認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の予防と早期診断による回復(建白書その5:B-96

2017-12-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題


&11 新規の専門職の創設による女性の活躍の場の創出と地方の小地域の活性化

(1)  地方の創生が期待されながら、有効で且つ即効的な政策や対策が具体的な施策として立ち上がってきていない現状に鑑み、地方の市町村における「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の全国的な拡大展開は、時流に沿った「女性の活用」というテーマに適した新規の専門職種創生もなるのです。原因不明で治せないし予防することも出来ないとされてきた「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を担保する唯一の手技であり、極めて実効性が有る「二段階方式」の手技を使いこなす専門職としての女性の専門家集団であって、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが衰えたり活性化したりする機能構造に対する深い知識を持ち、脳の使い方としての「生活習慣」に直接起因して変化する「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの一定の基準に基づいた精緻で客観的な判定並びにナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続により発病してくる「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び症状の段階区分の判定、更には、発病及び症状の重症化をもたらす直接の原因となった日々の脳の使い方としての「生活習慣」(生活歴)の問題点の聞き取りに加えて、「前頭葉」を含む脳全体が活性化し、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防及び/又は症状の改善の為の「生活習慣」の構築/改善の具態的な指導を行う知識と能力と意欲と思いやりの心とを併せ持っていて、極めて実効性が高い活動である「アルツハイマー型認知症」の早期診断による「回復」及び発病自体の「予防」を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の牽引者となる新規の職種の創生となるのです。社会的な意識が高くて有能で意欲のある女性活躍の場の創出及び高齢化と過疎に悩む地方の地域の活性化並びに左脳が主役となる「仕事」とは無縁の「第二の人生」を生きている高齢者の生き方の変革を導くことにより、高齢者の消費活動の活発化による相当程度の経済価値を生み出すことの効果、或いは、それ以上の効果として、上述したように「アルツハイマー型認知症」の発病と早期の段階が見落とされていて放置されたままであることにより末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行した要介護状態の老人の増加に伴い増大し続ける「介護関連の総費用」の大幅な削減にも多大な効果をもたらすことにも繋がるのです。

(2) 市町村が「二段階方式」を導入し、上述した「交流の駅舎」で活発に交流しつつ同時にその場が早期診断による回復と予防の場ともなるのです。家に籠り勝ちの生活状態から、家を出て「交流の駅舎」に出かけていくことによって交遊の機会が増えることにより、そこで出会った趣味や遊びや交遊を通じて、自分なりの目標があり、目標を達成することによる自分なりの喜びや感動や生き甲斐を覚えられる生活が見つかり、「前頭葉」の出番が多い生活を構築することが出来るのです。更には、何時でも必要に応じて、発病の有無及び症状の程度の判定と適切な「生活習慣」の改善の指導が受けられるシステムを構築するのです。

(3) 介護事業者(及び/又は、コンビニ)が早期診断による回復(「小ボケ」の段階から「中ボケ」の段階へ並びに「中ボケ」の段階から「大ボケ」の段階へと症状が進行すること、即ち、症状の重症化を抑制/防止するという意味での改善を含みます。「脳のリハビリ」により回復させることが可能な段階である「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での「早期の段階」に留めることを目的とするという意味なのです。多大なコストが必要となる段階、日常の生活面での「介護」が不可欠となる段階、末期の段階である「大ボケ」の段階に症状が進むことを防止することを目的とするのです)に特化した介護予防事業の展開も、将来の有効な施策として考える必要があると思うのです。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけて、出来るだけ多くの患者を正常な機能レベルに回復させる為の「生活改善」の指導業務を担いつつも、「介護」が不可欠となる「大ボケ」にさせないだけで、「介護関連の総費用」の大幅な削減に寄与出来るはずなのです。そうした意味に限定された「介護予防」(発病の予防は、必要な収益を挙げることが期待出来ないので、市町村の専管事項とするのです)の為に特化した事業をコンビニが当該市町村から請け負い及び介護事業者(コンビニ)が、「二段階方式」を導入して、随時に、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定、「アルツハイマー型認知症」としての症状の確認及び症状の段階区分の判定並びに脳の使い方としての「生活改善」の改善の為の指導を実施するシステムを構築し、それを制度化する政策の実施をも検討していただきたいのです(介護事業者に対する委託の事例としては、静岡県牧之原市、新潟県十日町市の事例があります)。猶、「介護事業者」が、「二段階方式」を導入して、脳を活性化する生活体験により、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防しながら高齢者同士が助け合い、日常の共同生活をする事業を展開している事例としては、山形県米沢市の「有限会社なごみの部屋」が唯一存在するだけなのです(このケースは、収益を度外視した、社会奉仕の観点で実施されている事例)。

(4)上述の介護予防事業は、小さな地域単位で、且つ密に実施すればする程参加者の「前頭葉」を含む脳全体の機能の改善効果が期待出来るのです。「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防という業務の遂行に高度な専門職としての女性を活用する「新規の職種」が生み出され及び高齢化率が高い地方の市町村の活性化にも大きく寄与することが出来ると考えるのです。

(5) 更に付言すれば、上述の事業を展開し地方を活性化させるために必要な支援資金は、「アルツハイマー型認知症」の発病自体のの予防の効果と早期診断による回復(認知症の症状を治すこと)の成果によって、現在何等の対策が実施されない状況の中で「介護」の対象でしかない「大ボケ」レベルの段階の発病者数の大幅な減少(削減)という効果により十分に賄うことが期待できるのです。

1)現行の介護保険制度の下では、「小ボケ」や「中ボケ」の段階のお年寄りが「アルツハイマー型認知症」の発病者として介護保険の適用の対象とされるケースはなくて、介護保険制度適用の対象者は、末期段階の症状が出てきている「大ボケ」レベルのお年寄りだけなのです。しかも、「大ボケ」レベルのお年寄りは、回復は期待できないので、その対策方法は、「介護」によるしか他に方法がないのです。介護保険費用のとめどない増大支出に不安を抱いて、「家族介護」の方向に舵が切られつつありますが、「大ボケ」の段階にあるお年寄りを「家族が介護する」制度下では、介護する側の家族自身も共倒れし、介護離職と言う社会現象に代表されるように、介護する側の家族の社会生活自体が失われていくことになるのです。

米国精神医学会が策定した「DSM-4」の規定の誤りに気付かないだけでなく、それを正しいものとして信望している結果として、アセチルコリン説とか、アミロイドベータ説(現在での通説)とか、タウ蛋白説とか、或いは、脳の萎縮説とかの単なる推測に基づいただけの「仮説」が未だに幅を利かせていて、「記憶障害」が「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくる基礎に在るものと誤解していて、発病の予防が困難なものとされている上に、早期診断による回復も放置されたままで居るが為に、日常生活面での「介護」が不可欠の状態となる「大ボケ」の段階の症状が発現してくるまで放置されたままで居るのです。

その結果、「老々介護」とか認々介護」とか「介護離職」(現在の累積総数で言うと、100万人を超えているのです)と言った社会現象が重大な社会問題になってきているのが我が日本国の現状であり、世界に恥ずべき状況と言うべきなのです。何故なら、『廃用症候群に属する「生活習慣病」が本態である「アルツハイマー型認知症」は、発病自体を予防することが出来るものであるし、早期診断により回復させることも出来るもの』だからなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病自体を予防し、早期診断による回復をシステム化することで家族介護の必要性は激減するはずなのです。「大ボケの段階のお年寄り」こそ、介護保険全面的に対応できる体制を構築してこそ、世界に誇れる制度と私たちは考えるのです。

2)「アルツハイマー型認知症」は、基本に脳の老化という条件を抱えている病気なので(発病の第一の要因)、何等の対策を講じないままでいると、高齢になるに従って「アルツハイマー型認知症」を発症するリスクが更に高くなっていくのです。何かを「キッカケ」にして(周りから見れば、ほんの些細な事でも、本人にとって意欲を喪失させるような出来事であれば)、廃用性の機能低下をもたらす原因となるナイナイ尽くしの単調な生活」が始まるのです(かわいがっていた猫が死んでも、そのことが「キッカケ」となるのです)。「意欲」は、何かのテーマを発想する上でも、何かの行為を行う上でも、何かの言葉を考え付き発する上でも、必要不可欠の脳機能であり、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている「前頭葉」の三本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能)の一角を担う機能なのです。従って、何かをキッカケ(分かり易い事例で言うと、東日本大震災の被災により家族や財産や職場を失うこと)として意欲」を喪失する状況が生じてくると、何事に対しても意欲を失ってしまい、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に陥ってしまい、その生活習慣が継続してしまうことになるのです

(6)更には、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現するメカニズム及び症状が重症化していくメカニズムについて無知であり、加えて、認知症の専門家とは名ばかりであり、権威だけに拠って立って発言している人達からは、「小ボケ」は「不活発病」とかの名前を冠されるだけで及び「中ボケ」は「年のせい」(老化現象)として放置されているのが、現状なのです。「小ボケ」及び「中ボケ」レベルの「お年寄り」の「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させる為に及び正常なレベルにある者を正常なレベルのまま維持させる為には(早期診断による回復と発病自体の予防を実現する為には)、「二段階方式」の手技の活用による住民参加型の「地域予防活動」が必要不可欠であり、その実施品質が高く、実施地域の単位が小さく、開催頻度が密なものである程、上述した、現状天文学的な規模に達している「介護関連の総費用」の大幅な削減効果が期待できることにもなると考えるのです。

(7)「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定を含む「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定と鑑別及び私たちが回復の可能性と言う視点から区分する「三段階に区分される症状」の判定並びに正常なレベルに回復させることを目的とした「脳のリハビリ」の指導という「生活改善」指導を中核の事業としつつ、「前頭葉」機能の活性化を目的とした「生活改善体験」をテーマとする「短期滞在型の体験型ツアー」事業を、特定市町村(Ex.静岡県の三島市)での「医療特区」事業として試験的に実施してみることを提案したいのです。

(8) 「二段階方式」を導入して「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を展開する市町村に対しては、 本事業の実施対象地区に住むお年寄り(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者)を対象として、「前頭葉」機能を活性化する「生活習慣」を構築する為の指針となる小冊子/万年カレンダー/脳イキイキ手帖を配布することとします(春夏秋冬の四季ごとに区分された『脳イキイキ手帖』を一冊。「アルツハイマー型認知症」の特徴及び脳を活性化させる「生活習慣」の要点などを標語的に表現し/暦年ごとに制作される『万年カレンダー』を一冊、「アルツハイマー型認知症」の発病、典型的な症状の類型に基づいた段階区分、早期の段階からの回復の為の処方箋、発病自体の予防の為の「生活習慣」の構築等について分かり易く書かれた『小冊子を一冊』、毎年度徴収される介護保険料の一部を原資として、導入市町村に対して給付し、市町村から住民に配布させることとするのです。こうした方策もまた、「二段階方式」の導入に拍車をかける有効な施策となると考えるのです。

前頭葉」が活性化する生活習慣の構築が「アルツハイマー型認知症」の発病の予防策となることを理解させることが重要なのです。左脳が主管する「仕事」とは無縁の「第二の人生」を送っているお年寄りに対して、脳イキイキ手帖、万年カレンダー及び小冊子を導入市町村が配布し、脳が活性化する「生活習慣」の構築と実践という「テーマ」を日々の生活面で学習させることが大切なのです。

&12「高齢者」の生活の活性化による「一億総活躍社会」への貢献

介護費用の心配から貯蓄に励む「高齢者」の消費行動の特徴

我が国は今や、国全体で高齢化率が27%を超える程の超高齢化社会に突入しています。65歳以上の年齢の「高齢者」が3000万人を超えるのです。厚労省の予測では、今後わが国では、認知症を患う人の数が増加の一途を辿ることになるとされています(実は、そのうちの90%以上を「アルツハイマー型認知症」が占めるのです)。そうした高齢者の心配を煽るかのように、テレビ番組が、「認知症を発病した場合、一人当たりの自費部分の負担金額を考えると、2000万円以上の金額を介護の費用として別枠で貯蓄しておくことが必要不可欠」等と具体的な数値を示して報道していたりするのです。

そうした現状での高齢者の意識は、『認知症を患って、要介護の状態になった時に備えて、日々の消費を節約してお金を貯めておく』と言うのが基本にあるのです。その結果、古くなった現住住居のリフォームはおろか、趣味や遊びや交遊などに係る消費行動も抑制し/不活発になって、ひたすら「貯蓄」に励んでいるのが現状なのです。

〇「高齢者」の意識を変えさせ、消費行動を活発にさせる有益で有効な秘策

これまで様々な「仮説」が提示され、発病の原因が不明で、発病を予防することも治すこともできないとされてきた「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であることが解明されたのです。脳を活性化する「生活習慣」の構築とその実践により、「アルツハイマー型認知症」を発病する危険は日々遠のいていくのです。趣味や遊びや交遊や運動を自分なりに楽しむ生活、そうした日々の過ごし方が、生き甲斐や喜びのある生活につながり、高齢者の「前頭葉」を含む脳全体の機能が活発に働くことになり、「前頭葉」の機能レベルを正常な機能レベルに保ったままの状態で死を迎えることになる、言い換えると、『身体が持つ限り脳も正常な機能レベルに保ち続けて、第二の人生を送り、完走することが出来る』ということなのです。趣味や遊びや人付き合いを楽しむ「生活習慣」の構築とその実践が、「アルツハイマー型認知症」の発病の危険を小さなものとし、発病して「要介護状態」に陥る日を、遠のいていかせることに直結していくのです。講演等の啓蒙活動によりこのことを我が国の隅々にまで浸透させ、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」ができるだけ小さな単位の地域で/且つ出来るだけ多い頻度で(例えば、10日に1度半日)実践される体制とシステムとが全ての市町村で整った暁には、同時に、「高齢者」による活発な「消費活動」が我が国の隅々で、高齢化率の高い地方の田舎においても、発生しているという新しい流れが生まれてきているはずなのです。お風呂が少々傷んできていても、或いは、台所が少々傷んできていても、改善は愚か修繕もしないで消費行動を出来るだけ抑制し、その分を貯蓄に回すといった考え方/行動から180度転換した生き方、 趣味や遊びや交遊を活発にする生活を楽しむために、お風呂を快適なものに改善し、更には、台所を新しい様式のものに改善して、お友達を読んで食事を一緒に楽しむといった風に「生活の在り方」を前向きに変えることが、前向きで活発な「消費活動」にも結び付いていくことになるのです。

そうした消費行動が、生き方が、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の生活として常態化してきたとき、はじめて、「一億総活躍社会」が現実のものとなってくるのです。「第二の人生」を送っている3000万人近くもの「お年寄り」に、就労の機会を与えることは不可能事なのです。それよりは、家に籠り勝ちのお年寄りを家の外(「交流の駅舎」)に出て行かせて、趣味や遊びや人付き合いを自分なりに楽しむ生き方に変えさせ、その副次的な産物として、消費活動を活発なものにさせることにより、「第二の人生」を送っている「お年寄り」も生き生きとして暮らしている社会、それこそが、一億総活躍社会」のあるべき姿だと考えるのです。

〇高齢者の消費行動の活発化が地方の小地域を活性化させることに繋がる

(1)上述したように、『「アルツハイマー型認知症」は、予防することも治すこともできないタイプの認知症である』との認知症の専門家達が発する誤った主張に基づく情報を鵜呑みにし、信じ込んでいる為に、日本中の「第二の人生」を送っている「お年寄り」達は、「アルツハイマー型認知症」を発病し、要介護状態に陥った時に必要となる巨額の「介護費用」の負担(自己負担分の増加)を心配して、「消費活動」を意識的に抑制し、「貯蓄」に励んでいるのが実情なのです。

そうしたお年寄り達が、「検証PRJ」の結果に基づく広報を信頼して、『原因不明で治すことができないもの』と信じ込み発病を恐れてきた「アルツハイマー型認知症」が、『脳を活性化させる「生活習慣」の構築により、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけて「脳のリハビリ」に励めば、治すこともできるタイプの認知症である』と確信的に考えるようになれば、その反映として、消費活動を抑制し貯蓄に励んでいる現在の不活発な行動態様から、「趣味や遊びや交遊や運動を自分なりに楽しむ生活」に時間と費用をかけ、脳を活性化させる「生活習慣」の構築と実践という、従来のお年寄りの行動パターンには見られなかった「行動態様」に大きく舵を切ることにより、「消費活動」が活発になることが期待されるのです。その対象となるお年寄りの数が3000万人なのですから、消費を抑制している現状から消費を活発にするようになることの格差の経済的な効果と規模がとても大きいのです。特に、「高齢化率」が高い地方や地域にその顕著な効果が発現することになると考えられるのです。

脳の活性化、就中、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能を活性させるには、「アルツハイマー型認知症」の発病の対象者となる「お年寄り」(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」)の生活環境上の特殊性という問題点に注意を向ける必要があるのです。「第二の人生」を送っているということは、脳の機能面から言うと、「仕事」とは無縁の生活環境に在るということなのです。言葉や計算や論理や場合分けなどのデジタルな情報を処理するのが「左脳」の役割であり、「第一の人生」での最も重要なテーマであった「仕事」を処理する機能なのです。その「仕事」を処理するというテーマとは「無縁の生活」になるのが「第二の人生」ということなのです。従って、仕事とは無縁となる「第二の人生」という日々の生活環境の中で、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させるというとき、「右脳」が主役となるテーマの実践、言い換えると、『趣味や遊びや人付き合いや居住する地域の催事の復活や町興し等』に関わりを持つことが必要不可欠のものとなるということなのです。そうしたテーマを目標として活動するには、現状の「家に籠る生活」から抜け出して、「家の外に出ていく」ことが出発点となるのです。

(2)その場合、お年寄り達が交流する場所としての平屋建ての施設(「交流の駅舎」)を自治体が保有する土地を活用して、自治体保有の施設として、そこに常設することを提案したいのです。そして、駅舎の建設用資材には、国有林の間伐材及び竹林の伐採による竹材を使用するのです。更なる施策として、国有林の間伐材の伐採作業及び放置されている竹林の伐採作業のみを対象として、且つ安全な作業部分のみを対象として、地域の予防教室に継続して参加しているお年寄りが構成員となるNPOのみを有資格者として、その伐採作業を請け負わせるような政策を制度化するのも考慮すべき一つの施策と考えるのです。但し、当該伐採作業によりNPOが稼ぎだした作業代は、「交流の駅舎」での交遊の費用(例えば、お茶代/お菓子代に充てたり、或いは、行楽地へのバス代など)に充てることをNPOの活動目的に入れさせることも制度化するのです。「交流の駅舎」の自主的運営は、「予防教室」に参加している高齢者に任せるものとし、「交流の駅舎」での交流には、誰であれ参加できることとするのです(地域内外の高齢者達は勿論のこと、壮年の人達も、年少の人達も、子供たちも交流に参加できる場にするのです)。高度経済成長に突入する以前の我が国の地方にかつて存在した交流の場、「地域の老若男女が全て一緒になって交流した場」を再現させるのです。地域に居住する「お年寄り達」を主体として、老、荘、青の頻繁な交流の場を確保することが発病を予防し、活発な消費活動にもつながり、更には、地方の再生にも、或いは、「一億総活躍社会」の実現にもつながると考えるのです。

(3)更には、そうした「前頭葉を含む脳全体を活性化させ脳を生き生きとさせる生活」の構築の拠点となる自身の住居のリフォーム(例えば、交遊の場としてのリビングの改築、食事を友人と楽しむ為の台所の改築、一日の疲れを癒す為の風呂場のリフォーム等に限定する)に対し、「予防教室」に継続して参加していることを条件として、住宅のリフォームに要した費用の一定割合に相応する金額を補助する政策を制度化するのです。そうしたテーマにも高齢者の関心が向くようになれば、関連する消費行動の活発化による経済的な規模も大きくなる上、高齢化率が高く商業活動が不活発な地方の経済の活性化の起爆剤にもなり得ると期待できるのです(発想の大転換を呼び起こすことにもなりうる)。

(4)それと時を同じくして、住民参加が亜tの「地域予防活動」を展開する上でその基盤、中核となる「高齢者」の脳の機能レベルを定期的に判定する業務が女性を核心として実施される社会が実現することにもなるのです。どんな小さな役場であっても、専門的なレベルでの「二段階方式」の手技を使いこなせる保健師さん(基本的には、女性)が居て、その保健師さんが、まるで小さな町の診療所のかかりつけ医のように、「交流の駅舎」に行けば、「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを何時でも判定してくれ、改善、維持又は低下の判定結果に対応した、脳の使い方としての「生活習慣」のチェックと必要に応じて「生活改善の助言と指導」をしてくれる地域社会を実現させる、それを、「一億総活躍社会」を実現する上での重要な政策及び施策の中核の一つに据えるのです。保健師さんの人数に余裕がない場合は、退職後の保健師さん(但し、保健師の資格は必要条件とはならない)を市町村【または、厚労省】が臨時雇用し(介護保険徴収額の一部を充てることもありうる)、当該業務に従事してもらえる制度化を実行すれば良いのです。

