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京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

大山崎山荘美術館 意匠と風景をたのしむツアー

2025年05月30日 07時08分00秒 | 日記
 5月27日は、アサヒグループ大山崎山荘美術館を再訪しました。

前回、5月13日に"まいまい京都"のツアーで【大山崎山荘美術館】英国式洋館の名建築へ、大西館長とめぐるスペシャルツアー
~非公開の茶室・彩月庵から橡の木茶屋、山荘建築&庭園を味わい尽くす~
に参加し、5月21日にブログにアップされて頂きました。

一部、重複する点があるかと思いますがご容赦ください。
(それだけ大山崎山荘が素晴らしく、皆さんにもその魅力を知って頂きたいのです。)



今回は企画展「つながる民藝 縁ぐるり ―山本爲三郎コレクションより」の大山崎山荘ツアー① 意匠と風景をたのしむ(館内一部の写真撮影可)に当選しての参加です。

ご案内して頂いたのは教育普及担当の池田恵子さんです。







今では立派な美術館ですが、一時は荒廃しマンション建設計画が持ち上がりました。
大山崎町の住民の方々は猛反発され、当時の荒牧禎一知事が仲介に入られ、当時、スーパードライを大ヒットさせ、アサヒビールを中興された樋口廣太郎社長のもとに話が持ち込まれました。
話は樋口社長の英断で決まりアサヒビールさんが買い取られ、美術館として再生される事が決まりました。

現在は公益財団法人アサヒグループ財団が管理運営をされています。

山荘入口にあるこちらのトンネルは琅玕洞(ろうかんどう)と言うトンネル門で敷地内に6ヶ所ある国の登録有形文化財のひとつです。
入口側には荒牧禎一元知事の扁額が、出口側には樋口廣太郎元社長の扁額が掲げられています。






庭園の池には数輪の睡蓮が咲いています。
すぐ隣りには安藤忠雄さん設計の「地中の宝石箱」が、、、
そこに展示されているモネの睡蓮とイメージが重なります。





本館下にある広場には芝生が植えられ、春には周りに植えられた桜が綺麗で"隠れた名所"にもなっています。



本館が桜の花に浮かんでいるかのような美しさです。
四阿もあり、新鮮な山の空気を吸いながらゆっくりと桜鑑賞が出来ます。





現在はトイレやロッカー、自動販売機が設置されていてレストハウスとして使われていますが、旧車庫だった建物です。





その名残りが自動車を整備する為に床下に掘られた溝にフタがされている床面と車庫の入口の蛇腹状の扉の跡に見られます。
こちらも国の登録有形文化財です。





こちらは流水門と言い、自動車のタイヤの泥を流れている湧き水で落とす施設です。
(当時はアスファルトの道路ではなく地道でした。)





次に本館内の見学です。
(こちら本館も国の登録有形文化財です。)

イギリスのチューター・ゴシック様式で建てられ、木材が外壁から出ているハーフティンバーが特徴です。



京都市内では、烏丸通丸太町にあるヴォーリズ設計の「大丸ビラ」が有名です。
こちらの建物は今年5月に国の重要文化財に指定されました。

僕はこのハーフティンバーが大好きで、京都や滋賀のヴォーリズ建築を多数見学して来ました。









今回は、開館前のツアーで特別に本館内の撮影が許可されました。

実業家・加賀正太郎が昭和時代初期に建物の他、庭園や道路、家具、調度品なども含めて自ら設計した山荘で、奈良吉野で材木商も営んでいた為に山荘建築の際には今では入手困難な立派な木材が使われています。

先ずは玄関ホールを案内して頂きました。
玄関ホールは旧悠々居部分で、当時では珍しい青煉瓦を使った暖炉に、上部にはアーチ状の立派な松の梁が目を見張ります。











次に展示室2を案内して頂きました。 

展示室2は旧応接室として使われていた部屋です。

壁には龍山石(たつやまいし)がふんだんに使われていて、床には大理石が敷かれています。

窓側の梁には加賀正太郎が趣味を楽しんだ"蘭"の鉢を吊すフックが残されています。





次に本館2階を案内して頂きました。
階段の踊場には綺麗なステンドグラスがはめられています。

階段ホールの照明は、山荘の完成祝いにアサヒビール(朝日麦酒)の初代社長山本爲三郎が贈ったものだそうです。








展示室3・4は旧貴賓室とバスルームと山側テラスです。


山側に見える木造三階建ての建物は「栖霞楼(せいかろう)と呼ばれる建物で大正4年(1915)に完成しています。

大山崎山荘建設時に加賀正太郎がこの塔の上から山荘工事全般を指揮監督したと言われています。









現在の喫茶室は加賀正太郎夫妻の旧寝室です。






テラス廻りの仕上げ材には、兵庫県加古川市付近から産出される龍山石(たつやまいし)が使用されています。
館内の装飾品を見るだけでも"新しい発見"があるのも楽しみのひとつです。



川側のテラスは喫茶室のテラス席にもなっていて、僕はここで珈琲とリーガロイヤルホテル京都が展覧会の為に監修されたスイーツを頂くのが大好きなのです。





この日も珈琲と「抹茶ノ輪」のスイーツを頂きました。
いつもながら、間違いのない美味しさです。
(珈琲とスイーツはツアー終了後に頂きました。)





テラスの西側からは宝積寺(宝寺)の三重塔の一部が、南側からは石清水八幡宮が鎮座される男山が遠望出来ます。

また、手前は三川合流の地で南から木津川、宇治川、桂川が合流し、淀川となり大阪湾へと注ぎます。
この三川合流の地には堤防「背割堤」があり、春は桜の名所になっています。

最後に参加者の皆さんと一緒に記念撮影を、後日、メールで送信して頂けるそうです。



前回のまいまい京都のツアーでご案内して頂いた大西館長さまと今回のツアーで案内して頂いた池田さんと記念撮影をお願いしました。

カフェの後、再び展示室に戻り今回の「つながる民藝」展の作品をゆっくりと鑑賞しました。


河井寛次郎 「三色打釉扁壺」


濱田庄司 「流描組タイル」
バーナード・リーチ 「鉄絵組タイル」

こちらの作品は本館2階のテラスに置かれています。



濱田庄司 「銅緑釉格子文角皿」

以上は、購入した絵葉書からです。



民藝運動のパトロンでもあった山本爲三郎のコレクション中心の展示だけに陶器だけではなく、上着や裂織敷物など多義に渡る展示内容で見応えのある内容でした。

今回、案内して頂いた教育普及担当の池田さん、大西隆宏館長さまをはじめ美術館のスタッフの皆さま、お世話になりありがとうございました。

内容の濃い、素晴らしいツアーでした。


















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1 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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特殊鋼流通関係 (オノゴロプロジェクト)
2025-05-31 13:17:48
最近はChatGPT(LLM)や生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、トレードオフ関係の全体最適化に関わる様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術とは違った日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
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