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年賀状

2011-12-29 08:30:06 | Weblog
年賀状書きがおっくうになるのは、「年賀欠礼」のはがきを手にする時である。もう出せない知人の数が年ごとに増える。

来る年のあれこれを思う年の瀬に、亡き人のことを思い出すのはいささかつらい。つらいが、故人との粋な別れの流儀があることを先ごろ知った。「立川談志さんお別れの会」という短い記事が出ていた。

石原慎太郎知事が弔辞を読んだという。いずれあの世で会えるから、「それまで、死んでも元気でいてくれよ。あばよ」何かヘンである。死とは、体から元気がうせることである。だからわれわれは「安らかに眠れ」と弔う。

やがて、亡き人は星になったり、近ごろは風にもなったりした、残された人たちを見守る。「死んでも元気に」は無理な注文のようだが、なぜか心に響くものがある。遠い星やえたいの知れない風になってしまうより、死んでも元気を失わない故人の姿を深く思う方が、残された人の心の支えになる。

そんな別れの言葉を交わすことができる人を、多く持ちたいものだと、あらためて教えられる。

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