こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2012年7月18日 水曜日 ジョルジオ・モロダー 『キャット・ピープル』サウンドトラック '82

2012-07-18 22:33:59 | 音楽帳
ジョルジオ・モロダーというと、まずはドナ・サマーとのコラボレーションの時代。
それを想い出す。

自分が洋楽を聴き出した70年代の終わりのイメージ。
買ったFM雑誌に掲載されたドナ・サマーの写真の残像。

花柄の派手なワンピース。
そして、すそから出た長い脚。 
そのかたわらに置かれた大きなラジカセ。
キラキラした夜景を模したスタジオで撮影された写真。

また、別の場面。
YMOに「ガーン!」と打ち抜かれた頃、テクノの特集に必ず出てきたLP「E=MC2(二乗)」。
松武秀樹さんも、テクノ10選に、このジョルジオ・モロダーのLPを選んでいた。

そういう周辺情報を得るために、ざらざらした当時の雑誌類の細かい二色刷りの記事や写真を、よく見入っていた。
一方、ジョルジオ・モロダーの実際の音は?
というと、エアチェックで得た数曲しか知らなかった。

***

後になって知ることは、ドナ・サマーをモロダーがプロデュースした作品を、当時のブライアン・イーノがいたく気に入っていたということ。

また、フュージョンの名残がまだ残るYMOのファーストアルバムにおいて、曲と曲を切らずに繋いでいた部分は、ジョルジオ・モロダーからの影響だったという証言。

彼が当時創っていた音楽が、真なる大物ミュージシャンに影響を及ぼしていた一端。

***

そんな自分が「ええ音楽やなあ~」とジョルジオ・モロダーをちゃんと認識したのは、1982年に公開された映画「キャット・ピープル」のサウンドトラック。
当時人気があった女優ナスターシャ・キンスキーが、夜にネコ人間に変わるこわ~い(しかし、カッコイイ)映像がジャケットとなった、このサウンドトラック。



1982年の春から夏に掛けて「クロスオーバー・イレブン」で選曲されたものを、エアチェックしてよく聴いた。

梅雨から夏へ。。。
湿気でじとっとした夜。
その闇しじまに流れる怪しい音楽。
その感覚は、映画を抜きでも味わい深いサウンドトラックだった。



ゆったりと・ひたひたと恐怖が迫るようなペースで演奏されるテーマ曲は、
デヴィッド・ボウイーが太い声でヴォーカルを取っている。
(ボウイーは、この翌年1983年に大きな変化で世間を驚かせるLP「レッツ・ダンス」を発表するが、
そのアルバムにも、この「キャット・ピープル」の別ヴァージョンが収められている。
但し個人的には、このサウンドトラックに収められたヴァージョンの方が、ボウイーの良さが出ているように思う。)

***

個人的な想い出だが、「クロスオーバー・イレブン」のとある回で掛かった「実地検証」。
1分半のこの曲の怖さをいたく気に入っていた。
前後の曲が、ジャパンの「ゴースツ」、キング・クリムソンの「2つの手」。
怖い雰囲気が漂う効果的な選曲・放送だった。

「ポールのテーマ」「アイリーナのテーマ」「レパード・ツリーの夢」は、その後もクロスオーバー・イレブンでよく使用された。

***

90年代半ば以降、日本チャートで儲けまくった小室哲哉。
彼とその周辺たちの野外ライブの際に、坂本龍一がゲスト出演した。
「メリー・クリスマス・ミスター・ローレンス」を演奏すると共に、2人が対談する場面があった。
そこで小室哲哉自身が吐露していたのが、ジョルジオ・モロダーの影響。
かなりな時代を経て唐突に出たジョルジオ・モロダーの名前だったが、「ああ、なるほどね」と大きく頷けるものでもあった。

話しは逸れたが、ジョルジオ・モロダーの作品として、自分は映画「キャット・ピープル」のサウンドトラックをオススメします。
「踊れない」自分でも愉しめる作品です。

■Giorgio Moroder 「Irena's Theme(アイリーナのテーマ)」■
コメント (2)
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