認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症と介護の予防、発病の予防及び正しい治療の方法(E-06)

2020-06-06 | 仕事とは無縁になる「第二の人生」をどう生きるか

『アルツハイマー病 世界初 iPS創薬治験 今日開始』の見出しが、新聞に載りました。治験が何時までかかるのか知りませんが、結論を先に言うと『この治験も失敗に終わる』のです。アミロイドベータもタウタンパクも、『発病との間に因果関係が存在していない』からなのです。「記憶障害」が原因で、症状が発現してくる訳でもないのです。明確に言えること、これでまた、『アルツハイマー型認知症の予防というテーマの実施が、先送りにされてしまうことになる』ということ。京大は、無意味な期待を世間に抱かせることに対する社会的責任を自覚すべきなのです。彼らにどれだけの権威が有ろうと、『間違った場所を、間違った方法で、単に深く掘り下げているだけ』なのです。本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない『アルツハイマー型認知症』を治す効能を有するが開発されることは、未来永劫有り得ないことなのです。

『第二の人生』を送る上で、自分自身が都度選択すべき前頭葉が活性化し、注意の分配力の機能の出番が多くなる生き方自体を、当の本人の状況に応じて随時選択し決定し、実行させることが出来る薬の開発等、有り得ないのです。『意識的な世界』に無関心であるが為に、マウスを研究対象にしていて、挙句の果てに(治療/予防)薬の開発などというアドバルーンを上げているのです。

『アルツハイマー型認知症』の発病者は、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけに限られている(『老年発症』が特徴)のです。アルツハイマー型認知症の発病者数が、社会問題になる(末期の段階にまで症状が進行してくると、日常のセルフケアにも支障が出てくるので、「介護」が不可欠となり、介護の費用が膨大な額に上ることになる)程の数、極めて多数に上る状況は、先進国の中でも更に高齢化が進んできて、『高齢化社会』と言われる段階に到達してこないと起きてこないのです。発展途上国のような、長生きするお年寄りの割合が低い、高齢化率が低い国(社会)では、社会問題となるような規模での発病者は出てこないのです。『アルツハイマー型認知症』は、高齢化社会及び超高齢社会の落とし子(特有な産物)なのです。

我が国日本は、高齢化率が世界一の水準にあり、既に30%を超えていることをご存知でしょうか。認知症を発病したお年寄りの『介護の問題』を抱えた家族のご苦労する姿を目にし、或いは、大変さを耳にするにつけ、「第二の人生」を送っている皆さんの一番の心配事、それは、ご自身が、『この先、認知症を発病するかも知れない』という不安ではないでしょうか。『アルツハイマ―型認知症』の専門家とされる人達は、『皆さん全員、末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」)の症状だけが、「アルツハイマー型認知症」の症状だと誤解している』のです。『介護』を必要としない段階の症状、もっと「軽い段階の症状」(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状)の存在自体に気づいていないのです。

(1)ところで、一口に「認知症」と言っても、いろんな種類があることをご存知でしょうか。様々な種類が幾種類もある「認知症」の内で、90%以上の割合を占めているのが、『アルツハイマー型認知症』と呼ばれるタイプの認知症なのです(世界で初めて発見した「アルツハイマー博士」の名前を冠して呼ばれて、特定の「遺伝子」に生まれつき異常がある人だけを対象に発病して、30~50歳までの若年で発症するのが特徴である「アルツハイマー病」とは、全く異なる種類のものであることに注意が必要)。認知症の専門家であるとしながら、我が国では、両者を総称して(混同し)、「アルツハイマー病」と呼ぶ人達が多いのです。『アルツハイマー型認知症は、「前頭葉」が活性化し、注意の分配力の機能の出番が多い「生活習慣」の構築と継続的な実践により、「発病自体の予防」が可能であり、そのことが、『介護の予防』に直結するのです』=二段階方式の活用が有効で不可欠となります。
皆さんが、日頃耳にしたり、目にしたりする認知症のほとんどが、『アルツハイマー型認知症』というものなのです。『アルツハイマー型認知症』というのは、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の『高齢者だけを対象』にしての発病が確認されるのであり、「老年発症」が特徴なのです。更に言うと、『加齢』に起因した脳機能の低下の進行を基礎要因(根底にある条件)とし、もう一つ別の要因、加重要因であるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(日々の生活習慣の中での『出番が足りない=使い方が足りない』ことにより、働きが衰えて行く)が、発病及び症状の重症化が進行する核心的な要因なのであり、症状は、徐々に、緩やかにしか進行して行かないことが特徴でもあるのです。発病及び重症化の進行の背景には、『加齢』に因る機能低下の進行という要因とナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に因る廃用性の機能低下の進行という二つの要因だけが存在しているのであり、アミロイドベータの蓄積による老人斑とか(アミロイドベータ仮説が主張する原因)、タウタンパクの蓄積による神経原繊維変化とか(タウタンパク仮説が主張する原因)とは、無関係のものなのです。
(2) 私たちが『二段階方式』の手技を活用して集積したデータ(『正常老化の性質』と命名)が有ります。6歳児から100歳までのお年寄りの『前頭葉』が正常な機能レベルにある人達だけを対象としたデータであり、『加齢』に起因した『前頭葉』の機能レベルの変化を調べたものなのです。加齢という要因だけが原因で『前頭葉』の機能レベルが低下していく場合には、その機能レベルは、徐々に、緩やかにしか低下して行かなくて、100歳になっても猶『正常な機能レベルを保っている』ことが分かるのです。『アルツハイマー型認知症』の発病が、単なる加齢の延長線上にあるとする主張は、誤りなのです。即ち、『アルツハイマー型認知症』は、『老年発症』を特徴としている病気であり、発病の対象が『第二の人生』を送っている60歳を超えた年齢の『高齢者』だけに限られているという事象事実が示すのは、加齢に起因した「前頭葉」の機能低下という要因が、『アルツハイマー型認知症』の発病の「基礎(根底)要因である」ことを示しているのです。
何年もかかって、「アミロイドベータ」が徐々に蓄積していくことに因り、老人斑なるものが形成され、その毒性により様々な情報を連絡している神経細胞が大量死して、記憶障害が惹き起こされることに因り、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくると主張する「アミロイドベータ説」(発病の原因について、世界的に通説の地位にある仮説)の主張内容は、科学的な根拠も無く、発病との間の因果関係が存在しない、単なる憶測の類に過ぎないのです。アミロイドベータ説の主張内容が誤りであることについて、私たち二段階方式は、詳述する『MMSE下位項目の項目困難度』という事象事実が提示する「脳機能データ」を含む数多くの証拠資料を持っています。
※1 世界中の専門家達から、未だに『発病の原因が分からないし、発病後は症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』とされていて、発病の原因については、4つの仮説が提示された儘なのです。提示された儘という意味は、4つの仮説の全てが、各々が主張する発病の原因と『アルツハイマー型認知症』の発病との間の因果関係の存在を未だに立証できていないのです。
専門家達は、末期の段階の症状しか知らない上に、発病のメカニズムについても、症状の重症化が進行する原因について、発病後どのような症状がどのような機序で発現してくるのかについて、症状を治す、或いは、発病自体を予防する方法について、未だに何も分かっていないのです。
※2何故そんなことが起きているのか。『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行するメカニズムが、私たち人間だけに特有な『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障がおきてくる、認知症の症状が発現してくることに関心が向けられていないことが重大な問題なのです。様々な程度及び態様により発現してくる『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現し、回復させることの可能性の有無及び程度により、『三段階に区分される症状』が発現してくることも知らないのです。『アルツハイマー型認知症』は、『意識』と密接不可分の関係にあることに気が付いていないことが重大問題なのです。『権威達が研究対象にしているマウスには、私たち人間に特有な世界である「意識の世界」自体が存在していない』のです。
※3 意識の機能構造について、私たち『二段階方式』と同じ程度に解明できた人達が、権威とされる世界中の専門家達を探しても、未だに誰一人もいないことが、意識的な世界を構築し、統括し、管理し、コントロールしている機能、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(就中、『注意の分配力』の機能)について、更には、「前頭葉」の個別認知機能群である『実行機能』と『注意の分配力』の機能との関わり方(個別の「実行機能」の機能発揮上の二重構造の問題)等について、世界中の専門家とされる人達が、未だに、殆ど無知に等しい状態にあること等が結びついていて、原因不明の病気にされてしまい、治すことも発病を予防することも出来ない病気とされ、棚上げにされ、放置されてしまっているという状況にあるのです。世界的に通説の地位にあるアミロイドベータ説という仮説を牽引するハーバード大学(我が国では、東大、京大、理化学研究所が、その牙城)は、反省すべきなのです。社会全体に対する悪影響が大きすぎるのです。何故なら、私たち「二段階方式」が、疫学的方法により実証してきているように(科学的で、客観的な脳機能データが、多数蓄積されてもいる)、『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病(食生活は無関係であり、第二の人生における、脳の使い方としての生活習慣が発病を惹き起こし及び重症化を進行させる核心的で、唯一の要因なのです)に過ぎないのですから。私たち「二段階方式」が、北海道から九州に跨る地域、全国452の市町村で実践し、実証してきた『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践の成果として、『早期診断により治せるし、介護の予防が可能であるし、発病自体の予防が可能であることを、数多くの実例により、疫学的に実証してきている』のです。
(3)『アルツハイマー型認知症』の発病原因については、『前頭葉』の個別認知機能(『実行機能』=Executive Functionと総称される)並びに『注意の分配力』の機能が関わっていることに、専門家とされる人達が未だに気づいていないことが、その本態が廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病に過ぎない『アルツハイマー型認知症』を、発病の原因が不明の「マンモス病」に仕立て上げているのです。『発病の原因が分からないし、症状を治すことも出来ないし、発病自体を予防する方法も分からない』と専門家達が言い立てるので、症状を治すことも、発病を予防することも視野には入ってこない、野放しにされてきている結果として、症状が末期の段階にまで進行し、『介護』するしか途が残されていない(身体は持つので、「介護」し続けるしかない)『お年寄り』の『介護費用』だけで、我が国は年間10兆円を超えてしまったということなのです。『原因不明で、治せないし、予防できない』と言いふらすことで、莫大な売り上げを稼ぐ岩盤層が形成されていて、『発病自体の予防』というテーマの実施を妨害しているのではと危惧しているのです。
今回から、3回に分けて、「DSM-4」がその第一要件で確認を要求している内容、記憶障害に起因して症状が発現するとの前提条件自体が誤りであることについて、「二段階方式」の手技を活用し集積してきた14689例にも及ぶ『アルツハイマー型認知症』発病患者の「脳機能データ」を根拠として、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の典型的で類型的な症状を紹介しつつ、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現するのが、『アルツハイマー型認知症』の症状の特徴(回復の可能性の有無及び程度という視点で区分けると、三段階に区分される段階的な症状が発現してくるのが特徴)であることを、分かり易く説明していきたいと考えるのです。世界中の専門家達は、末期の段階(「大ボケ」)の症状にしか関心が無くて、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たち独自の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)が存在していることに、未だに気づいていないのです。

