4月9日は、恒例となっている「都をどり」の観覧に来ました。
一昨年に耐震補強工事が終わった歌舞練場の中をひと通り見学し、茶席へと向かいます。
慌ただしい茶席ですが、芸舞妓さんのお手前を見ながらの茶席もいいものです。
「都をどり」の歴史は、1872年(明治5年)京都で初めて博覧会が開催された時、その余興として万亭の杉浦治郎右衛門と井上流家元の井上八千代(三世 片山春子)が企画したのが始まりです。
今回の「都をどり」は明治5年の創始から150回目となる記念公演になります。
公演時間は、約1時間。
全八景(8つの物語や景色)で構成されています。
「都をどりは、ヨーイヤサー」の掛け声で一度幕が上がると、一度も幕を下ろすことなく舞台が進行するのは凄い事ですね。
今回のテーマは、「都をどり百五十回源氏物語舞扇(げんじものがたりまいおうぎ)」と題し、歴史を振り返りつつ、恋と愛が織りなす源氏物語を中心に展開し、「都をどり」への寿ぎと弥栄の願いを込め、例年以上の華やかな舞台となっています。
京舞井上流独特の舞台を踏む音にも「都をどり」の見所?聴き所です。
また、毎年新調される衣裳も華やかで見所のひとつです。
今年も芸舞妓さん達の日頃の鍛錬が良く表現された素晴らしい公演でした。
祇園甲部歌舞練場の庭園もまた素晴らしい池泉回遊式庭園です。
今年の「都をどり」に合わせる様に一部が改修されました。
もとは織田信長の弟・有楽斎が再興した建仁寺の塔頭寺院のひとつ正傳院があった場所で、かって庭園には茶室「如庵」(国宝)がありました。
春には桜、初夏には藤、秋には紅葉と植栽にも趣きがたっぷりです。
また、沓脱石は本鞍馬石や丹波鞍馬石が使われ、奥ノ院型石燈籠が配されているなど贅を尽くした庭園です。
歌舞練場と同じ大正2年(1913)の作庭なので、110年の歴史を感じる庭園です。
演劇と茶席、庭園とが一度に楽しむ事が出来る「都をどり」、、、毎年通いたい"京の春の風物詩"です。