認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

♯ 認知症 アルツハイマー型認知症の発病と意識の機能構造との関係(G-02- その2 )   2022.01.10

2022-02-01 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的な課

様々な種類が数ある認知症のうちの大多数、90%以上の割合を占めていながら、世界中の権威とされる機関や人たちから異口同音に、『発病の原因が分からないし、症状の重症化の進行を抑制できないし、一旦発病したら症状を治すことが出来ないし、発病自体の予防が困難なタイプの認知症である』と言われ続けていて、発病の原因については、単なる憶測の類でしかない「4種類の仮説」が提示されているだけの『アルツハイマー型認知症』は、意識が関わるタイプの認知症なのです。権威とされる人達は、そのことにも気づかないでいて、意識という脳の機能構造が備わっていないマウスとか、マーモセットとかの動物の行動を研究していて、『誤った場所を、単に深く掘っているだけ』ということにも気づいていないのです。『意識』については、人類最大の難問と言われ続けているものなのですが、最近では、『アルツハイマー型認知症は、人類最大の不思議な病気』と言われるようになってもいるのです。その二つの難問に挑戦してきて、私たち『二段階方式』が解き明かしてきた知見の概要を、このブログで、無料で公開してきているのです。

『二段階方式の考え方及び二段階方式の手技の活用によるアルツハイマー型認知症に特化した、早期診断による回復、症状の重症化の進行の抑制による介護の予防、更には、発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の国策化による全国展開』を実現し、『第二の人生を送る高齢者達が、身体がもつ限り、出来るだけ脳も持たせて』、この我が国日本で世界に先駆けて、『持続可能な超高齢社会』を実現させたいと考えているのです。我が国の地方の隅々に迄、「二段階方式」の考え方を浸透させていく考えなのです。

アルツハイマー型認知症の発病原因に関する『DSM-Ⅳ』の規定の第一要件の内容も、「4つの仮説」の内容も、共に重大な誤りの内容なのです。このブログで問題提起し説明してきているように、『アルツハイマー型認知症の本態は「廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病」に過ぎない』のであり、『発病自体の予防が出来たり、症状を治すことが出来たり、症状の進行を抑制できたりすることが出来る効能を有するが開発されることは、発病のメカニズムに照らして、未来永劫ありえないことなのであり、『第二の人生を送る上で展開し、継続される「脳の使い方」としての生活習慣が、Key条件となる』のです。ハーバード大学を筆頭にした、世界中の権威とされる機関の重大な誤りを、理論面だけでなくて、実際の活動面で顕著な成果を実現して、正していきたいと考えているのです。   今回は『意識の機能構造図』を提示し、世の中に問題提起し、アルツハイマー型認知症の発病との関係について、Keyとなる要因及び条件を提示し、説明したいと考えるのです(意識の機能構造モデル図は、1月15日に公開の「G-02-その1」を参照して下さい)。

『アルツハイマー型認知症』を発病して、失語や失認や失行(紛い)の症状が確認される段階、末期の段階である「大ボケ」の後期の段階にまで症状の重症化が進行した「お年寄り」の死後の脳の解剖所見に確認されるもの、アミロイドβの蓄積により形成された老人斑やタウタンパクの沈着に因る神経原線維変化に着目しただけの仮説、通説である「アミロイドベータ仮説」やタウタンパク仮説、「重大な誤りの内容」であるそれらの仮説が、未だに、大手を振ってまかり通っているその世界を根本から覆してやりたいと考えているのです。

それが、政府に提案を考えている「3つのPRJ」なのです。抗アミロイドβ抗体(アミロイドβを標的とする抗体)を投与することによって、脳内のアミロイドβが除去され、老人斑の沈着が阻害されようとも、アルツハイマー型認知症の発病の予防に対しても、症状の進行の抑制に対しても、何等の効能が確認されることには、絶対にならないのです。付記しておくと、「アミロイドベータ仮説」の考え方を前提とした東大の光酸素化法も、何等の効能を持たないことが確認され、失敗作に終わることになるのです。

アミロイドβや老人斑の沈着と『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の進行との間には、肝心の因果関係が存在していないのです。アデュカヌマブの認定を申請するのであれば、その前に、因果関係の存在を実証すべきなのです。私たち「二段階方式」が、アミロイドベータの蓄積による老人斑やタウタンパクの沈着による神経原線維変化とアルツハイマー型認知症の発病との間に因果関係が存在していない証拠資料として提示している脳機能データ、「MMSE下位項目の項目困難度の指標」、「脳のリハビリ」の実践により、回復させることが可能な本当の意味での発病の早期の段階である「小ボケ及び中ボケの期間について確認される標準的な滞留期間」の存在及び「脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因に基づいて、効能の有無の評価を厳格に行うべきなのです。『アルツハイマー型認知症』は、認知症の典型的なタイプなのであり、『認知機能の障害』が根本的な発病要因なのです。認知機能の障害の有無を判定するには、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が「正常なのか、異常なレベルに在るのか」の確認が、必要不可欠となるのです。アデュカヌマブを開発したエーザイは、この程度のことさえ知らないのでしょうか。年間で一人当たりに要する薬代を600万円から300万円にする等という前に、先ず、もって、「投与により、『前頭葉の機能レベル』が、どのような変化を辿ることになるのか」について、客観的なデータにより、実証すべきなのです。14689例に上る発病患者の脳機能データの解析結果として、「アルツハイマー型認知症である場合は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現してくる」ものだからなのです。

&1 意識の機能構造(By 二段階方式)