(5)「検証PRJ」実施の結果として、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病であり、脳を活性化させる生活習慣の構築と実践により、発病自体を予防することができるタイプの認知症であること並びに早期の段階を判定することにより治すことができる』というエイジングライフ研究所の主張内容が正しく、且つ、「二段階方式」の手技が有効で有益であることが実証された場合、「検証PRJ」及び「Model事業PRJ」に引き続く次のステージとなる「テーマ」、最終的には全国展開を目標とする住民参加型の「地域予防活動」を展開すること並びに対象市町村及び対象地域の拡大による活動の活性化により、「前頭葉」を含む脳全体の機能ベルの維持(正常な機能レベルのままに維持されること)により、安倍政権が重要政策として掲げる「一億総活躍社会」の象徴ともなる「高齢者」による「消費活動」の活発化と「女性が活躍する社会」が、同時に、且つ、名実ともに内容が備わった社会が実現されることになるのです。

(6)更には、従来は、増大する一方と予測されていた「アルツハイマー型認知症」を発病して要介護者となった年寄りに対する介護保険の適用により発生する巨額の介護費用やその診断に関わる巨額の医療費(診察費及び投薬費用)が年々増加していくと言う現状がそのまま推移される場合に比べて、そうした巨額の費用(介護関連の総費用)が劇的に削減されていく社会状況が、現実のものとして実現されることになると考えるのです。

(7) 上記の目標となる社会を早期に実現する上での原資としては、「前年度」の介護保険の保険料の徴収総額の0.1%相当額を翌年度の活動の支援の為の原資として活用するよう「制度化」するのです(「二段階方式」を導入して、住民参加型の「地域予防活動」を実践する導入先市町村の数が1/2を超えた時は、1%相当額とするのです)。

様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした上述の住民参加型の「地域予防活動」が活発となり、対象地域が急速に拡大していけばいく程、「アルツハイマー型認知症」の診断と投薬及び発病者の介護に支出される「医療費と介護費用とが削減される」金額の総額の方が活動を支援する為に拠出する費用の金額の総額をはるかに上回ることになるのです。最終的には、1%程度を当該活動に投入する程の政府の意気込みが欲しいのです。1%相当額を投入すれば、現状増加の一途を辿っていて留まることを知らない「介護関連の総費用」(「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の診断、投薬及び「介護」の為の費用)の増加を抑制出来るだけではなくて、何割もの規模で大幅に削減することさえ可能となると考えているのです。発病自体を予防することの費用削減効果(診断と投薬費用の削減)、早期診断による回復(「小ボケ」及び「中ボケ」からの回復)及び介護が不可欠となる末期の段階にまで症状が進行することの抑制効果(「小ボケ」から「中ボケ」、更には、「中ボケ」から「大ボケ」の段階に入ることの先送りにより、末期の段階であり「介護」が不可欠となる「大ボケ」の段階での滞留者数の大幅な減少の効果)による費用削減効果により、毎年度天文学的な規模での費用削減効果が期待できることになるのです。発病自体を予防することを基本の政策とし、本当の意味での早期の段階(小ボケ及び中ボケ)で見つけて治すことに努め、介護が不可欠となる「大ボケ」にまで症状が進行していくお年寄りの数をも激減させるという考え方なのです。

  

&13 その他の問題点の整理

〇「二段階方式」の手技の活用の主体となるのは「保健師さん」

(1) これまで増大の一途を辿ってきていて、既に単年度ベースで15兆円を超える規模にまで膨れ上がってきている「介護関連の総費用」の総額の抑制、或いは、大幅な削減と言う不可避のテーマにとって、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」という政策は、極めて有効、有益であり、現実の政策としても達成可能なテーマとなるのです。その住民参加型の「地域予防活動」の展開に際しては、早期診断による回復及び発病の予防という「テーマ」を実現する上で必要不可欠のもの(「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化するメカニズムを解明していて、理論的にも体系化され完成されていて、実用化されていて、効果自体が実証されている「手技」)、私たちが独自に開発した手技であり、実施品質の面では様々な問題点があったとはいえ、累計では452の市町村が導入して実践した、世界で唯一の解決のための有効で有益な処方箋である「二段階方式」の「手技」を活用することが不可欠となります。

精緻な神経心理機能テストであり、「前頭葉」の機能レベルを含む脳全体の機能レベルを精緻に判定することが出来、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定と鑑別及び症状の重症化の程度、更には、廃用性の機能低下を惹き起こしてきた直接の原因である「生活歴」(脳の使い方としての「生活習慣」)の聞き取りなどを含む「二段階方式」の手技は、使用について適用される「保険点数」が極めて低いものであるが為に、医療現場での活用が期待できないのです(必要な規模での収益を稼げない)。一方では、CTやMRIやPET等の機器の使用では、極めて高額の費用が必要となり、且つ、専門の医師が診断を行う必要があるにも拘わらず、肝心の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定することができないのです。それらの機器を使用しただけの「診断」では、売り上げを稼ぐことには効果的であっても、肝心の診断には何等の効果もないのです。実際の医療現場では、それらの機器を使用して高額の診療費を稼いでいながらも、「脳のリハビリ」による回復が最早困難であり、「介護」が不可欠となる段階、末期の段階である「大ボケ」の段階で「アルツハイマー型認知症」を見つけて居るという有様なのです。

「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階であり、「脳のリハビリ」により回復させることが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の診断(判定)には、全くのこと効果がないのです。従って、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」を本態とする「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を可能にする住民参加型の「地域予防活動」の展開については、その主役を、医師ではなくて、市町村の保健師さんに期待するしかないということなのです。

(2)  更には、「前頭葉」の潜在的な機能レベルの変化を精緻に判定することが出来る「二段階方式」の手技は、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び重症化の程度の判定並びに正常なレベルへの回復の為の「脳のリハビリ」の実践指導にも、更には、発病を予防する為の「前頭葉」が活性化する生活体験としての「予防教室」の開催及び日々の「生活習慣」の改善指導にも、その全ての面について、医師法に定める「医行為」が関与する機会が全くないので、医師ではない保健師さんが実務面、実施面及び運営面での主体となることが出来ることが大きなメリットとなるのです。加えて、医療機関が「二段階方式」の手技を使用することに熱意を示しても、「二段階方式」の手技の使用に対する保険点数が極めて低く、CTやMRI(「前頭葉」の機能レベルの判定ではなく、脳の器質の判定)或いはPET(「前頭葉」の機能レベルをある程度は判定できるが、精緻な判定は出来ない)等の機器の出番が全く必要とされない「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復を行う上で不可欠の「脳リハビリ」の指導にも(更には、薬は効かないので、投薬も不要となる)、更には、「予防教室」での「前頭葉」が活性化する生活習慣の指導にも、或いは、予防教室参加者の体験の効果を判定するにも、CTやMRIやPET等の医療機器の出番が全くないので医療機関が事業として、『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を継続的に実施する上で、必要とする規模での収益を稼ぎ出すことができない』のです。

その上、「治療の効果を期待することはできないが、症状の進行を遅らせる効果がケースにより期待できる」との触れ込みで、現在使用されているさえも使用できないので、一定規模の収益を獲得できることが至上命題である「医療機関」にとっては、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防も発病した症状を治すことも、両者ともに、取り上げるべきテーマではなくなってしまうのです(エイジングライフ研究所が活動を開始したごく初期の段階で、老健施設を傘下に持つ規模が大きい50を超える数の医療機関が、「二段階方式」の導入契約を締結し、「実務研修会」にも受講者を派遣してきたのですが、その殆ど全ての機関が、『「二段階方式」の神経心理機能テストを実施するテスターを雇う人件費さえ賄えない』という、それだけの理由で、「二段階方式」の使用を止めて行ったのです)。

(3)『半年から1年ほど、ケースによっては、症状の進行を遅らせる効果が期待できる』として処方されている「薬」の効果については、肝心の因果関係の精緻な証明がなされてはおらず、症状の進行を遅らせる要因として考えるべき「脳の使い方としての日々の生活要因」という「他の重要な要素」に気づいていないだけのことなのです(私たちが集積した「脳機能データ」の解析により得られた指標である『症状の継続期間と脳の老化のスピード差をもたらす要因』という根拠資料から、そのことを明確に指摘することが出来るのです)。

)「アルツハイマー型認知症」の診断という業務が、医療機関にとって必要な収益を上げる形で執り行えているのは、実は、発病の予防には見向きもしないで、且つ、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることが可能である本当の意味での早期の段階(小ボケ及び中ボケの段階)にも見向きもしないで、末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて効きもしない「」を処方するという不条理な診断がまかり通っているからなのです。その上、上述したように、回復可能な早期の段階ではなくて、介護の道しか残されていない段階、末期の段階である「大ボケ」の段階を見つけるだけの為に、売り上げを稼ぐだけのものに過ぎないCTやMRIやPETを使用していたりもするのです。私たちのやり方では、「二段階方式」の手技では、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無を直接に判定するやり方なのですが、医療現場では、他の種類の認知症や認知症を紛らわしい病気を順次排除していき、最後まで残ったものについて、「重度の記憶障害」の症状の有無と脳の後半領域(左脳と右脳)の働き具合を調べるためのMMSE(長谷川式の場合も相当多い)の実施結果から(肝心の「前頭葉」の働き具合を判定する手技を持たないので、「前頭葉」の働き具合は脇に置いたまま)、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無を判定しているだけなのです。その上、本当の意味での早期の段階については無知であるため、末期の段階という認識さえも無くて、「記憶の障害」に起因したらしき重い症状だけの確認に励んでいるという訳なのです。国立病院でも、大病院でも、こんな程度の診断がまかり通っているのです。

(4)私たちが生活する場面、言い換えると私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする世界では、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」が、左脳、右脳、運動の脳と協働し、且つそれらを統括し、支配し、コントロールしながら、テーマの実行が行われているのです。その結果、「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきた時、左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が正常なレベルにあろうとも、脳全体としての機能レベルのアウトプットは、もはや正常なレベルのものではないのです。私たちが規定する、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「小ボケ」の段階の特徴は(「小ボケ」の段階で発現する認知症の症状は)、「前頭葉」の機能障害、就中、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能について生じてきている廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状だけなのです。「記憶障害」に起因した症状は、その欠片も確認されないのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の基盤にあるのは、「前頭葉」の三本柱の機能の加齢による機能低下に、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続していることに起因した廃用性の機能低下が加わることなのであり、「加齢」による機能低下という要因に「廃用性の機能低下」という要因が重なり、加重されることで、「両者の同時存在」と言う要因が原因となり、「前頭葉」を含む脳全体の機能が加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、「アルツハイマー型認知症」の症状(三段階に区分される症状)が発現し、重症化が進行していくことになるだけのことなのです。私達が開発した脳機能データ管理ソフトである「エイジング」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの変化を判定(改善、維持、低下)するものなのですが、介護保険の適用の有無(有無と適用されている認定区分)を新たに加え、事業の有効性の判定基準とするのです。

(5)締めくくりに簡単で分かり易い事例で説明します。定年退職後に地方公務員(学校の先生や役場に勤務する人達)が早々とボケる(「アルツハイマー型認知症」を発病する)ケースが実態として多いのも、「お年寄り」が滑って転んで骨折して入院すると僅かな期間の経過でボケる(「アルツハイマー型認知症」を発病する)ことが多いのも、「アミロイドベータ」(老人斑)や「タウ蛋白」(神経原線維変化)が急激に蓄積されて、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死が急増するからではないのです(単なる妄想の類)。更に付言すると、アミロイドベータの蓄積もタウ蛋白の蓄積も、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因とは無関係のことでもあるのです(発病との間の肝心の因果関係が未だに立証されてもいないにも拘らず、権威ある人達や組織が主張しているので、医学会でそれなりの発信力を保っているというだけのことなのです)。

『私たちの主張には、権威もなく、発信力にも乏しい』のですが、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」が、何等かの出来事や生活状況の大きな変化の発生という「キッカケ」の発生を契機として、何事に対しても「意欲」を喪失した生活状況、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続する状況下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することが「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症を発病する「真の原因」なのです。この私たちの主張に権威づけをすることが、我が国の今後にとって極めて重要なことだと主張したいのです。様々な種類が数有る認知症の内の90%以上の割合を占めていて、世界中の認知症の専門家達から『発病の原因が分からないし、症状を治せないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』とされてきている『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する「生活習慣病」を本態とするものであり、早期診断により回復させることが出来るし、発病自体を予防することが出来るもの』だからなのです。『一旦発病してしまうとその症状を治すことは出来ない』ものとされている理由は、「アルツハイマー型認知症」それ自体の性質によるのではなくて見つけて居る段階が遅すぎるだけということなのです。そうした誤った状況を作り出した主犯が、規定内容自体に重大な誤りが存する「DSM4」の規定ということなのです。

〇『単に歌って踊るだけの教室』では、何の意味も無いのです

個別の脳の機能レベルを判定することもなく、それら様々な機能レベルに在るお年寄りを集めて、「集団で歌を歌う、集団で体操をする、集団で昔話をする」といったやり方が、施設や市町村の教室で実施されています。どこかの大学の教授が、『が活性化する』などと言うとすぐにそれが、流行になるのです。実は、その教授自体が、意識の機能構造とか、或いは、脳が活性化することが「どの脳」のことを意味しているかを考えもせずに(知らないで)提案しているのです。何人かのお年寄りを対象に試してみて、物忘れの症状が少しばかり改善したというだけで(ある教授の場合は、14人のお年寄りを集めて実施したら、MMSEの得点が平均で14.0だったものが14.5 にまで上昇がみられて、『極めて有意な数値だった』と自慢してさえいるのです)、『脳が活性化した』などと騒いではいけないのです。

「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常な機能レベルに在るお年寄りであれば、毎月半日集まって、持ち寄った自慢の漬物やお茶菓子を食べながら、お茶を飲んで、世間話に花を咲かせるだけでも、脳の後半領域(馬である左脳と右脳)の働き具合だけを判定する手技であるMMSEの得点は24点以上30点までのレベルの中で(脳の後半領域の機能が正常な機能範囲に在ることを示す)2点も3点も容易に動くことになるのです。動かないのは、かなひろいテスト」の成績なのです(「左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての「馬車」の御者である「前頭葉」の機能レベルは、その程度のことでは容易には改善しないのです)。

加えて、物忘れの症状が改善した場合に、それが、記銘が改善したことによるものなのか、想起が改善したことによるものなのかの差異さえも知らないで居るのです。意欲と注意の集中力の機能レベルが上昇すると、記銘の得点が上昇するのですが、想起の得点が上昇するには、意欲と注意の集中力の機能レベルの上昇に加えて注意の分配力の機能レベルが上昇することが不可欠の条件となるのです。

認知症の専門家と言いながら(騒がれていながら)、この程度のことも知らない(「脳機能データ」を有していない)ということなのです。『脳が活性化する』ということは、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界意識的に何かのテーマを発想し、実行の手順を組み立て、実行する世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳全体の司令塔、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」と言う脳機能、就中、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が、その中でも最も高度な機能である注意の分配力の機能の潜在的な機能レベルが一定範囲のレベル以上に上昇してくることが必要な条件となるのです。「前頭葉」の機能レベルの変化(改善、維持、低下)を精緻に判定できるのは、現状、世界的にみても、「かなひろいテスト」以上の「手技」は開発されてはいないのです。ある大学の教授がその道の第一人者であるとして、何時も得意げに持ち出す、「PET」と言えども、到底無理なことなのです。

いずれにしろ、特定の行為ではなくて、日々の生活の中で様々なテーマ及び形により実践される脳の使い方としての具体的な「生活習慣」の継続的な実践の結果として、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、「注意の分配力」の機能の潜在的な機能レベルがどのように変化したのか(改善、維持、低下)を個々人について精緻に判定することにより、個々人の脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導に直結させるものでなければ、『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による「回復」にも発病の「予防」にも繋がらない』ということが重要なのです。その意味で、『「単に歌って踊るだけ」では、生活習慣の改善にも、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復にも発病の予防にも繋がらない』ということを指摘しておきたいのです。

〇 未来永劫有り得ない事である「薬」の開発に関わるマスコミの報道の姿勢と問題点

最後に、もう一つ重要な「問題」を確認して筆をおくことにします。既にこの建白書の中での重要なテーマとして取り上げ問題提起しては有るのですが、保健師さんが主導し、地域のボランティアやボランティア組織が協働する形で推進していくことになる住民参加型の「地域予防活動」を展開し促進させていく上で、極めて大きな障害を生み出すものが、「薬の開発」に関わるマスコミの報道なのです。

すなわち、『発病を予防したり、症状の進行を抑制したり、或いは、症状を治す効能を有する「薬の開発」が、あたかも可能であるかのごとき期待を国民に抱かせてしまう危険がある』予防薬/治療薬の開発の可能性に関わる、研究機関や製薬会社の様々な発表とそれに対するマスコミの報道姿勢(受け売り報道)の問題のことなのです。「薬」の開発の報道が流れる度に保健師さんの自信が揺らぐのです。

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(発病の第一の要件、何かを「キッカケ」として何事に対しても「意欲」を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続される(発病の第二の要件)ことが発病の原因、二つの要件が同時に充足されることによる相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが直接の原因で発病するもの、廃用症候群に属する「生活習慣病」が本態であるが故に、発病を予防したり、症状の進行を抑制したり、症状を治すことが出来る薬が、開発されることは未来永劫有り得ない事なのです。製薬会社が株価を気にして発表する薬の臨床試験の楽観的な見通しの発表をそのまま受けて、薬の開発が真近いかのごとき報道が多すぎるのです。

そうした視点及び意味からも、上述した「検証PRJ」及び「モデル事業PRJ」の早期実施が重要であることを強調しておきたいのです。  

注)本著作物「Bー96」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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アルツハイマー型認知症の発病の予防と交流の場所の確保(B-86)

2017-07-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

(プロローグ)

約一週間も降り続いた雨がようやく終わって、私が一年のうちで一番苦手とする梅雨の季節も終わりを告げました。ダイヤランドに在る脳活性化研究所の建物は、2階に在るリビングと中2階に在るお風呂から、真正面に富士山を眺められる設計になっているが為に、山肌が急な傾斜になっている場所に建てられているのです。ダイヤランドは域内に2700戸の別荘が点在している大きな別荘地である上に、域内全域にわたり巨木が密な状態で林立しているので、梅雨の季節中に降った大量の雨が樹々に吸い込まれて保存されて、晴天の状態になると、車庫の壁に空けられている水抜き用の穴から、どっと水が溢れ出してくるのです。建物の背側の傾斜地にある木々に蓄えられた水が、地面にしみこんでいき、建物の床下から上がってきて、部屋全体が湿っぽくなってしまうのです。脳活性化研究所の建物は、まるで万里の長城まがいのような分厚いコンクリート壁の床が建物の下側に縦横に走った構造になっているので、地崩れの心配は皆無なのですが、1階の各部屋々に湿気が溜るのはどうしようもないことなのです。今季の梅雨が始まって以来、ダイヤランドへは殆ど行っていなかったので、そのことがとても気がかりだったのです。梅雨が空けたら出来るだけ早く行って、部屋と言う部屋を開け放して、湿った空気と湿っぽくてカビ臭い匂いを追い払わなくてはと、そのことがずっと気がかりだったのです。そうした懸念も今日限りのことになると思うだけで、気分が湧き立ってくるのです。伊豆高原からダイヤランドへ行くには、色々な行き道があり、何処で昼食をとるかとか、何処で夕食の食材を購入するかとか、途中で本屋に寄り道するのかとか、場合によっては、気に入った喫茶店で少し休んでいくのかとか、その時の気分次第で、行く道筋が決まるのです。今日は、先日、私の「快気祝い」で西伊豆に泊まりに行った帰りに立ち寄り気に入った中伊豆にあるおしゃれなレストラン創作料理「TAKA」へ寄ってから行こうと決めたのです。車でただ行くだけと言うのよりはずっと、「前頭葉」の活性化になるでしょう。こうしたちょっとしたことでも、工夫することが大切なのです。加齢により衰えてきているとはいえ、「前頭葉」の機能は、使ってやればやるほど、老化のカーブが緩やかなものになっていくのですから。そのことを言い換えれば、「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクがそれだけ遠のいて行くということにもなるのです。「仕事」に追われるという状況がない第二の人生では、些細なように思えることであっても、出来るだけ「注意の分配力」の機能の出番が多くなるような「テーマ」を発想し、具体的な行動を企画し計画し、楽しく実行する生き方が求められるのです。