&1    発病の最初の段階(「小ボケ」)
(1)世界中の『アルツハイマー型認知症』研究/診断の専門家とされる人達、言い換えると、「4つの仮説」の提唱者とその支持者、「MCI」の基準の提唱者とその支持者を含む世界中の権威達は、三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の様々な症状について、無知なのです。
彼等は全員、米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM―4」の「第二要件」が規定する症状、「失語、失認、又は失行の症状」を、『アルツハイマー型認知症』の初期症状としていることに何の疑問も抱かないで、その規定内容が正しいものとの前提に立脚した主張を展開し続けてきているのです。彼等の関心は、失語や失認や失行の症状を起点に、それよりも更に重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状であると誤解しているのです。私たちの「二段階方式」が問題提起している本当の意味での早期の段階、回復させることが可能な(「アルツハイマー型認知症」としての症状を治すことが可能な)、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階(の症状)が存在することについて、今なお、無知なのです。友人たちとの交流を楽しみ、町内会の役員をきちんとこなし、たまには、ゲートボールを楽しみ、速足の散歩を率先して実行していて、昨日まで、『第二の人生』を自分なりに楽しんで暮らしていたお年寄りが、一夜明けたら、昼夜の区別がつかなくて夜中に騒いだり、ズボンを頭から被ったり、歯ブラシの使い方も分からなくなり、風呂に入って身体を洗うことさえできないで、トイレでは、大小便を失敗し、その後始末も出来ない(平気でそのままにしている)など、有り得ない事なのです。素人でも、おかしいと考えるのに、肝心の専門家達(学者や医師)は、失語や失認や失行の症状の発現を待って(或いは、それ等よりもっと重い症状の発現により)、そうした症状の発現が『アルツハイマー型認知症』の発病であり、それ等が「初期の症状である」と誤解しているのです。
(2)『小ボケ』の段階で確認される典型的で類型的な認知症としての症状の「8類型」
※1 『アルツハイマー型認知症』の発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う『小ボケ』の段階について、脳の機能面からの定義で言うと、後半領域の機能である左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が正常なレベルに在るのに対して、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルだけが、既に異常なレベルに在ることに注意が必要です。『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状(小ボケ、中ボケ、大ボケ)が発現してくるのが特徴なのです。
※2『小ボケ』の段階で発現してくる症状は、「4つの仮説」の全てが前提として想定する条件、「記憶障害」に起因した症状の発現と認められる症状は皆無なのであり、『前頭葉』の機能障害に起因した症状(第一次的に、『前頭葉の三本柱』の機能の機能障害に起因し、且つ第二次的には、『実行機能』の機能障害に起因した症状)ばかりが発現してくることに注意して頂きたいのです。
世界中の専門家達は、私たち二段階方式が提示する早期の段階、『脳のリハビリ』(『注意の分配力』の機能の出番が多くあって、『前頭葉』が活性化する『生活習慣』の実践とその継続)の実施により、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)を見落とし、回復させることが最早困難な『末期の段階』で、発病を見つけているのです。
□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる
□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない
□ 一日や一週間の計画が立てられず、何も思いつかない様子
□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない
□ 根気が続かず、中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ
□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる
□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く
□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて他の人を頼ろうとする
※3 そもそも、『記憶』は、記銘し、保持して、想起するという経路から成り立っているのです。私たちが、「二段階方式」の手技を活用して集積した『アルツハイマー型認知症』の発病患者の症例である14689例にも上る脳機能データ(『MMSE下位項目の項目困難度』のデータ)の解析を根拠として、『「アルツハイマー型認知症」の症状は「記憶の障害に起因して」発現してくる(=「DSM-4」の「第一要件」の規定内容)』との想定自体が重大な誤りであることを問題提起したいのです。記憶の障害に起因して発現するのではなくて、『前頭葉の三本柱』の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて異常な機能レベルにまで機能が低下してきたことを背景要因(第一次要因)とし、そのことに起因して(機能発揮上の二重構造の関係に因る副次的な結果として)、第二次的に、(「前頭前野」に局在する個別認知機能群である)『実行機能』が、異常なレベルにまで機能低下を進行させてきたことが 直接の原因で、更には、両者の総体としての機能レベルに厳密にリンクする形で、「三段階に区分」される『アルツハイマー型認知症』の症状が発現してくるのです。
その「最初の段階」が「小ボケの段階」(「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在る)であり、次いで、「中ボケの段階」(「前頭葉」だけでなく、左脳、右脳及び運動の脳も異常な機能レベルに在る)が在り、最後に末期の段階である「大ボケの段階」(大ボケの初期でさえ、「注意の分配力」の機能がほとんど機能していないので、「実行機能」がほとんど働いていない)が有るという風に、『三段階に区分される』と主張しているのです。※「DSM-4」の規定の「第二要件」が確認を要求し、初期症状であると規定している失語や失認や失行の症状は、「大ボケの段階」の後半になって初めて発現が確認される、「極めて重度の症状」であると主張しているのです。
(3)下記のデータは、私たちが『二段階方式』の手技を活用して集積した14689人もの「アルツハイマー型認知症」を発病した「お年寄り達」の『脳機能データ』の解析グラフです。
※1『アルツハイマー型認知症』の発病患者であれば、且つ、その場合に限り、『必ず、この項目の順番に出来なくなっていく』ことが、「事象としての事実」なのであり、客観的で、科学的な「脳機能データ」として提示しているのです。この一事をもってしても、発病原因に関する『DSM4』の第一要件の規定内容、「4つの仮説」の主張内容は、両者共に誤りなのです。