マウスやマーモセットは愚か、DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにさえも備わっていない脳機能、私たち人間だけに特有な注意の分配力の機能(3つ以上の異なるテーマ及びそれぞれが異なる覚醒度により構築されている意識を同時に並行して処理する為に不可欠の機能であり、咄嗟の判断や処理にも不可欠な機能であって、人間だけに特有)、創出し、統合し、分離し、消滅させ、操ることによりアウトプットしてくる様々な『意識』は、三頭立ての馬車(左脳、右脳及び運動の脳が牽引する)を運行する世界であり、その運行を支配し、管理し、コントロールしている脳機能が、御者の役割(脳全体の司令塔の役割)を担っている『前頭葉』と呼称される複合機能体体(『前頭前野に局在する、前頭葉の三本柱の機能、評価の物差しの機能【意識の主座=自我】及び実行機能』)だと私たちは考えているのです(14689例の脳機能データを筆頭にして、アルツハイマー型認知症の発病の有無及び三段階に区分される段階的な症状の程度の体系的な理解が基礎となっています)。猶、『意識』を論じている世界中の専門家達の間で、未だに意識についての確たる定義が為されていないのですが、目的的である『意識』を創出する脳機能は、『注意の分配力』の機能なのであり、「注意の分配力」の機能が備わっていない動物における「原始的な、あるいは幼稚なレベル」での意識のごとくにみられる機能を意識と区別するには、『注意の分配力の機能及び実行機能の有無』を以て区分けるべき(単に生きるだけの為か、比較し選択してより良く生きる為かが、1つの指標となるべきもの)と考えるのです。

 世界中の権威ある機関から、『発病の原因が不明で、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない』タイプの認知症であると誤解されているアルツハイマー型認知症』は、【意識が関わるタイプの認知症】であり、加齢に起因した機能低下の進行と注意の分配力の機能の出番が極端に少ないナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因、「脳の使い方」としての単調な生活習慣の継続起因した機能低下の進行という要因、「異なる二つの要因の同時存在」による『相乗効果』により、前頭葉を含む脳全体の機能の廃用性加速度的異常機能低下の進行の先に、発病及び症状の重症化の進行が待っている認知症なのです。様々な種類が数ある認知症のうちの大多数、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が本態なのであり、『超高齢社会に特有な社会現象』、「仕事とは無縁の日々の暮らし」となる『第二の人生』を送る60歳を超える年齢の『高齢者だけ』が、発病の対象となるのが特徴でもあるのです。

自分なりの追求すべき特定の特別のテーマがなく、目標がなく、喜びや楽しみや生き甲斐がない単調な生活習慣の継続、『生きがいなく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続』が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に発病及び症状の重症化の進行が待っている(発想し、工夫し、比較し、選択して、自分なりに前頭葉が活性化する生活習慣を継続して実践できる人だけが、発病時期を先延ばしできる=予防)、それが、アルツハイマー型認知症という種類の認知症なのです。仕事とは無縁の日々となる第二の人生を送る上での生活習慣、食生活ではなくて脳の使い方』としての生活習慣が、発病するか/しないかを区分ける要の核心要因であり、権威達の主張が間違っているのです。それは、私たち人間だけに特有な世界、意識が関わる世界意識的な世界(目的的な世界)での、脳の使い方としての生活習慣の在り様、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因して発病するものなのであり、権威達が提起している発病原因、「記憶の障害」に起因して発病するものではないのです。そうであるが故に、「マウス」の行動を研究してみても、「アミロイドベータ」の注入量を変えて、行動の変化を評価してみても、何も出ては来ないのです。アミロイドベータ説やタウタンパク説やアセチルコリン説は、すべて、記憶障害を引き起こす要因が何かについての想定した要因が異なるだけの仮説であり、それらの仮説はすべて、間違った場所を、様々な方法で掘り返しているだけのものなのです。世界中の権威とされている人たちに、「二段階方式」から一つの重要な視点を提供したいのです。

あなた達は、『木やその根っ子ばかりを見ていて、森を見ていない』のです。

アミロイドベータ仮説の考えに基づいて、世界中の製薬会社が治療薬の開発に投資した金額は、累計で、60兆円を超えたとされているのです。アリセプトを含む4種の薬に治療の効能は無いのです症状の進行を抑制する効能は無くて、症状の発現の仕方を抑制したり、昂進させたりするだけのもの、単なる対症療法薬に過ぎない効能の評価の仕方が杜撰なだけなのです。現在認可が継続審議とされているアデュカヌマブも、アミロイドベータ仮説の考え方を前提としていて、米国では条件付き認可とされてはいるものの(効能を有しないことが確認された時点で認可が取り消しとなる迅速手続きを活用した条件付き認可)、EUでは効能が確認されないとして、認可が為されなかったのです。我が国では、継続審議とされている。「二段階方式」の考えでは、発病のメカニズムに照らして、予防の効能も、症状の進行を遅らせる効能も、共に有しないものと主張しているのです。

後述するように、アルツハイマー型認知症は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現してくるのが特徴なのです。『前頭葉』の機能は、「意識的な世界」に於ける「脳全体の司令塔」の役割を担っている機能複合体なのです。「第二の人生」を送る上で展開される単調な生活習慣の継続に起因した廃用性加速度的異常な機能低下の進行が原因で発病し、症状の重症化が進行していくのが特徴である「アルツハイマー型認知症」の場合、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に、廃用性の機能低下が進行していくのが特徴でもあるのです(14689例の「脳機能データ」の解析結果)。事象事実としてのこの解析結果について、仮説は合理的に説明することが出来ないのです。

⇔ 脳内に投与されたアデュカヌマブが、アミロイドベータの量を減少させる効果がどれだけあろうとも、アミロイドベータの蓄積(老人斑の沈着)と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に因果関係が存在していない限り、発病を予防する効果(前頭葉を含む脳全体の加速度的で異常な機能低下の進行を予防し、又は、抑制する効果)は有り得ないことなのです。

 カロリンスカ研究所やランセット委員会を先駆けとして、AIを活用したコホート解析により、食事や運動や交友がアルツハイマー型認知症の発病に関わるリスク要因であるとの研究発表が出てきて以降発病の原因については「アミロイドベータ仮説」を支持していながら、食事(カレー料理や地中海料理)や運動や交友や趣味や学習などが、アルツハイマー型認知症の発病リスクを大幅に減少させることになるとかの説明をする人たち、権威と自称する人たちが増えてきているのです。彼らは、物忘れの症状の発現の仕方の改善が、「DSM-Ⅳ」の第一要件が確認を要求している「記憶障害」の症状の改善に直結するものと誤解しているのです。所謂「物忘れの症状」は、「加齢」現象に過ぎないことを知らないのです。「DSM-Ⅳ」の第一要件が確認を要求している「記憶障害」の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能について起きてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因なのであり、廃用性の機能低下を惹き起こす要因が、『第二の人生を送る60歳を超える年齢の高齢者だけ』を対象とするのが特徴であり、『キッカケの発生を契機にして意欲を喪失することで開始されるナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続』が唯一で真の要因であること並びにそこで言う記憶障害の症状自体が、認知機能障害の一つの形態に過ぎないのであって、様々な種類及び態様により発現する「アルツハイマー型認知症」の症状自体は、『記憶障害に起因して発現するものではないこと』さえ知らないでいるのです。そうした状況下で、脳トレ本が大流行しているのですが、『前頭葉』が活性化する機能構造に無知な為に、実にいい加減な内容のものが出版されているのが現状なのです。

