( 橘の実 )
橘の黄を珠として弓矢神 桂樟蹊子
青き葉の添ふ橘の実の割かれ 日野草城
橘は黄を深めつつ天の鈴 長谷川秋子
伊吹嶺12月号が届きました
7月に巻頭を頂き,10月に同人の推薦をお受けしました
伊吹嶺 12月号の巻頭作家の8句と伊吹集の句をお世話になった先生、先輩、連衆,友人へ
感謝をこめて記します
「秋田・山形」
語り部に男鹿の訛りや秋灯
秋風吹く牧の仔馬の長睫毛
川筋に並ぶ米蔵残暑光
武家門の中に教会空澄めり
爺杉と呼ばるる大樹秋澄めり
磴に突く金剛杖や秋気澄む
みちのくの空の深さや天の川
ひぐらしや上杉廟の杉襖
「伊吹集」
母と来て草の匂ひの墓洗ふ
新涼の星ふりそそぐ山の湖
灯台の高さに飛べり草の絮
花街の灯りに咲けリ烏瓜