  

※2「項目困難度」が高い順に、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相貫図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となります。
「事象の事実」としての当該「脳機能データ」によると、「記銘」という項目は、11の下位項目により構成されていて、30点が満点である『MMSE』の総得点が、10点を切った段階(「大ボケ」の後半の段階)になって初めて、『満点でない人の方の数が満点の人の数よりも多くなる』ことを示しています。項目困難度が極めて低い項目である(『前頭葉』を含む脳全体の機能の機能レベルが、極めて異常なレベルにまで低下してきていても、正解できるお年寄りの数が多い項目である)ことを示しているのです。
他方、「想起」という項目は、11の下位項目の内で最初に出来なくなっていく項目なのです(項目困難度が最も高いことを意味する)。MMSEの総得点が28点を切った段階で(マイナスが2点となった段階で)、満点でない人の数の方が多くなることを示しているのです。その理由は、「想起」するに際して「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮が要求されるのですが、それらの機能の中でも、特に、『注意の分配力』の機能の発揮が高度に要求される項目であることが重要なのです。詳細を記述すると、想起は、『注意の分配力』の機能(異なる複数のテーマを、同時に並行して処理する上で、不可欠の機能)の発揮により、所謂『実行機能』(分析し、理解し、洞察し、推理し、シミュレーションし、比較し、選択し、検索し、抑制し、感動する等の機能)の発揮が顕現化されることになるのであり、私たち人間だけに備わる特別の機能であり、「前頭葉の三本柱」の機能の内で、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能が少しでも異常なレベルに衰えてくると、「想起」(想起するには、分析、洞察、推理、シミュレーション等の機能の活用が必要)がそれだけ困難になることを意味しているからなのです。これに対し、記銘は、意欲及び注意の集中力の機能しか要求されないので、11の下位項目中、4番目に容易な(中々衰えて行か無くて、ずっと保たれていく機能)項目であると言うことになります(『MMSE下位項目の項目困難度』のデータは、「大ボケ」の段階のお年寄りにしかテストを実施しない権威者には、未知のものなのです)。
※3「記憶」について言うと、「記銘度」が高い内容は、良く保持され、良く想起されるものなのです。『直前に食事をしたことさえも忘れている』という症状は、もともと記銘度自体が低いことを意味するのです(『前頭葉の三本柱』の機能が異常なレベルに機能低下してきた反映により記銘する機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきている)。そうした症状は、「大ボケ」の後半になって(脳の後半領域の認知機能テストである「MMSE」の総得点が10点を切った段階で)、初めて発現してくる症状(「極めて重度」の症状)であることが分かるのです。
(4) 猶、『アルツハイマー型認知症』研究の専門家とは言え、脳の機能レベルを判定するに際し、MMSE(又は、長谷川式)しか実施しないのですが、これでは脳の後半領域(左脳及び右脳)の機能レベルを判定しているに過ぎず、肝心の意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルの判定が行われていないのです。これでは、『脳全体の機能レベル』をきちんと判定していることにはならないのです。脳の後半領域の機能レベルだけでなく、同時に、『前頭葉』の機能レベルを判定しているのは、世界中で、私たち「二段階方式」だけなのです。「二段階方式」の手技では、『かなひろいテスト』により、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来るのです。
※ 前掲した『小ボケ』の段階で発現が確認される様々な症状は、「認知症」の症状、『アルツハイマー型認知症』発病患者の本当の意味での初期(最初の段階)に確認されるものばかりです。ところが、認知症診断を専門とする医師は、「DSM-4」の規定が確認を要求している失語、失認、失行の症状、並びにそれ等よりももっと重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状であると誤解しているのです。その為、小ボケや中ボケの段階の症状が発現してきて、何かがおかしいと感じている同居の家族が、発病した「お年寄り」を伴って診断に訪れても、「発病してはいない=アルツハイマー型認知症の症状は発現していない」と診断してしまうのです。「失語や失認や失行」などよりも軽い段階にそれなりに関心がある医師でも、「物忘れの症状」の程度や頻度だけで構成されたものであり、判定基準と言うには極めて曖昧な内容であり、お粗末に過ぎるMCI(Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害)と言った意味不明の基準を持ち出して、発病の前駆的状態にあると説明して、発病の予防の為と言い4種の「対症療法薬」(実際の効能としては、症状を治したり、症状の進行を遅らせる治療の効能は有していなくて、症状の発現の程度や仕方をコントロールする効能しか有していない「4種の薬」の内のどれか)を処方するのが医療現場の実態です。
(5)『アルツハイマー型認知症』の発病としての最初の段階である『小ボケ』の段階の症状が発現してきているお年寄りの脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全くのこと確認できなくて、それらの全てが、異常なレベルにまで機能が低下した『前頭葉の三本柱』の機能障害を第一次原因とし、『実行機能』の機能障害を第二次原因とした症状ばかりなのです。
ⅰ)『小ボケ』の段階で発現してくる症状は全て、『前頭葉』の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、『意識』の構築、統合及びコントロールに関わる機能であって、『実行機能』の発揮度及び認知度を下支えし/左右している『前頭葉の三本柱』の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能)が、異常なレベルにまで機能低下が進行してきた結果として、的確、且つ十分には働かなくなってきていることに直接起因して、発現してくるのです。
ⅱ)私たち人間だけに特有な意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に不可欠の機能である『実行機能』(Executive Function)の発揮は、『前頭葉の三本柱』の機能により左右され/下支えられている機能関係(「実行機能」の機能発揮上の二重構造)が存在しているので、『注意の分配力』の機能(異なる「複数のテーマ」を同時に並行して処理する上で不可欠の機能)を中核とした『前頭葉の三本柱』の機能が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させ、異常なレベルに機能が低下したことが「第一次的な原因」となり、『実行機能』の機能の発揮度が異常なレベルに低下していくこと(第二次的な原因)により、『アルツハイマー型認知症』の症状が発現してくるのであり、その最初の段階が『小ボケ』の段階であり、次いで『中ボケ』の段階を経て、最後に末期の段階である『大ボケ』の段階という風に、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分」される症状が発現してくるのが特徴なのです。⇒『末期の段階』(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状にしか関心が向いていない世界中の専門家達(学者、医師)は、『脳のリハビリ』の実践により、回復させることが可能である本当の意味での早期の段階(「小ボケ」、「中ボケ」の段階)の存在に、未だに、気付いていないのです【※私たちが規定し、取り上げる「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の基準及び類型的症状の例示と、『MCI』の基準が取り上げる『アルツハイマー型認知症の前駆的状態としての「物忘れの症状」とする主張内容』とは次元が異なるのです】。
※『アルツハイマー型認知症』は、仕事とは無縁となる「第二の人生」を送る上での脳の使い方としての『生活習慣』(食生活は無関係)に起因した病気なのであり、徐々に、緩やかに、段階的に、症状が進行して行くのが特徴なのです。「アミロイドベータ」の蓄積(老人斑)や「タウタンパク」の蓄積(神経原繊維変化)により「記憶障害」が惹起されることが原因で、発病すると主張する人達は、科学的で合理的で客観的な証拠資料の提出と因果関係の立証を行う『社会的な責任がある』はずなのです。
(6)『前頭葉の三本柱』の機能が異常な機能レベルにまで衰えてきていることが原因で惹き起こされる『実行機能』の機能の発揮度(認知度)は、『小ボケ』の段階で、既に異常なレベルのものとなっているのであり、そのことに起因して、発現してくる症状は、左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が未だ正常な機能レベルに在ろうとも、認知症の症状、『アルツハイマー型認知症』の症状の発現と考えるべきなのです。即ち、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引している、「三頭立ての馬車」の『御者』の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに在る、言い換えると、『前頭葉の三本柱』の機能と『実行機能』の両者が、異常な機能レベルに在ることが原因で(の機能的な反映として)発現してくる『小ボケ』の段階の症状は、認知症としての症状、『アルツハイマー型認知症』の症状と考えるべきものであるというのが、私たち「二段階方式」の考え方なのです(※廃用性の機能低下が進行し、左脳及び右脳までが、異常なレベルに衰えてきた時=【脳全体の機能が異常なレベル】から、「中ボケ」の段階が始まります)。従って、『前頭葉』の機能も『注意の分配力』の機能も備わっていない「マウス」が、檻の中で餌を探し彷徨する動きを何時まで/何処まで追いかけてみたところで(マウスに起きてくる「記憶の障害」の程度を突き詰めて、何時まで、検証してみたところで)、何も出て来はしないことを、アミロイドベータ説の支持者達に注意喚起したいのです。
※1『「小ボケ」』の段階では、セルフケアの面では何の支障も起きては来ません。家庭生活の面でもさほどの支障は起きてきません。家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通のテーマを処理することが要求される『社会生活』の面で様々な支障が起きてくることになるだけなのです。勿論、極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」とは無関係の世界なのです。
※2「小ボケ」は、『脳のリハビリ』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する自分なりのテーマの実践)という『生活習慣』の改善と継続的な実践により、比較的容易に、症状を治すことが出来るのです{『早期診断』(「早期の段階」の診断)と『早期治療』(「脳のリハビリ」の実施)が有効なのです}。
※3私たちが実証してきた『脳のリハビリ』の実施に因る治療の可能性の有無という視点に、専門家とされる人達が早く関心を持ち、気づいて頂きたいと願うのです(「小ボケ」は、比較的容易に回復させられ、「中ボケ」は、回復させることが未だ可能であり、「大ボケ」は、回復させることが最早困難となる)。

