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歌舞伎座

2013-04-05 08:20:25 | Weblog
幕末の文久2年、幕府の視察団が欧州を訪問した。極東からの一行をもてなすために、各国は一流のオペラや演劇に案内したが、ちょんまげ姿の客はみな居眠りをしてしまう。

面目をつぶれされた招待者側から、なぜ寝るのか、と問われた日本人の通訳は答えた。「言葉がわからないから面白くない。面白くないから寝てしまう」。以後、開始前に粗筋が説明されるようになったそうだ。

この時の通訳が維新後、ジャーナリストや政治家として活躍する福地桜痴だ。この人物が後年、東京・木挽町に歌舞伎座を建てることになる。初代歌舞伎座の開場は、憲法の発布と同じ明治22年。

国会の開設より古い歴史を持つ劇場が先日、5代目として再開場しこれら落としとし公演が始まった。先代のさよなら公演から3年。中村勘三郎、市川團十郎という新しい歌舞伎座を背負うはずの名優の訃報を乗り越えての開場だ。

『弁天娘女白波』で弁天小僧菊之助を演じる7代目菊五郎に大向こうから「音羽」の掛け声が飛び交う。歌舞伎が高尚な芸術ではなく、庶民に支えられてきた文化であることを実感する。

手元のポータブル端末で演目の台本や開設などを見られる字幕ガイドが充実した。初めて見る人も居眠りすることは少なくなるはずだ。

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