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全油種0.5円値上げ、サウジ調整金を反映 元売仕切、油価高騰で来週は大幅値上げも

2021-02-04 07:45:07 | 日記
石油元売各社の2月第1週から1週間の仕切価格は、原油コストはほぼ横這いで推移しているが、サウジアラムコの1月積の調整金(公式販売価格、OSP)の改定幅を反映し、全油種・前週比0.5円値上げが通知されている。
ここ最近の原油価格は、欧米などでの新型コロナウイルスのワクチン接種開始で石油需要が上振れするとの期待感から上昇傾向で推移しており、米国バイデン大統領の経済対策なども追い風となっていたが、ほとんどの国でワクチン接種が進まず、新型コロナウイルス感染拡大が抑えられないことがリスク要因となり、油価を押し下げる展開もみられた。
このため、石油元売各社が指標とする原油コストは2週連続でほぼ横這いとなっているが、今週の仕切価格は、サウジアラムコが元売各社に通知する原油の調整金改定幅が反映された。1月積のアラビアンライトの調整金は、1バレル当たり12月比で0.80ドル値上げされているが、足下の為替レートで計算すると、1リットル当たり0.52円のコスト上昇要因となるため、今週の仕切価格に上乗せされた。
足下の原油価格は、OPECプラスの高い減産順守率に加え、米国の原油在庫取り崩しが進んでいることで大幅に上昇している。OPECプラスが2月から3月にかけて段階的に協調減産を緩和(累計15万BD)するが、サウジアラビアの自主減産(100万BD)のインパクトが大きく、油価を押し上げた。さらもミャンマーのクーデターでドル高が進み、円安となったことも元売各社が指標としている原油コストを押し上げており、このままの水準で推移すれば、来週の仕切価格は1円を超える大幅値上げとなる可能性がある。

石油通信社

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