&2  意識的な世界と『前頭葉』(就中、「注意の分配力」)の機能
(1)『アルツハイマー型認知症』発病の最初の段階である『小ボケ』の段階について、「脳の機能面」から定義すると、左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が未だ正常な機能レベルに在るのに対して、脳全体の司令塔の役割、左脳、右脳及び運動の脳という「三頭の馬」が牽引する三頭立ての馬車の『御者』の役割を担う『前頭葉』の機能だけが、既に異常な機能レベルに在るということが、極めて重要な視点であり、要因です。左脳、右脳及び運動の脳の三頭の馬がどんなに元気であろうとも(正常な機能レベルに在ろうとも)、肝心の『御者』が居眠りをしていたのでは(異常な機能レベルに衰えていたのでは)、馬車は、安全で適切なスピードで、適切な道を経由し、所定の時間までに、本来の目的地に行き着くことは出来ないのです。脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、異常なレベルに衰えてきている以上、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在ろうとも、『意識的な世界』におけるアウトプットそれ自体が全て、異常なものとなることが、重要な要因なのです(この段階で既に、『アルツハイマー型認知症』の症状が発現してきていると考えるべきものなのです=発病の最初の段階であり、社会生活の面で支障が出てくる「小ボケ」の段階の症状が発現している)。⇒次いで、家庭生活面での支障が出てくる「中ボケ」の段階が有り、最後に、セルフケアの面でも支障が出てきて、日々の生活面で『介護』が不可欠となる末期の段階である「大ボケ」の段階があるのです。
(2)今回取り上げた『小ボケ』の段階の症状を子細に、深く観察してみれば、典型的で類型的な症状として掲げられた症状の全てが、「記憶障害」とは無関係のものであり(「記憶障害」に起因して発現してきたものではなく)、『前頭葉』の機能障害、就中、『前頭葉の三本柱の機能』の機能障害を背景(要因)とした、『実行機能』(Executive Function)の機能障害の反映(アウトプット)であることが分かるのです(極めて重要な視点)。例えば、『アルツハイマー型認知症』の末期の段階である「大ボケ」の後半の段階で確認される症状であり、『直前に食事をしたばかりなのに、食事を食べていないと言い張る症状』、『畑に行くと言って、夜中に家を出て行こうとする症状』、『ズボンを頭から被ったりする症状』、『自分の子供を配偶者と間違える症状』等、それら全ての症状が、『前頭葉』の機能障害(加齢に起因した機能低下の進行を背景要因とし、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続された廃用性の機能低下の進行を加重要因として、「二つの異なる要因」が、同時に存在し充足されることによる「相乗効果」により、言い換えると、「前頭葉の三本柱」の機能の機能障害の進行に起因した『実行機能』の機能障害が惹き起こされた結果として)=両者が異常な機能レベルに衰えてきた『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体が、即ち、『アルツハイマー型認知症』の症状として発現しているのです。
それら全ての症状が、「記憶障害」に起因して発現してくるとする専門家達の見解は(「DSM-4」の第一要件の規定の内容並びに「4つの仮説」の各主張内容及びそれらの学説の支持者達の主張内容)、末期の段階の症状を概観から眺め、「推測し、憶測しただけの主張内容」というしかないのです。未だに「仮説」の域を出ないのも、そこに原因(欠陥)があるのであり、肝心の『因果関係の存在の立証が、未だに出来ていない』という結果に繋がっているのです。⇒記憶障害(に起因した症状)自体が、廃用性の機能低下を加重要因とする「前頭葉の三本柱」の機能の機能障害に起因して起きてきているのです。
(3)『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、食生活とは無関係。左脳の出番が多い仕事とは無縁の日々の暮らしとなる第二の人生を送る上での、脳の使い方としての生活習慣に関わる病気であることに留意する)に過ぎないというのが、『意識的な世界』に着目し、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の発病患者である14689例の「お年寄り達」の、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現する症状について、「二段階方式」の手技を活用し集積した『脳機能データ』の解析を根拠としての、私たち『二段階方式』独自の主張です。
『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした形で発現してくるのが特徴である『アルツハイマー型認知症』は、『老年発症』(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけが発病の対象となる)が特徴となるのです。『左脳』が専管する仕事とは無縁の日々の暮らしとなる、『第二の人生』での脳の使い方としての『生活習慣』が、発病するか/しないか並びに重症化が進行するか/しないかを決定づける唯一の要因なのです。『意識の世界』を構築し、統合し、統括し、コントロールする『前頭葉』の出番の確保、就中、『注意の分配力の機能』の発揮が不可欠である『実行機能』の必要十分な出番をどのようにして確保することが出来るかが、発病を予防する上で、『第二の人生を送っている「お年寄り」に問われることになる』のです。仕事とは無縁の第二の人生を送る生活の中で、自分なりのテーマと目標が有り、自分なりの喜びや生き甲斐を覚える体験をすることが出来ているのか/否かが問われることになるのです。
※1『注意の分配力』の機能は、異なる複数の「テーマ」を同時に並行して、選択的に処理/実行する為に不可欠の機能であり、『ああしたらこうなる、こうしたらああなる』等と洞察し、推理し、検索し、シミュレーションする為に不可欠の機能であり、咄嗟の判断が要求される場面(「頭の回転の速さ」が求められる場面)で、回転の速さを左右している機能でもあるのです(その異常なレベルへの衰えが、「お年寄り」の軽微な自動車事故の原因となっている脳機能でもあるのです。※事故を起こした後は、取り調べに対するQ/A問答の間、ゆっくりと考えられるので、普通に見えてしまうのです)。
(4)『アルツハイマー型認知症』について語る上で、もう一つ別の極めて重要な問題が有ります。様々な程度及び態様により発現してくる『アルツハイマー型認知症』の症状について、世界中の専門家達(学者、医師)は、『早期の段階』の症状について、『前頭葉』を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることが可能である(認知症としての症状を治すことが可能である)本当の意味での早期の段階の症状(私たち二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階(症状)について、存在自体を知らないのです。
⇒彼等は全員、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM-4』の規定の重大な誤りに気づいていなくて、疑うことも無く、金科玉条のものとして信じ込んでいるのです。その「第二要件」が『失語や失認や失行の症状が「アルツハイマー型認知症」の初期症状である』と規定している為、そのことを鵜呑みにし、そうした症状を含む更に重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状だと誤解しているのです。「失語や失認や失行の症状」が、脳の後半領域(左脳及び右脳)の働き具合を判定する神経心理機能テストであり、11の下位項目から構成されていて、満点が30点である『MMSE』の総得点が、一桁の得点にしかならないまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能が衰えてきている「お年寄り」だけにしか発現が認められることが無い極めて重度の症状であることに気づいていないのです。その結果、認知症専門の医師までもが、末期の段階の症状の確認を待って初めて発病と考え診断していて、『「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ないタイプの認知症である』等と誤った主張を展開し続けているのです。
(5) 私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行しようとするとき、どのような「テーマ」をどのように実行するか、「運動の脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」、「左脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」、「右脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」、全ては司令塔の『前頭葉』が周りの状況を分析し、理解し、判断して、実行すべきテーマを選択し、決定し、実行の計画を立て、実行結果をシミュレーションし、最終的な実行内容を決定し、実行の決断をして、脳の各部(左脳、右脳、運動の脳)に実行の指令を出しているのです。
その『前頭葉』には、発想したり、計画したり、工夫したり、推理やら洞察したり、或いは機転を利かせたり、更には、抑制したり、感動したり等様々な個別認知機能(総称して、『実行機能』=Executive Functionと呼ばれる)が、詰まっているのです。更に、自分の置かれている状況を分析し、理解し、判断して、種々ケースワークした上で実行「テーマ」の内容や実行の仕方を選択し、最終的に実行の決断をする為に必要な『評価の物差し』(三つ子の魂百まで)という大事な働きがあります。『評価の物差し=自我』という機能は、後天的に獲得され、完成されるものであり、本人だけの独自性が備わる脳機能でもあるのです。状況の分析や理解や判断に際して、独自の在り方を選択する源であり、実行のテーマや実行内容、実行の仕方やその程度及び態様を選択的に構想し決定する独自の機能なのです。眼前の景色や人物であれ、概念的な思考の世界のものであれ、対象をどのような視点で、どのように切り取るのか、認知対象の切り取り方、捉え方、或いはその内容を決めているのが、『実行機能』の発揮に先立つ働きをしている脳機能であり、私たち人間だけに特有な機能である『評価の物差し』の機能(「二段階方式」独自の命名であり、見解。権威ある識者が、『無意識』が『意識を支配』している結果等の問題提起で言っているもの)なのです。

