京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

南観音山 居祭鑑賞と秘密の蔵見学

2021年07月26日 06時22分00秒 | 日記
 7月22日はJR東海の会員イベントで後祭の山のひとつ南観音山を訪ねました。
宵山期間に山を建て懸装品で会所を飾る居祭(いまつり)が行われています。







イベントは19時からですが30分程早く着きお囃子の様子を見ていました。

昨年に続いての山鉾巡行は中止となりましたが一部の山や鉾は本番さながらに鉾建てが行われています。

これも伝統文化や技術を継承するために大切な事だそうです。

神事の方も関係者の方々で行われ、明日23日には還幸祭が行われ、神さまは八坂神社へとお戻りになられます。
来年はいつもの年と同じように巡行が行われるのを願うばかりです。



南観音山の会所奥にある蔵です。
車輪をはじめ山の骨組みの部材が保管される大切で神聖な場所です。

今回は特別に蔵の中に入れて頂きました。
江戸時代の天明の大火で焼けてしまいましたが、蔵は同じ場所に再建され今日に至っているそうです。200年以上は経過している事になります。





南観音山は画家の加山又造画伯とご縁が深く、懸装品の多くは彼の原画が元になっています。
天龍寺法堂の八方睨みの龍を描かれた画家です。









加山又造画伯による南観音山の格天井の原画です。
しかし、実際に天井に描く前に亡くなられたそうです。
今は漆塗りの天井ですが、いずれは原画を元に花天井にされる予定だそうです。





会所には「四神」の懸装品も吊るされています。



見送幕の「龍王渡海図」です。













いよいよ山に搭乗させて頂きます。
普段、下から見上げる風景とは全く違います。
普段の搭乗では見れない天井裏や、床下も見せて頂きました。





お囃子の鉦を打たして頂きましたがリズム感の全く無い僕には難しかったです。

今回、ご案内頂いた囃子方代表幹事の大槻さまと囃子方の皆さまです。
貴重な体験をありがとうございました。




フォーシーズンズホテル京都 館内ツアーとスペシャルランチ

2021年07月24日 11時04分00秒 | 日記
 7月20日は"まいまい京都"のツアーで東山区に佇む5つ星ホテル「フォーシーズンズホテル京都」の館内ツアーとスペシャルランチに来ました。





館内までは竹のアプローチが続きます。











館内の随所には現代作家の方々のアート作品が置かれています。





エレベーターで最上階の4階へ。
眼下には800年の歴史を有する名庭「積翠園」が見下ろせます。









ご案内して頂いたのがスイートルーム室内は180㎡の広さを誇り、ベットルームがふたつにIH調理器を備えたダイニングと贅沢なお部屋です。
ちなみにお値段は220万円だそうです。







次にご案内して頂いたのがチャペルです。

天井が高く開放感溢れるスペースになっていて十字架が見当たらずあまりチャペル感はないですが窓の桟には十字架に電気が付くようになっています。











3階のエントラスにはHERMES製の人力車と自転車が置かれています。

写真の方は今回、ご案内頂いているホテルスタッフの野中さんです。

人力車は椅子の下には傘が備えられた本格的な物ですが重心が高く、しかも後方に寄っているので2名が乗られると車夫さんが浮いてしまうそうです。(笑)

自転車もHERMES製ですが唯一ギヤだけは日本のシマノ製です。







いよいよランチの時間です。
場所は宴会場「小松」です。
密かに"ブラッスリー"を期待していましたが、一般のお客様と分ける為に宴会場になったようです。













京都の食材も多く使われ、外資系ホテルで頂くランチには感じませんでした。

特に京都産「京の都もち豚」のロース肉は柔らかくジューシーで肉の味が濃厚で美味しかったです。
メインの選択には牛肉や魚も可能だったそうですがシェフの強いこだわりと推しでポークに決まったようです。

美味しいランチを頂き、名庭「積翠園」を巡ります。













平家物語によるとこの地は平清盛の嫡男重盛の山荘跡(小松殿)の跡と伝わります。
800年の歴史を誇り、かっては専売校舎、武田病院の所有になっていましたが、庭園の保護・育成を条件にフォーシーズンズが買取り4年前に高級リゾートホテルとして開業されました。
客室からの景観もこの庭園がメインでほとんどの、客室はオーシャンビューならぬガーデンビューになっています。

日本の伝統や文化を理解して京都で開業されるのなら大賛成です。









庭園の西には茶室が新設され、お抹茶やホテルオリジナルの日本酒を頂きながらこの名庭を眺める事が出来ます。











平等院鳳凰堂

2021年07月23日 19時11分00秒 | 日記
 黄檗山萬福寺を後に次に平等院へと来ました。
宇治上神社と並び世界文化遺産に登録される宇治一番の有名寺院です。