前頭葉が活性化』するには、『注意の分配力』の機能の出番が多くて、実行機能の活用が不可欠的に、連鎖的に起きてくる「テーマ」の実践が、生活習慣として継続されること必要で不可欠の条件となるのです。簡単な「足し算や引き算」をしたり、平仮名で書かれたおとぎ話を音読するだけのテーマでは、『前頭葉』の活性化は起きてこないことを知るべきなのです。「意欲と集中力」の発揮が要求されるテーマ(ドリル)の継続的な実践により、記銘力の向上につながる為に、記銘度が向上するようになる結果として、物忘れの症状が改善する効果はあるのですが、『前頭葉の機能の活性化』には、『実行機能』の活用の機会の増加による『注意の分配力』の機能の出番が増加する生活習慣の構築と実践の継続が不可欠となるのであり、「簡単な足し算や引き算のドリル」をどれだけ繰り返そうとも、『注意の分配力』の機能の向上には、直結しないのです。洞察、推理、シミュレーション、比較、検索、抑制、感動等の『実行機能』を活用するには、機能構造面から注意の分配力の機能の発揮が不可欠となるのであり、そうした機能の出番が多い「テーマ」の継続的な実践、生活習慣化があって初めて『前頭葉』の機能レベルが改善されるものなのです。世に溢れている「脳トレ本」の全てが、物忘れの症状のある程度の改善が前頭葉の機能レベルの改善であると誤解している無知による誤解)ものばかりなのです。

ついでのことに記しておくと、筋トレやランニング、或いは、速足での散歩などの運動をすることを訓練(生活習慣化)することにより、物忘れの症状が改善するのです。意欲と集中力の機能が向上する結果として、記銘力の機能の向上につながり、記憶する際の対象の記銘度が高くなる結果として、その分想起し易くなるので、「物忘れの症状が改善する」ことになるだけなのです。

※1 前記の図式を理解する上で、最初に理解していただきたいことがあります。それは、意識自体を生み出すニューロンは存在していないということです。前頭葉の三本柱の機能、評価の物差しの機能、実行機能、記憶の倉庫、馬(左脳、右脳、運動の脳)については、単一の、又は、異なる種類が複合したニューロンネットワークが存在していると考えるのですが、内容と覚醒度とが異なる一つ一つの『各意識』(①、②、③)は、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ及びⅤの機能が、連動することによって都度生み出されてくるものであると考えるのです【⇔図は、1月9日掲載の図を参照して下さい】。

⇒Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ及びⅤの機能が、連動することにより意識が生み出されてきて、意識が生み出されてきて、意識が生み出されてきて(その繰り返し)、状況により異なる複数の意識が、同時に並行して存在していて、更には、生み出されたり、統合されたり、分離されたり、消滅させられたりしているのが『自我と注意の分配力の機能が支配する意識的な世界』の有様なのです。

※2 評価の物差しの機能、言い換えると「意識の主座」(=自我)、実行機能、記憶の倉庫、馬(左脳、右脳、運動の脳)の各機能には、自身の機能を発揮する能力が無い為、その機能の発揮及び発揮度が、『前頭葉の三本柱』の機能が関わることによって発揮される(機能の発揮度が拡大化、縮小化される仕組み、私たち二段階方式が、初めて解明した『機能発揮上の二重構造』の機能関係が存在している)機能構造なのです。『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムに関わる極めて重要な要因なのです。このことに気付かずに、「注意の分配力」の機能が備わっていないマウスを研究対象に、「記憶障害」という誤った的に矢を放っているのが、アミロイドベータ仮説を筆頭とした「4つの仮説」なのです。⇒「4つの仮説」の全てが、米国精神医学会が策定した『DSM-Ⅳ』の規定の第一要件内容の誤りに気付かないで、規定内容が正しいことを前提とした主張内容を展開しているのです。権威の規定内容であれば、愚かにも、その内容を疑おうとはしないのです。

『アルツハイマー型認知症』を発病する直接の主たる原因を、「記憶障害」に起因して症状が発現してくると想定(このこと自体が、重大な誤りの内容)して、記憶障害を惹き起こす誘因として、アミロイド・ベータの蓄積、タウタンパクの蓄積、アセチルコリンの不足、脳の萎縮を挙げているのです。猶、それら4つの説が全て『仮説』の扱いを医学会から未だに受けているのは、主張内容とアルツハイマー型認知症発病との間の直接の因果関係の存在を立証できていないからなのです(単なる「憶測の類」に過ぎない)。『DSM-Ⅳ』の規定の第一要件の誤った仮説を前提にして、「因果関係」の立証が未だに出来ていない「4つの仮説」が提示されている、『屋上屋を架している』ということになるのです。

『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのです(但し、ここに言う「生活習慣」とは、第二の人生を送る上で展開され継続される生活習慣であって、『脳の使い方としての生活習慣を言う』ものであり、食生活とは無関係のものであることに留意する)。更に問題を提起しておくと、九州大学が久山町で行った疫学的調査結果に基づき主張している『糖尿病を患った高齢者は、アルツハイマー型認知症を発病する危険性が高い』との内容は、直接の因果関係要因を見誤ったものなのです。症状が重い発病者に医師が指示する3つの要因『①BMIの基準に合致する迄体重を減らすこと、②日々の摂取カロリーを一定値以下に抑えること、③砂糖類を含む炭水化物の摂取を極力制限すること』により、意欲が減退し、気力が衰えてきて、体力も衰えてナイナイ尽くしの単調な生活習慣が惹き起こされてくる、そのことがアルツハイマー型認知症の発病と直結している要因であることに気付いていない、『誤った主張内容』なのです。正しくは、『アルツハイマー型認知症の発病との間に直接の因果関係が存在するのは、医師の過度な養生要求を順守する生活が日々繰り返されることをキッカケとして開始された、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続なのであって、重度の糖尿病の発病との間に直接の因果関係は存在していない』ことを問題提起しておきたいのです。

