仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

「本願寺展」に行ってきました

2008-05-01 13:38:24 | 本音

NHKで「日光・月光菩薩」を見て刺激を受けた、というわけでもないけれど・・

現在、広島県立美術館で開催されている

「本願寺展」に行ってきました。

GW中とはいえ平日だったのですが、

とにかく「人が多いっ!!」

「○○寺さんが『ぜひ行って観られるといいですよ』っておっしゃったから・・・」

などという会話があちこちから聞こえてきます。

お寺様が門徒さんを募って団体で見学・・・というパターンも結構

あるようです。

さすが、真宗どころの広島、という感じ。

 

展示内容は全体に「史料」と呼んでもよいような

ものも多く、「仏教美術」を期待していくとちょっと物足りないかも。

でも、「史料」それぞれに味も個性もあって

それはそれで面白いと思います。

 

国宝にも指定されている親鸞聖人による「観無量寿経註」は圧巻。

余白にびっしりと書き込まれた細かい文字に

何としても救いの方法を見出そうとした親鸞の

執念と煩悶が感じられます。

 

それぞれの時代の人々の筆の運び、文字の表情も

個性豊かで、人間味を感じます。

史料が多かったせいか、ともかく代々、

「筆まめ」な人たちだなぁ・・という素朴な感想。

一体を生み出すのに多くの手間と財力を要する仏像よりも、

「名号」や「ご文章」は手軽に(あくまでも仏像にくらべれば)生み出せるもの。

それによってより手軽に、たくさん、教えに触れることができるように

した、というのは素晴らしい発想だったと思います。

 

このルーツを考えれば、

現在浄土真宗本願寺派では「ご本尊は本山から」として

絵像を掛けること旨としているのもうなづけることです。

元々「紙」に縁の深い宗派だったんですねぇ・・・

 

言わずもがな、ですが

国宝「三十六人家集」はため息ものでした。

日本の紙、ここに極まれり、ですね。