自分なりの/自分独自のものの見方、感じ方、考え方、対象の切り取り方及び評価の基礎に、この『評価の物差し』の機能の働きがあることを、先ずもって、理解する必要があるのです。『「実行機能」、「評価の物差し」、「記憶の倉庫」が、「前頭葉の三本柱」の機能(=「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の総称であり、その核心的な機能が「注意の分配力」の機能)の働きにより、構築され、統合され、管理され、コントロールされつつ並びに連絡し、連携し、共同して働くことに因り、『私たち人間だけに特有な世界』である『意識的な世界』(最も人間に近い種であり、DNAの99%が人間と同じと言われている「チンパンジー」の脳の中にも構築されることが無い世界)を創出していると私たちは考えているのです(『意識』は、世界中が新型コロナ対策に追われている今日現在でも猶というか、未だに解明されていない人類未知の「テーマ」)。
これが、『意識的な世界=意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界』における私達人間だけが獲得した脳の働き方のメカニズムなのです。運動の脳、左脳、右脳という「三頭立ての馬車」をあやつる御者の役割をしているのが、「前頭葉」なのです。三頭の馬を十分に働かせられるのも、不十分にしか働かせられないのも、『前頭葉』の働き方次第ということになるのです。

『加齢』に起因した機能低下を基礎要因として(私たちが定義する発病の「第一要件」)及び仕事とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送る上で、使われる機会が極端に少ないナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した、廃用性の異常な機能低下を加重要因として(私たちが定義する発病の「第二要件」)、司令塔の『前頭葉』の働きを含む脳全体の働きが、加速度的に異常なレベルに衰えて、社会生活や(小ボケ)、家庭生活や(中ボケ)やセルフ・ケア(大ボケ)等に支障が起きてくるのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。
※ 『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』である(但し、「食生活」とは無関係で、仕事とは無縁の日々の暮らし方となる第二の人生における脳の使い方としての生活習慣であることに留意)と言うのが私たちの主張です。脳全体の司令塔の『前頭葉』の機能が、異常なレベルに衰えてきた時点で、ほんの少し前に食事をしたばかりなのに、そのことさえ思い出せないなど「極めて重度の記憶障害」の症状が出てくるようになるはるか前の段階で、『アルツハイマー型認知症』の発病は、既に始まっているのです。そのことに認知症研究の専門家とされる人達が、未だに気づいていないことが、重大問題なのです。その事情が背景にあり、『介護』という問題認識しか、世の中に存在していなくて、早期診断による回復にも、発病自体の予防にも、何等の関心が寄せられていないのです。『アルツハイマー型認知症』の発病の診断(診断とは名ばかりのものであり、介護が不可欠となる「末期の段階」の症状を確認して、発病と診断していること)、治療の効能が全く存しない単なる「対症療法薬」の処方と投与並びにセルフケアにも重大な支障があり、日常の生活面での「介護」が不可欠となっていること、それらの費用(診断、処方、介護)の総額が単年度ベースで20兆円を超えてきていることに、国民全体が、問題意識を持って欲しいのです。

&3  『前頭葉』の三本柱に潜む『正常老化の性質』
(1)『前頭葉』には、詳しく言うと「前頭葉の三本柱」の機能には、30歳代以降、『加齢』と共に働き具合が衰えていくという性質(私たちの命名である、『正常老化の性質』)が潜んでいるのです。とは言え、『加齢』という要因(私たち、二段階方式が主張する、発病の「第一要件」)だけでは、『アルツハイマー型認知症』を発病することにはならないことに注意が必要です。60歳代に発病の端を発し、70歳代、80歳代、90歳代、命の極まりともいえる年齢の100代にもなると殆どのお年寄りがという風に、『年をとればとるほど発病者の割合が増加していく』という実態だけを見て、「発病は、加齢の延長線上にある」と主張する人達もいるのですが、それは、誤りなのです。発病するには、もう一つ別の要因であり、「加重要因」である、「第二の人生」を送る日々の生活においてナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されているという要因(私たち、「二段階方式」独自の主張であり、発病の「第二要件」として規定)の存在が、不可欠となるのです。
(2) 仕事とは無縁となる『第二の人生』の送り方、とりわけ、「脳の使い方」としての『生活習慣の在り方』は人により様々です。仕事一筋の第一の人生を送ってきたお年寄り、働きバチに徹した生き方(脳の使い方としての生活習慣)を送ってきたお年寄りにとっての、『第二の人生』を送る上でのテーマ探しは、相当な困難が伴うことになります。『時間は有り余るのに、することが無い毎日』を送ることになり易いのです。元々そうした傾向が強かったお年寄りにとって、新型コロナの感染回避対策として極めて有効で重要なものである『3密の回避』を目的とした日々の暮らし方は、『前頭葉』にとっては、赤信号となるのです。
(3)  4月7日の大号令の発令から、既に2か月が過ぎようとしてているのです。この先何ヶ月かの期間、こうした状況が更に継続されていくことになると、『アルツハイマー型認知症』の症状の重症化が進行して行く(「小ボケ」の段階⇒「中ボケ」の段階。「中ボケ」の段階⇒「大ボケ」の段階)「お年寄り」達の数が増加して行くことに加えて、『アルツハイマー型認知症』を発病してくる(「発病の最初の段階」である『小ボケ』の段階の症状が発現してくる)「お年寄り」達の数が激増して来ることになると考えていて、そうした事態を危惧するのです。
本態が廃用性症候群に属する生活習慣病に過ぎない『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の構築と実践の継続により、発病自体を予防することが出来るものであり、早期診断により治すことが出来るのです。『アルツハイマー型認知症』を発病し、重症化の進行により末期の段階にまで症状が進んでセルフケアにも重大な支障が出てきて、「介護」が不可欠の状態にある「お年寄り」の人数が、600万人もいるとされているのです(厚労省の予測数値)。「自分が住んでいる家も分からなくて、徘徊するお年寄り」の世話に、国を挙げて注力するよりは、発病自体の予防、早期診断による回復を国策として展開すべきなのです。国民全体がそうした意識を持つ上での障害物、それが、権威とされる人達が声高に発言する誤った主張の存在、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、いったん発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ない』とする情報発信なのです。認知症研究/診断の権威であると言いつつその一方で、誤った情報を流し続けているのです。
