まったく占いを信じない自分が、最近日々の占いのページをのぞきに行っている。
占いは見てしまうと自己暗示が生まれ、逆にそこに自ら導かれてしまうことや、どうにでも解釈できてしまう面が詐欺そのものなのだが、そう思ったうえでも、その日「だけ」を過ごすつもりの日々には面白い。
サイコロを転がす程度の感じ。
そういった意味では、(嫌いな)ギャンブルにはまる人と同じ。
但し、トランプの束からたまたま選び取った一枚、というとらえ方と取ると、ブライアン・イーノのカード「オブリーク・ストラテジーズ」みたいに、たまたま引いた一枚のカードに書かれた言葉から発想を広げ、そこに書かれたことを”誤釈”しながら、ある行動に出てゆく・・・。そこから何かが生まれるかもしれない。
そう思うと、占いも妄信的にさえならなければ、面白い道具に変えることができる。
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今日は(というか今週は)ずっと仕事と人に振り回されてしまい、まったく余地がない。
今朝は早く出て、深夜帰るまで占いをのぞきにいく余裕もなかった。
すでに一日終了後、「じゃあ」と終わってしまった結果を持ち、さかのぼって見に行くとこう書いてあった。
『運気絶好調。やることなすこと成功する日です。
ひらめいたことはすぐさま実行して吉。
急なスケジュール変更もプラスの方向に働くはずです。・・・』
あまりもの真逆に、笑ってしまった。そうですか。。。
そういうときは、ウィリアム・バロウズのカットアップのように、切り刻んで言葉をつないでいき、文章を作ってみたりする。(今夜は大した結合ができなかった)
”コピペ”もそういう使い方をしてみる。
どうせネット上にある占いなど実体など何もないのだから、個人のなかにおいて身勝手な誤釈を行い遊んだほうが良い。
ブライアン・イーノの音楽実践手法は、デヴィッド・カニンガム(フライング・リザーズ)の「エラーシステム」だったり、元ワイヤーのギルバート/ルイスの「ドーム」、YMOのアルバム「BGM」だったりと、多くの波の広がりとして70年代の終わりから80年代初頭さまざまな名作につながっている。
音を組み立てる過程で、元々予想もしなかった・本人も意識できない領域にいざなわれていく。そういう音楽の創り方。このへんが、アフターパンクにおいて産まれた音楽の面白さなのである。
■坂本龍一 「ライオット・イン・ラゴス」1980 From Album”B-2UNIT”■
(ヒューマン・オーディオ・スポンジ 「スマイル・トゥギャザー・プロジェクト」
イン・パシフィコ横浜 2007年5月19日ライブ)
たしか「ライオット・イン・ラゴス」は、曲を作る過程で、使う音階に規制を掛け”この音階しか使ってはならない”というルールにのっとって組み立てた、と教授がどこかで言っていた。
そんな記憶。その考えの源流はイーノ。そういった実験から産まれた名曲。
”あの8年前のあの日”横浜で、静寂の中はじまったイントロへの鳥肌を思い出した。