※3「前頭葉の三本柱」の機能が働くことによって『意識』が立ち上がり、意識の機能レベルが変化していき、一定の閾値を超える「意識の覚醒度」が、自己が「意識状態にある」ことの知覚(意識の知覚の認知)を覚醒させることになると二段階方式は考えるのです。私たち人間の場合は、サーカディアン・リズムによる制御システムの下で、睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠とを規則正しく繰り返している状態にあり、『意識は存在しているが、覚醒はしていない』脳の機能状態に在るのです。脳の機能を保護する為の睡眠のメカニズムが働いているせいなのです。夢を見ている状態を除き、睡眠中は、『意識は、1つの意識が存在しているものの、関わる諸機能の機能低下が維持されていることにより、覚醒していない状態』が維持されているのです。睡眠から目覚めることにより覚醒することとなり、その瞬間から、基本的には、『異なる複数の意識が発現してくる』脳の機能構造をしていると考えているのです。

※4 上図の如く、「前頭葉の三本柱」の機能が「意識の構築」の基盤に在ります。中でも、「意欲」が基盤に在って、「注意の集中力」が上位機能として、獲得されて、更にその上位機能として、『注意の分配力』の機能が、進化により獲得されたと考えるのです。

※5「注意の分配力」の機能は、「3つ以上の異なる複数の意識及びテーマを同時に並行して、且つ重層的に、構築し、統合し、分割し、処理し、管理し、コントロールする為の不可欠の機能であり、且つ、実行機能の発揮による咄嗟の分析、理解、機転、転回、展開、比較、検討、洞察、推理、判断、シミュレーション、決定、決断及び処理に不可欠の機能でもあるのです(「小ボケ」は、脳の回転の速さの源でもある「注意の分配力」の機能が異常なレベルに衰えてる為に、咄嗟の判断が出来なくて、信号付近で事故を起こすことになる)。

※6 「実行機能」とは、分析、理解、判断、発想、企画、計画、洞察、推理、憶測、忖度、検索、シミュレーション、比較、検討、選択、決断、抑制、興味、関心、感動等の例示した個別認知機能群(メタ認知機能群)の総称なのであり、意識的な世界を様々に演出する「実行機能」の機能の発揮度は、「前頭葉の三本柱」の機能が左右し、下支えている(関連するニューロン・ネットワークの連結及び/又は発火度に関連している)と考えるのです。

⇒ 『第二の人生』を送る高齢者が、「キッカケ」の発生と継続を契機にして心が折れて、「意欲」を喪失し、何事にも挑戦できなくなっていき、そのことにより展開されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下が進行していくときは、より高度な機能から、即ち、「注意の分配力」の機能、「注意の集中力」の機能、「意欲」の機能の順に、三頭立ての馬車の馬と御者で言うと、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順に、機能の衰えが進行していくのです(脳機能データが基礎)。『アルツハイマー型認知症』は、私たち人間だけに特有な世界、「意識的な世界」(目的的な世界)を創出し、管理し、統合し、分離し、コントロールしている『注意の分配力』の機能を核心とする「前頭葉の三本柱」の機能に生じてくる廃用性の機能低下の進行が引き金となり、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階」に区分される症状が発現してくるのが特徴となるのです。

※7 上図に説明するように、Ⅰ(「前頭葉の三本柱」の機能)の機能の発揮の度合い(機能レベルの向上、又は、低下)が、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ及びⅤの各種機能の発揮度(機能レベル)を左右し、支配する機能構造(機能の発揮及び発揮の度合いが、直接的にリンクしている)の関係にあって、「それらの総合機能体」としての出力結果が、内容及び覚醒度が異なる、各種の「意識」を生じさせていて、且つ、各意識の覚醒度並びに主観的に個々人により、個別に感得される質感(qualia=クオリア)の差異を生じさせていると考えるのです。

※8 「意識」は、内容及びその覚醒度が異なる複数の意識が同時に並存しているのが常態であり、意識を生み出す脳機能構造が働いている状態(意識状態)下で、その意識の覚醒の度合い(覚醒度)が低下していき(この段階では、レム睡眠下で夢を見ることがある)、更には、意識の覚醒度を生み出している「前頭葉の三本柱」の機能の働き具合(機能の発揮度)が極限まで低下して行った状態のその先が、用語上のものであり現実には存在していない「無意識」(用語的には、無意識の状態)であると考えるのです。その意味からも、「全ての意識に先行する無意識」とか、「無意識が、全ての意識を支配している」とかの主張は、誤りであると考えるのです(何等かの機能を有する『無意識』は、存在していない)。

※9  様々な種類のニューロン群の及びニューロン・ネットワークの様々な働きにより、様々な情報が前頭前野に局在する『前頭葉』に統合されて、その主座である『評価の物差し』(主座=自我)の機能が、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬を操り乍ら、「記憶の倉庫」と照合し、「実行機能」を駆使して、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った何らかのテーマを発想し、発想したテーマの実行を企画し、実行の内容、実行の仕方、程度及び態様を計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションし、シミュレーション結果を比較して、最終的な内容、程度及び態様を選択し、実行の決断をして、三頭の馬に実行の指令を出して行く、その総合的な働き及び働き具合の結果の出力である「アウトプット」が、覚醒度及び内容が異なり、同時に並行して存在する「複数の個別の意識」として発現してくると私たち「二段階方式」は考えるのです。

