認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の発病原因と学説の重大な誤り(B-88)

2017-08-15 | アルツハイマー型認知症発病のメカニズム

(プロローグ)様々な種類が数有る認知症全体の90%以上の割合を占めていて、認知症の専門家達から『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も分からない』とされていて、発病の原因について様々な仮説が唱えられているのが、我が国だけを取り上げても発病者数が600万人を超えたとされている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症なのです。生まれつき特定の「遺伝子」に異常が確認されている人達だけを対象として、且つ、30歳代から50歳代までと言う若い年齢で発症し、症状の進行具合が極めて急速であり、僅か数年で寝たきり状態にまでなってしまう「アルツハイマー病」と60歳を超える年齢の「第二の人生」を送っている「高齢者」だけを対象として発病し、「加齢」による機能低下を基礎としつつ、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続による廃用性の機能低下の進行が「加重」されることにより発病するものであり、加えて症状の進行が何年間もかけて緩やかにしか進行していかず、身体が持つ限り症状が進行していくのが特徴であるタイプの認知症であり、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」である「アルツハイマー型認知症」とは、発病のメカニズムも、症状が重症化するメカニズムも、発病自体の予防の可能性も、更には症状を治すことの可能性の有無と言う面でも、全ての面で、全く異なるものなのです。「アルツハイマー型認知症」研究の専門家と言われていて、権威ある組織の重要な職責についている人達の内で、両者をまとめて「アルツハイマー病」と呼称している人達がいるのですが、その人達は、肩書がどれだけの物であろうとも、「アルツハイマー病」についても「アルツハイマー型認知症」についても、無知と言うべきなのです。肩書に惑わされないよう注意して頂きたいのです。最近の新聞報道の特集記事で皆さんも既にご存じかと思いますが、我が国の製薬会社だけでなくて、欧米の巨大な規模の製薬会社も含め全ての製薬会社が「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発に失敗しているのです。その原因は何かというと、これまで「通説」としての地位に在って世界の医学会をリードしてきた、アミロイドベータ説と言う学説(仮説)の内容が破綻している、主張内容自体が誤りであるということの証拠に他ならないのです。「アルツハイマー型認知症」の本態、発病のメカニズム(機序)とは、そもどのようなものであるかについて、生きた人間の意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳機能である「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)に焦点を当てて研究し、発病の予防と早期診断による回復とを明確な目的として、北海道から九州までの地域、452の市町村で住民参加型の「地域予防活動」として、実践し、主張の内容が正しいことを実証してきた、私たちの主張の概要を分かり易くまとめてみましたので、読んでみてください。

 

私達人間の意識的な世界、私達が意識的に何かのテーマを発想し、行動の内容を計画し、実行の手順を組み立て、実行の結果をシミュレーションした上で修正し、最終的に実行すべきその内容、実行の程度及び態様を選択して決定し、実行に移す世界は、皆さんが日常の生活面で当たり前のように実行し、体験している世界なのですが、実は、認知機能(cognitive function )、「前頭葉」の機能である実行機能(executive function)、更には、意識(awarenes)自体についても、未だに定説とされるものが無いのです。平たく言うと、「よく分かってはいない」と言うのが実情なのです。そのため、マウスが檻の中で餌を求めて動き回る行動の研究から推測(憶測)して、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(機序)について、推測し(憶測)、アミロイドベータ説とかタウ蛋白説とかの仮説を唱えているということなのです。認知症の専門家であるとか、脳科学の専門家であるとか、其れこそ天文学的な人数の学者や研究者や医師達がいるというのに、未だに定説なるものが確立されてはいないのです。私たちは、生きた人間の意識的な世界における「前頭葉」機能の機能レベル、「前頭葉」を含む脳全体の機能の機能レベルを精緻に判定し並びに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状としての「アルツハイマー型認知症」の症状を鑑別する為の手技としての「二段階方式」の手技を独自に開発し、452の市長村で実践したその成果を踏まえて、私たち独自の考え及び主張を公開してきているのです。

 & 「アルツハイマー型認知症」を発症するその原因に対する理解

(1) 医学会の主張(「仮説」)に共通する理解(重大な誤解

様々な種類が数有る認知症全体の90%以上の割合を占めている(言い換えると、皆さんが普段お目にかかるタイプの認知症である)「アルツハイマー型認知症」を発病させる原因として主張されてきた様々な「仮説」(主張している原因なるものと「アルツハイマー型認知症」の症状の発現との間の因果関係を立証することが出来ないでいるがために、「仮説」として扱われているのです)、その代表的なものとしては、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク質、脳の萎縮説などが有ります。マウス(アミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスを含む)が檻の中で餌を探して動き回る徘徊行為の分析データから推測した(憶測した)だけと言うレベルでの理解を基礎としたそれらの全ての主張(仮説)に共通している主張内容はと言うと、『「器質的な病変」に起因した「記憶の障害」と言う要素が、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現し、症状が重症化する根幹となっている』と言う主張、言い換えると、「重大な誤解」に立脚しているものなのです。

