今回は、80年代を離れて、既に「全ての音楽が終わった後」の90年代のお話し。
自分は、91年4月~96年3月、大阪の商売の街で、20代後半を激動の日々に費やしていた。
そんな頃、95年4月に始まったドラマ「王様のレストラン」に惹きつけられて毎週、ビデオに撮りながら、熱中してみていた。
三谷幸喜さんの脚本という事で、様々な仕掛けを持ちながらも、人間味のある、見終わった後充足感に満たされるドラマだった。
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内容を簡略化すると・・・<ウィキペディアより引用>
伝説のシェフであったオーナーが死去し、従業員の質が下がって客足が遠のいてしまったフレンチレストラン「ベル・エキップ」。この店の新しいオーナーになったが未熟な青年と、彼の願いで復帰した伝説のギャルソンが店を立て直す姿を、彼らに引っ張られる全従業員と共に、コメディータッチで描いた物語。
舞台は、とあるフレンチレストラン「ベル・エキップ」(La Belle Équipe)。天才的なオーナーシェフが急逝し、その長男・範朝が、後を継ぐことになった。しかし、範朝は怪しげな副業にうつつを抜かし、店の経営は危うくなる。
そんなある日、範朝の腹違いの弟・禄郎が、先代の遺言によりオーナーになった。禄郎は、父の遺言により、伝説のギャルソン・千石を呼び寄せるのだった。果たして「ベル・エキップ」は復活するのか・・・・・?
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今日は、とにかく疲労困憊の末で、死んだように寝ていたが、夕方から、昔撮ったビデオ「王様のレストラン」を見ていた。
このドラマに、実に瓜二つなのが、70年代のドラマ「ちょっとマイ・ウェイ」。
このドラマはいまだにDVD化されていないが、とにかく主演のシェフ:桃井かおりの可愛かったシェフ姿が、未だに脳裏に焼きついていて、同じくシェフの無骨な緒方拳とのやりとり・同僚とも恋人とも何とも言い難い微妙な関係がとてもロマンティックだった。
どちらのドラマも、ぼろぼろにすたれきってしまったフレンチ・レストランを、最初はみんなケンカや仲の悪い関係で集まった個性在る人々が次第にお互いを認め合いながら、一流のフレンチ・レストランになるまでのチームワークになっていく姿を描いている点は同じだった。
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今日見た「王様のレストラン」の第8話は「最高のシェフは、恋をしたシェフ」というタイトルのもの。
この「王様のレストラン」の見どころの1つは、松本幸四郎さんが演じるギャルソンの、何に対しても軸のぶれないプロとしての冷静な姿のカッコよさだった。
そして、それを取り巻くすれっからしだけども愛すべき1人1人の従業員たち。
そしてまた、鈴木京香の制服姿でしゅっと背筋の伸びた上品な美しさ、それに、これまた、男っぽくて激情タイプのメイン・シェフ演じる山口智子のぽちゃぽちゃした頃の可愛さにも、大いに惹かれるところ大なドラマだった。
この第8話は、一流フレンチ・レストランになりつつあった「ベル・エキップ」のメイン・シェフであった山口智子をフランスの一流店が引き抜きに来たのを、みんなして阻止しようとするが、松本幸四郎が「それは彼女本人が決める事ですから」と、オーナーをなだめるのだが・・・・。
結局、山口智子は、その引き合いの面接に行ったフリをして、すっぽかし映画を見て帰ってきた。
松本幸四郎は「仕方の無い人だなあ」とためいきを付きながらも、松本幸四郎と山口智子が2人で、夜の閉店後のカウンターでワインを傾ける。
夢を唐突に語りだす松本幸四郎に、「あんた、私を口説いているの?」と彼女は言いながらも、それが聴こえないかのように、夢を語り続ける松本幸四郎の夢に笑顔で応える山口智子。
お互い、全く違う性格なのに惹きつけあっているのがわかる、このエンディングは、とてもロマンティックで、素敵であった。