5人が住まう公園でも、片目の悪いキジトラさん2号とクロちゃんは、夫婦のように仲が良い。
真冬の凍て付く日には、お互いがお互いの背中に頭を乗せて暖めあっていた。
そんな微笑ましくも幸福な瞬間に出会い、ずっとキジトラさん2号が気になっていた自分は安堵する。
昨日もぶらぶらと島を回遊していたが、陽気の良さから、露地の角っこ角っこから顔を出したネコさんに出会う。
おなかを減らした子には、持参したカリカリを上げながら、ふらふらと歩く。
カリカリを食べたキジトラさん2号は、珍しく目の前でゴロンゴロンと満足げになる。
長毛くんには、愛猫・まみちゃんを思い出す。
仏さまのような顔をしたまどろみ姿。
■Claire - Fly Me to the Moon (「新世紀エヴァンゲリオン」サントラより)1995■
以前から、こちらのお散歩光景を拝見していて、
「墨東綺譚」だなあ…と思っていました。
大学時代は太宰治、田中英光、中原中也、上田敏を読んだりしていまたが(このへん、あんまり人に言いたくないw)、
永井荷風の「やりたい放題」的な日記もいいなあと思った次第です。しかもエロじじいだったりしたんですよね、好々爺ですが。
祖父がかなり道楽好きだったので、母方はかなり困っていたようですが、こちらはその血を全うにひいているようです。
専ら音楽道楽ですけどね。
とは言え、もはや今の自分は、そういう場所からも移りつつありますが。
正直、この場所を住処とした理由は、ご想像どおり、永井荷風さんゆえのことです。
ほかにも、多くの文学者がこの場所をいとおしく思っていましたが。
多分、これは男と女が「都合の良いように」相容れない部分かもしれません。
永井さんの生き方・死に方に浪漫を抱いた自分。
当時、赤線に通うのは「粋(いき)」という言われ方をしていて、ごたぶんに漏れず、自分も似たような放蕩三昧をあるときしていました。
永井さんは、作品よりも、その生き方に強い興味を引かれます。
そういう本と写真と、彼の真意を探って読むうちに、自分も気が付けば同じ場所に居た。
それは意識的なものもありますが、諸条件が偶然呼び込んだものでもあります。