その結果、「記憶障害」を惹起させている要因として、「アルツハイマー型認知症」を発病して、末期の段階になって初めて発現するものである失語や失認や失行の症状が確認されていた「お年寄り」が、更に何年か生きた後の死後の「脳の解剖所見」で共通して確認されるものである「老人斑」、「神経原線維変化」、或いは「脳の萎縮」に目を付けたものが、それぞれ、「アミロイドベータ説」、「タウ蛋白説」、「脳の萎縮説」として、主張されてきているにすぎないのです。学説とは言っても、或いは世の中で権威が有ると認識されている学者や研究者や研究機関が主張していると言っても、その程度のものに過ぎないのです。権威もなく、組織も小さい私たちが主張の根拠にしている活きた人間の「前頭葉」を組む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした認知症の症状としての「脳機能データ」の精緻さと解析結果の内容の深さと比べれば、比較にならない程の大きな違いがあるのです。

アミロイドベータが蓄積して生成された老人斑が持つ毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹起させることにより、「アルツハイマー型認知症」を発症させる原因となる「記憶障害」が起きてくるとする仮説がアミロイドベータ仮説であり、タウ蛋白が蓄積して生成された神経原線維変化が持つ毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹起させることにより、「アルツハイマー型認知症」を発症させる原因となる「記憶障害」が起きてくるとする仮説がタウ蛋白仮説なのです。世界的に主張が通用している学説とは言っても、主張の内容と発病との間の因果関係を未だに立証できていない単なる推論、推測、或いは憶測に基づく主張(仮説)に過ぎないのです。主張者によっては、テレビに出てきて、因果関係が立証されているかのような発言をする人達がいますが、実際には、未だに立証が為されていないのです。

アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、様々な種類が数有る認知症の内で、唯一、脳が壊れてもいないのに(何等の器質的な病変が見当たらないのに)認知症の症状が発現してくるのが特徴なのです。条件反射や無意識の世界とは根本的に異なる世界、私達が意識的に何かを実行しようとする世界、言い換えると、私達が意識的に何かのテーマを発想し、実行内容を組み立て、実行に移そうとする際に、「脳の機能レベル」と言う障害要因に起因して、言い換えると、私たち人間の意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能についての、脳全体の「司令塔」の役割を担っている脳機能についての、一つには「加齢」と言う要素に起因した機能低下及びもう一つ、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」という脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下と言う二つの要素が同時に存在し、充足されることによって廃用性の加速度的で異常な機能低下が惹起されることが直接の原因となって、様々な程度及び態様での認知症の症状(「アルツハイマー型認知症」の症状)が発現してきて、更には、症状が重症化していくだけの世界のことなのです。

 

認知症の専門家と言われる世界中の学者達は、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(機序)について、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の規定の「第一要件」で確認が要求されている「記憶の障害」と言う要素及び「第二の要件」で確認が要求されている失語、失認又は失行の症状と言う要素の確認という二つの要件が共に重大な誤りを内包していることに気が付かないで居て、むしろ、それを金科玉条として付き従い、鵜呑みにしているが故の重大な過ちを犯し続けているのです。「記憶の障害」と言う要素が間違いであることに気づかないで居て、「記憶の障害」をもたらしそうな原因ばかりを追求していて、更には、末期の段階の症状から推測し、類推し、憶測した、発病の原因らしきものの究明へと迷路へはまり込んで行っていることに気づかないでいるのです。

私たちは、後で詳述するように、生きた人間の意識的な世界、言い換えると、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクして発現してくる症状、「アルツハイマー型認知症」の症状について、14689例もの極めて多数で、且つ極めて精緻な「脳機能データ」を集積し、それを解析し、北海道から九州まで広範囲にわたる452もの市町村で実践した「アルツハイマー型認知症」の早期診断と回復及び発病の予防を目的とした住民参加型の「地域予防活動」(急激に、且つ天文学的な規模で膨れ上がり続けている「介護関連の費用」の増大を堰き止め、更には、減少させ得る方法として、我が国が早期に実施すべき施策は、この活動方法以外には無いのです)の成果を基にした主張であり、主張されている様々な学説のように単なる推論や推測や憶測に基づいただけの空想の類とは次元が異なるのです。私たちが類型化した「アルツハイマー型認知症」の最初の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階)で確認される認知症の症状を以下に列記します。此処で言う「小ボケ」の段階とは、私たちの定義では、左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに衰えてきていて、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在る段階のことを言うのです。「小ボケ」の段階で確認される「アルツハイマー型認知症」の症状は、「記憶の障害」に起因したものは欠片も確認されなくて、全てが、「記憶の障害」に起因したものではないのです。「DSM-4」が「第一の要件」で確認を要求している「記憶の障害」{The development of multiple cognitive deficits manifested by (1) memory impairment (impaired ability to learn new information or to recall previously learned information )}と言う要素が、私たちが指摘してきているように、「アルツハイマー型認知症」発病の直接の原因でないとしたら、「アミロイドベータ」を脳の中から排除する仕組みの研究(ワクチン療法により解消させる方法の研究を含めて)と言うテーマがいかに不毛の物であるか、何時まで研究を継続してみたところで必ずや徒労に終わるものでしかないことに早く気付いていただきたいと、切に願うのです。時間の無駄遣い、若い人材の無駄遣い、税金の無駄遣いに過ぎないのですから。「DSM-4」が規定する「第一の要件」及び「第二の要件」の規定内容には、共に重大な誤りが存在しているにも拘わらず、未だに世界的な権威を持ち続けているが為に、次章で問題提起するように、医学会も製薬業界も更に新たな、重大な過ちである方向へと舵を切ろうとしているのです。

