篆刻・刻から木印の完成へ
布字から、いよいよ刻。
椿材は堅いのでなかなか刻すのは時間がかかります。
普通の彫刻刀では彫れません。
木の枝の小口ですから、小口版画用の刀を使います。
いきなり太い線は刻せません。
だから、時間がかかるのです。
しかし、肝腎なところは石印材と変わりません。
布字で印した線の境界をちゃんと刻せば良いのです。
この線が一発勝負、書としての篆刻の醍醐味です。
線が決まれば、後は要らないところをひたすら掘ってっていくだけです。(あえて掘ってとしました。)
ある程度できたら、印泥を着けて押印してみます。
当然、刻し残しや気にいらない線が出てきます。
そこで、補刀です。
これが、補刀前。
これから、修正のために刻しては押印を繰り返します。
今回は8回程繰り返して完成としました。
ご覧の様に、字の線のところはあまり補刀していません。
最初の刻を大切にしています。
「正人」です。