※ この機能構造と廃用性の異常な機能低下の進行の要因の理解が、アルツハイマー型認知症の発病原因(発病のメカニズム)解明のカギとなるのです。

⇒ ここで、鵜匠の手綱裁きを例にとって、『評価の物差し』の機能(意識の主座=自我)の働き方を、わかりやすく説明します。鵜匠は、鵜舟の上で複数の鵜が漁をしている状況に対し、注意の分配力の機能を活用することにより、同時に複数の鵜の動きを監視していて、鵜の動きを体験的に習得している監視技術を駆使して、魚を捕らえた瞬間を判断し、魚を捕らえた鵜を船縁に引き上げ、吐け籠に魚を素早く吐かせたり、火の勢いが弱くならないよう、篝に松割木を足したりするなど、『複数の動作を、同時に並行して、且つ、迅速に判断し、手早く処理し』、行っているのです。

特に重要な動作は、「手縄さばき」です。手縄とは、鵜と鵜匠を繋ぐ縄を指し、長良川の鵜匠は最大12本の手縄を左手で握ります。手縄の動きを指で感じて、鵜の動きを測る為に柔らかく握り、鵜が動いた時に親指で抑え込みます。それぞれの鵜が勝手に動けば、次第に手縄はもつれ、絡まってしまいます。絡まりすぎると手縄が短くなり、鵜の活動が制限されてしまいます。そこで鵜匠は、絡まった手縄を右手で引き抜き、左手に戻します。

この一連の動作が手縄さばきです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを選択して、その実行及び実行の仕方を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、状況に沿った最適と考える内容を決定し、実行の決断をして、脳の各部に対し実行の指令を発しているのが、前頭葉という脳機能であり、その核心に位置するのが、『評価の物差し』(主座=自我)という脳機能なのです。

(2) 「前頭葉」の損傷による機能障害の症例に共通の特徴

① IQには、有意な変化が見られないが、情動反応の変容の方が目立つのが特徴とされる。

② 海馬を中心とする側頭葉内側部の損傷で見られるような「記憶障害」は見られないこと。

③「実行機能」と総称される状況の分析、理解、判断、状況判断に沿ったテーマの発想、発想したテーマの実行内容とやり方の企画と計画、実行結果に関する洞察、推理、シミュレーション、シミュレーション結果を基礎とした比較による選択、決断、更には、抑制等の機能の発揮に障害を示すとされています( 状況を分析し、テーマを発想し、目標を設定して、適切に実行していくという脳の機能面において、障害を示すのが特徴とされる)。

④ 意思決定における前頭葉の情動、評価、動機づけとの関係が注目されているのですが、『評価の物差し=自我』という機能の存在を語れるのは、未だ、Tadだけのようなのです。

(3) 様々な種類が数ある認知症のうちの大多数、90%以上の割合を占めていて、世界中の権威ある専門家達から、『発病の原因が分からないし、一旦発病したら症状を治すことができないし、症状の進行を抑制する方法が見当たらない』と言われてきている『アルツハイマー型認知症』は、意識がかかわるタイプの認知症、意識的な世界(目的的な世界)で起きてくる症状が問題となるタイプの認知症なのです。意識が、どのような機能構造により、どのように発現し、どのように働くのか。更に、「三段階」に区分される症状の類型にみられるように、記憶の障害という要因ではなくて、どのようなメカニズムが原因で、どのように働かなくなるのかを解き明かすことが、発病の原因(メカニズム)、症状の重症化が進行していくメカニズムと機序、更には、発病自体の予防、症状を治す方法及び症状の進行を抑制する方法の解明にとって、不可欠の視点となるのです(二段階方式独自の見解!)。

軽度の症状から、中等度の症状、果ては、末期の段階の重度の症状まで含めてそれらの症状は、意識的な世界に於ける要の機能、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者である『前頭葉』(「前頭前野」に局在していて、上記に提示する脳機能総合体を言うものとする。以下、同じ)の機能が、第二の人生を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な生活習慣(自分なりの特定のテーマがなく、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活習慣=実行機能を活用する機会が少ない為に、注意の分配力の機能の出番が極端に少ない生活習慣)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行により異常なレベルに衰えてくることにより発病するのです(アルツハイマー型認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのです)。世界中の権威達が研究対象にするマウスには、『注意の分配力』の機能も、『前頭葉』の機能も備わっていないし、そもそも、記憶のメカニズムも、マウスと人間とは根本的に異なる機能構造をしているのです。

(4)『アルツハイマー型認知症』は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階」に区分される症状が発現してくるのが特徴なのです。ところが、発病の原因について、世界的に通説の地位にある(支持する学者の数が多いというだけの意味)アミロイドベータ仮説が、上述の視点が全くなくて、「前頭葉」の機能、就中『注意の分配力』の機能が備わっていない「マウス」を研究材料にして、発病との間の「因果関係の実証」も出来ない儘に、推測や憶測に基づいただけの『誤った情報』を未だに発信し続けているのです。社会的責任感が希薄と言うしかない。

猶、二段階方式では、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能を総称して、『前頭葉の三本柱』の機能と呼称しています。アルツハイマー型認知症は、意識的な世界(目的的な世界)が関わる認知症であるとの理解をしています。世界中の専門の研究者達から、人類最大の難問としていまだに解決されていない『意識』について、その機能構造についての私見を提示しようと考えたのです(二段階方式独自の見解であり、今日現在も未だ、世界中の専門家達の誰も提示できていない内容の見解)。「意識」との関わり、就中、『注意の分配力』の機能との関わりについての「視点」を持たない限り、『アルツハイマー型認知症』発病のメカニズムを解明することはできないことを問題提起しておきたいのです。

(5)私たち「二段階方式」は、こうした視点と理解に立ち、アルツハイマー型認知症発病のメカニズム及び症状の重症化が進行するメカニズムを解明して、発病自体の予防及び早期診断による回復並びに症状の進行を抑制する方法を開発して、実務化し、北海道から九州に跨る全国452の市町村での、『個別の有償契約の締結』に基づいた、『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防、早期診断による回復及び症状の重症化の進行の抑制による介護の予防』を目的とした『住民参加型の地域予防活動』の実践展開を指導してきて、顕著な成果を挙げ、主張内容が正しいことを「疫学的方法」により実証してきているのです。 世界中の権威あるとされる機関は、記憶の障害が原因で発病すると規定している「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容が重大な誤りであることに未だに気が付かないで、マウスを研究材料にし、間違った場所を、間違った方法で、単に深く掘り続けているだけなのです。