(4)「第二の人生」を送る上での経済的基盤について、大多数のお年寄りの場合、余裕が無いのです。高額の退職金があって、その上に、厚生年金と企業年金とを受給している余裕のお年寄り達は、少数派なのです。僅かな退職金と雀の涙ほどの額でしかない国民年金、それが、「第二の人生」を送るお年寄りの大多数の実態なのです。そもそもが、『経済面でも、アルツハイマー型認知症の発症の面でも、不安で仕方が無い』のです。その上、降って湧いた『新型コロナ騒ぎ』。世界全体を大恐慌のような状況が襲ってくることになると予測されてもいるのです。世界全体が経済的にもつながり、グローバル化が進んだ現在では、我が国日本も、その例外ではあり得ないのです。中小企業の倒産や連鎖倒産が相次ぐようになり、失業者が続出してくるようになり、社会全体が不安定化して行く状況の中で、更に、「コロナ不安」を抱えて生きていくのです。
そうした大きな不安を抱えた、精神的にも不安定な状況下で、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方を言います)が開始され、継続されていくことになるのです。その結果、『加齢』に起因した「前頭葉」の正常な機能低下という基礎要因に加えて、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されていることに起因した廃用性の異常な機能低下という加重要因が進行してくることになるのです。即ち、『基礎要因』と『加重要因』とが同時に存在する『相乗効果』に因り『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行く結果、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現してくるのです。
(5)その発病の最初の段階を、私たちは「軽度認知症」(小ボケ)と名付けているのです。『アルツハイマー型認知症』の最初の段階であり、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階は、『左脳と右脳と運動の脳は未だ正常なレベル』にあるのですが、私たち人間だけに特有な世界、『意識的に、何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』における脳全体の『司令塔の役割』を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに衰えてくるのです。この場合に、『実行機能』と総称される「前頭葉」の個別認知機能群(分析、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、比較、選択、決断、抑制、感動etc.)の機能の発揮度のレベルを左右し、下支えしているのが、「前頭葉の三本柱」の機能なのであり、就中、私たち人間だけに特有な機能である『注意の分配力』の機能の働き無しには、『「実行機能」が働く場は、顕現してくることが出来ないという構造』が存在している(『実行機能』の機能発揮上の「二重構造」が存在)ことの理解が重要なのです。※『二重構造』の存在の効果及び結果、『前頭葉の三本柱』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに付随して、『実行機能』の機能障害が惹起されてくる(発揮度自体が異常なレベルに低下してくる)こととなり、そのことを直接に反映した様々な支障が、三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の段階的な症状として発現してくることになるのです(二段階方式が世界で初めて解き明かした、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行する「メカニズム」です)。
(6)「二段階方式」の手技を活用して集積してきた極めて多数の『アルツハイマー型認知症』発病患者の「脳機能データ」である「前頭葉の三本柱」の機能に宿る『正常老化の性質』、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各段階の典型的で類型的な症状、更に、MMSEのテスト結果が示す『MMSE下位項目の項目困難度』が示す衰えていく脳機能の順番のデータから、①『加齢』に起因した正常な機能低下の進行という条件は、『前頭葉の三本柱』の機能に関してだけでなく、『実行機能』についても同時に、起きてきていると考えられること並びに②『第二の人生』におけるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という条件は、「小ボケ」の段階では、『前頭葉の三本柱』の機能及び『実行機能』についてのみ直接的な影響が起きてきていて、「中ボケ」の段階以降から、脳の後半領域の機能である左脳、右脳及び運動の脳にも直接的な影響が及んでくるものと考えているのです。
※1『前頭葉の三本柱』の機能である「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の各機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルにまで衰えてきている直接の反映として(付随して)、『実行機能』の発揮自体が機能障害を起こしてきて、機能の発揮度が異常なものとなります(『実行機能』の機能発揮上の二重構造の関係)。両者が機能障害を起こしていることの直接の反映として、『アルツハイマー型認知症』の発病の最初の段階である『小ボケ』の段階の症状が、両者の更なる機能低下が進行しつつ、加えて左脳、右脳及び運動の脳の異常な機能低下が同時並行して(加重されて)進行していくことに起因して『アルツハイマー型認知症』の症状の重症化が進行していき、「中ボケ」の段階を経由して、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくることになるのです。
※2 『小ボケ』の段階の症状は、記憶障害でなくて、『前頭葉』(「前頭葉の三本柱」の機能及び「実行機能」)の機能障害に起因して発現してくるのです。
『&1』で例示した症状は、一見、「意欲」や「注意の集中力」や「注意の分配力」の機能障害だけに起因した症状のように見えます。実際には、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能障害だけでなくて、同時に(付随して)、『実行機能』の機能障害を反映した症状であることの理解が重要です。『実行機能』の機能の発揮並びにそれに関わる認知及び認知度が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮の度合いに左右されているだけでなく(機能障害の進行度合いが、そのまま影響する)、最も肝心なのは、『注意の分配力』の機能の発揮の度合いに大きく影響されることに、注意が必要です。そもそも、『注意の分配力』の機能が発揮される上で、「意欲」及び「注意の集中力」の発揮が必ず関わること並びに『実行機能』が機能を発揮するには、『注意の分配力』の機能の関わりが必要不可欠となるのです。