朱色の表門から鉢植えされた蓮の花が迎えてくれます。







順路を左に取ると観音堂があり、その横には「扇之芝」があります。
詳しくは駒札をご覧下さい。





鳳凰堂内部も拝観したかったのですが予想以上に拝観者が多く、90分待ちだったので諦めたました。









鳳凰堂の対岸には鉢植えの平等院蓮が一部咲いていて、極楽往生を夢見た頼道も見た光景です。

近年の修復で創建当初の朱色が鮮やかによみがえり鳳凰堂をより一層浄土の世界へと誘います。

毎年の春分の日と秋分の日には鳳凰堂の真上に夕日が沈んで行きます。
一度、その光景を見てみたいものです。



平安時代の梵鐘(国宝)です。
「天下の三名鐘」と呼ばれる名鐘のひとつで「姿の平等院鐘」と呼ばれています。
他は「声の三井寺鐘」と「勢の東大寺鐘」のふたつです。





こちらは二代目の梵鐘です。



十一面観世音立像。
もとは観音堂のご本尊さまです。

苑路を進むと「鳳翔館」に辿り着きます。
まさに平安時代の国宝の宝庫で最新のデジタル技術で復元された堂内の様子も見る事が出来ます。







「雲中供養菩薩」(国宝)の52躰の一部が鳳翔館の中に展示されています。



わずかに残った顔料を元に復元された雲中供養菩薩のひとつです。

これだけ見てもお堂内がいかに華やかな世界観を持っていたのかがわかります。

阿弥陀如来坐像に従ように観音菩薩がお堂内を舞っています。
それぞれの菩薩の手には様々な楽器を持たれています。



阿弥陀堂の屋根を飾る鳳凰の一対です。
共に平安時代創建当時の鳳凰でこれだけでも国宝です。









鳳凰堂のご本尊阿弥陀如来坐像です。
平安時代の仏師定朝が制作した事が資料に残る唯一の仏像です。

今までの一木造りから寄木造に変遷していく過程の仏さまでもあります。

平安時代後期、天喜元年(1053)に鳳凰堂に安置された事が記録に残ります。
坐高277.2mの丈六の阿弥陀さまです。









平等院塔頭の浄土院です。



境内には桃山時代の1601年に豊臣秀吉の居城伏見城から移された重要文化財の養林庵書院がありますが残念ながら非公開です。









境内には源頼政公の墓所があり毎年、命日の5月26日には平等院で"頼政忌"が営なまれます。

源頼政は後白河天皇の第二皇子の以仁王を奉じて1180年に兵を挙げ平家軍2万8千騎と戦いますが敗れ前述の「扇之芝」で自害したと"平家物語"で記述されています。







JR宇治駅前には茶壺の形をした郵便ポストが設置されています。
さすが、お茶のまちですね。












黄檗山萬福寺②普茶料理

2021年07月21日 08時55分00秒 | 日記
 伽藍拝観をお坊さまに案内して頂き、もうひとつのお楽しみ「普茶(ふちゃ)料理」を頂きます。





普茶料理とは隠元禅師が中国から伝えた精進料理で「普茶」とは「普(あまね)く大衆と茶を供にする」と言う意味があります。



中国文化をそのままに日本の山野にある食材を使い佛恩に応え報いる為の料理です。

席順に上下の隔たりはなく一卓四人で頂くのが作法です。

箸袋の裏には「五観の偈(げ)」の偈文が書かれていて、食事前に偈文を唱えてから頂くのが禅宗の習いです。





今回はコロナ禍の中でもあり、ひとりづつの弁当で出されました。











うなぎもどきご飯



かまぼこもどき
長芋で出来ています。

精進料理ですので肉や魚を使っておらず、"もどき"料理として出されています。

味付けも美味しく、全て頂きました。




















黄檗山萬福寺①伽藍拝観

2021年07月20日 08時51分00秒 | 日記
さ 7月17日は"まいまい京都"のツアーで京都宇治にある萬福寺を訪ねました。







お坊さまの案内で境内を散策します。
道路に面した最も西にある門が萬福寺の総門です。
伽藍は全てが中国明朝様式で造られ、材料も日本産の杉や檜材ではなく南アジアや東南アジア産のチーク材が使われています。

萬福寺は江戸時代初期の承応3年(1654)、中国福建省から渡来された隠元禅師が当時の後水尾天皇や徳川4代将軍家綱の崇敬を得て、寛文元年(1661)に開創された黄檗宗の大本山です。





境内には鉢植えされた蓮が咲き始めています。









先ずは開山の隠元隆琦禅師がお祀りされている開山堂にお詣りします。
萬福寺は非常に大らかな寺院でどこも撮影が出来ます。

渡来時には二十数名の中国の職人を伴われました。
建築、文学、音楽、書道、絵画、彫刻、さらには印刷、医学、飲食など多岐にわたります。

今日、我々の食卓に上がるインゲン豆、スイカ、レンコン、ナス、タケノコ、落花生といった新しい食材をもたらしました。

また、煎茶やダイニングテーブルを使った食事形態や明朝体の文字や400字詰め原稿用紙、木版印刷など当時の中国の先端文化をもたらしました、

その多くは今でも使われている事に隠元禅師の功績を思います。





次に「天王殿」です。
大きな袋を持たれた布袋尊(弥勒菩薩)です。









お堂の四角には四天王が布袋尊を御守りされています。
隠元禅師に同行し来日された仏師によるものでどこかエキゾチック感があります。







布袋尊の裏堂には韋駄天さんがお祀りされています。 
細部まで細かな彫刻が施されています。




珍しい「蛇腹天井」です。
別名、「黄檗天井」とも呼ばれ龍の腹を表しているそうです。


続いて萬福寺の本堂にあたる「大雄宝殿」です。
ご本尊さまは釈迦如来坐像で脇侍は珍しく向かって右に迦葉尊者、左には阿難尊者がお祀りされています。





両脇には十八羅漢さんがお釈迦さまの説法を熱心に聞かれてるように座られています。



人気者の"羅睺羅(らごら)尊者は九州国立博物館に出張中でパネルが置かれていました。









通常非公開の東方丈です。
ご住職のプライベート空間です。







管長猊下が法を説かれる法堂です。
近年の修復で創建当初の柿葺(こけらぶき)の屋根に戻されました。

勾欄は「卍くずし」の意匠が施されています。





萬福寺で有名な「開ぱん)」 です。
日常の行事や儀式の刻限を知らせる魚の形をした法器です。



「雲版(うんぱん)」
朝と昼の食事と朝課の時に打たれます。

伽藍の拝観を終え、もうひとつの楽しみ普茶料理を頂きます。