   

&2 夢を見る世界と『意識が十分に覚醒』している世界(『意識的な世界』)との差異

1.夢を見ている世界(意識は存在するが、その覚醒度が極めて低い状態)

昨日は、湯たんぽを抱えて寝たら、途中で目が覚めることもなく、朝6時半に目が覚めるまで、熟睡できたのです。このところの傾向なのですが、『加齢』のせいもあってなのか、夢を見ては、目が覚めるのです。私の場合は、目覚めた後も夢の内容をよく覚えているタイプなので、見た夢の分析をするのです。

 夢の一つの特徴は、夢の内容とその展開とが支離滅裂となることなのです。ところが、夢を見ている最中は、そのことに気付くことがないのです。支離滅裂な事態が起きても、『それを修正するべきとの認識を一定以上の機能レベルで構築できない為に、修正することが出来ない』のです。時に、うまくいかないなーと考え、もがいていると、意識の覚醒度が上昇してくる為、目が覚めてしまうのです。夢を見るのは、ノンレム睡眠の状態からレム睡眠の状態に移行した後であって、夢を見ている状態は、『意識』が覚醒しないように前頭葉の三本柱の機能が機能低下した状態に留められているのです。司令塔の前頭葉が、きちんと機能を発揮できない仕組みにされている状態(意識自体は存在し、機能しているが、「意識の覚醒度」が極めて低い状態)下で、夢を見ているのです。即ち、自分が於かれている状況を的確に分析し、理解し、何をどのようにするかを選択し、決定することが出来ない状態にある、言い換えると、脳の機能を保護する為の睡眠のメカニズムが制御しているせいなのです。サーカディアン・リズムによる制御システムの下で、睡眠中は、ノンレム睡眠とレム睡眠とを規則正しく繰り返している状態にあるのです。

2.『二段階方式』が発病者と判定する為に必須の「4つの条件」の意味

二段階方式の考え方と手技では、『アルツハイマー型認知症』の発病者である場合は、以下の「4つの特徴」が、必ず確認されることになります。

〇『前頭葉』の機能レベルが異常なレベルにあること(改訂版かなひろいテスト)

〇「MMSE」のテスト結果が、『下位項目の低下順の指標』のとおりであること

〇 キッカケの発生以降の期間について、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続していたことが確認されること

〇「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状、「三段階に区分される特有で類型的な症状(30項目問診票)」が各段階ごとに設定されている基準の数以上確認されること

  • 私たち「二段階方式」は、被験者の「認知機能の障害の有無及びレベル」を判定するに際しては、「意識的な世界」に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉の機能レベル』を精緻に判定出来る手技である「改訂版かなひろいテスト」を実施します。

「改訂版かなひろいテスト」は、「前頭葉の三本柱」の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能について、個別に及び三者を総合し、その機能レベルが正常であるか否かを精緻に判定出来るのです(『前頭葉』の機能判定の精緻さは、世界に比類がない)。

3.マウスの記憶のメカニズムと私たち人間の記憶のメカニズムとは、全く異なるのです

  • 人間だけに特有な『注意の分配力』の機能が「記憶」に果たす役割

『記憶』には、記銘し、保持して、想起するという3つの工程があります。よく記銘されたものほど、よく想起されることは、皆さんも体験的に知っていることと思うのです。試験の前日に、声を出して読んだり、書いたりして、何度も何度も繰り返して記銘に励み、覚えこんだ経験があるでしょう。海馬が器質的な障害を受けた場合に、記憶に障害が出てくる(言い換えると、結果としての想起に重大な影響が出てくる)のは、海馬が「記憶の入り口」となっているために、記銘力障害が惹き起こされることが直接の原因となって、想起することが出来なくなる(=記憶障害が起きてくる)のです。重度の記銘力障害が原因で、直前に起きたことも想起できなくなる『側頭葉性健忘症』という病気は、その典型例なのです(『アルツハイマー型認知症』の発病者である場合、廃用性の機能低下により想起の機能が真っ先に衰えていき、記銘は最後まで残る機能であることを知らないで、側頭葉性健忘症であるのを誤診していて、この世には実在していないものである若年性アルツハイマー型認知症の発病と誤診している医師が極めて多いのです=世界的な傾向)。

※オーストラリア人の公務員の女性が誤診されて、私は誰になっていくの?―アルツハイマー病者からみた世界という書物を書き、世界中で講演して回ったのが、契機となり、「若年性アルツハイマー型認知症」という架空の病気が誕生する事となったのです。英国でも支援団体が結成されて、わが国でも同様の支援団体が結成されて、社会活動しているのです。正しい診断では、『若年性アルツハイマー型認知症』ではなくて、『側頭葉性健忘症』であることも知らずに、NHKが度々、誤った内容の放送を繰り返しているのです。

⇔ 脳の変性による海馬の萎縮が原因である「重度の記銘力障害」により、重度の記憶障害の症状を呈しつつも、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在る為に、自分に現在どのような困難があり、どのような支援が必要であるかを的確に語れるのが、側頭葉性健忘症の発病者の特徴なのです(重度の記憶障害が確認される末期の段階の「アルツハイマー型認知症」の発病者との根本的な差異)。

(2) 脳の機能面から、詳しい『両者の差異』を説明しておきましょう。

  • アルツハイマー型認知症』の発病者であって、「重度の記憶障害」の症状が確認される末期の段階、「大ボケ」の段階にある「お年寄り」達は、『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えている(『改訂版かなひろいテスト』による判定結果は、不合格)ものの、「記銘」する機能は未だある程度残っているのです。想起の機能が衰えてきてしまっていることが主たる原因での記憶障害の症状であることが特徴です(MMSE下位項目のデータ)。
  • これに対し、『側頭葉性健忘症』の発病者である場合は、『前頭葉』の機能が正常な機能レベルにある(改訂版かなひろいテストによる判定結果は、合格)ものの、重度の『記銘力障害』(新しい記憶がほとんど入っていかない)が原因で記銘自体が出来ないことにより想起することが出来ないのです(記憶の工程は、記銘⇒保持⇒想起)。※海馬が長期記憶と短期記憶とを仕分けていると主張する専門家たちが多いのですが、真っ赤なウソ(彼らは、嘘とは思っていないので、重大な誤りと言うべき)なのです。