※3ここに、『注意の分配力』の機能とは、「異なる複数のテーマを、同時に並行して処理する為に不可欠の機能である」ことを基本的な性質としつつ、咄嗟の判断が不可欠の場面では、『注意の分配力』の機能が高度に発揮され、高速回転していることが要求されるように、「高速回転」状態で『実行機能』の機能が発揮される為には、そもそも『注意の分配力』の機能が高度に発揮されていて、高速回転していることが不可欠となるのです。「前頭葉の三本柱」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常なレベルにまで機能が低下してきている『小ボケ』の段階の症状では、「意欲」や「注意の集中力」が機能障害を起こしてきて、不十分にしか働かなくなっていることは理解しやすいのです。他方で、『注意の分配力』の機能が、機能の発揮度(認知度)を支配し/下支えしている関係にある『実行機能』の発揮に関わる症状は、二重構造という機能構造を理解していないと、読み取りにくいのです。
例えば、自分が置かれている状況の分析や理解、或いは、その判断、更には、状況判断に沿った為すべき「テーマ」の発想、「テーマ」の実行計画、実行結果のシミュレーション、シミュレーションの結果に基づく比較及び選択、更には、実行の決断など、此処に例示したような『実行機能』の発揮は、時間を十分に駆けて、ゆっくりと使うのであれば、「小ボケ」の段階、特に、「小ボケ」の段階の初期にある「お年寄り」の場合であれば、それなりの結果を出すことも、十分あり得るのです。他方で、『咄嗟に』とは言わないまでも、通常・或いはそれ以上の速さでの機能発揮が要求される場面では、様々なレベルでの「支障」が起きてきてしまうのです。「二重構造」の問題について十分な理解が出来ている人でないと、「小ボケ」の段階で発現してくる認知症としての症状の正しい分析と理解は、出来ないのです。
)「加齢」に起因した「前頭葉」の機能低下のカーブは、極めて緩やかです。これに対し、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下が加重された廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブは、グラフ表示では、急激なカーブを示すのです。第二の人生の期間が何十年間も続く経年的な変化で言うと、『アルツハイマー型認知症』の症状は、何年もかけて、徐々に、緩やかに、段階的にしか進行して行かないことが特徴なのです。第一次的には、『前頭葉の三本柱』の機能が、高度な機能から順番に、注意の分配力の機能、注意の集中力の機能、意欲の順番に、廃用性の機能低下が進行していき、その第二次的な影響が、『実行機能』の機能の発揮度に現れてくるのです。この『機能発揮上の二重構造のメカニズム』の存在の理解が、『アルツハイマー型認知症』の発病及び重症化が進行するメカニズム(原因、機序)の理解に不可欠なのです。
※4ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が更に継続されている生活条件の下で、「前頭葉の三本柱」の機能並びに「実行機能」の両者が共に、廃用性の加速度的で異常な機能低下を更に進行させていくこととなる結果、標準的な滞留期間を挙げると、『アルツハイマー型認知症』発病の最初の段階である「小ボケ」の期間(3年)に次いで、「中ボケ」の期間(2~3年)があって、最後は、末期の段階である「大ボケ」の期間が続くことになるのです。猶、『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が真の本態なのであり、死亡の原因とはなり得ないのです。「大ボケ」の期間は個々まちまちであり、本人の身体が持つ限り、続いていくことになるのです。※事象事実である「標準的な滞留期間」の存在、これもまた、「4つの仮説」の主張内容が誤りであることを示す客観的な証拠資料です。
(7) 『前頭葉の三本柱』の機能が異常なレベルに衰えたその機能構造的な反映が、状況の判断や、発想や企画や計画や洞察や推理や機転や決断や抑制、或いは、感動等といった『前頭葉』の各種個別認知機能(=「実行機能」)の「認知度」及び「発揮度」に直接影響してくる為に、対象となる情報や思考の認知及び記銘やその保持や想起並びに処理の面でも、機能の発揮が不的確で不十分なものとなるのです(「二重構造」の反映結果)。その結果として、自分が置かれている状況の分析や理解や状況判断、実行すべきテーマの発想、実行の計画、創意、工夫、機転といった機能、或いは、洞察や推理やシミュレーションに基づいた見通しや意思決定等が要求される『社会生活』(家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通のテーマを実行することが要求される)の面での、程度や態様を含む様々な支障が出てくるようになります。「社会生活」面での種々のトラブルが生じてくるようになるのです。これは単なる「老化現象」ではなく、且つ、記憶障害に起因した症状でもなく、廃用性の加速度的で異常な機能低下の直接の反映としての『前頭葉(種々の個別認知機能群=実行機能)』の機能障害に起因した症状(development of multiple cognitive deficits manifested by disturbance in executive functioning)、即ち、『アルツハイマー型認知症』の症状と言うべきものなのです。この視点に気が付かない限り、『アルツハイマー型認知症』発病の真の原因の解明に、行き着くことは無いのです。私たちがこれまでに集積してきた『アルツハイマー型認知症』の発病患者の「脳機能データ」を一目見るだけで、そのことの合点が行くはずなのです。
上述したナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されている下で、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことにより、「小ボケ」の段階では未だ正常なレベルにあった「左脳」及び「右脳」までもが異常なレベルに機能低下してくるので、「家庭生活」面に支障が出てくるようになる「中等度認知症」(中ボケ)の段階に入っていき、最後には、末期の段階でありセルフ・ケアにも支障が出てくる「重度認知症」(大ボケ)の段階へと症状が進行していくことになるのです。認知症の専門家とされる人達は、『前頭葉』の機能レベルという視点を持たないか、それを精緻に計測し判定することが出来る「二段階方式」のような精緻な手技を持たないので、外観から見た「症状」という視点だけからしか、判定/鑑別出来ないのです。
(8)世界中の専門家達(学者、医師、製薬会社の開発担当研究者達)から、『発病の原因が、不明である』とされていて、未だに因果関係の立証さえ出来ていない「4つの仮説」が存続し続けていることに対し、専門家達に視点を整理して、私たち「二段階方式」が解き明かした『アルツハイマー型認知症』の正体について、もう一度問題提起しておくことにしましょう。
※ 『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのであり、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、「意識的に為すべき何等かのテーマを発想し、実行の計画を立て、実行結果についての洞察、推理、シミュレーションを行い、実行の内容、程度及び態様の最終的な選択と決定を行い、実行の決断を下して、実行の指令を、脳の各部に対して出す機能の結合体(統合体)が構築している世界の核心的な機能であり、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉(前頭前野部に局在)』の個別認知機能群(=『実行機能』)の機能の発揮度(機能の発揮と認知度)を左右し/下支えている機能である『前頭葉の三本柱』の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される)について、惹き起こされてきた廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行によって、『実行機能』の機能の発揮度(認知度)自体が機能障害を起こしてくる直接の反映としての『アルツハイマー型認知症』の症状は、回復の可能性という視点により、三段階に区分される段階的な症状が発現してくるものであること。更に、『前頭葉の三本柱』の機能及び『実行機能』の機能障害を惹き起こす要因は、二つに区分けされるものであること。
一つが、加齢に起因した機能低下という要因(発病の第一要件=基礎要因)であり、もう一つ別の要因が、「第二の人生」を送る上で日々展開されるナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という要因(発病の第二要件=加重要因)であること。異なるこの二つの要因が、同時に存在し、充足される相乗効果に因り、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くこととなり、その結果として、『アルツハイマー型認知症』の発病としての、三段階に区分される症状が発現してくるものであること。三段階に区分される症状は、『脳のリハビリ』の実施による回復の可能性の有無及び程度により、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」に区分されるものであること。なお、『脳のリハビリ』とは、「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような「自分なりのテーマ」を選択して、日々実践して、『生活習慣』として継続することにより『前頭葉』が活性化してくる「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善及びその継続的な実践を言います(「食生活とは無関係」)。
(9) 医療の現場を眺めると、高額の費用が必要なCTやMRI等の画像診断機器を活用している医師が相当数居る訳ですが、そうした機器の活用では「脳の形」を判定することは出来ても「脳の働き具合」を判定することは出来ないのです。「脳の働き具合」を判定できる機器であるf-MRIやPETを活用しようとも、『前頭葉』の機能レベル(個々人の「前頭葉」の機能レベルについての経時的な変化)について、何らかの処理テーマに沿って精緻に判定することは出来ないのです。その結果、外観から分かり易い「記憶の障害」に関わる症状で、程度が重い症状ばかりに目が行くことになるのです。「記憶の障害」に起因した認知症レベルの症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルが、「中ボケ」の段階にまで衰えてきて、初めて発現してくることになること及び『重度の記憶障害』に起因した症状ともなると、末期の段階である「大ボケ」の段階で初めて発現が確認されて、権威者が取り上げることになるのです。

