海山の創作ノート

工房T 海山の書、印、絵、版画、工作、etc.日々の暮らしの中で出来た作品を紹介します。 さて、今日は何を作るかな。

No.2526 篆刻・刻から木印の完成へ

2024-01-19 | 

篆刻・刻から木印の完成へ

布字から、いよいよ刻。

椿材は堅いのでなかなか刻すのは時間がかかります。

普通の彫刻刀では彫れません。

木の枝の小口ですから、小口版画用の刀を使います。

いきなり太い線は刻せません。

だから、時間がかかるのです。

しかし、肝腎なところは石印材と変わりません。

布字で印した線の境界をちゃんと刻せば良いのです。

この線が一発勝負、書としての篆刻の醍醐味です。

線が決まれば、後は要らないところをひたすら掘ってっていくだけです。(あえて掘ってとしました。)

ある程度できたら、印泥を着けて押印してみます。

当然、刻し残しや気にいらない線が出てきます。

そこで、補刀です。

これが、補刀前。

これから、修正のために刻しては押印を繰り返します。

今回は8回程繰り返して完成としました。

ご覧の様に、字の線のところはあまり補刀していません。

最初の刻を大切にしています。

「正人」です。