※ 長期と短期を区分けるどんな基準、システムがあるというのでしょうか。「記憶すべき対象」となる情報は、どんなものであれ、単純ではないのです。デジタルな情報(左脳がらみ)、アナログな情報(右脳と運動の脳がらみ)とが複雑に入り混じってもいるのです。

⇔ 長期記憶となるか、短期記憶で終わるかは、当該対象となる事象の「記銘度」の差異(高いか、低いか)によると私たちは考えているのです(「脳機能データ」の解析結果)。即ち、よく記銘されたものが、よく保持され、よく想起されることになるだけなのです。

(3) MMSE下位項目の項目困難度が示す『厳格な順番の存在』とその意味するもの

「二段階方式」の手技の活用によりアルツハイマー型認知症の発病者と判定されたお年寄り(ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続していたことを原因として、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきて、小ボケ、中ボケ又は大ボケのいずれかの段階の症状の発現が確認された)14689例の脳機能データの解析結果から、『アルツハイマー型認知症』の発病者である場合は、且つ、発病者である場合に限り、MMSEの11の下位項目について出来なくなっていく順番(関わる脳の機能が衰えていく順番)『極めて厳密な順番』が存在しているのです)。

⇒ このデータについては、世界中で「二段階方式」だけが解明している『事象事実』なのです。

⇒ 軽度、中等度、重度の全ての対象者を含む脳機能データであることが肝心。

医師や学者は、末期の段階(大ボケ)の症状を発病の初期症状と考え、もっと軽い段階についての「脳機能データ」がないのでしょう。

  できなくなっていく順番は、早くから衰えていく順番に挙げると、

想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相貫図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名   の順番となるのです。

※「二段階方式」のテスト実施に際しては、左脳と右脳の機能レベルを判定するための手技であるMMSEを最初に実施します。テスト結果で、上記順番通りではないケースであった場合は、その一事だけで、「アルツハイマー型認知症の発病者ではない」ことになり、前頭葉の機能テストである「改訂版かなひろいテスト」は実施されないのです。そのケースについては、アルツハイマー型認知症以外の認知症、側頭葉性健忘症等の認知症と紛らわしい他の病気、老年期鬱病、失語症その他を疑うこととなり、『二段階方式個別事例判定マニュアルC』の規定に従った取り扱いがおこなわれることとなり、必要である場合は、医療機関での診断を指導することとなります。ここでは、記銘と想起だけしか取り上げていないのですが、11の下位項目について、全ての下位項目の解析グラフが存在するのです。

① 「記銘」の項目の特徴

※1 「記銘」の項目は、MMSEの11の下位項目中、項目困難度が極めて低い項目なのです。30点が満点のMMSEの総得点が一桁の7点(マイナス23点)の時に、未だ満点を取る人の割合が最も多いのです【廃用性の機能低下が相当進んできても、まだ出来る項目】。

※2 記銘するには、一定レベルでの意欲と注意の集中力の発揮が必要とされる一方で、注意の分配力の機能の発揮は要求されないのです(抑制するほうが、記銘するには好都合)。意識が覚醒すると同時に、注意の分配力の機能が働く仕組みになっているので、記憶するに際して記銘度を上げるには、「注意の分配力」の機能が働かないほうが良いのです。前頭葉の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進んで、就中、注意の分配力の機能が殆ど働かなくなってきている末期の段階、二段階方式の区分で言う「大ボケ」の段階の後期に症状の重症化が進んで来ても、「記銘」は未だ出来る項目、未だ満点をとれる項目であり、項目の困難度が極めて低い項目なのです。

※3 猶、『DSM-Ⅳ』の第二要件が発病と診断するための条件として、失語や失認や失行の症状の発現の確認を要求していること(これこそが重大な誤り)を疑うことなく、正しいものとして考えている権威とされる人たちは、「アルツハイマー型認知」症の発病者である場合は、記銘が出来なくなることを特徴の一つに挙げるのです。発病者であれば、直近の自分の行動、直前の経験や発言を忘れてしまうこと及び本人がそのことを自覚していないことを、発病確認の重要な指標として挙げるのです。『たった今相手から言われたことも覚えていない』とか、『食事をとったばかりなのに、そのことも忘れている』とかの例を挙げるのが通常なのです。『時の見当識』については(昼なのか、夜なのかが分からない)こと。『所の見当識』については(自分が今住んでいるところが分からなくて、徘徊する)こと。『人の見当識』については(同居の家族の顔もわからなくて、息子を夫と間違える)こと。

彼らは、『記銘』の項目が、「MMSEの総得点が、①7点となるまでは、満点である3点を取る人たちが最も多くて、②6~5点では、2点の人が最も多くて、③4点以下になって初めて、0点を取る人が最も多くなるということを知らない(脳機能データを持っていない)のです。逆に言うと、権威とされる人たちは、末期の段階である「大ボケ」の更に後期の段階(MMSEの総得点が9点以下)のお年寄りについて、失語や失認や失行の症状のいずれかの発現を確認して初めて、「発病」と考えていて、更には、上述した記銘度のレベルのお年寄りを見て、記憶障害の症状を中核症状と名付けて、周辺症状なるものと区分して、悦に入っている、『アルツハイマー型認知症の権威だと誤解している』のです。

② 「想起」の項目の特徴

※1「想起」は、MMSEの11の下位項目中、項目困難度が最も高い項目なのです。MMSEの総得点が28点(マイナス2点)の時、減点がある人の割合のほうが多くなり、26点(マイナス4点)の時に、既に零点を取る人の割合が最も多くなるのです。11の下位項目中、項目困難度が最も高い項目(一番最初にできなくなっていく項目)なのです。発病の最初の段階(「前頭葉」の機能だけが異常なレベルで、左脳及び右脳は正常)である「小ボケ」の段階で、その下限となると、70%近くのお年寄りが、零点をとることになるのです。