 & 「アルツハイマー型認知症」の発病と「加齢」と言う要素

私たちの「脳機能データ」を根拠として、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの割合について言うと、言い換えると、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階のお年寄り達の数を併せた発病率はどのようなものになるかというと、「第二の人生」が始まったばかりの60歳代では12%、70歳代では30%、80歳代になると二人に一人は発病する50%となり、90歳代では75%、加齢の極まりの100歳代では97%、殆どのお年寄りが発病するということになるのです。世界中の認知症の専門家達から発病のメカニズム(原因/機序)が不明とされている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、後述するように、廃用症候群に属する「生活習慣病」(但し、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)を本態とするものであるが故に、発病の対象となる人達は、「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」に限られていることに加え、年をとればとる程発病率が高くなっていくのが特徴なのです。上述した年代別の発病率の傾向を見れば、「加齢」と言う要素が発病の一つの重要な要件であることは、専門家ではない皆さんでも気づかれることだと思うのです。「アルツハイマー型認知症」の発病原因についての最近の有力とされる学説(但し、主張する原因と発病との間の因果関係の立証が未だに為されていないので、「仮説」として扱われている)であるアミロイドベータ説であれ、タウタンパク説であれ、上記の実態を適切、且つ的確に説明することはできないのです。

次章で説明するように、私たちは、生きた人間の「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」を含む脳全体の機能について、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも上る脳機能データ、左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭立ての馬車の御者の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状と脳の使い方としての「生活習慣」という実態を解析して得られた結論に基づいて、様々な種類が数有る認知症全体の内の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の「発病のメカニズム」それはナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が発病の原因だと主張しているのです。様々な程度及び態様により発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状は、米国精神医学会が策定した「DSM-4」の規定の第一要件でその確認が要求されている「記憶障害」に起因した症状ではないという事なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因(機序)について詳しく説明すると、発病の原因としては、「加齢」という要件(私たちが主張する発病の第一の要件)以外にもう一つ別の要件、脳の使い方としての「生活習慣」という要件(私たちが主張する発病の第二の要件)が存在しているのですが、いずれにしろ、「加齢」と言う「第一の要件」が存在しているが故に、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象となるその年齢は、60歳を超える年齢で、且つ「第二の人生」を送っている「お年寄り」だけということになるのです。そこで今日のブログでは、「アルツハイマー型認知症」を発病しない為に必要不可欠で唯一の条件である脳の活性化、就中、「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)の活性化という「テーマ」について、政策を含めた具体的な提言と言う形で、語ってみたいと思うのです。世の中では、と言うか、世界中の認知症の専門家(学者、研究者、医師)の間では、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについて、アセチルコリン説とか、アミロイドベータ説とか、タウ蛋白説とか、脳の萎縮説とか言った様々な説が主張されてきている訳なのですが、それらはすべて仮説(主張の内容と発病との間の因果関係が立証されていない、推測又は憶測に基づいた単なる主張)であり、主張している人達や属する組織に権威は有っても、主張の内容自体は単なる仮説で、発病を予防した実績も無ければ、認知症の症状を治した実績も無いものばかりなのです。

今日は、そうした権威が主張する内容のことは忘れて、「権威自体には未だ欠けるが、北海道から九州までの極めて広範囲にわたる地域、452を数える多数の市町村で展開した住民参加型の「地域予防活動」の実践により、発病を「予防した」実績があり、小ボケ及び中ボケと言う本当の意味での早期の段階で見つけて、症状を「治した」実績がある私達の具体的な提言に耳を傾けていただきたいと思うのです。皆さんと「問題意識」を共有することが出来れば、そのことが将来の具体的な展開面でも有益だと考えるのです。現状は、アベノミクスの成功によりわずかながらも経済成長率を維持できていて、失業率の面でも先進国では突出した低失業率と言う状況を維持できてはいるのですが、出生数の減少に伴う人口の減少並びに高齢化の進行に伴う社会保障費の増大及び1100兆円を超える天文学的な規模の国が抱える債務等の問題があり、政権の不安定化に伴う経済の舵取りが少し乱れるだけで、先週九州地方を襲った大豪雨のような状況が我が国を襲う危険が現実味を帯びてくることになるのです。

     

& 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(機序)と症状の特徴

○ 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(私たちが規定する発病の「第一の要件」)にとって、仕事とは無縁の日々となる基本的な生活環境の中で、「前頭葉」を活性化させ得るような「テーマ」を見つけて、且つ日々楽しみながらそれに従事することが出来るという「生活習慣」の構築と実践と言うことは、口で言うほど簡単な事ではないのです。そのことは、年代別の「発病率」の高さとなって現れてきていると言っても過言ではないでしょう。生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々繰り返され継続される「生活習慣」の下では(発病の「第二の要件」)、出番が極端に少なくなった「脳の機能」(「前頭葉」を含む脳全体の機能)が、「第一の要件」と「第二の要件」が同時に充足され重なり合うことの相乗効果により、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです。その行き着く先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです(通常は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まってから早くて半年、遅くて1年程の期間の経過後に発病し、私たちが区分する「小ボケ」の段階に特有な症状が発現してくる)。

 ○「前頭葉」を含む脳の機能レベルの直接のアウト・プットが症状

いろいろな種類が数ある認知症の中で、私たちのデータから推測すると認知症全体の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてくることに直接に起因して発現する症状、私たちが「脳のリハビリ」による回復の可能性という視点から三段階に区分する「アルツハイマー型認知症」の「段階的な症状」が発現してくるのが特徴なのです(誰の脳にも生来的な性質として内在するもので、「加齢」とともに機能が低下してくる「正常老化」の性質に、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した「廃用性」の機能低下が加わることで、脳全体の機能の低下が加速されることになるのです)。「アルツハイマー型認知症」の症状とその進行とは、発病の最初の段階であり、私たちの区分と呼称で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階に始まり、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階を経て、最後は末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階へと進むことになるのです。

○三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の「機能低下の規則性」を厳密に反映したもの

 (1)私達が集積してきた「脳機能データ」の解析によると、「アルツハイマー型認知症」の場合には、廃用性の機能低下により脳の機能が衰えていく時、その「衰え方」に以下の特徴が確認されるのです。

この特徴は、様々な種類が数有る認知症の内で、「アルツハイマー型認知症」である場合に限り確認されるものなのです。

ⅰ)脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭立ての馬車の御者の役割を担っていて、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて異常なレベルに衰えていく結果、「社会生活」に支障を起こす原因となる症状が最初に出てくるのです(軽度認知症「小ボケ」:この段階では、左脳と右脳と運動の脳は、未だ正常な機能レベルのまま);

ⅱ)ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続を条件として、「前頭葉」が廃用性の加速度的で異常な機能低下を継続する中で、次の段階からは、同時に「左脳」と「右脳」が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて、「前頭葉」を含む脳全体としての機能が更に異常なレベルに衰えていく結果、「家庭生活」に支障を起こす原因となる症状が出てくるのです(中等度認知症「中ボケ」);

ⅲ)ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続を条件として、「前頭葉」並びに左脳、右脳及び運動の脳が廃用性の加速度的で異常な機能低下を同時に並行して更に進行させていく結果、「セルフ・ケア」にも支障を起こす重度の症状が出てくるのです(重度認知症「大ボケ」)。

注)ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続に終止符を打って、「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化させる「生活習慣」の構築とその実践(「脳のリハビリ」の実践)により、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させることが出来るのは「中ボケ」までの段階であり、「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えてくると、回復させることはもはや困難となるのです。認知症の専門家達が、{「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ないタイプの認知症である}と主張しているのですが、そのこと自体は誤りであり、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階で見つけているが為に治すことが出来ないだけなのです(見つけるのが遅すぎるのです)

ⅳ)「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが、小ボケ、中ボケ、更には、大ボケの段階へと衰えていくとき、神経心理機能テストのMMSEで判定される「MMSEの下位項目」には衰えていく順番に「厳密な規則性」が認められるのです(「MMSEの下位項目」について、出来なくなっていく項目の順番、言い換えると、脳の機能が衰えて行く順番についての「厳密な規則性」を示す根拠としてのパターンは、14689例の精緻な「脳機能データ」の解析により確認されているのです)。

ⅴ)「二段階方式」テストにより得られる上記「4つの特徴」を客観的な指標として活用することにより、「アルツハイマー型認知症」の判定(鑑別)に際しては、他の種類の認知症との鑑別並びに認知症と紛らわしい病気との鑑別が精緻で容易なものになるのです

(2)米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM4」の規定の「第二の要件」の問題点は、以下の通り

ⅰ)「DSM-4」の「第二の要件」は、失語、失認、失行又は実行機能の障害(「前頭葉」機能の障害のこと)のいずれかの症状の確認を要求しています。ところが、「アルツハイマー型認知症」の症状としてのこれら全ての症状は、私たちが「意識的」に何かのテーマを実行しようとする際に起きてくる症状のことなのです。

ⅱ)私達の意識的な世界は、「前頭葉」が左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つ、それらを統括し、支配し、コントロールしつつ、自分が置かれている状況の理解と判断、状況の判断に基づく「テーマ」の発想、「テーマ」の実行内容の企画及び計画、実行の手順の組み立て、計画した内容の実行結果のシミュレーションに基づいた実行内容の修正並びに実行の程度及び態様の選択に基づく実行の指示が行われているのです。「器質的な病変」が原因で前頭葉を含む脳全体についての機能の障害が起きてきているわけでもないのに(脳が壊れてもいないのに)、意識的に何かを実行すること自体に様々な程度及び態様による支障が起きてくるのが「アルツハイマー型認知症」なのです。我が国だけでなくて世界中の認知症の専門家とされる人達(学者や研究者や医師)は、自分が置かれている状況の理解と判断に基づく「テーマ」の発想、「テーマ」の実行内容の企画及び計画、実行の手段及び手順の組み立て、計画した内容の実行結果のシミュレーションに基づいた実行内容及び態様の選択に基づく実行の意思決定並びに脳の各部に対する実行の指示を行うには、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から成る「前頭葉」の三本柱の機能、中でも、注意の分配力の機能が働くことが不可欠となること並びに「DSM-4」が「第二の要件」で確認を要求している失語や失認や失行の症状が確認されるお年寄りの「前頭葉」は殆ど機能していないこと、就中、「注意の分配力」の機能が殆ど機能していないことを知るべきなのです。意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、理解、考察、洞察、推理、想像、興味、関心、発想、企画、計画、創意、工夫、予見、予測、シミュレーション、区別、比較、評価、修正、具象化、抽象化、整理、段取り、組み立て、機転、抑制、感動及び判断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の高度な「個別の認知機能」(猶、「学習」機能は、大脳辺縁系の機能であって、「前頭葉」の機能ではないことに留意する)を正常に発揮する上では、一定レベル以上での機能の発揮度が確保されていることが不可欠となるのです。

機能の発揮度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで的確には/十分には発揮されなくなるのです。そうした「前頭葉」の個別認知機能による機能の「発揮度」及び「認知度」の高さ、或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「前頭葉」の個別認知機能による機能の「発揮度」と「認知度」とが共に、「三本柱」の機能の発揮レベルと「リンク」している)。

この意識的な世界を構築する上で不可欠の機能要素である「前頭葉」の個別の認知機能を語るには、私たちが自我を完成させていく上で獲得した自分独自の「評価の物差しの機能」(自分独自の物の見方、捉え方、感じ方及び考え方としての物差しのことを言うものとする)と自己体験と伝聞の集積体としての「記憶の倉庫としての機能」の働きを忘れてはならないのです。プールの脇に立っていて、天にも届かんばかりの高さと勢いとで無数の花を咲かせているブーゲンビリアの巨木、露天風呂の脇の花壇に在って、しとしと降り続く梅雨の長雨に濡れて、薄紅色の可憐な花を咲かせている百合の花の存在、形、色、或いは、それらが醸し出している風情、それらを私たちが意識的に認知し、認識し、観察し、感受し、感動する上で、「前頭葉」の「個別の認知機能」、「前頭葉」の「三本柱の機能」、「評価の物差しの機能」及び「記憶の倉庫としての機能」が協働することによって初めてそうした世界が開けること及び私たち個々の、且つ、独自の意識的な世界が構築され発現してくるものであること、更には、個別の認知機能の機能の発揮度及び認知度を左右しているものが、私たちが「前頭葉」の「三本柱の機能」と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能であること、そうした意識的な世界での「前頭葉」を含む脳全体としての認知構造、働き具合及び衰えるメカニズム等に気づくことが、「アルツハイマー型認知症」発病のメカ二ズム、又は、症状の発現のメカニズム、或いは、症状の重症化のメカニズムを解明する上で必要不可欠となるのです。私たち人間に特有の「意識的な世界」の特徴はというと、意欲、注意の集中力の機能の働きもさることながら、「注意の分配力」の機能が縦横無下に働いている世界、言い換えると、「注意の分配力」の機能の働き無しには存在し得ない世界だということに気づいていただきたいのです。マウス(アミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスを含む)が、檻の中でエサを探して徘徊する行動に関わるマウスの「記憶」を調査し、研究してみたところで、私たち人間の意識的な思索や行為や行動を推し量ることは出来ないし、ましてや、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムの解明には何の役にも立たないことを指摘しておきたいのです。「アルツハイマー型認知症」の発病、又は、症状の発現、或いは、症状の重症化とアミロイド・ベータの蓄積とかタウ蛋白の蓄積とかは、「全くの無関係」なのだということに早く気づいて欲しいと願うのです。

ⅲ)生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される「生活習慣」の下で、「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきた「アルツハイマー型認知症」の最初の段階(私たちが定義する「軽度認知症:小ボケ」の段階)では、手足である左脳も、右脳も、運動の脳も、その全てが未だ正常な機能レベルに在るのに対して、司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが異常な機能レベルに在って、且つその結果として、「前頭葉」の機能障害の症状だけが発現してくることになるのです(正常域との境界域に在る「小ボケ」の段階で発現してくる「アルツハイマー型認知症」としての症状は全て、「記憶障害」に起因した症状ではないのです。小ボケの段階では、記憶障害に起因した症状はその欠片も確認されないのです)。それに対して、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階(私たちが定義する「重度認知症:大ボケ」の段階)の症状が確認されるようになると、それら全ての症状は、異常なレベルに衰えてきて、殆ど機能することが出来なくなっている「前頭葉」の働きを中核とした脳全体の働き具合(廃用性の加速度的で異常な機能低下により、「前頭葉」だけでなく、左脳も右脳も運動の脳も その全ての機能が異常なレベルに低下してきている)を直接に反映したものとなってしまうのです。「アルツハイマー型認知症」の「末期の段階」である「重度認知症」(大ボケ)の更に後半になって初めてその発現がみられる失語や失認や失行などの症状は、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させること(治すこと)がもはや困難な機能レベルに在る「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接のアウト・プットとしての症状ということなのです。「脳のリハビリ」により回復させることが困難となるこの段階で見つけていることこそが、医療現場の重大な誤りだと指摘しておきたいのです。

ⅳ)「意識的な世界」における脳の機能の働き具合としてのアウト・プットは、「前頭葉」が脳全体の司令塔としての役割を担う機能構造の下で、且つ「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの総合的な機能状態を直接反映した症状、私たちが三段階に区分する様々な症状として、発現してくるのです(「DSM-4」が規定する「第二の要件」は、失語や失認や失行の症状と実行機能の障害を同列に扱い、並列で規定していることからも、この「重要な視点を欠いている」と言わざるを得ないのです)。

「アルツハイマー型認知症」の症状であり、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現している人達(「前頭葉」の機能レベルを判定する「かなひろいテスト」が不合格となり、且つ、換算後のMMSEの得点が14点以下0点までの人達)の内で、その後半の脳機能レベルの人達、換算後の「MMSEの得点が一桁」になって初めて発現してくる「失語の症状」が確認される人達では、「前頭葉」が殆ど機能していない状態にあって且つ、「左脳」も僅かにしか機能しなくなっているのです。それよりも更に脳の機能が衰えてきている段階で発現してくる「失認の症状」や「失行の症状」は、「前頭葉」が殆ど機能していない状態にあって且つ、右脳も、運動の脳も、ほんの僅かにしか機能し得なくなっているのです。これらの症状が発現するその基本には、「前頭葉」を含む脳全体の機能を異常なレベルにまで衰えさせた直接の原因、「DSM4」がその「第一の要件」で確認を要求している「記憶障害」と言う原因ではなくて、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が基礎に在る(原因)と私たちの「脳機能データ」が教えているのです。

ⅴ)「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、その発病の原因はと言うと、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が、「前頭葉」を含む脳全体としての機能レベルを異常なレベルに低下させたことであり、その機能レベルの直接のアウトプットとしての段階的な症状が発現してきているだけなのです。その意味で、「アルツハイマー型認知症」の特徴は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密に対応する形で三段階に区分される認知症の症状が発現してくるのが特徴となるのです。とはいえ、その本態が、器質的な病変が原因ではなくて、廃用性の機能低下が原因であるが為に、「小ボケ」の段階であれば、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により容易に正常なレベルに回復させることが出来る(治すことが出来る)のであり、「中ボケ」の段階で見つければ、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることが未だ可能なのです(この場合も、小ボケのレベルを経由したうえで、正常なレベルに回復してくるのです)。しかし乍ら、「大ボケ」の段階で見つけていたのでは(「前頭葉」を含む脳全体の機能が、大ボケの段階にまで衰えてきていたのでは)、治すことは出来ないのです(中ボケの段階に回復させることさえも出来なくなるのです)。アミロイドベータの沈着による老人斑の生成とか、タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化とか、或いは脳の萎縮とか言った「器質的な病変」が「アルツハイマー型認知症」発病の原因ではないということなのです。

更なる指摘をし、問題提起しておくと、「DSM-4」が「第一の要件」に規定する「記憶障害」の症状は、正常域との境界域にある「小ボケ」の段階ではその欠片さえも確認されないことに注目すべきなのです。そもそもはと言えば、アミロイド・ベータもタウ・タンパクも、脳全体の司令塔としての「前頭葉」が構築し、統括し、支配し、コントロールしている世界、私たち人間の意識的な世界での様々な情報の伝達に不可欠の重要な役割を担うたんぱく質なのです。アミロイド・ベータやタウ・タンパクの沈着や蓄積が神経細胞を侵し、それが原因で、情報の連絡の不具合が起きて、「記憶障害」の症状を発現させてくるという主張(ストーリーの組み立て)は、主張している人達や組織にどれだけの権威が有ろうとも、実証派の私たちからしてみると、誤解に基づく推論、空想、又は「妄想」の類に過ぎないということになるのです。

   

 & 「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する唯一の方法

14689例に上る「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした「アルツハイマー型認知症の症状」並びに脳の使い方としての具体的な生活習慣の類型化により構成される「脳機能データ」の中身とその解析結果から言っても、或いは、北海道から九州まで452の広域にわたる市町村で実践した住民参加型の「地域予防活動」の成果から言っても、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する「生活習慣病」であり(但し、食生活ではなくて、「脳の使い方」としての生活習慣病であることに留意する)、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」(本当の意味での早期の段階)で見つけて「脳のリハビリ」を実践することにより治すことが出来るし、気心が知れた仲間達と出来るだけ多く交わる機会を持つ日々の生活の中で、考え、従事し、或いは実践することにより、「前頭葉」を含む脳全体が活性化して、自分なりに、「楽しみや喜びや生き甲斐」が得られるもので、長期間にわたって継続することが出来て、「意欲」をもって、或いは、集中して打ち込められそうな、趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは町興しを含むボランティア活動等の地域活動といった「テーマ」の中から、自分なりに興味や関心が持てるものを選択し、且つ、達成すべき自分なりの「目標」を立てて、日々それを実践するという「生活習慣」を打ち立てることが出来さえしていれば、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症である』という私たちの主張内容は、それほど遠くない将来に、世界の基準(Global gold standards)となると考えているのです。

私達が主張する「発病の第二の要件」に鑑みて言うと、発病の対象となる60歳を超えた年齢の「高齢者」が、仕事とは無縁の「第二の人生」を送る生活の中で、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防するには、「前頭葉」の出番を出来るだけ確保し、「脳が生き生きと働き、自分なりに楽しめる生き方」によって、日々を過ごすことが必要不可欠の条件となるのです。その為には、「家に籠っている」だけの消極的に生きる生活から抜け出て、お年寄り達が集まっている場所に積極的に出かけて行き「お茶仲間」に入れて貰い、様々な「笑いの仲間」に入れて貰うだけでも、「前頭葉」の出番が増えるのです。要は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(就中、注意の分配力の機能)を居眠りさせないことが絶対の条件となるのです。

自分が置かれている状況を判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマの実行内容を組み立て、実行結果をシミュレーションした上で必要な修正を施し、最終的な実行内容並びに実行の程度及び態様を選択して、実行の指令を左脳、右脳及び運動の脳の各馬に発する役割、「三頭立ての馬車」の御者の役割を担っているのが、「前頭葉」と言う脳機能であり、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常な機能レベルに衰えてくることから発病するもの(小ボケの段階)』だからなのです。