○「小ボケ」に特有で、代表的な症状の8項目

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

此処に挙げた症状は全て、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階)に特有な症状であり、それらの症状が発現してくるメカニズム(機序)は何かというと、認知症の専門家達が言っているような器質的な病変としての「記憶障害」に起因したものなのではなくて、単なる機能の低下、就中「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが呼称する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能について生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状ばかりなのです。私たちが20年も前から主張してきているように「アルツハイマー型認知症」の発病は、「器質的な病変」に基づいたものでもなければ、「記憶障害」に起因したものでもなくて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続と言う「第二の人生」での「脳の使い方」としての「生活習慣」に基づく「前頭葉」を含む脳全体の機能について生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が直接の原因なのです。

  

(2) 私たちが主張する発病のメカニズム(機序)

私達が独自に開発した「二段階方式」の手技の活用により集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状、「アルツハイマー型認知症」の三段階に区分される認知症の症状を分析して得られた結論、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム(機序)の概略を述べると、次のようになるのです。

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、私たちが、意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、「前頭葉」を含む脳全体の機能について「器質的な病変」が何等見当たらないにもかかわらず、様々な支障(認知症の症状)が出てくること、具体的には、状況の理解と判断、実行すべき「テーマ」の発想、実行内容の組み立て、実行結果のシミュレーション、シミュレーションに基づく修正、最終的な実行内容の決定、実行の手順及び程度と態様の決定並びに実行の決断及び脳の各部に対する実行の指令等の「前頭葉」の個別認知機能の機能発揮面での様々な支障が出てくる病気であり、私たちは、その原因は、「器質的な病変」としての「記憶障害」に起因したものではなくて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続に起因した廃用性の機能低下、「前頭葉」の三本柱の機能の廃用性の機能低下を根幹とした「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病及び症状重症化の直接の原因だと主張しているのです。このことを別の簡潔な言葉で言い換えると、「アルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症は、脳の使い方としての生活習慣に起因した病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であると主張しているのです。

私達人間だけに特有な世界である意識的に何かをしようとする世界(「意識的な世界」)における「前頭葉」の個別認知機能の機能の発揮度が、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能)の機能レベルに直接にリンクして変化するという機能発揮上の構造、「二重構造の関係」にあるということを理解しない限り、何時まで経っても、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状重症化のメカニズムを解明することは出来ないのです。その肝心の「前頭葉」の三本柱の機能には、誰の脳にも生来的な性質としての「正常老化の性質」が宿っている、これを言い換えると、『脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘わらず、正常な機能レベルを保ちつつも、加齢と共に、緩やかなカーブを描きながら次第に働き具合が衰えていくという性質が内在している』のです。この性質は、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「脳機能データ」、私たち独自の「脳機能データ」の解析結果により確認していることなのです。

加齢に従い機能が緩やかに衰えていくという「前頭葉」の三本柱に生来的に宿る性質、「正常老化の性質」により、「第二の人生」が始まったばかりの年齢である65歳頃には、正常な機能レベルを保っているとはいいながらも、最盛期の20歳代前半の頃の半分以下の程度にまで「前頭葉」の三本柱の機能が衰えてきているのです。『「第二の人生」を生きている60歳を超えた年齢の「高齢者」』(私たちが主張する「発病の第一の要件」)が、その人にとっての「キッカケ」となる生活状況の大きな変化/生活上の大きな出来事の発生を契機として開始された脳の使い方としての単調な生活習慣の開始とその継続、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が日々継続された儘で居ると(私たちが主張する「発病の第二の要件」)、「前頭葉」の三本柱の機能が、出番が極端に少ない生活条件の下で、廃用性の機能低下を進行させていくこととなり、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足される相乗効果により廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなる、その先に「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです(「器質的な病変」が原因ではなくて、機能低下、就中、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により「前頭葉」の三本柱の機能が衰えていくことの反射的な効果として、「前頭葉」の個別認知機能の機能の発揮度自体が同様に衰えていくことになる。自分が置かれている状況の理解と判断、状況の判断に沿った実行「テーマ」の発想、実行内容の企画と計画、実行の結果のシミュレーションによる修正、実行の程度及び態様の決定、実行の決断と脳の各部に対する実行の指示等の全ての個別認知機能の機能の発揮度が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という上述のメカニズムの影響を直接的に受けることになるのです。その結果が、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクする形として(「前頭葉」を含む脳全体としての脳の機能レベルを反映)の「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくると言うことなのです。

その最初の段階が私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階であり、「社会生活」での様々な支障が起きてくることになるのです(その症状の類型については、上掲済み)。そして、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されているという条件下で、「前頭葉」が更なる廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていきつつ同時に左脳、右脳及び運動の脳も廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことにより症状の重症化が進んで行くこととなり、「家庭生活」面での様々な支障が起きてくる「中等度認知症」(中ボケ)の段階を経て、最後は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が発現してくることとなり、「セルフケア」の面でも様々な支障が起きてきて、日常生活面で介護が不可欠のものとなるのです(なお、「DSM-4」の規定が「第二の要件」として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、「大ボケ」の段階の更に後半にならないと発現が確認できない極めて重度の症状であることに留意して下さい。これら失語、失認又は失行の症状の確認を待って初めて「アルツハイマー型認知症」の発症と診断しているがために、せっかく見つけても手遅れ、「脳のリハビリ」により治すことが出来なくなっていて、介護の途しか残されていないということになるのです)。「アルツハイマー型認知症」の発病及び私たちが回復の可能性の有無及び程度という視点から「三段階」に区分する認知症の症状は、全て上述したメカニズム(機序)の枠組みの下で、認知症としての症状が発現し、更には、症状が重症化していくものなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因、メカニズム(機序)の解明について、世界中の認知症の専門家達がどうして迷走ばかりしているのでしょうか。それは、私たち人間の意識的な世界の機能構造が極めて複雑であり、世界広しと言えども、「意識」の機能構造を解明できた人がこの世には未だに存在しないからなのです(意識についての定説が確立されていない)。私たちが、独自の研究により、提唱している「意識」の機能構造について興味がある方は、このブログの「B09~B12」を読んでみてください。

