季語を味方に

2005-10-18 22:44:09 | Weblog
      東京は18度。

 観念的な季語に「夜寒」「そぞろ寒」がある。
 私の好きな女流俳人、中村汀女の句に

 あはれ子の夜寒の床の引けば寄る

 佳句というのは,季語と措辞とがお互いに光りあって過不足のない17音と言える。
 季語から俳句を詠んだり、どこかで見たお気に入りの措辞から詠んでも
 どこか素っ気無い句になる。また知識を裏側に置いた「種明かし」の句も
 同じに思う。瞬間のひらめきに頼るべきではないが、そのひらめきを引き出す
 為には歩いて体感しなくてはいけないのだろう。
 汀女の句は写生の裏側にある汀女の心の夜寒を詠っている。
 自句自解によれば確か転勤先の夫に幼子を連れて会いに行く時の句だったと思う。
  

     ころころの今日の俳句


       一色の訃音に触るるそぞろ寒


     ころころの独り言

   一時間かけて作って登録したはずのブログが消えて、また作り直している
    かなり,疲れる作業となる。


    ころころのお気に入り


      夜寒さの松江は橋の美しき 森 澄雄

 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする