認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

臨時掲載

2015-08-13 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

  これは、或る独立行政法人の活動に関わっている人からの質問に対して、最近回答したものなのです。

皆さんにも参考になればと思い、このブログに臨時掲載として掲載することにしました。以下は、その返事です(メール文)。



  参考のために、問題となっている「アルツハイマー型認知症」について、一言

 

  「アルツハイマー型認知症」については、米国精神医学会が定める診断基準である

  「DSM-4」と言う規定があり、これが世界最高の権威とされていて、日本人の医師や  

  研究者や学者は皆それを疑うことなく信望しています。


   その規定は、第一の要件として「記憶の障害」の症状の確認を、第二の要件として

  「失語、失認、又は失行」の症状の確認を要求しています。


  失語や失認や失行などの症状は、極めて重度の症状であって、私たちが「三段階」に区分する症状群、

   その中でも、末期の段階に区分される 「重度認知症」(大ボケ)の段階で更に後半にならないと発現して

  こないものなのです。

  これを客観的な脳の機能レベルとしての評価、脳の後半領域、左脳及び右脳の働き具合を判定するMMSと言うテストで言えば、

  30点満点のテストで一桁の得点しか取れないレベルの人達の症状なのです。この人たちの「前頭葉」はと言えば、もはやほとんど

  機能していないレベルにあるのです。そのため、自分が今いる場所がどこなのかも分からないし(自分が長年住んで居る自宅さえも、

  そこに居ても自宅だということが理解できないのです。家を出ると帰るべき我が家が分からないので、体が丈夫な人は、そのまま、

  徘徊につながってしまうのです)、今が昼なのか夜なのかの区別さえも出来なくなっているのです(そのため、夜中に、大声で、騒ぎまわる

  のです)。

  こうした症状は、覚えていないことが原因で起きてきているのではなくて、理解することが出来ない為に起きてきている

 (記憶障害が第一義的な要件なのではなくて前頭葉が正常に働いていないことが、第一義的な要件とされるべきなのです)、

 それがこの人たちの脳の働きの具合(脳の機能レベル)なのです。


  私のブログで、小ボケ、中ボケ、大ボケの「三段階に区分される症状」のところを

  読んでみてください。いかに末期の段階の症状であるかが分かるはずです。


  第一の要件はその程度の記載がなく、記憶障害の症状としか規定されていません。

  しかしながら、第一の要件と第二の要件は、判定時に同じ人に同時に確認されるべき 

  症状なので、「第二の要件」として規定されている症状が確認される人にその時確認  

  されるべき「記憶障害の症状」と言うことになります。

  その結果、第一の要件に規定されている記憶障害の症状も極めて重い症状の確認が

  要求されていることになるわけです。

  そのため、「先ほど食事を摂ったばかりなのにもうそのことさえも忘れている」よう

  な症状が、「第一の要件」を充足するものとして、専門家達からしばしば例示されて 

  いるのです。


   ここまで重い症状が確認されるようになると、もはや治すことは出来ないのです。

  もっと軽い段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)

  までの段階で見つければ、脳のリハビリ(脳の使い方としての生活習慣の改善)によって、

  治すことが出来るのです。

 『DSM-4』の規定が余りにも重い症状の確認を要求しているがために、『DSM-4』の規定に依拠して

 診断していたのでは、見つけても遅すぎる、治すことが出来ない段階でしか見つけることが出来ないだけなのです。

 

  前置きが長くなりましたが、「小ボケ」の段階の症状が確認される人達も「中ボケ」の段階の症状が確認される人達も、

 すでに、「アルツハイマー型認知症」を発病しているのです。この小ボケ及び中ボケの段階の人達を見つけて、正常な機能レベルに

 回復させる(アルツハイマー型認知症を発病している人たちを治してあげる)ことは、既に脳が健康でない人に極めて意義のある手を

 差し伸べることになるのです。個人も家族も自治体も国も救われることになるのです。


 小ボケと中ボケとを合わせた人数は、大ボケの人数の4倍にもなるのです。厚労省が発表している数字、400~ 500万人と言うのは、

 「大ボケ」の段階の症状が確認されていて、介護保険の適用対象となっている人達を基礎とした推定人数ということなのです。

 「DSMー4」が確認することを要求している症状が末期の段階の症状、余りにも重い症状の確認を要求しているがために、

 「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状が確認される人達は、「アルツハイマー型認知症」を発病していながら、その発病自体が

 見逃されてしまっているのです。この見逃されている人達こそが、本当の意味での「アルツハイマー型認知症」の初期の段階の人達

 なのです。脳のリハビリによって、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な状態に回復させることが出来る人たちなのです。

 これらの人達を見逃したままにしていると症状の重症化が進行していき、回復させることが困難な「重度認知症」の段階に

 進んでしまうのです。権威はあっても、規定内容に重大な誤りがある「DSMー4」を盲信し、盲従していることにより、回復させることが

 可能な本当の意味での初期の段階の人達を見逃し、放置している状態こそが、不条理と言うべきではないのでしょうか。




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