認知症の専門家と言われ、推測(憶測)に基づいた様々な「仮説」を提唱している人達は、意識の機能構造について無知であるだけでなく、意識の源である「前頭葉」と言う脳の機能構造についても無知であり、就中、「前頭葉」の廃用性の機能低下と言う問題についても無知な人達ということになるのです。私たちがこれまでに解明してきたことと言えば、言うなれば、「コロンブスの卵」程度の物のはずなのに、何時まで、マウスのおしりを追い掛け回して、迷走を続けるつもりなのでしょうか。

彼等にさえできないレベルの事を何故私たちが出来たのか。私たちは、独自に精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を開発し、マウスではなくて活きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定とそれに厳密にリンクした症状についての「脳機能データ」を集積し、解析し、理論的に体系化し、その結果に基づいて、実務に展開できるよう簡便化し、市町村での住民参加型の「地域予防活動」で、私たちの主張の内容が正しいことを実証してきたからなのです。出来るだけ近い時期に、「二段階方式」の手技に基づいた「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復とを明確な目的とした、住民参加型の「地域予防活動」が、市町村の保健師さんの主導の下に、且つ地域の「ボランティア」の活動参加による協働と言う方式により、全国の市町村の隅々にまで浸透し、展開されていくよう、新機軸を打ち出した広報活動に入る予定にしているのです。

 

& 私たち人間だけに特有な「意識的な世界」と「前頭葉」の機能

(1) 人間の意識的な世界と認知機能発揮面での「二重構造

私たち人間の意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしているのは、世界中の脳科学者達や認知症の専門家達とされる人達からも、未だに良くは知られていない「前頭葉」と言う脳機能の働きなのです。

観察、考察、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、推測、憶測、推察、想像、創意、工夫、比較、検討、構想、排除、選択、シミュレーション、判定、決定、決断、感動、抑制等の「個別の認知機能」は、それ自体としての機能、言い換えるとDNAで受け継がれた潜在的な能力スパンを有しつつ及び加齢による機能低下と言う側面を有しつつも、具体的に機能を発揮する場面では、「前頭葉」の三本柱の機能の機能の発揮レベルに下支えられ/左右されているという機能発揮上の「二重構造」の問題があるのです。その「前頭葉」の三本柱の機能についても、それ自体としての機能、言い換えるとDNAで受け継がれた潜在的な能力を有しつつ及び加齢による機能低下と言う側面を有しつつ、更には、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した廃用性の機能低下と言う側面もあるのです。

その結果として、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の場合には、「器質的な病変」が原因でもなく、或いは「記憶の障害」に起因したものでもなく、「加齢」に起因した機能低下(私たちの言葉で言う「正常老化の性質」)と言う要素とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下と言う要素の両者が重なり合うことによって、その相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能について廃用性の加速度的で異常な機能低下が惹起され、進行していくことの反映としての、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした形での「認知症の症状」が発現してきて及び症状が重症化していくというメカニズムが確認されるのです。

(2)「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプット

私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳全体の司令塔の役割を担っている脳機能、左脳、右脳及び運動の脳により構成されている三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」という脳機能の働きについて、言い換えると、意識的に何かの「テーマ」を実行していく上での、置かれている状況の理解と判断、状況の判断に沿ったテーマの発想、テーマの実行内容の企画と計画、計画内容の実行結果についてのシミュレーションによる修正、或いは計画内容の実行の仕方及びその実行内容の表出である言動や表情や態度の選択、最終的な実行内容の決定と決断及び脳の各部に対する実行の指示について、上述のメカニズム(機序)に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことが直接の原因で、「アルツハイマー型認知症」の様々な程度及び態様による症状が発現してきているのです。「前頭葉」は、左脳、右脳及び運動の脳との情報のやり取りを行うことにより、個別認知機能を発揮させているので、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在ろうとも、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」が異常な機能レベルに衰えてきたその時から、言い換えると、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階のアウトプットは既に異常なものとなっている、言い換えると、認知症の症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状が発現しているということになるのです。

 発病自体も症状の重症化の進行も、そもそも器質的な病変が原因ではないし、言い換えると、アセチルコリンの不足が原因ではないし、アミロイドベータの蓄積が原因ではないし、タウ蛋白の蓄積が原因ではないし、脳の萎縮が原因でもないのです。そして、私たちが三段階に区分して類型化している「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各段階の様々な症状発現の核となっているのは、世界的に権威があるとされている「DSM-4」の規定や我が国では未だに有力な学説として主張されている仮説である「アミロイドベータ説」(東大、京大及び理化学研究所がその牙城)や同じく仮説である「タウ蛋白説」が主張しているような「記憶の障害」ではなくて(情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死が原因となって「記憶障害」に起因した認知症の症状を発現させている訳ではなくて)、「前頭葉」の機能障害なのだ(「前頭葉」をその中核として、且つ「前頭葉」を含む脳全体の機能について、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続が原因で廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことに起因して認知症の症状が発現してきているのだ)ということを理解していただきたいのです。

