デジカメぶらりぶらり

デジカメのほやほやの写真をご覧下さい。

重圧

2014-01-22 08:01:13 | Weblog
松の内も過ぎ、日常が帰ってきた。また1年かと思うとどうも気が重い。東京五輪マラソンの銅メダリスト円谷幸吉がその人生に終止符を打ったのはメキシコ五輪の年の1968年1月9日だった。

幕の内を過ぎたのを待ったかのようである。64年の中日マラソン。レース中、ジュースの容器をごみ箱にわざわざ捨てに行ったという。投げ捨てればいいのに真面目な人だったのだろう。

死を選んだのは、期待の重圧だったのか。福島県須賀川の円谷メモリアルホール。「忍耐」という石碑の文字が、悲しい。苦しい、「父上様母上様 三日とろゝ美味しうございました。干し柿、もちも美味しゅうございました」「幸吉はもうすっかり疲れきってしまって走れません」。

戦後最も有名な遺書の大部分は両親や親類へのお礼の言葉で占められている。川端康成は「千万言もつくせぬ哀切」と評した。ソチ冬季五輪まで1カ月を切った。期待も高まるが、選手たちは国や国民のためと思い詰めることはないだろう。

「あんたの人生とは違う。自分のやるべきことをやる。しくじったら、ごめんなさいだ」。ローリング・ストーンズのキース・リチャーズさんの自伝の中にある。少し気が楽になりませんか?