※2 想起するには、意欲及び注意の集中力の高度な発揮に加えて、「注意の分配力」の機能の発揮が高度に要求されることになります。記憶の対象を想起するには、『注意の分配力』の機能が「実行機能」を駆使して、メタ認知することにより、様々な記憶の倉庫の中から対象となる記憶情報をあれかこれかと幅広く、推理し、検索することが要求されることになるのです。「動物名想起」がそのいい例なのですが、家庭で飼われている動物、動物園で飼われている動物、アフリカ諸国の動物保護公園で見られる動物という風に、「注意の分配力」の機能が「実行機能」を駆使してメタ認知することにより、検索し、洞察し、シミュレーションして、想起することになるのです。注意の分配力の機能が廃用性の機能低下の進行により、メタ認知することが出来なくなっていくことの想起の結果に対する反映の問題を理解すべきなのです。

(4)【マウス(マーモセット)には、『注意の分配力』の機能が備わっていないのです!!】

『アルツハイマー型認知症』の発病者の「記憶障害の症状及び記憶障害に起因した症状」を含む全ての症状は、注意の分配力の機能を核とする「前頭葉の三本柱」の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が直接の原因(真の原因)で、発現してくるものなのです(生活習慣を挙げる権威も、脳の使い方としての生活習慣とは気づいていないのです)。

※『アルツハイマー型認知症』の発病者である場合、『注意の分配力』の機能から真っ先に衰えていくことを、権威とされる人達が知らないのです。加えて、彼等権威達は、マウスには、「注意の分配力」の機能が備わっていないことを知らないので、人間の記憶の結果と同じメカニズムと誤解しているのです。注意の分配力の機能の存在の有無に起因した差異という問題の認識さえ、彼等には無いのです。

アミロイドベータ説の提唱者や支持者達は、「DSM-Ⅳ」の規定の第一要件の内容を鵜吞みにしていて(且つ、その内容が重大な誤りであることも知らないで)、アルツハイマー型認知症の発病の原因が、「記憶の障害」にあると誤解していて、マウス(最近は、霊長類のマーモセットを使用している=注意の分配力の機能は、備わっていない)が檻の中でエサを探して徘徊する行動を観察して、推測や憶測に基づいただけの主張を展開しているのです。

※ 前頭葉の三本柱の機能の機能障害が、記憶の障害を惹起することさえ知らないのです。 

(5) 三段階口頭命令に焦点を当てて見ると、大ボケの前期(MMSEの総得点が14点から10点迄)では、2点(マイナス1点)が最も多い分布となるのです。3つの異なる要因のうち、2つの要因の処理しか出来なくなるということなのです。言い換えると、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「注意の分配力」の機能が衰えてきているために、異なる3つ以上の要因の処理は困難となっていることが分かるのです。ニュートンの記事によると、脳機能研究の最前線では、げっ歯類の「マウス」に代えて、小型霊長類である「マーモセット」を使った研究が行われるようになってきているとあるのですが、肝心の『注意の分配力』の機能が備わっていない限り、憶測の類を脱することはできないのです。

意識的な世界(目的的な世界)では、評価の物差しの機能が実行機能を駆使するに際して、両者の機能発揮が、前頭葉の三本柱の機能に左右され、下支えられている機能構造の関係、私たち「二段階方式」が世界で初めて発見した『両者の機能発揮上の二重構造』の関係という問題が存在していることに気付いていないせいなのです。その結果として、推測やら憶測ばかりしていて、『的外れな結論や主張』を、肩書だけで、提示してくるのです(⇒『注意の分配力』の機能は、DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにも備わっていないのです)。

※1①光学顕微鏡や電子顕微鏡を駆使して、細胞一個一個を見たり、ニューロンのシナプス一個一個を見ようとも、形でなくて、機能構造(関係)を観察することは出来ないのです。

  • 廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」が本態であり、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で認知機能が異常なレベルに衰えていくアルツハイマー型認知症は、『注意の分配力』の機能が廃用性の機能低下を進行させていくことが出発点なのです。

このことに気付かない儘に、『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容が正しいものと勘違いして、マウスやマーモセットにアミロイドベータを注入して、注入量の差異による記憶障害の程度の差異を研究対象にしているのが、アミロイドベータ仮説を支持する研究者達なのです。

※2アルツハイマー型認知症を発病して、小ボケ、中ボケの段階を経て、末期の段階である大ボケの段階にまで症状の重症化が進行していき、さらに何年間も見体がもった高齢者の死後の脳の解剖所見で確認されるもの、①アミロイドベータの蓄積及び老人斑の沈着、② タウタンパクの蓄積及び神経原線維変化、③脳の顕著な萎縮は、発病の結果なのであり、『アルツハイマー型認知症』の発病の原因ではないのです。即ち、発病との間に直接の因果関係は存在していない主張、言い換えると、単なる「憶測の類」に過ぎないのです。

※3 アルツハイマー型認知症の発病のメカニズム(症状の発現、症状の重症化の進行)について、「4つの仮説」が提示されているものの、発病との間の因果関係が立証できてもいない状況で、発病の予防とか症状を治すとか発言する「偽の権威」が横行しているのです。

⇔ 最近の研究では、発病の原因とされ、病理学的な問題とされる老人斑(アミロイドベータ仮説の根拠)や神経原線維変化(タウタンパク仮説の根拠)は、アルツハイマー型認知症の発病患者だけに特有なものではなくて、老化しているものの正常な機能を保っているお年寄りの脳にも出現していることが確認されている時代になってきてもいるのです。

⇔ 2017年に世界的に権威ある研究所であるカロリンスカ研究所が、AIを駆使したコホート解析の結果として、交友や運動が発病の危険因子であると考えられると発表したことがキッカケとなり、(但し、依然として、アミロイドベータ仮説が通説の地位にあって、その根拠は示されていないものの)交友や運動や食事などの「生活習慣」の改善により、症状の重症化の進行を遅らせることが出来ると主張する専門家達が増えてきてもいるのです。

 その根拠が示されていないものの、権威とされる人達や機関の間で「生活習慣」に注目が集まるようになることは、傾向としては、良いことだと、動向に注目しているのです⇒ (アミロイドベータ仮説も、破綻寸前になって、アデュカヌマブなる薬が出て来た??)。

本著作物「G-02ーその2」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

 


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