「アルツハイマー型認知症」の末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階で発現してくる症状である「便で便器の縁を汚しても、後始末が出来ない」とか、「同居している家族の名前も顔も分からないし、子供を配偶者と間違える」とか、「風呂に入っても、身体を洗おうとはしない」とか、「傷んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする」とか、「昼と夜の区別がつかなくなり、夜中に畑に行くと言い張って騒ぐ」などと言った症状は全て、「記憶の障害」に起因した症状なのではなくて、「前頭葉」の機能障害を骨格とした症状、言い換えると、『前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下をそこまで進行させてきているその直接の結果として発現している症状であり、且つ、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状でもあるということなのです。

 

& 最新の医学会及び製薬会社の迷走及びその誤った方向性

(1)   基本の考え方

「アルツハイマー型認知症」を発病させる原因物質は、アミロイドベータであるとする考え方。脳内にアミロイドベータが蓄積することにより、老人斑が生成されて、その老人斑が持つ毒性により、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死が惹起されることによって、「記憶障害」に起因した「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくるとする考え方(仮説)が維持されているのです。

(2)   新しい方向性-Ⅰ

基本の考え方に誤りがあるのではなくて、症状の進行に対する治療開始のタイミングが遅すぎたとする新しい考え方。米国立衛生研究所、米国製薬会社大手のイーライ・リリー社及び米国ハーバード大学が中核となったプロゼクトが既に始動していて、我が国からは東京大学がそのプロゼクトに参加しているもの。

これまでの治療薬は、「アルツハイマー型認知症」を発病した後(「アルツハイマー型認知症」としての認知症の症状が確認された後)のタイミングで治療の効能が期待される薬の開発を目指してきたことが治療薬の開発が失敗に終わった決定的な要因だと分析するもの。その分析と反省に基づいて、新しい薬は、「アルツハイマー型認知症」を発病する前(「アルツハイマー型認知症」の症状としての認知機能の低下が確認される前)のタイミングで、言い換えると、認知機能が未だ正常な段階の内から出来るだけ早い段階で、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の「細胞死」の原因となる老人斑の主成分であるアミロイドベータの蓄積を探査し、蓄積が確認されたアミロイドベータを脳の中で分解させてしまう(又は、除去する)ことが、「アルツハイマー型認知症」発病の決定的な予防方法となるとする考え方なのです。

(3) 新しい方向性-Ⅱ

最新の報道によると、我が国の製薬会社エーザイが血液検査装置大手のシスメックスと共同して血液から「アルツハイマー型認知症」を診断する技術を開発するそうなのです。その新技術が実用化すれば、「アルツハイマー型認知症」患者の早期発見や新薬の開発に寄与する可能性が有ると報じられているのです。

(4)   重大な誤解に基づいた誤った方向性

イ:(2)について結論から言うと、この方向性は新機軸を打ち出したものではなくて、医学的な根拠も無い、論理的な帰結でもない、奇想天外な空想物語に過ぎないのです。私たちがこのブログで何度も指摘し、三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の類型、就中、最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階における典型的な症状の類型について詳細な分析と説明とにより問題提起してきているように、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の本質は、「第二の人生」における脳の使い方としての「生活習慣」に起因した病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」を本態とするものであって、様々な程度及び態様により発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状は、「記憶の障害」(memory impairment)に起因して発現してくるのではないということなのです。「DSM-4」の「第一の要件」の規定内容を典型として、「記憶の障害」に起因して「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくるとするその考え方(仮説)自体が重大な誤りであることにさえ気づかないで居て、相も変わらず、「記憶の障害」の原因物質であるとしてきた(実は、これまた単なる「仮説」にすぎないのですが)アミロイドベータの早期排除(解消)に突き進むのは、新機軸と言うどころか、重大な誤解に基づいた空想の類としか言いようがないのです。

ロ:(3)について言うと、基本的にはその方向性に対しても、上記イでの解説と同じことが言えるのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の本質は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」(但し、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)を本態とするものであって、その症状は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくることにより、「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてくることで発病し(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階)、更には、「前頭葉」の機能の更なる機能低下の進行に付随する形で左脳、右脳及び運動の脳の機能までもが廃用性の機能低下により異常なレベルに衰えてくることによって、「中ボケ」の段階を経由して最後は末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくるだけのものなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(機序)は、「記憶の障害」が直接の原因ではないし、「アルツハイマー型認知症」の症状自体も、「記憶の障害」に起因して発現するものでもないのです。アミロイドベータの脳内での蓄積について、どのような方法で/どのように精緻に/どのような蓄積量の段階で/確認できる装置や方法を開発し実用化しようとも、「アルツハイマー型認知症」の早期発見にはつながらないし、治療薬/予防薬/予防方法の開発や発見につながる可能性は絶無であるとしか言いようがないのです。アミロイドベータの蓄積と「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行との間には、直接の「因果関係」自体が存在していないからなのです「アルツハイマー型認知症」の専門家達(学者、研究者、医師)の間では世界的な権威が有るとは言え、その主張の内容自体が誤っている上に、主張の内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の「因果関係」の立証が未だに為されないままである「仮説」に対して、何の疑いを抱くこともなく、何時まで信望し続けると言うのでしょうか。私たちには権威は無いものの、北海道から九州までの広域にわたる452の市町村で実践し、実証してきた、「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」及び早期診断による「回復」を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の成果があるのです。何時になったら、無駄な研究や投資を止めて、私たちの主張と実績とに興味と関心を持っていただけることになるのでしょうか。

