕎麦へ瀬音やさしき飛鳥川 林 尉江
溝蕎麦の花や川の陽ゆらぎけり 熱海より子
溝蕎麦や水輪ひろげて鍬洗ふ 近藤文子
溝蕎麦や多摩の小流ここに又 高浜虚子
みぞそばに沈む夕日に母を連れ 中村汀女
溝蕎麦や土橋明るく田をつなぐ 三輪千代子
溝そばは群れて淋しき花なりし 稲畑汀子
溝そばに出水汚れの残りをり 五十嵐播水
溝蕎麦に一棹さして渡舟出づ 富永双葉子
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