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こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

William Basinski 「Disintegration loops」

2008-04-13 20:35:11 | 音楽帳


またすごいものを発見してしまった。

William Basinskiの「Disintegration loops」という作品。
1時間、イーノ的なループが続く作品。

聴いているうち、細かい変化には気づいてくる。
変化があるので、飽きません。

音響的に、ひじょーに良いノイズです。

自分は、「ループ・オーケストラ」というバンド?のCD持っていますが、それより格段に上の、心地よいループです。

***

とあるサイトにこんなものを発見したので、詳しいヒトの解説を引用させてもらいます。

http://www2d.biglobe.ne.jp/~ks_wca/itn/itn_etc1d.htm

ドイツの音響レーベルの老舗にRaster-notonというのがあります。このレーベル、音響という事もあって無機質で冷たく、音楽と呼ぶのには少々はばかる、といった感じのノイズ系サウンドが大半を占めているんですが、そんな無機質・無味乾燥なサウンドの中にあって数少ない叙情派というか、美しいサウンドを聞かせてくれる希な存在のアーティストが所属しています。それが今回紹介するWilliam basinskiです。
まあ美しい、叙情派とはいってもあくまでこのレーベルの中で比べての事であって、世間一般的尺度で言うと相当にマニアックな部類の音楽をやっている人です。
ラジオノイズを巧みにサンプルループとして利用したり、延々引き伸ばされたテープループによる楽曲がこの人の特徴で、そのなだらかなサウンドテクスチャはブライアン・イーノ辺りの影響を色濃く感じる物です。
そんな彼の入魂の一作、自身の2062レーベルからリリースされたCD4枚にも及ぶ「Disintegration loops」シリーズは、イーノを思わせる美しいサウンドループがそのタイトル通り、徐々に崩壊していって聞こえなくなっていく様子を延々収録した実験作品です。
この作品自体は彼がずっと昔に作っていた音源で、それをCDに再収録しようと編集をしていたところ、さすがに音源が古かったせいもあるのかテープが徐々に傷んで音が歪んでいってしまったらしく、最後には再生不能な状態にまでなってしまったそうです。普通の人だったらこりゃもう使えん、とあきらめる所をこの人はそのアクシデントをそのまま作品の一部として発表してしまったのです。転んでもタダでは起きぬというか常人には考えつかない所業です。
しかもこの制作をしている時に例の911事件が起こり、自宅の窓からモクモクと黒煙が上がっているのを目の当たりにしてしまった彼は、運命的な物を感じたのか、作品を急遽この911事件に捧げる事にしました。彼は固定カメラを設置してその事件の様子を延々撮影していたそうです。ジャケットはそのワンシーンからとられたものですが、この映像は最近DVD化されてリリースもされています。

一見するとなんとも不謹慎にも思える行為と感じるかもしれません。しかし目の前でそんな事態が起きてしまった以上、アーティストとして何かしなければならない、という強迫観念にも似た気持ちにかられたのではないでしょうか。徐々に崩壊していく音楽と、目の前で崩壊していく日常。そんな偶然を叩きつけられて何もしない方がおかしいってもんです。もちろん彼がこれを単なる芸術的遊びの一環としてやったというような、短絡的発想で行った訳ではないことは言わずもがな、です。 事件の様子を固定カメラで延々撮っていたなんて事を考えるとつい、アンディ・ウォーホールの映像作品「エンパイア」を連想してしまいますが、ウォーホールのように死を軽視しているかのような行為では無いと思います。
(「エンパイア」はエンパイアステートビルを延々数時間も固定カメラで撮っただけという実験映画。ウォーホールは死をテーマにした作品を幾つか残しているが、どれも短絡的な感は否めない)

この作品、短い旋律が延々30分とか60分とか繰りかえされる非常にシンプルなアンビエントミュージックなんですが、前述したように徐々に聞こえにくくなって、しまいには「電池切れ?」みたいな感じの飛び飛び音になり、最終的にはもはや原形をとどめないほど崩壊して無音に近づいていきます。ちなみにこれはあくまでアクシデントなので、曲によってはほとんど崩壊しないものや、最初から音が歪んでいるものもあったりします。
音源自体がはかなくも美しいサウンドなので、それが徐々に崩壊していく様はとても悲しくもあり、美しくもあります。それは肯定も否定もせず、ただただこの事件を冷静に見つめ、聞き手に何かを深く考えるようにと訴えかけているようでもあります。
このシリーズのメインテーマとも言える一枚目のdlp1.1や、3枚目のdlp4とかは中でも特に美しいサウンドでお気に入りなんですけど、まあ一部では「寝るときに最適」とか言われてもいるみたいで、たしかに万人に薦められるようなタイプのサウンドでは無いですね。本当に同じことの繰り返しですし、古い音源のせいもあってアナログ的でモコモコしたサウンドですし。でも片手間に聴くにはとてもいい作品だと思いますよ。逆に言えば片手間に聴くにはあまりにも美しすぎ、はかなすぎるかもしれませんが。

現在、このサイトで「Disintegration loops」を映像付きで丸々クイックムービーとして見ることが出来ます。これはリリースされたDVDと物は同じです。音楽同様、これもまた延々黒煙がモクモクと上がっているだけの映像なんですが、もう何も語るまいというか複雑な気持ちにさせられる映像です。
なおこういった複雑な事情を抜きにしても音楽自体は大変素晴らしい物だと思うので、普段マトモな音楽しか聴いてない初心者の方々も、たまにはこういう実験音楽にトライしてみるのも一興なのではないでしょうか。 その入門としてBasinskiの音楽は最適といえるでしょう。DVDリリースで再入荷されつつあるので今なら手に入りやすいかも? とは言え私自身は、これ以上深い所にはさすがについていけないんですけど・・・・。やっぱりこの辺が限度(笑)

***

音の崩壊と、建物の崩壊・・・考えさせられる音楽です。
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ゲロゲリゲゲゲ 「エンドレス・ヒューミリエイション」'94

2008-04-13 17:15:56 | 音楽帳


60分1曲。
これをエンドレスでかけ続けている。
心地よく、聴きやすい。

場末の風呂屋で、とあるよっぱらいが入る風呂の鼻歌や語りが、風呂場のエコーの中、続く。そこにポロンポロンとピアノがかかった、アンビエント?な1曲。

***

確か、昔に、ブライアン・イーノが、道端のよっぱらいの語りを録音して、それにオーケストラをつけた曲、というのがあったような気がする。
<それは、今、手元に無いが>

こういう面白い本来の音楽の楽しみ方、そういうのが、実は、なかなかないんだよね。
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