   

&「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」の展開

(1)私達が北海道から九州に至る広範囲な地域、452を数える市町村での住民参加型の「地域予防活動」を展開してきた中で、最も特徴的で印象に残っていることと言えば、「第二の人生」を送っている「お年寄り」が「家に籠り勝ちの生活」をしているケースが極めて多いということなのです。廃用症候群に属する「生活習慣病」を本態とする「アルツハイマー型認知症」にとって、「第二の人生」を送っているお年寄りが、家に籠り勝ちの生活をするということは、そのことだけで、発病のリスクがとても高くなるということなのです。脳の活性化、「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常な機能レベルを保つ生活習慣の実践という場合に最も重要な要素はというと、それは、「家の外に出て行って、他人と交わる機会を出来るだけ多く持つ」ということなのです。芸術家のような特別の/特殊のレベルの「右脳の優位性」が備わっている人達を除いて、右脳の機能レベルが一般のレベルである皆さんの場合は、家の内に籠っていたのでは、「前頭葉」を活性化させるテーマを見つけること自体が極めて困難になるからなのです。「他人と交わる」ということは、何らかの「テーマ」について言葉を交わす機会が必然的に多くなることを意味します。その際には、相手の話の内容を聞き取り概要を理解するにも、相手に対して言葉や表情や態度で反応を返すにも、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し下支えする役割を担っている「前頭葉」の三本柱の機能、即ち、「意欲」、「注意の集中力」の機能だけでなく、最も必要で重要な機能である「注意の分配力」の機能の出番が必然的に増えることになるからなのです。「注意の分配力」の機能の出番が増えるということは、「前頭葉」の機能の活性化に直結しているということなのです。

 (2)  地方の創生が期待されながらも、有効で且つ即効的な政策や対策が具体的な施策として立ち上がってきていない現状に鑑み、地方の市町村における「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を目的とした住民参加型の「地域予防活動」の展開を小地域を単位とした全域にわたり展開することが、直接的には、時流に沿った「女性専門職の活用」という時代が要請している「テーマ」に最適、且つ「新規の専門職としての職種」の開発と「女性」の雇用機会の創出及び高齢化と過疎に悩む地方の「地域」の活性化並びに高齢者の消費行動の多様化及び消費活動の活発化による相当程度の経済価値を生み出すことことになるだけでなくて、或いはそれ以上の効果として、既に年間15兆円を超える規模に達してしまっている「アルツハイマー型認知症」の発病と要介護状態の老人の増加に伴い増大し続ける介護関連の費用(診察費用、投薬費用及び介護費用の合計総額)の削減にも多大な効果をもたらすことになることが期待できるのです。

(ⅰ) 市町村が「二段階方式」を導入して、1年間に2度、定期的に「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを判定すること及び脳を活性化する「生活習慣」の改善指導を行うことを制度化するのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル」の判定、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び三段階に区分される認知症の症状の判定並びに脳を活性化させるための「生活改善」の指導は、医行為を含まないので、医師ではない保健師さんが専門職として実施できるのです)。

(ⅱ) 市町村の保健師さんが、月に2回の「脳イキイキ教室」を開設し、脳を活性化(「前頭葉」を含む脳全体の機能の活性化)する生活体験を基礎として、「アルツハイマー型認知症」の発病自体を「予防」する「生活習慣」を組み立て実践する為の教育的指導及び支援を行いつつ、地域全体の人的資産としてのボランティアを結集し、活用することにより、地域興し、催事の復活と近隣地域との交流を促進する、住民参加型の「地域予防活動」を展開するのです(対象者は、脳機能が正常レベルの者と「小ボケ」レベルの者を対象とする:「中ボケ」レベル及び「大ボケ」レベルのお年寄りは対象外とすることが重要)。

(ⅲ) 上述の住民参加型の「地域予防活動」は、出来るだけ小さな地域単位で、且つ頻度を出来るだけ密に実施すればする程、参加者の「前頭葉」を含む脳全体の機能の改善効果が期待できることになるのです。

(ⅳ) 医行為を伴わない「二段階方式」の手技は、医師でなくて、保健師さんが実施することが出来る利点が特徴であり、女性を活用する「新規の職種」が世の中に(日本中の全ての市町村の小規模の地域にまで広く)生み出され及び高齢化率が高い「地方の地域」の活性化にも大きく寄与することが期待できるのです。

(ⅴ)「アルツハイマー型認知症」を発病して症状が進行し、要介護状態に陥った時に備えて消費行動を抑制し、単に貯蓄に励むだけの「第二の人生」を送っているお年寄り達に対して、「アルツハイマー型認知症」の発病を自身が予防することを明確な目的意識に持ち、「第二の人生」を生き生きと楽しみながら生きる為に趣味や遊びや交遊を活発に行う為の実践と体験の場として、「脳イキイキ教室」が重要な教育機能を持つことになるのです。

注1)認知症の大多数、90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」なのです。その発病者達はというと、60歳を超える年齢の「高齢者」だけなのです。消費に貢献することもなく、留まることを知らない「介護関連費用」の増大の主因となっている「高齢者」達の日々の「生活習慣」について、脳の健康という側面、脳の使い方としての「生活習慣」についての具体的な関心と問題意識を醸成させる重要な体験の場とするのです。

注2)脳の使い方としての「生活習慣」という視点がなく、なんとなく第二の人生を送っている高齢者が、「脳イキイキ教室」での体験を通して、住民参加型の「地域予防活動」に積極的に参加して、自分自身の日々の「生活習慣」の改善に向けた意識が向上することにより、「アルツハイマー型認知症」の発病のリスク自体が大幅に軽減されることになり、現状で年間15兆円を超える規模の「介護関連費用」(診断、投薬及び介護の費用の総額)が劇的に減少していく好結果を生み出し、更には、趣味や遊びや交遊と言ったテーマについて、生き生きとした活発な日常生活行動が「生活習慣化」されることにより、消費活動にも貢献することが出来るようになるのです。従来の、要介護状態に陥る日に備えて消費活動を抑制し貯蓄に励み「お迎えが来る」日を単に待つだけの消極的な「第二の人生」が様変わりして、自分なりのテーマを選択して、自分なりの夢や目標を設定して、自分らしさを追求する「生活習慣」の構築と実践により、自分なりの「生き甲斐や喜びや感動」が得られる積極的な「第二の人生」を送る時代がやってくることになるのです。

(3)上述の住民参加型の「地域予防活動」を市町村と言う公の主体による事業として展開し、地方及びお年寄り達の消費行動を活性化させる為に必要となる支援資金は、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の「予防」の効果と私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階での早期診断による「回復」の成果とにより、現在何等の対策が実施されていない状況下で(蛇口が開きっぱなしで、水があふれだして、介護保険制度が財政面から破綻の危機に在る状況の中で)「介護」の対象でしかない「大ボケ」レベルの発病者数の大幅な削減効果により、十分に賄うことが期待できるのです。

注1)現行の「介護保険」制度の下では、「アルツハイマー型認知症」を発病していても、「小ボケ」や「中ボケ」の段階のお年寄りが「アルツハイマー型認知症」の発病者として「介護保険」の適用の対象とされるケースは極めて少なく、介護保険制度適用の対象者の大半は末期段階の症状が出てきている「大ボケ」レベルの人達だけなのです。問題なのは、「大ボケ」レベルの人は、正常なレベルは愚か「中ボケ」レベルへの回復さえも期待できないので、その対策方法は、「介護」の途しか残されていないのです。介護関連費用の際限ない増大支出に不安を抱いて、「家族介護」の方向に舵が切られつつありますが、「大ボケ」の段階にあるお年寄りを「家族が介護する」制度下では、介護する側の家族自身も共倒れし、介護側の家族の人達の人生自体が失われていくことにもなります(「老老介護」、「認認介護」及び「介護離職」の社会現象化)。「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」と早期診断による「回復」を目的とする住民参加型の「地域予防活動」の全国展開及び発病自体を「予防」する上で極めて予防効果が高いその基地としての「交流の駅」の建設と運営(次章で説明する)を制度化することで「家族介護」の必要性は激減することになるのです(「大ボケ」の段階のお年寄りこそ、家族介護ではなくて、「介護保険」で全面的に対応できる体制を構築すべきだと考えるのです)。

 注2)「アルツハイマー型認知症」は、基本に「脳の正常老化」という条件(私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が「生来的な性質」として抱えているもの)が存在するので(「生活習慣」の内容の如何に関わらず生じてくるものであり、「前頭葉」の三本柱の機能の「加齢」に伴う老化現象であって、私たちはそれを「正常老化」の性質と名付けています:私たちが規定する「発病の第一の要件」)、現状のように何等の対策を講じないままでいると、高齢になるに従って「アルツハイマー型認知症」を発症する危険が更に高くなっていくのです。何かを「キッカケ」にして(周りから見れば、ほんの些細な事でも、本人にとって意欲を喪失させるような出来事であれば)、廃用性の機能低下をもたらす原因となる単調な「生活習慣」、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が始まり、継続されることになるのです(私たちが規定する「アルツハイマー型認知症」発病の第二の要件」)。

その上、「小ボケ」は「不活発病」とかの名前を冠されるだけで及び「中ボケ」は「年のせい」(老化現象)として放置されているのが、現状なのです。従って、「小ボケ」及び「中ボケ」レベルのお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常レベルに回復させる為並びに正常レベルにある者を正常レベルのままで保たせる為に、市町村の保健師さんが主導し及び当該地域に居住する住民がボランティア活動として運営の企画に全面的に参加すること並びに住民参加型の「地域予防活動」の制度化が必要不可欠であり、その実施品質が高く、展開の規模が大きいほど、「介護関連費用」の加速度的で且つ大規模な削減効果が期待できることにもなるのです。

   

 & 「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を展開する活動の目的と要となる保健師さんとボランティア組織の役割

1.「二段階方式」の手技は、神経心理機能テストによる「前頭葉」を含む脳の機能テストの実施とテスト結果の判定に基づいて、「アルツハイマー型認知症」の回復可能な早期の段階を判定し、脳の活性化を目的とする生活習慣の改善指導(「脳リハビリ」の指導)を行うことで正常なレベルへの回復を可能にさせるシステムであり並びに脳の活性化を目的とする生活習慣の改善(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)を体験させることを目的とした小地域単位での「予防教室」の開催により、参加者の日常生活に「脳の活性化」というテーマを持ち込ませ実践させることにより、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を図る(脳の活性化を生活習慣化させることによって、「前頭葉」の機能レベルが正常な人を、正常なレベルのままに維持させる)理論的に体系化された、且つ440を超える市町村で実証された成果に裏打ちされた、実務的な「システム」なのです。

2.従って、活動の目的は、市町村の窓口における「個別事例の判定及び改善指導」と地域住民参加による小地域単位での「予防教室(脳イキイキ教室)の運営」の二面性を持つ活動となります。

(1)個別事例の判定及び改善指導というテーマについては、個人と密接な継続的関係の維持が不可欠であるため、導入市町村の保健師さん達(女性)の役割が極めて重要なのです。更には、個別事例の的確な判定により、「小ボケ」や「中ボケ」の段階にあるお年寄りを見つけ、且つ、「脳リハビリ」の適切な指導により(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導)実際に治して見せる(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させてみせる)ことが、「地域予防活動」の活発化に大きく寄与することを忘れてはならないのです。「前頭葉」の機能テストを含む「脳の機能テスト」(脳の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてもらうこと)に対するお年寄り側の抵抗感を払拭させる上で、大きく寄与するだけでなく、逆に、積極的に「脳の機能テスト」を受ける雰囲気が住民の間に醸成されてくることになるからです。

(2)地域住民の自主的な参加による小地域単位での「予防教室(脳イキイキ教室)」の運営というテーマについては、「脳の機能テスト」を実施する保健師さんの役割と脳を活性化するテーマの実施にかかわる予防教室の自主活動と運営(脳の活性化に資するテーマの選択、実施企画及び組織化と運営)を担当する地域の各種ボランティア組織の参画とその役割分担がきわめて重要なものとなるのです。

3.なお、「二段階方式」の手技については、その実施が「医行為」を含まない為に、保健師さんが全ての面について実施でき、活動を広範囲に展開できることが大きなメリットとなるのです。

 

 & 「交流の駅」の建設と運営

(1)  そうでなくても家に籠りがちな傾向がみられるお年寄りを家の外に出て行かせると言っても、掛け声だけでは何の役にも立たないのです。「とりあえず、出ていく場所がある」ことが重要なのです。そこへ行きさえすれば、誰かに出会えて、何かをする機会を見つけることが出来る場所を定常的に、定置するということなのです。

(2) 例えば、森林維持の為の伐採作業で出てくる「間伐材」や森林保護の為の伐採作業で出てくる「竹材」等を活用して、更には国や市町村が保有する「空き地」等を活用して、簡易な台所と便所を併設した「平屋建ての建物」を小地域ごとに建設して、周辺の地域に居住する高齢者達が集って談笑する場(「交流の駅」)とすることが、「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」と言う視点から極めて有効な施策となるのです。

(3)  お年寄りが家に籠って、人と交わることもなく、且つ為すこともなく日々を過ごすのは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という危険な生活習慣に直結していて、「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが高くなる大きな要因の一つだからなのです。

(4)  出来るだけ小さな単位での、「地域コミュニティーの活性化」という政策の実施が、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防に必要不可欠で、喫緊の課題であり、且つ最善の「テーマ」となることを政治家及び官僚の皆さん方に指摘しておきたいのです。お互いが助け合いながら生きていくという日本人の古き良き伝統でもある「価値観」を醸成し共有することにより、更には、「交流の駅舎」を設置することで常日頃から「交流の機会」を増やし、人的な深い絆を構築しておくことが、超高齢化社会を、財政的に、人的に、社会的に支える必要不可欠のシステムとなるのです。

(5)「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病自体の予防を明確な活動目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践の基地(市町村の保健師さんによる早期診断と生活習慣の改善指導の現場)として、老若男女全部を含む地域住民間の交流基地(お茶飲み、得意料理やお漬物などの食材の持ち寄りと実食並びに談笑及び懇談)として、地域活性化全般の企画基地(空き家及び空き室対策と脳の活性化の為の「民泊」の活用と拡大)として、祭りを中核とした催事、地域習俗及び慣習の復活企画基地として、或いは、おもてなしの進化及び多様化の為の企画基地として、国内及び海外観光客集客の為の地域興しの企画基地として、地域の住居、建物、風景及び美化並びに風紀改善の企画基地として、域内及び域外との催催事交流及び人的交流の企画基地として又は若い世代の移住を促進する為の企画及び実践基地として、出来るだけ狭い単位ごとに「交流の駅舎」を建設し、運営するのです。

(6) 活動費用の源資

住民参加型の「地域予防活動」の展開並びに「交流の駅舎」の建設及び運営の為の費用の「源資」は、介護給付費の前年度支払い実績総額の1%相当額を介護保険から支出することとするのです。住民参加型の「地域予防活動」の展開による「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復の効果並びに「交流の駅舎」での交流の活発化による「アルツハイマー型認知症」の発病の予防の効果により費用の捻出額をはるかに上回る「介護関連費用」の削減効果が期待できることになるのです。

   

&「高齢者」の生活の活性化による「一億総活躍社会」の達成

○ 「アルツハイマー型認知症」に対する認識を根底から変える

 これまで様々な「仮説」が提示され、発病の原因が不明で、発病を予防することも治すこともできないとされてきた「アルツハイマー型認知症」の正体は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であることが解明されたのです。脳を活性化する「生活習慣」の構築とその実践により、「アルツハイマー型認知症」を発病する危険は日々遠のいていくのです。趣味や遊びや交遊や運動、或いは地域興しへの参加などのテーマの企画と実践を自分なりに楽しむ生活、そうした日々の過ごし方が、目的の設定や目的の達成に伴う生き甲斐や喜びのある生活につながり、高齢者の「前頭葉」を含む脳全体の機能のレベルを正常な機能レベルの儘に保つ上での重要で効果的な施策となり、且つ、「アルツハイマー型認知症」の発病の危険を小さなものとし、発病して「要介護状態」に陥る日を、それだけ遠のいていかせることに直結していくのです。地域単位ごとでの講演による啓蒙活動により、このことを我が国の隅々にまで浸透させ、「地域予防活動」ができるだけ小さな単位の地域で実践される体制とシステム化とが全ての市町村で整った暁には、同時に、「高齢者」による活発な消費活動が我が国の隅々で、高齢化率の高い地方の田舎においても、発生しているはずなのです。

 ○ 高齢者の消費行動の活発化による地方の活性化

(1)   その場合、お年寄り達が交流する場所としての平屋建ての施設 (「交流の駅舎」)を自治体が保有する土地を活用して、自治体保有の施設として、小さな単位集落ごとに一戸建設するのです。お年寄りが歩いて片道30分で行ける範囲毎に一戸、「交流の駅舎」を建設するのです。家に籠りがちなお年寄りを家の外に出かけさせていき、人と交わる機会が得られるようにすることが、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の開始を予防し、或いは、「単調な生活」からの脱出の機会を与えることとなり、そのことだけでも、「アルツハイマー型認知症」の発病を防止する極めて有効な施策となるのです。

(2)   そこに、対象集落で生活している老年、壮年、青年、子供達(老人が主体となるのですが)が集い合い、語らい合い、助け合い、交流し合う場にするのです。駅舎の建設用木材は、国有林の「間伐材」及び山林保護のために伐採して得られる竹材を使用するのです。更なる施策として、国有林の間伐材の伐採作業のみを対象として、且つ安全な作業部分のみを対象として、地域の予防教室に継続して参加しているお年寄りが構成員となっているNPOのみを有資格として、その伐採作業を請け負わせるような政策を制度化するのです。 但し、当該伐採作業によりNPOが稼ぎだした作業代は、交流駅舎での交遊の費用に支出することをNPOの活動目的に入れさせることも制度化するのです。交流駅舎の自主的運営は、予防教室に参加している高齢者に任せるものとし、交流駅舎での交流には、誰であれ参加できることとするのです(地域内外の高齢者達は勿論のこと、壮年の人達も、年少の人達も、交流に参加できる場にするのです)。

 高度経済成長に突入する以前の我が国の地方にかつて存在した交流の場、「地域の老若男女が全て一緒になって交流した場」を再現させるのです。老、壮、青、子供たち、すべての年代の人達の頻繁な交流が、生きていく上での不可欠な「意欲」を高め、活発な消費活動にもつながり、ひいては、地方の再生にもつながると考えるのです。

(3)   それと時を同じくして、「地域予防活動」を展開する上でその基盤、中核となる「高齢者」の脳の機能レベルを定期的に判定する業務が女性を中核として実行される社会が実現することにもなるのです。 どんな小さな役場であっても、専門的なレベルでの「二段階方式」の手技を使いこなせる保健師さん(基本的には、女性)が居て、その保健師さんが、まるで小さな町の診療所のかかりつけ医のように、役場の窓口に行けば、「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを定期的に判定してくれ(1年間に2回)、改善、維持又は低下の判定結果に対応した、「脳の使い方としての生活習慣」のチェックと必要に応じて「生活改善の助言と指導」をしてくれる社会を実現させる、それを、「一億総活躍社会」を実現する上での重要な政策及び施策の中核の一つに据えるのです。

注)本著作物「Bー86」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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アルツハイマー型認知症の発病を左右する2つの条件(B―77)

2017-03-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

 吾が秘策 起死回生の ここに在り 国士や何処 探し求めて By kinukototadao

皆さんの周りに居る人達、家族、隣人、友人、住んでいる地域のお年寄り等の中で、ボケたお年寄り、「アルツハイマー型認知症」を発病しているお年寄りがいますか、又は見かけたことがありますか。高齢化率が30%を超えている市町村、お年寄りが大勢集まって暮らしている地域では、ボケたお年寄り、「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りの姿を見かけるのは、日常茶飯事のこととなっているのが、世界でも稀な規模での高齢者達が「第二の人生」を生きて80歳とか90歳とかまで生きる超高齢化社会を実現した我が国日本の姿なのです。こんなはずではなかったのにと思いませんか。誰もが、もっと明るい未来像を描いていたはずなのです。我が国全体での高齢化率が25%を超えているだけでなく、30%どころか40%を超える市町村の数がどんどん増加している状況下で、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの数も増加の一途を辿っているのです。加えて、介護関連総費用(「アルツハイマー型認知症」の診断、投薬及び介護の為の費用の総額を言う)が、2015年度ベースで15兆円を超える規模になってきていて、このままでは、「介護保険制度」が財政面から破綻しそうな勢いなのです。このまま放置しておいて良いものなのか。国民全体としてもっと真剣にこの問題を考えるべき時に来ているのではないでしょうか。対処すべき劇的な解決策を皆さんに提示します。