& 「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴

(1)廃用性の機能低下と「前頭葉」を含む脳の機能が衰えて行く順番の規則性

廃用性の機能低下を本態とする「アルツハイマー型認知症」の特徴として、高度な機能から先に機能が低下していくという特徴が確認されるのです。大きくは、「前頭葉」、左脳、右脳、運動の脳と言う順に潜在的な機能レベルが低下していくのです。より細かく言うと、MMSEで判定される下位項目についても、機能が衰えて行く順番≪できなくなっていく順番)について、厳格な規則性が確認されるのです。認知症の専門家(学者、研究者、医師)と称されていながらも、その人達は、「アルツハイマー型認知症」の判定及び鑑別についての特段の基準を持ち合わせていない訳なのですが(「DSM-4」の「第一の要件」及び「第二の要件」の規定の内容やら、MCI[Mild Cognitive Impairment]とか言う曖昧模糊とした「記憶障害」の症状としての外観的な症状だけでの類型しか持ち合わせていないのです)、私たちが、14689例に上る「脳機能データ」を解析して得られた「MMSE下位項目の項目困難度」と言う指標は、「アルツハイマー型認知症」と他の種類の認知症との鑑別及び認知症と紛らわしい病気との鑑別と言う面で極めて精緻な判定機能を発揮してくれるのです。その上、私たちが、「アルツハイマー型認知症」の症状として三段階に区分している症状の類型は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状であり、発病者自身が今どのレベルに居て、この先どのような症状が発現してくることになるのかを的確に評価することが出来る優れものなのです。

(2)回復の可能性及び程度により区分される三段階の症状

(小ボケ)の段階:「脳のリハビリ」により、治すことが容易な段階

(中ボケ)の段階:「脳のリハビリ」により、治すことが未だ可能な段階

(大ボケ)の段階:「脳のリハビリ」により、治すことが最早困難な段階

& 久山町における疫学研究の限界と問題点

(1) 福岡県久山町での検診のやり方とその限界

最近の新聞報道で、久山町の町民に対する疫学調査が有効であるかのような記事が有りました。このレベルの調査では、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムや発病を予防する方法の解明に役立つどころか、逆の結果、誤った情報に権威が付される危険があることを指摘し、問題提起しておきたいのです。過去にも同様の調査で提起した、『高血圧や糖尿病の人は「アルツハイマー型認知症」の発病のリスクが高い』との結論が、直接の因果関係を確認したものではないからなのです。高齢者の一日の運動量や摂取する食事の量や内容など生活習慣も聞き取り、認知機能の低下も調べるとある。ところが、その方法はと言うと、65歳以上の高齢者については、MRI(磁気共鳴画像装置)を活用して、脳を診るのだという。これまた、何をか言わんやなのです。たくさんの人数を調べさえすれば、生活習慣と言われているものの一部を調べれば、発病の原因や予防の方法が分かるという訳ではないのです。「アルツハイマー型認知症」の場合は、その本態が廃用症候群に属する「生活習慣病」であるとはいえ、それは脳の使い方としての「生活習慣」が問題となるのであり、更には、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因して発病するものと言う、特定し確認すべき生活習慣が極めて限定された内容となるので、「ビッグデータ」の解析であるとか、単なる「聞き取り」の類では、「発病因子である正しい実態」を的確に把握することは困難なのです。

(2)九州大学がかって久山町で行った「糖尿病」との因果関係についての調査結果の結論が誤りであるとする、このブログでの私の批判の内容を再掲しておきます(私のブロウである「B-78」からの抜粋による引用です)。

