京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

當麻寺(奈良県葛城市) 奥院

2024年04月26日 10時13分00秒 | 日記
 4月17日の最終は奈良県葛城市にある古刹・當麻寺を拝観しました。








當麻寺と言えば、曼荼羅堂(本堂)にあるご本尊當麻曼荼羅や金堂・講堂の仏像が名高いですが、何度も拝観しているので、今が見頃の牡丹の花を求めて「奥院」へ。

當麻寺境内には多数の塔頭寺院がありますが、その中で最大規模の塔頭が奥院です。

奥院は浄土宗総本山知恩院の「奥の院」として建立されました。

知恩院第12世誓阿普観上人が、知恩院のご本尊としてお祀りされていた法然上人像(重文)を、戦乱が続く京都から後光厳天皇の勅許を得てこちらに遷座された歴史が有ります。

書き方に語弊があるかも知れないですが、こちら當麻寺奥院に安置されている法然上人坐像が"ホンモノ"なのです。







先ずは宝物館へ。

宝物館には、當麻曼陀羅の写本の一つ「延宝本」や二十五菩薩来迎像を始めとする仏像。

撰擇本願念佛集や十界図屏風など、様々な文化財が保管されています。
普段は閉まっていますが、受付でお願いすると開扉して頂けます。

この日は丁度、特別公開の期間で宝物館と御影堂が5月6日まで公開されています。









當麻寺曼荼羅は中将姫ゆかりの綴織曼荼羅で、今まで多くの複製品が作られて来ました。

上の「當麻曼荼羅延宝本」延宝2年(1674)は色彩の状態も良く、曼荼羅の世界観を感じる事が出来ます。



次に特別公開期間、入堂する事が出来る御影堂にお詣りします。



ご本尊さまは圓光大師法然上人坐像(鎌倉時代)
勅伝によると源平争乱期の源氏方の御家人・桑原左衛門作と伝わっています。
法然上人生前中に造られた木像で唯一現存する法然上人像です。

先程にも書きましたが、元は浄土宗総本山知恩院のご本尊でした。

ご尊顔を拝したように書きましたが、像の前には法然上人のお軸がかかり、そのお姿を排する事は出来ませんでした。

毎月2月24日の「遠忌大法要」の一日のみご開帳されます。









阿弥陀堂の前を通り、広大な面積を誇る浄土庭園へ。

阿弥陀浄土の世界観を表現した庭園で、宝池の向こうに坐わられている阿弥陀如来像を中心に、阿弥陀さまに付き従う菩薩達を自然石と牡丹とで表現した雄大な庭園です。









當麻寺奥院の牡丹の由来は、奥院大方丈の仏間には慶長期に描かれた牡丹の天井画が描かれています。
この天井画に由来して多くの牡丹が植えられ、仏前にお供えしたのが"牡丹園"の始まりです。

牡丹は「百花の王」として中国・唐時代に最も尊ばれた花です。
しかし、その維持管理は大変な様で年に4日肥料を与えて大切に育てないと立派な花が咲かないそうです。

花に差し掛けられている和傘にも風情を感じますが、雨から大きな花を守る役割があるそうです。









大方丈まえにある「二河白道の庭」です。

経典に登場する場面を再現したお庭で
念仏信者の極楽浄土に対する信仰心を譬えた「二河白道(にがびゃくどう)」を冠した庭ですか。

二上山で古代より産出される金剛砂を火の川、白砂を水の川に用いている珍しい庭園で作庭家は足立美術館の日本庭園を創りあげ「昭和の小堀遠州」と称えられた中根金作先生です。

二上山を眺めながら、ゆっくりと境内を巡る事の出来るお気に入りのお寺です。









また、近鉄当麻寺駅前には「中将餅本舗」があり、参拝の帰りに立ち寄るのも楽しみのひとつです。


伊勢の名物「赤福」に似ていますが、餅がよもぎ餅です。