& 「アルツハイマー型認知症」発病のメカ二ズム(原因)

〇 世界中の認知症の専門家とされる人達の共通の認識と見解

  誰でもが80歳とか90歳までも生きる(身体が持つ)のに、その一方で、脳がもたない(「アルツハイマー型認知症」を発病していて、末期の段階にまで症状が進行していて、セルフ・ケアにも支障が起きていて、日常生活面での介助が不可欠の状態にある)お年寄りの数が、厚生労働省の発表数字で460万人を現在既に超えていて、その数はこの先増加の一途を辿るものと予測されているのです。出生数が年々減少して行っていて、若年労働人口が顕著な減少の傾向を示してきているというのに、高齢者人口が増加しつつ、「アルツハイマー型認知症」の発病者数が増加の一途を辿っているのが我が国の姿なのです。様々な種類が数ある認知症全体の90%以上の割合を占めていて、認知症の専門家達から『原因不明で、治らない』と言われ続けてきた『「アルツハイマー型認知症」こそ、発病自体を予防することが出来るし、早期の段階で見つければ治すことが出来る』タイプの認知症であることを「二段階方式」を活用して集積した14689例にも上る精緻な「脳機能データ」を基に、詳しくお話しします。

ところで皆さんご存知ですか。一口に「認知症」と言っても、色々な種類が数あるのですが、そのうちの大多数90%以上を「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症が占めているのです。ところが驚くことなかれ、世界中の認知症の専門家とされる人達の共通の認識と見解によれば、「アルツハイマー型認知症」の発病原因(メカニズム)については、全く分からないとされているのです。様々な種類の認知症が数ある中で、『認知症全体の内の殆ど大多数、90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」だけが、唯一、発病の原因が分からないとされている』のです。発病の原因さえ分かっていないので、発病自体を予防する方法が分からないし、症状を治す方法も分からないタイプの認知症とされているのです。発病の原因もメカニズムも分からないとされながら、一方で、学者達の間では、様々な仮説が主張されてきてもいるのです。『澱みに浮かぶうたかたは、且つ消え、且つ結びて、久しく留まりたるためしなし』という訳でもないのでしょうが、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説、脳の萎縮説等がその代表的なものなのですが、全てが仮説のままなのです。「仮説」という意味は、主張されている発病の原因なるものと発病との間の因果関係が未だに立証できていないということなのです。仮説の域を出ることが出来ないので、しばらく学会を賑わしていたかと思うと、その内消えていってしまうのです。これまで有力説の地位にあったアミロイド・ベータ説も、欧米の大規模な製薬会社による治療薬の開発プロジェクトの失敗が相次いだことで、これまでは少数説に過ぎなかったタウ・タンパク説がその地位にとって代わろうとしているのです。

とは言え、タウ・タンパク説の考え方の基礎自体も、アミロイド・ベータ説と同じ構造上の問題があるのです(「器質的な病変」が発病の原因と考える根本的な間違いを犯している上に、タウタンパクの蓄積により生じた神経原線維変化なるものが、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹き起こすことにより、記憶障害の症状が発現してくるとの誤解に則った考え方に過ぎないのです)。学会での動向を覗いてみると、東大(玄米にアミロイド・ベータというタンパク質を注入したアミロイド・米という方法でワクチン開発による治療の方法を研究している)や京大(マウスにアミロイド・ベータというタンパク質を注入したアミロイド・マウスという方法で治療の方法を研究している)が唱えるアミロイド・ベータ説が我が国での主流となり、横行しているのです。

 & 発病の原因とメカニズムに関する私たちの主張とその根拠

○ 私たちが規定する「第一の要件」

私たちが独自に主張し、規定する「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」は、『60歳を超えた年齢の高齢者であること』です。実態面から検証してみても、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、『60歳を超えた年齢の「高齢者」』に限られているのです。発病のメカニズムから言って、60歳未満の年齢の人が「アルツハイマー型認知症」を発病することは皆無とは言いませんが、極めて稀なことなのです。『働き盛りの若い年齢で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』というNHKの報道番組は、センセーショナルな表題で視聴率を稼ぐには効果的だったのかもしれませんが、その報道の内容自体には「重大な誤りがある」と言わざるを得ないのです。「重度の記憶障害」の症状さえ確認されると、肝心の「前頭葉」(「前頭前野」を言う。以下、同じ」)の働き具合が正常なのか(「側頭葉性健忘症」)、異常なのか(「アルツハイマー型認知症」)の判定さえもしないで、言い換えると、「側頭葉性健忘症」との鑑別さえもしないで、「アルツハイマー型認知症」と診断する重大な過ちを犯しているのです。「側頭葉性健忘症」を発病している人(30歳代から50歳代までの若い年齢の人達であって、且つ前頭葉の機能が正常な機能レベルに在ることが特徴)の場合は、テレビ局の報道番組に出演して、自分が日常生活のどのような面で大きな困難を抱えているか、周りの人達からの支援を得るとしたら、どのような支援をして欲しいのか、それを極めて適切に、切々と、時には涙しながら訴えることが出来るのです。それとは裏腹に、「アルツハイマー型認知症」を発病している人(60歳を超える年齢の高齢者であって、且つ前頭葉の機能が異常な機能レベルに在ることが特徴)の場合は、本人には自分で判断できるほどの前頭葉の機能レベルにはないので、家族が判断することになるのですが、日常の生活ぶりをよく知っている家族は、末期の段階の症状が発現している「大ボケ」の段階にある場合は勿論のこと、たとえ「小ボケ」や「中ボケ」の段階であっても、「アルツハイマー型認知症」を発病している本人の姿をテレビの前に晒すことに同意するなど考えられないことなのです。驚くなかれ、「側頭葉性健忘症」についても、「アルツハイマー型認知症」についても、全くの無知と言わざるを得ないのです。NHKの報道内容に対する一般の視聴者からの信頼は絶大なものがあるので、国民全体に関わるこのような重要な「テーマ」の報道に際しては、単に担当ディレクターの一存によるのではなくて、NHKとしてもっと検証した上で、報道して頂きたいと、切に願うのです。

& 脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能に内在していて、誰にでも生来的なものとして存在する『正常老化の性質』という問題

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、私達が意識的に何かのテーマを考え、行為し、発言し、行動しようとするに際して、症状が未だ軽いときは「社会生活面」で(「小ボケ」の段階)、或る程度症状が進んでくると「家庭生活面」で(「中ボケ」の段階)、更に症状が進んでくると「セルフケアの面」で(「大ボケ」の段階)、様々な支障が生じてくるようになる病気なのです。「アルツハイマー型認知症」の診断について、世界で最も権威があるとされてきているのが、「米国精神医学会」が定めた「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM―4」という規定なのです。「DSM―4」の規定は、「アルツハイマー型認知症」であるとの診断に際して、その「第一の要件」として「記憶の障害」の症状の確認を及びその「第二の要件」として「失語、失行又は失認」のいずれかの症状の確認を要求しているのです。其の為、我が国で主張されているアミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の萎縮説のいずれの学説も全てその根拠を「DSM―4」の規定に依拠しているのです。なお、「第二の要件」は、正確には、「失語、失行、失認又は実行機能の障害」と規定されているのです(aphasia,apraxia,agnosia or disturbance in exective functioning)。結論から言うと、この要件には重大な欠陥があるのです。「実行機能」とは、「前頭葉」の機能のことを言うのです。失語は左脳がらみ、失行は運動の脳がらみ(但し、右脳の器質的な病変に起因して発現する失行の症状とは、発現のメカニズムが根本的に異なることに注意する)、失認は右脳がらみの症状なのです。失語の症状を呈するとは、例えば、日常の挨拶程度の会話さえままならないということなのです。失行の症状を呈するとは、例えば、ボタンかけができない、本のページをめくることが出来ない等なのです。失認の症状を呈するとは、例えば、日常使用するハサミや歯ブラシを見せても、それが何かが分からないということなのです。それらの症状の発現は、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進んだ結果、「前頭葉」を含む脳全体の機能について僅かな機能しか残されていないこと並びに注意の分配機能を中核とした「前頭葉」の機能と左脳、右脳及び運動の脳との協働作業時における統括及び統合機能の破綻により認知作業が殆ど成り立たなくなってきていること等が主たる原因で合目的的な行為が遂行できないこと、即ち、状況の理解と判断も、状況の判断に伴う発想も、更には、何をどのようにすれば良いのかの実行の組み立て自体が成り立たなくなっていることが原因なのです。更に言うと、失語や失行や失認の症状は、脳の後半領域の働き具合を判定するMMSEの得点が「30点満点で一桁の得点しかとれない」までに脳の機能が衰えてきている人達、末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半にならないと発現が見られない極めて重度の症状なのです。それに対し、最も軽い段階である「小ボケ」の段階では、 馬である左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在って、御者である「前頭葉」の働き具合だけが異常なレベルに在るので、「前頭葉」の機能障害の症状だけが発現してくるのが特徴なのです。「小ボケ」の段階のお年寄りは、セルフ・ケアの面にも家庭生活の面にも何の支障も起きていなくて、社会生活の面での支障が起きてきているだけなのです。「大ボケ」の段階のお年寄りは、セルフ・ケアにも支障が起きてきていて、日常生活に「介助」が不可欠なのです。「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくる失語、失行、失認という症状は、「記憶障害」が基礎となって(根幹に在って)発現してきている症状ではないのです。脳の働き具合と言う視点からは、失語、失行又は失認の症状と「実行機能」の障害とは、異次元のものであり、それを同列に扱うなど、もっての他のことなのです。我が国の認知症の発病者に対し適用する要介護度の認定基準の策定者達がそうであったように、「DSM-4」の規定内容の策定者も、「前頭葉」の機能構造や、「意識」の機能構造、或いは「前頭葉」の廃用性の機能低下等については、無知の人達の集まりだったのではないでしょうか。生きた人間の「前頭葉」の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下というテーマと「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに対応したそのアウトプットとしての認知症の症状に照準を定めて研究し、市町村での住民参加による「地域予防活動」の実践を指導し成果を挙げてきた私たちの目からは、「権威」がどれほどの物であろうとも、単に外観から見た症状を基礎としての空想、或いは憶測の類を出ない程度のものと言うしかないのです。

上記「第二の要件」の問題点に加えて、「DSM-4」が確認を要求している「第一の要件」の問題点について「脳の機能レベル」から説明すると、「第一の要件」と「第二の要件」に関わる症状は、診断時に同時に確認することが要求されているということなのです。言い換えると、「第二の要件」で確認が要求されている失語、失行又は失認の症状が確認されている人の「第一の要件」に規定されている「記憶の障害」の症状というものは、極めて重度のものと言うことになる訳なのです。脳の後半領域の働き具合を判定するMMSEの下位項目に、「時の見当識」という項目があります。「時の見当識」と言う機能が廃用性の機能低下を示すときには、日、年、月、季節、昼夜という順番で機能が衰えていくものなのです。私たちのデータによると、脳の機能レベルが「小ボケ」の段階に在るときは、5点満点の5点、「中ボケ」の段階に在るときは4~2点で、末期の段階である「大ボケ」の段階になると1~0点となるのです。就中、器質的な病変が原因ではなくて、廃用性の機能低下に起因した「アルツハイマー型認知症」の症状としての失語、失行又は失認の症状が確認される「大ボケ」の後半MMSEの得点が一桁になる人達は時の見当識の得点が0点になるのです。

皆さんは驚かれることと思うのですが、「前頭葉」と言う脳機能の機能構造、その働きの活性化や機能低下、就中、廃用性の機能低下の仕組み等について、更には「意識」の機能構造について、世界的にも殆ど分かっていないのです。これまで世界中の専門家達の間で、「前頭葉」は、脳の中の空白地帯と言われてきたのです。未だに殆ど理解されていないのです。私たちは、「二段階方式」と呼ぶ精緻な神経心理機能テストを独自に開発して、(京大のようなマウスではなくて)生きた人間の脳、就中、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う脳機能に照準を定めて、且つ、20年間にもわたって研究を続けてきた上に、北海道から九州まで全国440を超える市町村で実践による成果を確認してきたのです。その核心的なデータが、生きた人間の「前頭葉」機能の廃用性の機能低下に関わる14689例の「脳機能データ」なのです。   

どれほど著名な学者や研究者をどれほど集めてきて、「DSM-4」の規定内容を策定したのか知りませんが、私たちに分かっている程度のことさえも分かっていないと言うしかないのです。「DSM-4」の規定の内容である「第一の要件」及び「第二の要件」共に、規定内容に重大な誤解と誤りがあることは、このブログで既に何度も指摘してきた通りなのです。我が国の学者は、権威というものに弱いのか、「DSM―4」の規定を最初から疑ってもみないのです。そもそも、「第一の要件」が「第二の要件」の基礎(根幹)であるとする考え方自体が重大な誤りを犯しているのです。回復させることが困難な末期の段階である「大ボケ」の段階ばかりに目を向けるのではなくて、回復させることが可能な本当の意味での「早期の段階」、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階における様々な症状とそれが発現してくる基礎(根幹)となっている脳の機能レベル、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに目を向け、これを直視すれば、私たちの指摘が正しいことを容易に理解することが出来るのです。

「第一の要件」に規定され確認が要求されている、「記憶の障害」の症状は「アルツハイマー型認知症」の症状の基礎(又は、根幹)となる症状ではないし、「第二の要件」に規定され確認が要求されている失語や失行や失認の症状を診断の基準にしてしまうと、本当の意味での早期の段階、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させる(認知症の症状を治す)ことが可能な「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落としてしまうことになるのです。脳の使い方としての単調な「生活習慣」に基づくものであり、発病の原因が廃用性の加速度的で異常な機能低下を本質とする「アルツハイマー型認知症」の症状としての失語や失行や失認の症状は、回復させることが困難であり末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半にならないとその発現が確認されない症状なのです。このような症状を診断基準にしていて、「脳のリハビリ」により回復させることが困難になる末期の段階の更に後半の段階で「アルツハイマー型認知症」と診断することに何の意味があるのでしょうか。

我が国の医療現場の実態はと言うと、回復させることが困難な「末期の段階」である「大ボケ」の段階で見つけて、その上、効きもしない「薬」を何種類か処方してもいるのです。「症状を治すことはできないが、早期の段階であれば、ケースにより症状の進行を遅らせることがありうる」とされている薬は、効果の因果関係を判定する上で極めて重要な「生活要因」を見落としているのです(発病後の脳の使い方としての「生活要因」が、「アルツハイマー型認知症」の症状の悪化又は改善に対して、どのように影響するのかについての私たちの『「生活歴」に関する「脳機能データ」』の解析による「影響要因」の類型化については、ここを「クリック」してください)。 

猶、「アミロイドベータ説」という仮説は、アミロイドベータの蓄積により生じてくる「老人斑」(アミロイドベータ蛋白)なるものの毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹き起こす結果として、「記憶障害」の症状(「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状が発現してくる)との「重大な誤解」に立脚しているものであり、「タウタンパク説」という仮説は、タウタンパクの蓄積により生じてくる「神経原線維変化」なるものが情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹き起こす結果として、「記憶障害」の症状が発現してくるとの重大なる誤解に立脚しているものなのです。哀しいかな、両者ともに、「DSM―4」が規定する「第一の要件」の内容が正しいものとしての、その前提に立ったうえでの仮説と言うことなのです。私たちが、『60歳を超える年齢の高齢者であること』を、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」として規定する根拠は、実態面だけでなくて、「脳の機能面」という視点からのことなのです。世界中の認知症の専門家達から長年発病の原因が不明とされてきた「アルツハイマー型認知症」を鑑別するために私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の活用により集積してきた「脳機能データ」の解析結果がその根拠なのです。

それぞれの年齢の判定対象者が多数に上るのですが、6歳から100歳までの人達についての連続した「脳機能データ」が示すもの、それは、「前頭葉」の個別認知機能(理解、了解、了知、了承、考察、考慮、観察、監視、鑑賞、観賞、感動、抑制、反省、内省、忍耐、思索、思考、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、構築、構想、構成、校正、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、追及、究明、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、判断、修正、選択、排除、排斥、除外、分別、分配、確認、確信、決定、決断、支持、指示、指揮、采配、支配、統率、統合、統括等)の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働き(私たちが独自に発見した機能発揮上の「二重構造」の問題)を有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能(以下、「前頭葉」の三本柱の機能という)には、『脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘らず「加齢」と共にその機能が衰えていく』という生来的な性質が誰の脳にも内在しているということなのです。

そのデータによると、『「前頭葉」の三本柱の機能は、「18歳から20歳代の前半の頃」がピークで、直線的なカーブを描きつつ徐々に衰えていくのです。そして、「第二の人生」が始まる60歳代の半ばころには、ピーク時の半分くらいに機能が衰えてきていて、100歳代に向かって、直線的に緩やかに、更に衰えていくのです』。「アルツハイマー型認知症」の発病者数が、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%、100歳代のお年寄りの97%を占めることになるのは、「正常老化の性質」のカーブを色濃く反映した結果なのです。但し、これらの数値は、私たちの区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階にあるお年寄りの全てを含む数値であって、厚生労働省が発表している「大ボケ」の段階だけの数値とは異なるので、その点には注意してください。とは言え、末期の段階である「大ボケ」の人達の数だけでも、460万人を超えているということなのです。

 &「アルツハイマー型認知症」を発病させる原因は、器質的な病変ではなくて、機能の低下、就中「廃用性の機能低下」なのです

認知症の専門家とされる学者や研究者などは、『「アルツハイマー型認知症」の発病は、器質的な病変が原因となっている』と思い込んでいるのです。「アルツハイマー型認知症」を発病して、症状が進行していき、末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半になって初めて発現が確認される失語や失行や失認などの症状が見られていたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」に共通してみられるところの、「老人斑」(アミロイドベータ蛋白の蓄積により発現してくるもの:アミロイドベータ説の根拠)や「神経原線維変化」(タウタンパクの蓄積により発現してくるもの:タウタンパク説の根拠)や「脳の顕著な萎縮」といった器質的な病変に、盲目的に飛びつくのです。機能の低下、ましてや「廃用性の機能低下」(使い方が足りないから機能が衰える)という視点は、プロとしてのプライドから見ると、いかにも素人くさい考え方みたいで、最初から全くのこと問題にはしていないのです。

ところが、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた「脳機能データ」の解析結果によると、「アルツハイマー型認知症」は、脳が壊れても居ないのに(言い換えると、「器質的な病変」が原因で発病する訳ではないのに)、認知症の症状が発現してくるのです。「アルツハイマー型認知症」発病の原因に関して世界中の認知症の専門家とされる人達が主張しているアセチル・コリン説、アミロイド・ベータ説、タウ・タンパク説、脳の萎縮説等の「仮説」は全て、器質的な病変が原因で「アルツハイマー型認知症」を発病するとの「重大な誤解」が前提となった主張に過ぎないのです。器質的な病変が発病の原因だと思い込み、器質的な病変だけを探しているが為に、何時まで経っても真の原因を見つけることが出来ないでいるのです。真犯人は、器質的な病変ではなくて、機能の低下、使われる機会が極端に少ない「生活習慣」に起因した廃用性の機能低下に過ぎないのですから私たちのように、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとその厳密なアウト・プットとしての「症状」という視点で集積した、14689例にも上る極めて多数の「脳機能データ」について、正常な機能レベル、正常下限の機能レベル、異常ではあるがごく初期の機能レベル、中期の前半の機能レベル、中期の後半の機能レベル及び末期の機能レベルという風に、徐々に「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを低下させていくことにより、「脳の機能レベル」に厳密に対応した症状を判別していくと、「アルツハイマー型認知症」の本質が廃用性の機能低下、より詳しく言うと、『「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因して発病してくる』という「発病のメカニズム」を正しく理解することが出来るのです。

我が国の学会の現状はと言うと、認知症の専門家と言いながら、その人達は皆さん全員が、肝心の「前頭葉」には目もくれないで居て、その大半は、「前頭葉」という機能の欠片も有していないマウスを追いかけまわしているだけのことなのです。そうした「権威」がある人達以外の人達はと言うと、そうした権威がある人達が言うことの単なる受け売り、よくて「二番煎じ」と言う程度に過ぎないのです。それらに対し、私たちの主張は、現在の状況下では、『世界に一つだけのもの』なのです。あと数年もすれば、此処に開示している私たちの考えがInternational gold standard(世界標準)として注目を浴び脚光を浴びることになると確信してはいるのですが。似たような主張が乱立するようになる近い将来に予測される状況を回避するために、様々な視点からテーマを選んで、Gooブログ上に私たちの考えを公開してきているのです(著作権法による排他的な権利が自動的に成立し、保証される)。