二つ目の誤った主張とは、糖尿病の発病それ自体が「アルツハイマー型認知症」発病 のリスクを高めるとする「久山町の研究」の報告です。これは、九州大学が行った福岡県久山町の住民の疫学調査に基づく報告なのですが、これまた、因果関係の確認が粗雑に過ぎるというしかないのです。結論から先に言うと、糖尿病の発病と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に直接の因果関係は存在しないのです。発病との間に直接の因果関係がある要因とは、脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の開始とその継続という生活要因なのです脳の使い方としての「生活習慣」という要因を見落とし、短絡的に因果関係が存在するとの誤った分析をしているだけのことなのです。世の中で雑に行われているビッグ・データの解析で、赤ワインとかココアが「アルツハイマー型認知症」の予防に効果があるとされたあの風評と同じレベルのものに過ぎないのです。合併症の発病者を含む糖尿病患者、或いは高血糖状態に在る糖尿病の予備軍であるお年寄りの間に、「アルツハイマー型認知症」の発病者が多いということが久山町研究の統計的な「事実」としても、そのことだけをもって、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の直接の因果関係の存在を立証したことにはならないのです。私たちが、「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」として規定している、脳の使い方としての「生活習慣」という要因を見落としているからなのです。合併症の発病者を含む糖尿病患者、或いは糖尿病の予備軍であるお年寄り達が「アルツハイマー型認知症」を発病するケースが多いという実態は、「糖尿病」の発病自体に「アルツハイマー型認知症」発病の原因が存するのではなくて、実は、『医学会の研究不足に拠るところの「体重規制」とカロリー規制と薄味規制という数値規制オンリーの考えを基礎とした闘病生活の強要』との間に相関関係が存すると私は考えているのです。その理由は、数値規制オンリーの考えに基づく「体重制限」と「糖尿病食」の強要が「前頭葉」の機能を正常なレベルに維持していく上で不可欠である「意欲」を減退させ、自分なりに生き甲斐や喜びを得られるような「テーマ」を追及する生き方への「意欲」を喪失させてしまうことになるからです。本人のQOLに対しては全くのこと無関心で、「数値規制」オンリーの考え方に基づく「体重制限」(基礎体力と意欲の減退が不可避的となる「ひ弱で脆弱な肉体」の維持)の強要に加えて「糖尿病食」(意欲と免疫力の低下を余儀なくされることとなる)の厳格な維持を要求する担当医の生活指導を忠実に守る闘病生活を「キッカケ」として、毎日が「単調な生活」に追い込まれることになること、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」に追い込まれ、落とし込まれていくことになるのです。数値規制オンリーの要求と強要が、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下を進行させていく原因となるナイナイ尽くしの「単調な生活」に本人を追いやる要因に加えて、加齢により機能が低下していくという「正常老化の性質」が基本の要因として進行していることにより、両要因が同時に充足される状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。此処に取り上げた二つの要因こそが、「アルツハイマー型認知症」発病の真の原因なのです。幸いなことに私の場合は、血糖値を所定の域値内に保つことは至上命題としつつも、医師が強要する「体重規制」にも「食事規制」にも従わず、私なりの別の基準に従って闘病生活を行っていることに加えて、私を強力に励まし支援してくれるTadや良き友達にも恵まれているおかげで、闘病生活が「キッカケ」とはならなかったということなのですけど。退院後の最初の一週間、私の担当医が要求する「数値規制オンリーの生活」を厳守する生活、「体重規制」(身長から算出される62kgに体重を落とすこと)と糖尿病食の維持を厳格に守って感じた私の実感に基づいた危機感、問題提起でもあるのです。

糖尿病の治療を専門にしている医師達に言いたいのです。世界中の認知症の専門家達から『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、一旦発病するとその症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ない病気』と言われ続けてきているのです。私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも上る精緻な「脳機能データ」の解析と北海道から九州までの広い地域に及んだ440を超える市町村で展開し実証してきた住民参加型の「地域予防活動」の実践の成果によると、認知症の大多数90%以上を占めていて、私たちの区分で言う末期の段階、「重度認知症」(大ボケ)の段階に在る「お年寄り」の数だけでも、厚労省の発表数字で460万人を超える規模となっている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の本質は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです(但し、此処に言う生活習慣とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに注意する)。「アルツハイマー型認知症」は、「正常老化の性質」が発病の基礎にあるが為に60歳を超える年齢の「高齢者」だけが発病の対象となるのです。ボケるかボケないか、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるか/ならないか、「第二の人生」を生きるお年寄りにとって、「日々の生き方」言い換えると脳の使い方としての「生活習慣」が問われる病気なのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病は、第一の要件が『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』であり、第二の要件が『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が開始され継続されること』であり、且つその二つの要件が同時に充足されるとき、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、その行きつく先に「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が待っているのです。その最初の段階が私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階であり、この段階を脳の機能面から説明すると、「前頭葉」の三本柱の機能だけが異常なレベルに衰えてきていることに起因した「前頭葉」の機能障害の症状だけが発現してくることになるのです。私が教育入院していた病院の糖尿病患者のみが入る病棟では、周りのお年寄りは皆さん、目がうつろで生気がなく、歩くのがやっとのお年寄りばかりだったのです。生活不活発の「状態」に在ったのです(但し、このことだけでは、一部の医師達が主張しているような病気とは言えなくて、私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに在ることが確認されて初めて認知症と言う病気の世界に入っていくことになるのです)。

厳格極まりない数値規制オンリーの「糖尿病対策」の強要、糖尿病食の維持を含む闘病生活の厳格な維持が「キッカケ」となって、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に本人を追い込んでいくこととなり、その行きつく先が、「アルツハイマー型認知症」の発病となるというリスクを抱えた「闘病生活」指導の考え方という訳なのです。

そうした実体験に基づいた私の考え方は、医師が要求する厳格な数値規制を厳守する数値規制オンリーの「生活」とは真逆のものなのです。厳格な血糖値規制と糖尿病食の厳守が至上命題とされ、糖尿病の合併症の発病の回避だけが目的とされている生活、私に言わせれば、「命を単に長らえるだけの生活と生活スタイル」ではなくて、厳格な血糖値規制というものは守りつつも、この先長く続く糖尿病との闘病生活に「QOLという視点を持ち込み、気力の源である基礎体力の維持に必要な体重を確保すること並びに基礎体力の維持と運動療法(私の場合は、「速足の散歩」とゴルフ)の実施に必要十分な総 kcal数を摂取することに加えて、自分なりにイキイキとした生活と食生活を楽しむ「生活スタイル」を確保した「闘病生活」をしようと心に決めたのです。最終的なリスクは医師が決めるのではなく、自分が決めるものであり、且つ自分の「生き方」自体も絡むことになるからなのです。