&4  本稿の要点の整理(  脳の「老化現象」と「認知症の症状」とを鑑別する必須条件)
ここで皆さんに注意を喚起しておきたいのは、『小ボケ』の段階に特有な症状は(&1に詳細な症状を列記)、単なる「老化現象」ではないということなのです。老化現象なのであれば、その人の『前頭葉』の機能は正常なレベルでないといけないからです。医師や研究者を含め認知症の専門家とされる人達は、私達人間だけに備わる特有な機能である『前頭葉』の働き方のメカニズムに精通していないか、又は関心がないか、或いは『前頭葉』の機能レベルを精緻に計測し判定する手技自体を持たないので、外観のみから判断する結果、『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきたことに起因して発現している症状(『アルツハイマー型認知症』の症状)を「前頭葉」の機能が未だ正常なレベルにあって発現してくるのが特徴である「老化現象」と誤解しているだけなのです。
※1(&1)に列記してある症状は、私たちの区分で言うところの「軽度認知症」(小ボケ)の段階で発現する「アルツハイマー型認知症」の典型的な症状なのです。この「小ボケ」の段階では未だ、「左脳も右脳も運動の脳」も全て正常な機能レベルにあることに注意が必要です。「小ボケ」の段階では「社会生活」面だけに支障が出てくるようになり、次いで「家庭生活」にも支障が出てくるようになり(中ボケ)、末期の段階(大ボケ)になると、「セルフケア」にも支障が出てくるようになるのが、『アルツハイマー型認知症』の症状の進行の特徴なのです。

※2『脳のリハビリ』の継続的な実施により、「小ボケ」の段階では、比較的に容易に回復させることが可能であり(認知症の症状が治る)、「中ボケ」の段階では、治すことが未だ可能であり、「大ボケ」の段階にまで重症化が進行してしまうと、回復させることが最早困難となるのです。⇒医療現場では、専門医と言いながら、回復させることが最早困難となる末期の段階で(末期の段階の症状を確認して初めて)発病であると診断し、『発病のレッテルを張っているだけ』なのです。

※3『アルツハイマー型認知症』の専門家(学者、医師、研究者)とされる人達は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「段階的な症状」が発現してくるのが「アルツハイマー型認知症」の特徴であるにも拘わらず、そのことに全く気づかないでいるのです。重度の記憶障害の症状を中心としたレベルの症状をアトランダムに並べ立てているだけなのです。※その上に、『MCI』(軽度認知障害)という基準を持ち出してきて、物忘れの症状の程度や頻度を中核とした判定を行い、その状態が、『アルツハイマー型認知症』発病の「前駆的状態」であると主張して、「MCI」の状態にあると判定された人達の内の何パーセントかが、数年後には、『アルツハイマー型認知症』を発病することになると説明しているのです(認知機能の判定には、肝心要の『前頭葉』の機能レベルの判定が為されないで、左脳と右脳の判定検査である「MMSE」テストしか実施しないのです=御者が眠り込んでいるのに、馬だけを診断している)。

 本著作物「Eー06」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。 


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