上述したように、「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能には、脳の使い方としての「生活習慣」の如何に関わらず「加齢」と共に機能が低下していくという生来的な性質(私たちの言葉で言う「正常老化の性質」)が誰にでも宿っているのです。その結果、私たちが「二重構造の関係」と呼ぶ両者の相互関係から、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、行動しようとする上で不可欠の機能である、理解、判断、発想、企画、計画、考察、洞察、ケース・シミュレーション、修正、選択、決定、指示といった「前頭葉」の個別「認知機能」の発揮度が、「前頭葉」の三本柱の機能の各々の及び/又は総体としての発揮度に左右されるという機能発揮上の二重構造の関係にあるとの理解が、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明する上で、極めて重要となるのです。

すなわち、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能という「前頭葉」の三本柱の機能(私たち独自の命名)に生来的に宿る「正常老化の性質」(私たち独自の発見と命名)が存在するが故に、私たちの意識的な世界の構築、統括、支配及びコントロール上、不可欠の機能であり、私たちが置かれている状況を判断し、これから行うべき「テーマ」を発想し、テーマの実行内容を組み立て、実行の結果をシミュ・レーションし、必要に応じてそれを修正し、実行の判断と意思決定に基づいた脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)への実行の指令と言った様々な働きを担う機能である「前頭葉」の「個別認知機能」の発揮度自体も、三本柱の機能の老化のカーブを反映する形で同様の老化の過程を辿っていくのです。

「前頭葉」の三本柱の機能に特有である「正常老化の性質」のカーブの存在及び「前頭葉」の個別認知機能の機能発揮度との相互関係(機能発揮上の「二重構造」の関係)並びに「前頭葉」が構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、私たち人間だけに特有なものである「意識的な世界」の機能構造に関する理解が基礎となって、私たちが規定する「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一の要件」の内容が構成されているのです。私たちが意識的に何かをしようとする世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能とその機能構造に対する理解並びに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定及び当該機能レベルに厳密に対応した症状の判別とその類型化、更には、脳の使い方としての「生活習慣」の経時変化に関わる「生活歴」の類型化は、「アルツハイマー型認知症」の診断及び他の種類の認知症との鑑別、加えて、「アルツハイマー型認知症」と紛らわしい症状を呈する他の病気(側頭葉性健忘症、緩徐進行性失語症、緩徐進行性失行症、老人性うつ症状などの病気)との鑑別を適切且つ正確に行う上で、極めて有効且つ有用な「指標」となり、「手技」となっているのです。「デジタル情報」の処理を専権管轄として担当する役割を担っている「左脳」が主役となって関与する仕事とは無縁の「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢のお年寄りであれば誰でも、意識的な世界での「前頭葉」の個別認知機能の働き具合(機能の発揮度)が、加齢という要素によって機能低下してきているのです。

 & 私たちが規定する発病の「第二の要件」

そうであるとはいえ、「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」であれば誰でも、「アルツハイマー型認知症」を発病するという訳のものではないことは皆さんご承知の通りなのです。発病することになるか、ならないか、両者を区分けている条件とは何か。それが、私たちが我が国だけでなくて世界でも初めて発見し、理論化し、体系化した「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム(原因)に関わるものであって、私たちが規定する発病の「第二の要件」の存在なのです。なお、どこかの仮説とは異なり、私たちの主張には、必ず客観的な「脳機能データ」という証拠が存在するのが特徴なのです。その上、早期の段階で見つけて治した実績も豊富なのです。

〇 私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、『ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の開始とその継続』という問題です

「第二の人生」における日々の脳の使い方としての「生活習慣」が、「アルツハイマー型認知症」を発病するかしないかの決定的な要因となるということなのです。今日は天気が良いなという程度のことであれ何であれ、或は、夫婦間の会話であれ、隣人との季節の挨拶程度のことであれ、又は、旅行についての企画のようなものであれ、私たちが何かを考え、何かについて発言し、又は何らかの行為や行動をしようとする際等「意識的」に何かを行おうとする世界においては全て、三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」という脳機能が、その意識的な世界を構築し、統括 し、支配し、コントロールしていて、自分が置かれている状況の理解や了解や判断、状況判断に沿ったテーマの発想、発想したテーマの実行内容の企画や計画、実行すべき内容の実施の経過、態様及び結果についての洞察、推理、シミュレーション、シミュレーションの結果に基づく修正、更には最終的な実行の内容、程度及び態様の選択並びに実行の決定とそれに基づく「三頭の馬」に対する指示を行っているのです。その「前頭葉」を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」習慣が継続する下で廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことによって、「アルツハイマー型認知症」の発病が惹き起こされてくるという訳なのです。なお、廃用性の加速度的で異常な機能低下は、私たちが規定する発病の「第一の要件」と「第二の要件」とが「同時に」充足されることにより、その「相乗効果」によって、起きてくることなのです。

 様々な程度及び態様での発現が見られる「アルツハイマー型認知症」の症状は、第一義的には「前頭葉」の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因するものであり、第二義的には「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因するものであり、当該「前頭葉」の機能低下を中核の要因(根幹)としつつ、且つ当該「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の機能低下とが同時に進行していくという条件下での、廃用性の機能低下の進行の度合いに相応した「前頭葉」を含む脳全体の総体としての機能レベルの直接のアウト・プットそれ自体が認知症の症状として発現してきているものなのです。そのことの故に、「前頭葉」を含む脳全体の「総体」としての機能レベルの衰えの進行につれて、その「症状の程度」自体も重くなっていくという特徴的な性質を有しているのです。このブログ中で何度も指摘しているように、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現自体も、更には症状の重症化も、アミロイドベータ蛋白の蓄積とその量とも無関係であり、タウタンパクの蓄積とその量とも無関係であり、脳の萎縮の程度とその拡大とも無関係なのです。器質的な病変ではなく、廃用性の機能低下の進行が発病及び症状重症化の真犯人なのです。プロという邪魔なプライドをかなぐり捨てて、今までは見向きもしてこなかった機能低下、就中、「廃用性の機能低下」と言うテーマに着目し、挑んでいただきたいのです。その場合、マウスには前頭葉と言う脳機能がないので、必ず生きた人間の「前頭葉」を対象にしていただきたいこと、その際は、CTやMRIやPET等の機器は、ものの役はにたたないことを老婆心ながら重ねて付け加えておきます。

「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者にとって、生来的な性質として、誰の「前頭葉」にも宿る「正常老化の性質」が進行していく過程で、「前頭葉」の出番がそれなりに確保されていて、自分なりの目標があり、自分なりに喜びや生き甲斐を覚えるときがそれなりに有ると言う日々の脳の使い方としての「生活習慣」の場合には、緩やかで直線的なカーブを描きつつ「前頭葉」の機能が「正常な機能レベル」を保った状態の下で、「加齢」と共に衰えていくものであるのに対して、日々の生活面で「前頭葉」の出番自体が極端に少ない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されているお年寄りの場合には、「正常老化の性質」による機能低下に加え、廃用性の機能低下という条件が加重されることとなるので、両者の相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、加速度的で異常な機能低下が放物線のような急激なカーブを描きながら進行していくこととなり、且つその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。猶、ここで注意して頂きたいのは、発病の「第一の要件」を満たしていても、同時に「第二の要件」を満たしているのでなければ、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないということなのです。同じく、発病の「第二の要件」を満たしていても、同時に「第一の要件」を満たしているのでなければ、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないということなのです。「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることが、「アルツハイマー型認知症」発病の条件となるのです

 左脳も右脳も運動の脳も、それらの全てが未だ「正常な機能レベル」に在って、脳全体の司令塔の役割を担っていて、三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが「異常な機能レベル」に在るその段階を私たちは、「軽度認知症」(小ボケ)の段階と名付けているのです。なお、「アルツハイマー型認知症」の場合は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていく状況下では、「前頭葉」を含む脳全体の機能が更に加速度的で異常な機能低下を進行させていくので、そのことに厳密に対応した形での症状の重症化が進行していき、「小ボケ」の段階に次いで「中等度認知症」(中ボケ)の段階があり、最後に末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです。注意すべきは、「アルツハイマー型認知症」の場合には、必ずこの順番で「症状の重症化」が進んでいくということなのです。

猶、「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在ることの反映として、「前頭葉」の機能障害の症状が認知症の症状として発現するものであるのに対して、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階になると、「前頭葉」の機能が更に異常な機能レベルに衰えてきていることを中核(根幹)としつつ、且つ、左脳、右脳及び運動の脳自体も廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなることが加重される条件下で、「前頭葉」を含む脳全体の総体としての機能レベルのアウト・プットそれ自体が認知症の症状として発現してくることになるのです。又、「大ボケ」の段階では「中ボケ」の段階のそれよりも「前頭葉」の機能並びに左脳、右脳及び運動の脳の廃用性の機能低下が更に進行した状態に在るのですが、失語や失行や失認の症状が確認される段階では、「前頭葉」の機能がほとんど働かなくなってきていることを理解すべきなのです。外観的に同じ失語、失行、失認の症状と言ってもそれらは、廃用性の機能低下に起因したものであって、器質的な病変に起因して発現してくる失語や失行や失認の症状とは症状発現の機序が全く異なることを理解すべきなのです

例えば、典型的な「大ボケ」の段階の症状である「汚れた下着をそのまま平気で着ている」とか「服を一人では正しく着られず、上着に足を通したりする」とか「風呂に入ることを嫌がり、入っても身体を洗おうとはしない」等の症状は、「記憶の障害」がその根幹にあるのではなくて、廃用性の機能低下に起因した「前頭葉」の機能障害がその根幹にあるが故に起きてくるものなのです。「前頭葉」の機能がほとんど働かないレベルに衰えてきているので(失語や失行や失認の症状の発現が確認されるレベルの人達は、MMSEの下位項目である三段階口頭命令の得点が0点になってしまうのです)、自分が置かれている状況の理解が出来ないし、実行すべき行為や行動の内容を組み立てることが出来ないでいるが故のことなのです。認知症の専門家達とか言いながら、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそのアウトプットとしての認知症の症状と言う視点を持っていないし、判定する上で不可欠の肝心の「手技」さえも持っていないので、単に外観から想像し、憶測で言っているに過ぎないのです。私たちは、客観的で極めて精緻な「脳機能データ」の解析結果に基づいて主張し、権威の問題点を指摘しているのです。

 「アルツハイマー型認知症」の場合は、廃用性の機能低下に起因して症状が発現してくるので、然も、廃用性の機能低下であるが故に最初に「前頭葉」が、次いで左脳、右脳、運動の脳という高度な機能から順番に衰えていく(少しずつ遅れるタイムラグの下で同時進行していく)という規則性の存在、衰えていく明確な順番があることを上掲の「MMSEの下位項目のデータ」が示唆しているのです。従って、介護に携わる人達は、回復の可能性という視点から私たちが三段階に区分している「小ボケ」(「脳のリハビリ」により回復させることが容易)、「中ボケ」(「脳のリハビリ」により回復させることが未だ可能)及び「大ボケ」(「脳のリハビリ」により回復させることが困難)の各段階の症状が発現してくるその基礎(根幹)となる「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについて並びにその総体としての機能レベルのアウトプットとしての症状自体もそのことを反映したものとなることを理解し、そのことに留意することが、適切な対応及び「介護」を行う上で極めて重要となることに留意していただきたいのです。特に、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「大ボケ」の段階にある「お年寄り」を「介護」する際には、この点に対する理解(「前頭葉」の機能がどの程度残っているのか及び発現してきている症状がどの段階のものなのか)が必要不可欠のものとなることを問題提起しておきたいのです。

なお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」とは、脳の使い方という視点で言うところの「生活習慣」であって、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」のことを言います。「第二の人生」では、「第一の人生」で主役であった仕事とは無縁の人生になります。仕事は、関連情報を処理する上で「左脳」が主体となります。言葉や計算や論理、或は、場合分けなどデジタルな情報は、「左脳」が専管事項として処理に関わるのです。「仕事」とは無縁の日々が延々と果てしもなく続いていくのが、世界でも類を見ないと言っていい程の規模での高齢者を擁する状況下で「超高齢化社会」を実現した我が国、日本のお年寄りの毎日となるのです。

「第一の人生」では、勉強や仕事の脳である「左脳」を駆使して、周りに遅れまい、負けまいとして、家庭を顧みることさえもなく、会社人間と呼ばれながら、身を粉にして働き頑張ってきた貴方、「第二の人生」では、「右脳」を中心にした生き方、周りの目を気にすることなく、周りと自分とを比較することなく、自分らしい生き方を追求し、自分なりの目標があって、自分なりに喜びや生き甲斐を覚えられる機会がそれなりに有るような、そうした「生き方」、「生活の仕方」を追求していただきたいと願うのです。

コーヒーブレイク)誰でもが、80歳とか90歳になる年齢まで、「第二の人生」を生きていくことになる訳です。「アルツハイマー型認知症」を発病することになるかならないか、どの年齢に達するまで発病しないで済むか、そのことは、本人や家族にとっては言うまでもないことなのですが、市町村や国にとっても極めて重要なポイントなのです。「アルツハイマー型認知症」の診断、投薬及び介護に関わる国の総費用が、2015年度ベースで15兆円という天文学的な規模に達していて、この先その額の規模は増大の一途を辿るものと予測されているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防と早期診断による認知症の症状からの回復(「治す」こと)を具体的に可能とする現実的で極めて有効な施策、住民参加型の「地域予防活動」を我が国の全市町村で、更には、小さな地域単位で蜜に実践する(実施単位が小さく、活動が蜜であればあるほど効果的)という市町村(実践面での主体)及び国(財政面での主体)としての「テーマ」が、「喫緊の課題」となってきているのです。

『アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないタイプの認知症である』との主張は、完全に誤った内容のものであり、「アルツハイマー型認知症」こそが、発病自体を予防することが出来るし、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ治すことが出来るタイプの認知症なのです。末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)で見つけていることにも気づかないで居て、末期の段階であるが故に治すことが出来ないことにも気づかないで居て、『「アルツハイマー型認知症は、予防することも、治すこともできない」タイプの認知症である』と広言して、何もしないで、放置している勢力にとって、我が国は、欲しいままに売り上げを稼げる極めておいしい国なのです。

 &「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復とを明確な活動目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実施、全国的な展開を国策として実施するよう、政府に及び国会議員に対し、今こそ皆さんが声をあげ、声を大にして、強力、且つ熱烈に要求すべき時なのです

「第二の人生」に入っていく「高齢者」の人口増加につれて、認知症の発病による要介護者の数も増加していき、同時に介護関連の総費用が増大の一途を辿るという中で、結婚年齢の高齢化と結婚者数の減少に起因した出生者数の減少という社会現象が近年の顕著な傾向として続いているのです。そうした状況に対し手をこまねいて居てこのまま放置したままで居ると、我が国は衰退の一途を辿っていくことになってしまうのです。現在垂れ流し状態になって膨れ上がってきている介護関連総費用の千分の一でも使い、住民参加型の「地域予防活動」の全国展開により浮いてくる(介護関連総費用が大幅に減少してくることになるので)その巨額なお金をもっとましな政策、20代から30 代の年齢の若者達が、我が国の将来に明るい希望をもって生きていくことが出来て、早期に結婚して家庭を築くことを望み、2~3人以上の子宝に恵まれることを願うようになる日が出来るだけ早期にやってくるようになる為の諸施策と政策、例えば、若年層に対する「子育て支援」及び「教育費補助」等の政策を実現すべき時なのです。他方で、70歳以上の高齢者に対する社会保障費を大幅に削減すべき政策を明確に打ち出すべき時なのです。

予防と早期診断による回復には目も向けないで居て、「介護施設」の拡充や介護施設で働く従業員の待遇の改善を重要な政策であるかのように我が国会で喧々諤々と議論するなど、与党だけでなく野党の議員たちも含めて、本末転倒としか言いようがないのです。マスコミにも一端の責任があると思うのです。どこに目を向け、何を考えているのですか。余りの不勉強に、開いた口が塞がらない状態なのです。

&「アルツハイマー型認知症」の場合は、衰えていく脳機能に厳密で明確な順番があるのが特徴なのです

廃用症候群に属する「生活習慣病」(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)が本質である「アルツハイマー型認知症」の場合には、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続されていく「生活習慣」の下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の(使われる機会が少なすぎる)加速度的で(加齢に起因した「正常老化」の性質による機能低下に加えて、廃用性の機能低下が加重されることにより、それまでの「正常老化」に起因したカーブから逸脱した急速な速さで)異常な機能低下を進行させていくこととなるのですが、このとき「前頭葉」を含む脳全体の機能について、「衰えていく厳密な順番が存在する」ことが重要な特徴でもあるのです。最初に衰えていく機能はと言うと、実は、三頭の馬ではなくて、御者の役割を担っている「前頭葉」の機能なのです。

使われる機会が極端に少ない生活状況が継続されている「生活習慣」の下で進行する「廃用性の機能低下」の際は、高度な機能から順番に衰えていくという明確で厳密な順番があるのです。そして、この衰えていく順番こそ、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの診断を行う上で、極めて重要で不可欠のメルク・マールとなるのです。対象を「アルツハイマー型認知症」に特化した診断の為の手法として私たちが独自に開発し、精緻でありながら簡便に使用できる「手技」として体系化した「二段階方式」を活用して集積した14689例もの「脳機能データ」を解析して、私たちが発見したこの「指標」は、私たちの極めて重要なノウハウなので、このブログ上で詳細を公開することは控えますが、私たちの「二段階方式」の実務手引きである「マニュアル」には、個別のデータやグラフや解説を載せてあります。その概略だけを指摘しておくと、脳全体の機能の中で「前頭葉」の機能が最初に衰えていくこと、「前頭葉」の三本柱の機能で言うと、「注意の分配力」の機能、「注意の集中力」の機能、「意欲」の順番に衰えていくこと、更に言うと、脳の後半領域の働き具合を判定するための有用な手技であるMMSEで判定される「下位項目」についても衰えていく明確で厳密な順番があるのです。

ところで話が突然変わりますが、『御者の「前頭葉」が居眠りし始めたとき、三頭の馬はどこに向かって、どのように走っていけば良いのかが分からないので、馬車は制御不能状態に陥ってしまうでしょう』。私たちの「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能に鑑み、肝心の「前頭葉」の機能自体が異常なレベルに衰えてきたその時から、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合のアウトプットである症状は、異常なレベルのものとなること、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」は始まっていることを理解すべきなのです。

「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全て正常な機能レベルに在る中で、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに衰えてきているのです。このことを言い換えると、『「前頭葉」の機能が正常なレベルに保たれている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対にない』のです。ところで、「前頭葉」の機能が「正常な機能レベル」に在るかどうかは、私たちの「二段階方式」の場合、或る「特定の作業」を被験者に課すことにより「前頭葉」の三本柱の機能が「正常な機能レベル」に在るかどうかを客観的な基準により総合的に判定し、極めて精緻なレベルでの判定が容易に行えるのですが、CTやMRIやSPECTやPET等の機器の使用では極めて困難な「テーマ」であることを併せてここに付け加えておきたいと思うのです。

 & ナイナイ尽くしの単調な生活が始まるには必ず「キッカケ」となるものが存在する

「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」である貴方にとって、「前頭葉」の働きを正常な機能レベルに保ったままで生きていくことが出来なくなれば、その時から、「アルツハイマー型認知症」を発病することになってしまう訳なのです。それまでは正常なレベルに在った「前頭葉」の機能が、異常なレベルに衰えていく要因とその条件とは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていく誘因となる「キッカケ」という要因との遭遇と「キッカケ」を契機として始まったナイナイ尽くしの「単調な生活」の開始とその継続という脳の使い方としての「生活習慣」の問題のことなのです。字数の制限の関係上説明を省略しますので、「キッカケの類型」については、ここを「クリック」して読んでください。

「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りとは言えその全ての人達は、発病前の生活環境、生活状態及び「生活習慣」の下では、「加齢」に起因して進行してくる機能低下、緩やかな老化のカーブを描きつつも(私たちが言う「正常老化」の直線)、肝心の「前頭葉」の機能は正常な機能レベルを保っていたのです。それまで緩やかな衰えを示していた直線が、廃用性の機能低下に起因した機能低下が加重されることにより、両要因が同時に充足されることによる「相乗効果」が起きてきて、「放物線」を描く急激な低下のカーブの下で機能低下を進行させていくことになる時、そこには必ずナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていく誘因となる「キッカケ」としての状況の変化、その状況の発生、或は出来事が存在しているのです。

本人も周りの家族や友人も全く気付かないうちに、なんとなく、或は何時の間にか、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていたと言うケースは存在しないのです。その一方で、「キッカケの類型」を読んでお分かりのように、中には特別のものもありますが、基本的には、「誰にでも、何時でも起きてきそうなもの」ばかりなのです。そうした事象、状況、又は出来事の発生や重大な変化に遭遇したとき、何もしようとはしない不活発な「生活状態」が始まり、半年間から(人によっては)1年間も、ナイナイ尽くしの「単調な生活」、具体的には「前頭葉」の出番が極めて少ない「単調な生活」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」のことを言います)に陥り、その「生活習慣」が継続されていくことにより、「前頭葉」を含む脳全体の機能が加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。その場合、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていく人と、そうでない人とを区分けているものが何かという問題について、以下に詳しく説明していきたいと思います。