難しい話は脇に置いといて、試みに、近所の3つのレストランで、昼食だけのことなのですけど、「地魚の刺身定食」、「季節の野菜定食」、「スパゲッティー・ミートソース」を3日間トライしてみたのです。勿論その昼食後は、各1時間の「速足の散歩」の実行付きで。なんと、昼食後2時間が経過した時の血糖値は、各回とも120代だったのです。私の場合、インスリン注射は必要なくて、1種類の薬を朝食前と2種類の薬を朝食後に、1種類の薬を夕食前と1種類の薬を夕食後に服用する必要はあるのですけど、「食後の運動」(私の場合は、速足の散歩)をきちんと実行しさえすれば、食生活については、かなりな程度の柔軟性が確保できるということなのです。この生活スタイルを3ヶ月間試行し、その下で、血糖値が所定の域値内を安定的に維持する結果が確認できた暁には、定常的に外食を楽しもうと考えているのです。こだわりの魚料理を提供してくださるお店で、ダイヤランドに在る脳活性化研究所の行き帰りに、昼食を楽しんでみたいとも密かに考えているのです。

   

「第二の人生」を生きるということは、身体が持ちさえすれば良い(命長く生きることが最大の価値)ということでは、全くないのです。「自分なりに、如何に生きるか」。それが「第二の人生」を長生きする上では、厳しく問われることになるのです。そうした「第二の人生」にとって、「食と言う命題」は、極めて重要な位置づけを持つのです。「毎食、毎日の摂取するカロリーの制限」という視点からだけの食事の在り方という訳にはいかないのです。身体(合併症を危険視される関連の内臓器官や眼)及び血糖値は、それで万全だとしても、この先ボケないで(「前頭葉」の機能を正常な機能レベルに維持していく「生活習慣」の継続により、「アルツハイマー型認知症」を発病しないで)生きていく上で必要不可欠の機能である肝心の「前頭葉」が持たないというのが私からの問題提起なのです。

身体(言い換えると、基礎体力としての体重を一定の範囲内に維持すること)と免疫力と意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される「前頭葉」の三本柱の機能とを本来あるべき水準に維持することを最も重要な指標としつつ、その上で、食事の摂取の在り方を工夫することにより、血糖値が所定の域内に収まるようにすること(私が私なりに策定した基準値というと、体重は70~72kgの範囲内で維持すること、総摂取カロリー数は2000~2100kcalの範囲内とすること及び或る程度の味付けとすることでした)。その自由度を或る程度確保する為に必要不可欠の条件として毎日午前と午後の二回、「速足の散歩」を実行すること(エイジングライフ研究所は、伊豆高原でも東側の海岸に近い場所に位置し、且つ国立公園内に在るので、伊豆七島を眺めながら散策できるコースが幾筋も整備されているのです。車で10分のところには伊豆の瞳と呼ばれる一碧湖があり、20分もいくと、豊かな広葉樹林に囲まれたダム湖があり、周囲を散歩するのに丁度6,70分程度かかるので、散歩にはうってつけなのです。また、脳活性化研究所は、三菱商事が開発に関わったダイヤランドと呼ばれる大型の別荘地内に在って、富士山を眺めながら散策できるコースがいくつもあり、別荘地内の道路の総延長は、マラソンコースとほぼ同じ長さの42kmにもなるのです)にしたのです(意識的に、プラス思考を導入中!)。実は、此処だけの話なのですけど、劇的な血糖値抑制効果がある「速足の散歩」を実行する上で、基礎体力の維持の為には、総kcal数を増やす必要があると体験的に感じていたのです。

ところが、基本方針を打ち立てて、何度かのケース・ワークによる試行錯誤をしてみた結果、砂糖、みりん、しょうゆ、油が、血糖値にとっては「猛毒」にも等しいことが判明したのです。「炭水化物」を摂取する総kcalを所定の制限値内に保ってはいても、この「四人組」が活躍した味の食事を摂った2時間後では、血糖値が急上昇し、160近くにまで跳ね上がるのです。「速足の散歩」をこなすとその血糖値は急降下して120前後、時には100代にまで低下するのですが、それは単なる対処療法であって、体質の改善(回復)とはならないのです。現在は糖尿病を発病した状態に在る「体質」を改善して、以前の正常な体質にまで回復させることが本来の目的なので、私の「前頭葉」とも何度か折衝し、協議した結果、基礎体力を確保する為摂取する炭水化物の総kcalは基準規制値よりもやや多めにすることとして、『基本として「薄味ベース」であるが、四人組の出番を極力抑制しながら、それなりの味付けとする』ことで妥協したのです。

 かくして、退院した翌週から、私の「挑戦」が始まったのです。病院で指導を受けた運動療法のレベルとは違い、「速足の散歩」という内容の運動療法の場合は、血糖値を下げる効果が絶大なのです。しっかりとした内容の運動療法を心がけつつ、その分摂取するカロリーの数値を拡大して(但し、肝心の味付けに関しては、上述した基本方針は堅持するという条件付きで)基礎体力を維持し、「前頭葉」の三本柱の潜在的な機能レベルを拡大し、そのことによって免疫力それ自体を適切な機能レベルで維持し、然も、「血糖値を所定の数値の域内に収める」という、私なりの対処方法を実践することに決めたのです(QOLを前面に打ち出し実践している私なりの糖尿病対策の結果、7/27日の検査でHbA1Cの値が6.3でした)。

注)本著作物「Bー88」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


 

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