NHKで「日光・月光菩薩」を見て刺激を受けた、というわけでもないけれど・・
現在、広島県立美術館で開催されている
「本願寺展」に行ってきました。
GW中とはいえ平日だったのですが、
とにかく「人が多いっ!!」
「○○寺さんが『ぜひ行って観られるといいですよ』っておっしゃったから・・・」
などという会話があちこちから聞こえてきます。
お寺様が門徒さんを募って団体で見学・・・というパターンも結構
あるようです。
さすが、真宗どころの広島、という感じ。
展示内容は全体に「史料」と呼んでもよいような
ものも多く、「仏教美術」を期待していくとちょっと物足りないかも。
でも、「史料」それぞれに味も個性もあって
それはそれで面白いと思います。
国宝にも指定されている親鸞聖人による「観無量寿経註」は圧巻。
余白にびっしりと書き込まれた細かい文字に
何としても救いの方法を見出そうとした親鸞の
執念と煩悶が感じられます。
それぞれの時代の人々の筆の運び、文字の表情も
個性豊かで、人間味を感じます。
史料が多かったせいか、ともかく代々、
「筆まめ」な人たちだなぁ・・という素朴な感想。
一体を生み出すのに多くの手間と財力を要する仏像よりも、
「名号」や「ご文章」は手軽に(あくまでも仏像にくらべれば)生み出せるもの。
それによってより手軽に、たくさん、教えに触れることができるように
した、というのは素晴らしい発想だったと思います。
このルーツを考えれば、
現在浄土真宗本願寺派では「ご本尊は本山から」として
絵像を掛けること旨としているのもうなづけることです。
元々「紙」に縁の深い宗派だったんですねぇ・・・
言わずもがな、ですが
国宝「三十六人家集」はため息ものでした。
日本の紙、ここに極まれり、ですね。