 &「キッカケ」となりそうな状況の発生や変化、出来事の発生に対する自身の受け止め方と対応の仕方が第一の「分岐点」となる

「キッカケ」の類型に挙げられているような状況が発生し、出来事が発生したからと言って、そうした状況や出来事に遭遇したお年寄りの全てがナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていく訳のものではないのです。この点が極めて重要なことなのです。

●「キッカケ」となりそうな状況や出来事に遭遇した時、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥って行くのか行かないのか、そのことを「区分ける」要素とは、「第一義的」には当事者本人の受け止め方と対応の仕方という問題なのであり、「第二義的」には周りの家族又は友人という人的環境による支えの有無という問題なのです。

●本人と支えるべき周りに居る人達に期待される、あるべき対応の姿とは

ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていくお年寄に観察される共通的な特徴と言えば、次の二点に集約されることになるのです。一つ目の要素としては、自分が遭遇した状況や出来事の発生により、それまで自分が「第二の人生」で、自分なりに、それなりに、自分らしく、喜びや生き甲斐を得られる機会があって、達成すべき楽しい目標などもあって、勇気づけられて生きてこられた最も重要な基礎となっていた「生活習慣」を奪われてしまうことなのです。同様のものが他にもいくつかあれば、それなりに自身に言い聞かせて対応することも可能なのですが、「それが唯一のもの」であった場合は、失ったショックが大きすぎて、自身がどう対応したらいいのかを組み立てることが出来なくて、何かを考え、何かをしようとする基礎機能である肝心の「意欲」が急速に衰えていってしまうのです。

そうでなくても、「意欲」という脳機能について、「正常老化の性質」に起因した機能低下が進行してきている上に、ショックが重なって、「意欲」自体が低下してしまい、何も考えようとはしない、何も行動を起こそうとはしない、何もしようとはしない不活発な「生活状態」が始まって行くのです。踏みとどまって、頑張って這い上がっていこうとする「意欲」を喪失した不活発な「生活状態」が継続しているうちに、毎日の生活自体がナイナイ尽くしの「単調な生活」を誘発して、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」が日々継続されて行き、「生活習慣」化してしまうことになるのです。このことは、私たちが「二段階方式」の手技を活用して、「アルツハイマー型認知症」を発病していったお年寄りの過去数年間の「生活歴」を詳細に聞き取る作業の集積により見えてきたものなのです。

二つ目の要素は、本人を取り巻く周りの「人的な環境」の重要性の問題です。『何も考えようとはしない、何もしようとはしない不活発な「生活状態」にあるということは、すなわち脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の個別認知機能の働き具合を左右し、支えている「前頭葉」の三本柱の機能が、必要なレベルで働いてくれない』状態に在るということなのです。その結果として、自分が今置かれている状況から這い上がっていこうにも、何をどのようにすればいいのかが分からないし、這い上がって行って、元の生活状態を取り戻そうとする努力をする意欲が湧いてこないのです。「意欲」と言う機能は、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける機能の一つであり、「前頭葉」の「個別認知機能」の発揮度の基礎を構成している(発揮度を左右し、下支えしている)機能なのです。私たちの「意識的な世界」、意識的に何かをしようとする世界、自分が置かれている状況を理解し、判断して、「キッカケ」となる事象との遭遇以前に自分が「第二の人生」を活き活きと生きていく上での拠り所となっていた「生活習慣」を取り戻す為に必要となる努力が出来ない状態、脳の機能面から言うと、様々なテーマの発想や実行内容の計画、或は実行の為の手段の組み立て、実行結果のシミュレーションなどを行う上で必要不可欠である「意欲」自体が働かなくなっている状態に在るのです。

本人自身が意欲を大きくそがれていて、自分らしく生きていく上でその基礎をなしていた従前の「生活習慣」を取り戻すために不可欠となる「意欲」を喪失した精神状態にあり、何もしようとはしない(正確には、脳機能的に出来ない)不活発な「生活状態」にあるのです。このことを、支えようとする立場にある周りの家族や友人が、先ずは、正しく理解することが先決となります。『どうして、何もしようとはしないの?』と叱責したり、言い募るのは、まさしく、「百害あって一利なし」なのです。

現在本人自身が置かれている精神状況及び生活状況並びに「キッカケ」となった状況の発生や変化或は出来事との遭遇について、詳しい理解と把握とが不可欠となるのです。為すべきことは、単に激励したり、或は叱責したり、非難したりすることではなくて(こうした行為は、絶対にしてはならないことなのですが)、本人が失われた従来の「生活習慣」(自分らしく生きていく上でその基礎をなしていた従前の「生活習慣」)を取り戻すため、或は、それが困難な状況や事情に在る場合は、家族の支えと後押しにより、本人が最終的に選択した自分らしく生きていく上でその基礎となり得るような新しい「テーマ」の追及と実践を「生活習慣」化していくことにより、従来のように自分なりに喜びや生き甲斐が得られる基礎としての「生活習慣」として評価することが出来て、生き生きとした自分を取り戻せるようになるまで、しっかりと後押しし、支えてあげることが必要不可欠なこととなるのです。私たちは、日々遭遇する様々な場面で、常に一定の方向性及び指向性の下に、実行すべき発言の内容や行為の内容及び態様を選択することが出来るのですが、それは、私たちの「前頭葉」という脳機能に、自分独自の「評価の物差し」が備わっているからなのです。当然のことながら、新しい「テーマ」の追及、或は遂行の過程で、本人独自の「評価の物差し」が、失われた従来の「生活習慣」(自分らしく生きていく上でその基礎をなしていた従来の「生活習慣」)に代わり得るものとして新しい「テーマ」の実践を同等或はそれ以上のものとして評価してくれることが、ナイナイ尽くしの単調な生活から脱出していき、且つ、それ以降も、自分なりにイキイキとした「第二の人生」を取り戻していくことに繋がるのです。

「キッカケ」との遭遇により「意欲」を喪失してしまい、自分が置かれている状況への対応が出来なくて、何もしようとはしない(出来ない)不活発な「生活状態」が始まり、その状態からの脱出に失敗したときは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々繰り返されることとなり、半年から1年後には、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです(なお、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを判定するという脳の機能面からの鑑別ではなくて、外観的な症状だけの観察から「生活不活発病」と呼ぶ人達が一部に居るのですが、「アルツハイマー型認知症」を発病していて、「小ボケ」の段階の症状が発現してきていることを知らない人達なのでしょう)。私たちが類型化した「小ボケ」の段階の症状をつぶさに観察してみれば、それらの全てが、「前頭葉」の三本柱の機能が異常な機能レベルに在ることのアウト・プットそのものであることが理解できるのです。

 注)本著作物(Bー77に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


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アルツハイマー型認知症の原因、治療と予防の方法-総集編(B-65)

2016-08-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

             一億総活躍社会達成への具体策の        提            言 

「アルツハイマー型認知症」発病の予防を目的とする特定市町村での「地域予防活動」の実証を基礎に全国の市町村における実施を将来的な課題とする実証研究の提言                                                                                                        (有) エイジングライフ研究所

   あれもこれもナイナイ尽くしで、

          出番が少ない脳は老化を加速する 

      

&14エイジングライフ研究所が活動展開の一時期に経験した事

今回の「実証研究PRJ」で提案するものと似たやり方、「二段階方式」を活用した「アルツハイマー型認知症」の早期発見及び回復並びに発病自体の予防を明確な目的とした「地域予防活動」の実践展開は、厚生省出身の浅野宮城県知事の指示の下に、その時代に、宮城県下の相当数の市町村で実践されたことがありますが、当時は、保健所が宮城県内の市町村に対する広報及び指導の役割を担いました。また、市町村の平成の大合併以前のことなのですが、「二段階方式」の有効性の広報、「二段階方式」の導入にかかる財政面からの支援及び実施する地域の拡大を指導する役割を幾つかの「国民健康保険団体連合会が担っていました(石川県、宮崎県、大分県、北海道の4つの連合会は、当時大きな役割を果たしました)

更には、平成11~13年度には、「国民健康保険中央会」が「二段階方式」の導入費用及び実務研修会の受講費用を負担する形で、市町村への導入拡大に大きな役割を果たしました。また、平成12年度には、厚生省保険局国民健康保険課)の指導により、市町村の国民健康保険担当新任課長を対象とした特別講座が実施されました(講座のタイトルは、「早期痴呆予防活動の推進」)

(注)それら様々な公的な機関による企画の試みの中での最も大きな出来事と言えば、1998年頃のことだったと思いますが、厚生省の尾嵜課長に呼ばれて、「二段階方式に基づく地域予防活動を全国的に展開してほしいこと及び国がそれを全面的に支援する」との要請を受けましたが、私たち自身が未だ年齢が若くて、ライフスタイルとの関係でお断りした経緯があります。今にして思えば、極めて画期的な「テーマ」のご提案だったのですが、お断りしたのは、若気の至りとしか言いようがありません。「アルツハイマー型認知症」の専門家と言う触れ込みで、多数の医師達がテレビに出てきて、未だに「前頭葉を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が本質と言う視点を全く欠いている」出鱈目の内容を物知り顔に語るのを度々見るにつけ、今にして思うと慙愧に堪えません

&15「地域予防活動」の全国的な展開の基礎となる「実証研究PRJ」に期待する役割

○ 「二段階方式」の手技の活用による「地域予防活動」の有効性及び有益性についての実証的研究と基礎的データの追加収集及びそれらの解析による評価

アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及びその本質が、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」である(但し、この場合に言う生活習慣とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」を言うことに注意)とするエイジングライフ研究所の主張内容についての実証研究を公的なPRJとしてその費用負担の下で行い、主張内容の正しさと「発病自体の予防」及び「早期診断による回復」により達成される「介護費用の削減効果」としての有効性及び有益性を確認すること並びにその実証研究の成果をエイジングライフ研究所と共同する形で学会発表することなどに対する支援を行うこと

啓蒙、広報及び財政面からの支援活動を期待

(1)「アルツハイマー型認知症」は、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する(機能レベルを向上させ、或いは改善させる)「生活習慣」の構築と実践により、発病からの「回復」も発病自体の「予防」も両者ともに「可能」であると言う考え方を、「地域予防活動」の導入と展開を企画する市町村の住民に広めることが重要、且つ不可欠であり、「認知症予防講演会」の開催に対する支援(市町村と共催者となること及び費用の負担:エイジングライフ研究所が派遣する講師に対する講師謝礼並びに交通費及び宿泊費実費の負担による支援)を行うこと

(2)小冊子アルツハイマー型認知症は防げる治せる」の配布(「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム、回復の可能性と言う視点から「三段階」に区分される段階的症状の類型、発病からの回復の為の「脳リハビリ」の考え方、発病自体を予防する為の「脳を活性化させる生活習慣」の考え方等のテーマについて、分かり易く解説したものであり、住民が読み返すことにより、「アルツハイマー型認知症」についての正しい知識を獲得し、「地域予防活動」を開始し、継続させていく上での重要な基本書となるもの。「講演会」に参加した住民/使用を希望する住民に導入市町村が無償で配布する為の購入費用の負担)による支援を行うこと

(3)「脳イキイキ万年カレンダー」(あなたの脳を活性化する)の配布(「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる「テーマ」を標語化して、解説したものであり、住民が脳を活性化させる自分なりの「生活習慣」を構築し、実践していく上での重要な指針となるもの。「講演会」に参加した住民/使用を希望する住民に導入市町村が無償で配布する為の購入費用の負担)による支援を行うこと

(4)「私の脳イキイキノート」(脳を活性化させる春夏秋冬)の配布(「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる自分なりの「テーマ」を「四季」の単位で見つけて、日常の生活面で具体化させるための様式化されたノート。「講演会」に参加した住民/使用を希望する住民に導入市町村が無償で配布する為の購入費用の負担)による支援を行うこと

(5) 「二段階方式」を導入して「地域予防活動」を実践している「市町村」に対しての経済的支援(「使用許諾契約」の締結に基づく「二段階方式」の手技の有償期間中の使用料及び「二段階方式」の手技の実務指導に関する「実務研修会」受講者の受講料の負担による支援 )を行うこと

&16「地域予防活動」の成果の評価及びその情報提供の役割

広報、情報収集及び情報提供機能

(1)    エイジングライフ研究所が独自に開発した「脳機能データ」管理ソフトの活用

ソフト「エイジング」(「前頭葉」を含む脳全体の活性化を目的とした「生活習慣」の改善活動の効果についての判定ソフト)であり、個別に及び各教室或いは地域単位で、更には男女別に、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの経時変化を判定し、脳の使い方としての「生活習慣」の改善に起因した脳機能の改善の効果を判定(「改善、維持、低下」による区分で客観的な基準により判定するもの)できるソフトで、「二段階方式」の導入市町村が活用することにより、「客観的な基準」により評価された活動の結果を集積及び分析して、予防活動の効果(成果)を当該市町村並びに導入に関心のある他市町村に広報し、参考資料を提供すること。

(2) 「地域予防活活動」の実践拠点となる「予防教室」(脳イキイキ教室など名称は、様々)で実践されている「脳を活性化させる生活習慣」の様々な類型とその実践の環境及び態様についての内容を分析し、効果的な「テーマ」の内容とその実践の手法や態様の概要を「パターン化」すると共に、他の導入市町村に対して情報提供し、交流活動を支援すること

(3) 「地域予防活動」について、各市町村単位での「実践発表大会」の共催

導入市町村内の各自主活動地域で実践されていて、脳活性化テーマの実践活動の発表と啓蒙及び広報を目的とする「地域予防活動」の発表大会を当該市町村との共催により年に一回開催し、「地域予防活動」の活性化を図ると共に、地域住民に対し「アルツハイマー型認知症」の発病の予防についての啓蒙及び広報活動を行うなどの支援を行うこと

(4) 「地域予防活動」について、各県単位での「実践発表大会」の共催

県内の導入市町村で実践されていて、各市町村を代表する脳活性化テーマの実践活動の発表と啓蒙及び広報を目的とする「地域予防活動の発表大会」を当該の県との共催により年に一回開催し、「地域予防活動」の活性化を図ると共に、未だ導入していない県内の他の市町村の住民に対して、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防についての啓蒙及び広報活動を行うなどの支援を行うこと

(5)「 地域予防活動」について、「地域予防活動甲子園大会」の主催

導入市町村で実践されていて、各県を代表する脳活性化テーマの実践活動の発表と啓蒙及び広報を目的とする「地域予防活動甲子園大会」を主催により年に一回開催し、「地域予防活動」の活性化を図ると共に、未だ導入していない/導入のテンポが遅れている他県の市町村に対して、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防についての啓蒙及び広報活動を行うなどの支援を行うこと

政府機関との協働活動を展開するための役割

「地域予防活動」を展開する上で基本的な理解として重要なことは、出来るだけ小規模の地域単位で、且つ出来るだけ密な活動を実施することが、より効果的な活動につながります。そのためには、予防教室(脳イキイキ教室、認知症予防教室等)を開催する場所の問題があり、例えば公民館を活用したり、廃校を活用したり、空いていて活用されていない公共の建物などを活用する必要があります

それを実現する上で、関係する政府機関との連携を実現させていく為に、「地域予防活動」の意義及び効果を関係する政府機関に対して広報及び啓蒙する必要があり、その期待される役割が重要なのです

 &17 脳が活性化する「生活習慣」の類型化と資料の集積

「実証研究PRJ」の展開の過程で、「前頭葉」を含む脳全体の機能の活性化の為に有効な脳の使い方としての生活習慣に関する具体的な実証例からの情報の収集と分析により、「脳がイキイキとなる生活習慣」の類型化を図り、「二段階方式」の手技に基づき「地域予防活動」を展開している市町村に対し、情報提供することが重要なのです

 &18 「一億総活躍社会」を創出する上で時代の要請ともなっている「女性の雇用創出」事業としての「地方」での開拓及び展開の支援

(1) 市町村が「二段階方式」を導入し、定期的に「前頭葉」を含む脳全体の働き方の具合(「脳の機能レベル」)の判定と「生活改善」指導が受けられる(年2回)システムの実践を推奨

(2) 介護事業者が早期診断による改善指導に特化した介護予防事業を当該市町村から請け負い及び介護事業者が「二段階方式」を導入して、定期的に脳機能レベルの判定と生活改善の指導を行うシステムを構築し実践する(静岡県牧之原市、新潟県十日町市の事例があります)上での費用の一部支援を行う

(3) 介護事業者が「二段階方式」を導入して、脳を活性化(「前頭葉」を含む脳全体の機能の活性化)する生活体験により、「アルツハイマー型認知症」の発病自体を「予防」しながら高齢者同士が助け合いつつ日常の共同生活をする事業を支援する(対象者は、脳機能が正常レベルの者と小ボケレベルの者を対象とする:事例としては、山形県米沢市の「有限会社なごみの部屋」があります)

(4) 上述の介護予防事業は、小さな地域単位で、且つ密に実施すればする程参加者の「前頭葉」を含む脳全体の機能の改善効果が期待できるのです。別の視点から見れば、女性を活用する「新規の職種」が世の中に(日本中の全ての市町村の小規模の地域にまで広く)生み出され及び高齢化率が高い「地方の市町村」の活性化にも大きく寄与することが期待できます

(5)「アルツハイマー型認知症」を発病して症状が進行し、要介護状態に陥った時に備えて、消費行動を抑制し、単に貯蓄に励むだけの生活を送っているお年寄り達に対して、「アルツハイマー型認知症」の発病を自身が予防することを明確な目的意識に持ち、「第二の人生」を生き生きと生きる為に趣味や遊びや交遊を活発に行う為の環境づくりとしてリビングや浴室を改装する場合には、「地域予防活動」として展開されている「予防教室」への積極的な参加を条件として、一定の基準により、助成金を支援して、お年寄り達の消費活動及び生き甲斐活動を活発化させるのです

注1認知症の大多数、90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」なのです。その発病者達はというと、60歳を超える年齢の「高齢者」なのです。消費に貢献することもなく、留まることを知らない「介護費用」の増大の主因でしかない「高齢者」達の現状は、「第二の人生」を生きていく上で、社会の重荷でしかないのです。そうした高齢者が、「地域予防活動」に積極的に参加して、自分自身の日々の「生活習慣」の改善に向けた意識が向上することにより、「アルツハイマー型認知症」の発病のリスク自体が大幅に軽減されることになり、現状で年間15兆円を超える規模の「介護費用」(診断、投薬及び介護の費用の総額)が劇的に減少していく好結果を生み出し、更には、趣味や遊びや人付き合いと言ったテーマについて、生き生きとした活発な日常生活行動が生活習慣化されることにより、消費活動にも貢献することが出来るようになるのです。従来の、要介護状態に陥る日に備えて消費活動を抑制し貯蓄に励み「お迎えが来る」日を単に待つだけの消極的な第二の人生が激変して、自分なりのテーマを選択して、自分なりの夢や目標を設定して、自分らしさを追求する「生活習慣」の構築と実践とにより、自分なりの「生き甲斐や喜びや感動」が得られる積極的な「第二の人生」を送る時代がやってくることになるのです

注2)上述のように、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下を本質とする「アルツハイマー型認知症」の場合、発病する対象者は、60歳を超える年齢の「高齢者」だけなのです。50歳代での発病というのは、ほとんど無いか、極めてまれなケースなのです。『働き盛りの50歳代で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』という報道は、全くの誤りなのです。≪若年性≫という枕詞は、「生まれつき特定の遺伝子の異常が確認される人達」だけに発病する「アルツハイマー病」というタイプの認知症に特有のものなのです。認知症全体に占める割合も、「アルツハイマー型認知症」が全体の90%以上を占めるのに対して、「アルツハイマー病」の場合は1%を占めるにすぎないのです。両者は、発病の原因≪メカニズム≫自体が異なるし、発病後の症状の進行速度も、脳のリハビリによる回復の可能性も、発病自体の予防の可能性という点についても全く異なるタイプの認知症なのです。両者の共通点はと言えば、死後の脳の「解剖所見」が似ているというだけのものなのです

権威ある機関や人達」が主張しているからと言って、その主張がすべて正しいという訳ではないことは、皆さんよくご存じのことでしょう。認知症の専門家とされる人達の主張或いは、某テレビ局得意の報道番組の内容は、その典型なのです。「前頭葉」の機能レベルを判定する考えも手技さえも持たない学者が、重度の「記憶障害」の症状さえ確認されると、全て「アルツハイマー型認知症」だと考え違いをしているだけのことなのです。重度の記憶障害の症状を一つの特徴としつつも、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在るのが特徴である「側頭葉性健忘症」と混同していたり、更には、別の特殊な病気である「緩徐進行性失語」や緩徐進行性失行」などの病気と混同しているのです。「うつ病」と間違えている場合もあるのです

