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判決

2010-11-20 07:13:13 | Weblog
裁判員裁判による初の死刑判決を出した横浜地裁の裁判長が被告に控訴を進めた。真意をつかみかねる発言である。

裁判員の精神的負担を和らげるためとか、意見が割れたことへの配慮だとも推測されている。うがち過ぎかもしれないが、死刑判決は裁判員に引きずられたものだと言う裁判長の責任逃れや、一審の軽さを象徴するようにも思える。

下級審で出された大胆な判決が、上級審で覆されて常識的な線で収まる事例が少なくない。制度に上下はあっても、裁判官に上級下級はないはずだ。仮に二審、三審での修正を念頭に一審判決を出すのなら自ら下級を認めているのに等しい。

特捜部検事の証拠改ざん以来、検察の在り方が問われている。だが、えん罪や改ざん事件があぶり出したのは検察のずさんさを見逃した裁判所の責任でもあった。検察を非難しても裁判所は批判しにくいのが日本の風土である。

裁判員裁判は多くの矛盾を含んでいるが、裁判に市民感覚を持ち込み、裁判所の非常識に風穴をあける狙いがあったのを忘れてはなるまい。人が人を裁くことの難しさをあらためて思い知るのである。