京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

東福寺塔頭 光明院の桜

2024年04月19日 09時45分00秒 | 日記
 4月13日は、東福寺塔頭寺院のひとつ光明院を訪ねました。







光明院は、室町時代の明徳2年(1391)に金山明昶が開創した東福寺の塔頭寺院で別名「虹の苔寺」として知られています。











昭和14年(1939)に完成した「波心庭」は、昭和の名作庭家・重森三玲による作庭です。

池泉式枯山水庭園で、州浜型の白砂の枯池に三尊石組が配置され、背後にはサツキやツツジの大刈り込みがあります。

この時期は更にその背後には桜があり、空の青と新緑のまだまだ淡い緑、そして桜の花の淡いピンクとのコントラストが春のシーズンの見所です。











この「波心庭」は見る角度によって、その表情を変えます。
しばらく居ても飽きない庭園です。



また、高台の雲上には重森三玲設計の茶亭「蘿月庵」(らげつあん)があり、窓・壁・障子に描かれた大きな円は月を表し、月が東に昇る様を表しています。









ご住職の藤田慶水さんは芸術作品や写真の展示会などにご理解のある方で、光明院を会場として様々な取組みを試みられています。
この日は曼荼羅でした。

ご住職は将来東福寺の"高僧"になられる方と以前に重森三玲のお孫さんの重森千靑(ちさお・重森庭園研究室代表)さんからお聞きした事がある和尚さまです。



祇園さゝ木の特等席を楽しむ

2024年04月19日 08時16分00秒 | 日記
 4月11日は、祇園の名店「祇園 さゝ木」へ。3回目の訪問です。







カウンター席が15席しかなく、京都で最も予約が取りにくいお店です。

と言う訳で今回もNHK文化センター京都教室の現地講座として参加させて頂きました。





玄関を入ると兜の置物が、、、来月は5月、端午の節句ですね。

カウンターへの入口には仁王像が睨みをきかせています。
まるで、結界を守るかのように、ここから先は料理人が真剣勝負する世界の入口を感じさせます。





こちらの和紙で出来た照明は堀木エリ子さんの作品です。

ご主人とはゴルフ仲間だそうで「まけとくわ」の一言に期待したそうですが、200万円もしたそうです。
「まけて200万円かよ!」とボヤかれていました。







昨年に大規模な改装をされ、席数は減りましたがお客様に快適に食事を楽しんで貰いたいとのご主人の心意気を感じます。

新たにカウンターには檜の一枚板が据えられ、以前のカウンター板は真上に据えられています。

ご主人曰く、建築家の安藤忠雄さんが目を付けていた木材で、何とか譲って貰ったそうです。
(ホンマ、目ん玉が飛び出るくらい高かったわ)と言われていました。

空調機も上手く隠されていて音さえ聞こえない快適な空間が演出されています。

「料理屋って金がかかりまんねん!ホンマ儲かりまへんわ!」と菊乃井のご主人村田さんの言葉が思い出されます。







先ずは桜茶が出されます。
これだけでも季節を感じ、料理への期待が高まります。

今回選んだ【祇園さゝ木】オリジナルのお茶は玄米茶です。

タンニンの苦味を全く感じず、お茶の旨みが良く出ています。
おそらく"水出し玄米茶"だと思います。 

いよいよコースが始まります。

先付け







ホワイトアスパラガスを主にした和え物の下には金目鯛の炙りが、、、

この時期のホワイトアスパラは身もしっかりとしていて非常に美味です。
金目鯛は自宅では干物を購入しるのがほとんどですが、皮目を炙っているので香ばしく金目鯛の本来の美味しさを初めて知りました。

椀物









お出汁の味が最高に美味しかったです。
利尻昆布と鰹節の旨みに加えて、幅が5本指分もある大型の太刀魚から出る魚の旨みとが合わさり海の幸いっぱいの椀物です。

刺身









お造り

今年はじての桜鯛です。
真鯛は関西地方では"のっこみ"と言って産卵の為に沖合から海岸近くの浅場にやって来ます。
桜の季節とも一致するので"桜鯛"とも呼ばれ、脂の乗った真鯛が味わえます。

今回の桜鯛は淡路島産です。
京都の料理人は好んで明石産の真鯛を使われますが、エリアにより漁の解禁日が異なっているそうで、その最初の解禁漁場が淡路島だそうです。

普通は醤油で頂きますが、真鯛のような白身の魚には"塩"がよく合います。
お声を掛けて塩をお願いすると"淡雪塩"を出して下さいました。

真鯛の持つ旨みがダイレクトに伝わります。
(上等な牛肉も"塩"が一番ですね)

寿司

ここでご主人の佐々木浩さんの登場です。
佐々木さんはにぎり寿司以外はお弟子さんに全てを任せておられます。

ひとりでも多くのお弟子さんが立派な料理人になり、独立して自分のお店を持たれる事を何より願われている方です。

毎回、寿司だけはご自身で握られ、ひとりひとりのお客様に出されます。







今年の初鰹と海老の握りです。

鰹は"たたき"で頂くのが一般的ですが、鮮度のいい鰹は"生"に限ります。

写真には写っていませんがシャリは赤酢を使った"赤シャリ"です。
"赤シャリ"と言えば江戸前寿司に使われますが、白酢より香りが強く、まろやかな味わいを特徴とする赤酢で頂くのも美味しいです。

大きな赤海老は三日間熟成されたそうで、まったりとした味覚で甘味が強く出ています。

揚物







伝助穴子の揚物です。

650gくらいの伝助穴子で身はサクサクで味、食感ともに大変美味しいです。
これ以上に大きくなると味が変わってしまうそうです。

ただ大きければ良いと言うものではないところが料理人の目利きなのですね。

添えられているアスパラガスも軸が細くてうま味が詰まっていました。









野菜と魚のスープ

"とにかく、色々な食材からスープを取ろう"
との発想で出来た一品だそうです。
複雑に?美味しいスープで、素人の僕には何で取ったのかは分からないです。

しかも、スープが濁っていないのは、さすがプロの技ですね。

ここで女将さんが登場されました。
初めてお目にかかりました。
(食事の後に隣りにあるオリジナル商品を販売するお店におられました。)

筍ごはん







土鍋で炊いた筍ごはんです。

旬の筍を「祇園さゝ木」で頂く最高の贅沢です。
香り、食感、美味しさ、、、どれも料理人の心がこもった一品を感じます。

また、オリジナルの香の物ともよく合います。
ご飯を2回、香の物も1回お代わりさせて頂きました。
(料理人の方が"お代わりはどうですか?と尋ねてくれるので、気兼ねなくお願い出来ます。)

水物











最後に西瓜に苺大福、豆乳ラテ

この時期に西瓜が頂けるとは、、、
"初物を食べると寿命が延びる"と昔から言われていますが、今日は桜鯛に筍ごはん、そして西瓜と随分と寿命が伸びたのでは、、、

昼には贅沢な「祇園さゝ木」のお昼でしたが十二分に満足しました。

(前回まではカウンターの上にSNSに料理はアップしない様にお願いのメッセージが置かれていましたが、今回はそれがなかったのでコース内容もアップさせて頂きました。)