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こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

高橋鮎生 「MEMORY THEATRE」'85年10月

2009-11-17 21:04:52 | 音楽帳

【高橋鮎生 「MEMORY THEATRE」】

・・・時は、またしても1985年に戻る。

自分が、高橋鮎生さんの存在を知ったのは、教授のサウンドストリートであった。
高橋鮎生さんのアルバム「サイレント・フィルム」(1984年)を特集したときだった。

彼の親父さんである高橋悠治さんも、この教授のサウンドストリートには、かなり早い段階(1981年)で出演していた。
しかし、高橋悠治さんがいわゆる「現代音楽」のくくりの世界の人という中、その悠治さんの息子さんの奏でる音楽というのは、何か二重のひねりが効いているのか、どこにも属さないというか、カテゴライズされにくい、全様のつかみにくい音楽であるという感触を、当時思ったものです。

そんなぼんやりした記憶の中、1985年10月21日に発売された「サイレント・フィルム」に続く「メモリー・シアター」というアルバムから、クロスオーバーイレブンで『水色の鏡』という曲がかかり、エア・チェックして、この曲を毎夜聴いていた。

***

全体にアンビエントな、もやのかかった音空間の中に、ピアノが数音、そこに、ヴァイオリンがメロディーを奏でる曲だったが、とてもおだやかな曲で、ジャケットそのものというか、「夜」という不思議な時空間の中で、別世界の箱庭の夜を眺めているかのような感じを覚えた。

半眠半覚の状態とでもいうのだろうか。

そういう意味では、この『水色の鏡』という曲は、ハロルド・バッドの影がちらつく。
ハロルド・バッドは「眠っているのか、眠っていないのかわからないような、その境目のような音楽」と自分の音楽を語っていたが、『水色の鏡』はそんな雰囲気を持っている。

***

この1曲を聴いて以降、今ではこのアルバムも、神保町・御茶ノ水界隈でも見ることが出来なくなってしまったが、出来れば手に入れたいと思っている。

しかし、このアルバム「メモリー・シアター」の参加メンバーを見るにつけ、1985年という時代の断面が見える。

【「メモリー・シアター」曲目】
01/City in the sky
02/夏の終わりに
03/光の中へ
04/月の庭
05/水色の鏡
06/不思議な夜
07/ながれる
08/こもりうた
09/賛歌
10/ことばのあいだに

【参加メンバー】
高橋鮎生 (guitars,bass,keyboards,vocals)
近藤達郎(keyboards on 1.7.)
西村卓也 (bass on 1.2.6.9.)
鈴木さえ子(drums on 1.2.6.9.10.)
小山景子 (backing vocals on 1.)
遠山淳 (synthesizer programming on 3.5.6.8.9.10.)
大貫妙子 (vocals on 4.)
EPO(vocals on 4.8.)
如月小春 (voice,percussions on 7.)
坂本龍一 (piano on 4.6.)
竹田賢一 (大正琴 on 4.)

教授を取り巻く、ディア・ハートのメンバー、〔鈴木さえ子・大貫妙子・EPO〕、それに、演劇の新旗手だった如月小春さん、現代音楽からアンダーグラウンドな音楽の世界に居た竹田賢一さん・・・と、豪華な顔ぶれ。
(余談:ちなみに、さえ子さんは、ムーン・ライダーズの鈴木慶一さんと離婚した後、一般の方と結婚して、今は主婦になっているそうですが・・・。
当時は、本当に彼女の音楽も大好きでしたが、可愛くて容姿も好きでした。)

***

自分が好きだった『水色の鏡』は、やはりYOUTUBEには無かったが、1曲目の『City in the sky』を発見!
高橋鮎生さんまでも網羅するYOUTUBEには感心しきり。

しかし『水色の鏡』という静寂の音楽と並列で『City in the sky』みたいな、いわゆるPOPな曲まで1枚のアルバムの中に在る高橋鮎生さんという存在は、未だにその出生が不思議でならない。

今は、「Ayuo」という名義で音楽活動をしているようです。
その高橋鮎生さんのホームページに行くと、90年代に廃盤になったアルバムの曲が、無料で聴けます。

ホームページ・アドレス → http://www.ayuo.net/

いまだに未知で稀有な存在である、高橋鮎生さんの音楽を、改めて聴こうと思っています。
コメント (8)
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