(6)さらに付言すれば、上述の事業を展開し地方及びお年寄り達の消費行動を活性化させるために必要な支援資金は〔(5)の改装費用の助成金を含む)〕、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の「予防」の効果と早期診断による「回復」の成果とによって、現在何等の対策が実施されていない状況(蛇口が開きっぱなしの状況の下で、水があふれだして、介護保険制度が財政面から破綻の危機に在る状況)の中で「介護」の対象でしかない「大ボケ」レベルの発病者数の大幅な削減効果により十分に賄うことが期待できるのです

注1)現行の「介護保険」制度の下では、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の人が認知症の発病者として介護保険の適用の対象とされるケースは極めて少なく、介護保険制度適用の対象者の大半は認知症の末期段階の症状が出てきている「大ボケ」レベルの人達なのです。然も、「大ボケ」レベルの人は、正常なレベルは愚か「中ボケ」レベルへの回復さえも期待できないので、その対策方法は、「介護」の途しか残されていないのです

介護保険費用のとめどない増大支出に不安を抱いて、家族介護の方向に舵が切られつつありますが、「大ボケ」の段階にあるお年寄りを「家族が介護する」制度下では、介護する側の家族自身も共倒れし、介護側の家族の人達の人生自体が失われていくことになります(「介護離職」の社会現象化)

「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」と早期診断による「回復」を目的とする「地域予防活動」の全国展開を制度化することで「家族介護」の必要性は激減することになるのです。「大ボケの段階のお年寄り」こそ、「介護保険」で全面的に対応できる体制を構築すべきなのです

 注2)「アルツハイマー型認知症」は、基本に脳の老化という条件(私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が「生来的な性質」として抱えているもの)が存在するので(「生活習慣」の内容の如何に関わらず生じてくるものであり、「前頭葉」機能の加齢に伴う老化現象であって、私たちはそれを「正常老化」の性質と名付けています。私たちが規定する「発病の第一の要件」)、何等の対策を講じないままでいると、高齢になるに従って「アルツハイマー型認知症」を発症する危険が更に高くなっていくのです。何かを「キッカケ」にして(周りから見れば、ほんの些細な事でも、本人にとって意欲を喪失させるような出来事であれば)、廃用性の機能低下をもたらす原因となるナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まることになるのです(私たちが規定する「発病の第二の要件」)

その上、「小ボケ」は「不活発病」とかの名前を冠されるだけで及び「中ボケ」は「年のせい」(老化現象)として放置されているのが、現状なのです。従って、「中ボケ」及び「小ボケ」レベルの人の「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常レベルに回復させる為並びに正常レベルにある者を正常レベルのままで保たせる為に、「地域予防活動」が必要不可欠であり、その実施品質が高く、展開の規模が大きいほど、「介護費用」の削減効果が加速されることが期待できることにもなるということなのです

(6) 「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定及び私たちが回復の可能性と言う視点から区分する「三段階の症状」のレベルの判定並びに正常なレベルに回復させるための生活改善(「脳のリハビリ」)指導を実施すると共に「前頭葉」を含む脳全体の機能の活性化を目的とした生活改善体験をテーマとする「短期滞在型の体験ツアー」事業を、特定市町村(Ex.長野県上高井郡小布施町)での、先駆的な事業として試験的に実施してみることを提言したいのです。地域の活性化、地方の活性化にとって、この「テーマ」の実施は、極めて多大な貢献が期待できるのです

注3)森林維持の為の伐採作業で出てくる「間伐材」を活用して、更には「空き地」を活用して、簡易な台所と便所を併設した「平屋建ての建物」を小地域ごとに建設し、周辺の高齢者達が集って談笑する場(「交流の駅」)とすることも、「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」と言う視点から極めて有効な施策となるのです。お年寄りが家に籠って、人と交わることもなく、且つ為すこともなく日々を過ごすのは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続に直結していて、「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが高くなる大きな要因の一つだからです。出来るだけ小さな単位での「地域コミュニティーの活性化」という政策の実施が、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防に必要不可欠で、喫緊の課題であり、且つ最善のテーマとなることを政治家及び官僚の皆さん方に指摘しておきたいのです。

 &19 専門職としての女性の雇用の創出と地方の小地域の活性化

(1)  地方の創生が期待されながらも、有効で且つ即効的な政策や対策が具体的な施策として立ち上がってきていない現状に鑑み、地方の市町村における「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を目的とした「地域予防活動」の全国的な拡大展開は、直接的には、時流に沿った「女性専門職の活用」という時代が要請している「テーマ」に最適、且つ「新規の専門職としての職種」の開発と「女性」の雇用機会の創出及び高齢化と過疎に悩む地方の地域の活性化並びに高齢者の消費活動の活発化による相当程度の経済価値を生み出すことに寄与することになるだけでなく、或いはそれ以上の効果として、既に年間15兆円を超える規模に達してしまっている「アルツハイマー型認知症」の発病と要介護状態の老人の増加に伴い増大し続ける医療費(診察費用、投薬費用及び介護費用の総額)の削減にも多大な効果をもたらすことになると期待できるのです

(2)   本事業の体験者に対しては、対象者の脳の機能レベルごとに、上述の「小冊子」等を配布して、その視点を取り入れた「生活習慣」の構築と実践(「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する「生活習慣」を確立させる日常生活を実践)の指導を行うこととします

 &20 「実証研究PRJ」による「地域予防活動」事業の対象者

私たちがこれまでに集積してきた極めて多数で、且つ精緻な「脳機能データ」によれば、「アルツハイマー型認知症」の発症は60歳以降の年齢の「高齢者」に限られ、且つ高齢になるにつれ「発症率」はどんどん高くなっていきます。そうした視点から、本事業の展開対象者は、60歳~90歳までの高齢者(但し、経常的な就労者を除く)を対象とすることが適当と考えます。なお、「アルツハイマー型認知症」を発症していて、脳の機能レベルが「大ボケ」レベルの者は、「介護」の対象であり、事業の対象からは除外するものとします。又、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルと言う視点から、「小ボケ」レベルの人であれば、予防教室に参加し、集団による脳の活性化を体験することが可能なのですが、「中ボケ」レベルの人達は、予防教室の参加者たちとは区分けて、別の扱いをすることが必要なことに留意することが重要となります

&21「二段階方式」を導入実践した市町村で、活動が定着していく上で障害となった「過去事の事例」

①  定期的に市町村で実施される配置転換(「二段階方式」をやっと使いこなせるようなレベルに育ったと思っていたら、特段の配慮も無しに、配転で別の部署に行ってしまう。平成の大合併後の人事交流と称する配転では、このことが特段に顕著でした)

②  地域予防活動業務に配属するマンパワーの不足(目前の業務処理に追われて、予防事業にまで手が回らない)

③  国の機構改革の対応、順応に振り回されていて、予防事業に手が回らない(在宅介護支援センター、地域包括支援センター等の組織改変、保健福祉の担当から国保担当などへの担当部署の変化)

④ 上記の列挙事例とは性質が異なりますが関連することとして、以下に述べることが、地域予防活動の縮小或いは消滅の重要な原因となったケースが少なからずあります。

地域予防活動は、「脳機能テスト」と「脳を活性化するテーマの実体験」の二つが要素になります。そのとき、活動が尻すぼみになり或いは消滅していく最大の原因は、上記①~③の状況下で、「脳機能テスト」(脳の機能テストとそれに基づく脳の機能レベルの評価並びに生活改善指導)が実施されなくなり、予防活動の中身が「脳を活性化するテーマの実体験」だけになってしまうことにあります。わかりやすく言えば、予防教室が、「脳機能テスト」が実施されなくて単に「歌って、踊るだけの場」になっていくと、住民の参加意欲が消えていってしまうのです。

)「地域予防活動」は、「脳機能テスト」の実施と「脳を活性化するテーマの実体験」の二つが、車の両輪で動いていくことが不可欠の条件となることをここで注記しておきたいと思います

⑤「平成の大合併」による「地域予防活動」事業の縮小と導入先の滅亡

1995年に活動を開始して以降、エイジングライフ研究所が提唱し、指導する「二段階方式」の手技の活用による「アルツハイマー型認知症」の予防と早期診断による回復とを目的とする地域予防活動は、「平成の大合併」がピークを迎える平成14年度までは、導入市町村の数が急速に伸びていったのです。ところが、15年度以降平成の大合併の急激な進捗により、合併前に導入され実施されていた市町村での「地域予防活動」は、まるでジェット機が墜落していくかのように、導入先が消滅していったのです。大合併前のピークを迎える直前の平成14年度までに350を超えるところまで伸びてきていた導入市町村の数は、大合併が終了したとき、「地域予防活動」を継続するために新規に契約を締結した市町村の数は、僅か100(2市町村以上の数が合併したので、使用料を従来の2倍として、改定ではなくて新規の導入契約を締結)ほどになってしまっていました

相互の事業の照らし合わせと見直しと言う題目により、大きな市が小さな市や町や村を合併した場合で、吸収した大きな市が「地域予防活動」を導入実施していない場合は、当該予防事業の継続実施を認めなかったり、規模の縮小や予算の縮小を要求されたケースが、極めて多かったのが実情です

⑥使用許諾契約の「有償期間」は当時は5年間でしたが、6年目以降の無償の使用許諾契約の期間に入ると、活動が下火になり、やがては消えていくという自治体ならではの不可解な現象が多々ありました。毎年度ごとの「予算化」と言う作業が伴っていないと、人員の配置もなくなっていくのです。

➆上記の反省から、現行は、有償期間が10年間の長期となっています

 &22 「実証研究PRJ」展開の効果的な方法とその順序

1.「実証研究PRJ」を展開するに際しては、その順序がきわめて重要です。「アルツハイマー型認知症は、原因もわからないし、治らない病気」であるとする世間の権威ある人達の「仮説」が、日本中、我が国の離島の隅々にまでも深く浸透しているからなのです。この仮説の主張内容は、「アルツハイマー型認知症」を発病して末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)になっても更に何年もの間生きたお年寄りの死後の脳を解剖したその「解剖所見」に基づいて推理(空想の類)しただけの物であり、発病の結果を原因と誤解しているだけのものなのです(殺人現場にたまたま居合わせた人達のうち、小刀、鋏、包丁など武器になりそうなものを持っていた人を犯人と決めつけた程度のもの)。「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下と言う視点を全く持っていない(気づいていない)のです

2.「アルツハイマー型認知症」について、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそのアウト・プットである症状との関係を見ようともしないで、世間の権威ある機関や人達は全て、外部から観測される「記憶障害」の症状を中核とした観察と脳の萎縮の度合いなどだけから原因を考えようとしているので、何時までたっても真の原因を見つけられないでいるのです。「DSM-4「が第一の要件に規定している「記憶障害」の症状に拘泥し過ぎていることが、誤った方向に向かわせている主要な原因なのです

勿論、マスコミの報道や認知症をテーマとする番組の内容も権威ある人達が言うままの「誤った、報道内容」になっているのが実情です。従って、世の中の一般の人達も「権威はあるが誤った内容」でありながらそのことを知らないので、報道される内容をそのまま信じ込んでしまっているのです。その典型が、重度の「記憶障害」の症状さえ確認されると全て「アルツハイマー型認知症」だと診断する医師達の誤り、誤解なのです

3.市町村が実施し、エイジングライフ研究所のスタッフが「講師」となる「アルツハイマー型認知症」の予防講演会には(講演会のテーマは、常に「アルツハイマー型認知症は防げる治せる」です)、日本中の何処で何時(季節及び時刻)開催しようとも、常に主催者の予想をはるかに上回る多数の聴衆が集まるのが実情です。それほど、「アルツハイマー型認知症」からの回復及びその予防というテーマについて、一般の人達の関心が高いのです

4.それにも拘わらず、権威ある機関や人達が、「アルツハイマー型認知症は、原因もわからないし、治らない」と言う「仮説」(発病の原因であるとする主張内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係を未だに立証できないでいる単なる仮説)を発信し続けている現在の状況下では、民間の事業者がエイジングライフ研究所の考え方である「アルツハイマー型認知症は、防げる治せる」との主張と「二段階方式」の手技(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとその直接のアウトプットである症状とをリンクさせる考え方、発症の原因、早期の段階の判定、回復と予防のための「生活習慣」の改善指導等)を導入して、「アルツハイマー型認知症」の早期発見と回復及びその発病自体の予防の為の事業を展開しようとしても、直ちに大きな展開には結びついていかないのです。市町村が事業を実施する場合は、無償なので、住民もそれなりに参加してくれるのですが、民間が実施するとなると、当然のことながら有償、しかも事業として継続実施していけるだけの額の金額を対価として受け取れるのでなければ、例えトライしてみてもすぐに頓挫してしまうことになるのです

5.こうした問題を解決する近道は、権威ある機関や人達が「アルツハイマー型認知症」発症のメカニズムに早く気づいてくれることなのですが、未だに「たんぱく質が原因」(アミロイドベータ説やタウ蛋白説)と言っている現状では、期待できそうにもないのです

6.このような状況を打開する為の方策として、社会的に権威ある機関が、先駆的な実践事例として選択した市町村において、エイジングライフ研究所が提唱する「二段階方式」の手技を導入して、「アルツハイマー型認知症」の早期発見と回復並びに発病自体の予防の為の「地域予防活動」を実証的に展開し、且つその研究成果を医学会を含めて世の中に対し広く広報することが重要であると考えるのです

なお、実証先と実証内容については、東日本大震災の被災地の全市町村における「アルツハイマー型認知症」の発病者総数及び症状のレベル毎の発病者数(小ボケ、中ボケ及び大ボケの症状ごとの人数)についての実態調査並びに道州制の基礎ベースにより選択した相当数の市町村(合計で100の市町村)での「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とした「地域予防活動」の実践が適切ではないかと考えるのです

7.「実証研究PRJ」は、東日本大震災の被災地の高齢者たちの間で、私たちがこれまでに問題提起し警告してきた実態が確認されること日本中の他のどの地域の高齢者と比較しても、比較にならないほどの年齢別の発症率の高さと、発病者数の多さとにより、私たちが主張していること、「アルツハイマー型認知症というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病であり、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけることにより治すこともできる」ということが疫学的に実証された後(私たちは、2017年の春か夏ごろには、実態が明るみに出てくることになると考えています)、即ち、具体的には、2018年度からの3年間、実施されることを提案します。1年間では短すぎるし、3年間の実証によりそれだけ成果に対する信頼度も増すと考えるからです。なお、この間に、前述した「講師」を養成する事業も、「実証研究PRJ」の主要な「テーマ」として、同時に展開されることを提案します

8.上記3年間にわたる実証研究及び検証作業の結果、頭書に概要を記載してある「二段階方式」の手技の活用及び活用の成果と主張の概要の項目の&2(1)~(4)について、主張の内容の正しさ並びに「二段階方式」の手技の有効性及び「地域予防活動」の有益性が実証されたときは、2021年度から全国展開を目的とした活動としてのステージに入るべく、必要な法的措置を講じるよう政府に対し提案するよう、提言します

9.「 実証研究PRJ」により実証された場合に、2021年度から全国展開を目的とした活動としての次の段階となるステージに入る為の準備として、2018年度の開始から2020年度の終了までの期間中に、「二段階方式」の導入市町村に対して「二段階方式」の手技の実践の仕方を指導し及び「地域予防活動」に関わる予防教室の活動を展開するに先立って実施が必要である講演の講師となる役割を担う人材(女性の専門職)を育成しておくことが極めて重要となります

10.「実証研究PRJ」による実証的検証が成功裏に終わったときは、次のステージとして、全国的に「二段階方式」を活用した「地域予防活動」を展開していく必要性が大きくなってくることになります(以下、「拡大展開PRJ」と言う。)。最小限度の数として、300の市町村が「二段階方式」を導入して、「地域予防活動」を展開すると考えるとすれば、少なくとも30人の女性(必要なのは、保健師という職種ではなくて、大卒の学歴)を養成しておく必要があるものと考えています。「講師」となる人材は、広く人材を募る意味とこれまでの経験から、一般の個人(女性)であることが重要と考えます

&23 その他

○「地域予防活動」の展開を社会的な基盤に

私たちが送るべき「第二の人生」とは、そもどのようなものであるべきなのか。お迎えが来る日までひそやかに生きていくべきなのか、或いは、「アルツハイマー型認知症」を発病して介護して貰う為の費用を蓄えるがために、趣味も遊びも交遊の機会も極力控えて、ただ倹約し、節約し、マスコミが警鐘であるかのごとくに打ち鳴らす「一人当たり2000万円」とかの貯蓄に励むべきものなのか。「左脳」が主役となる仕事と言うテーマからは無縁な日々となろうとも、私たちの第二の人生は、「右脳」を精一杯活躍させ、自分なりに人生を楽しむ日々を送るのです。第二の人生の生き方のコペルニクス的な転換を図るのです 「第二の人生」を生きることを楽しむその第一歩として、先ずは、リビングと台所とを自分の好みにリフォームし、趣味や遊びや交遊を自分なりに楽しんで、自分なりの「生き甲斐や喜びや感動」が得られる積極的な日々を追求すべきだというのが私たちの主張なのです。その「社会的な基盤」となるのが、小地域単位毎での「地域予防活動」の展開なのです

我が国の文化の特徴を考えるとき、内容の正しさと深さだけでなくて、「権威づけ」も重要なのです「アルツハイマー型認知症」の発病の原因について、日本では、アミロイド・ベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説が有力な学説(但し、主張する説の内容と発病との間の因果関係については、未だに、必要な立証が為されていない単なる「仮説」)として主張されている訳なのですが、出来ればそのような説に立脚していないで、且つわが国で権威がある医学部がこの「実証研究PRJ」に参画してもらえると、当社が主張する「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム、回復させることの可能性とその段階、脳を活性化させる生活習慣の構築と実践による発病自体の予防方法等、「二段階方式」の有効性及び有益性についての実証及びその社会的な認知の獲得の上で有益ではないかと考えるのです。我が国社会の文化的な特徴として、内容の正しさだけではなくて、或いはむしろ「権威」づけられることが極めて重要だからです

「第一の人生」では、「左脳」が主役となる「仕事」というテーマが日々の生活を送る上で、「前頭葉」を含む脳全体を活用し、活性化させてくれていたのですが、「第二の人生」では、仕事とは無縁の生活になります。第二の人生」を送っているお年寄りの皆さんにとっては、「右脳」が主役(「運動の脳」も参加させた方がより効果的なのですが)となる「テーマ」、「趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは地域興し等の社会活動」という「テーマ」の中で、自分なりに興味があるものを選んで、自分なりの「目的」或いは「目標」を設定して、それを日々の生活の中に組み込んで、脳の使い方としての「生活習慣」として実践していくことにより、自分なりの「生き甲斐」や「喜び」や「感動」が得られ、意欲が湧いてくる日々を送り、「第二の人生」を完走していただきたいのです。そうした「生活習慣」を組み立て実践できている限り、皆さんが恐れている「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁の「第二の人生」を送ることが出来ることになるのです。世界にも例のない「超高齢化社会」に在って、「一億総活躍社会」を実現するには、「地方の活性化」、就中、「高齢者」の活発な日常行動及び消費活動が不可欠の条件となるのです。

「 アルツハイマー型認知症」を発病することになるかならないか、それはあなたの生き方、日々の脳の使い方としての「生活習慣」が決め手になるのです。何の為に、どのような第二の人生を生きるのか。何のテーマをもってどのような目標の下に日々の生活習慣を組み立てて、生きていこうというのか。胃ろうという手段による終末期医療の在り方が問題視されている今こそ、あなた自身のこれまでの/これからの「生き方」を見直していただきたいのです。発病自体の予防にも、早期診断による回復にも蓋をして、蛇口を開きっぱなしにした状態で、「失語や失認や失行」など末期の段階の症状(30点が満点であるMMSEの得点が一桁にならないと発現が確認されることが無い末期の更に後半の段階の症状なのです)の確認を要求している米国精神医学会の診断規定『DSM4-4』を基準にして「アルツハイマー型認知症」の診断が行われているのが医療現場の実態なのです。言い換えると、もはや回復させることが困難で/見つける意味がない段階で見つけて、効きもしない薬を処方しているのです。その診断、投薬及び「介護」のための費用の年間総額は、15兆円を超えるところまで来てしまっているのです

認知症の大多数、90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の本質は、「廃用症候群」に属する単なる「生活習慣病」であり、一部の学者達が主張している「仮説」である「アミロイド・ベータやタウ・タンパク」の蓄積が、発病の原因ではないのです。彼らは、認知症の専門家とされながら、「アルツハイマー型認知症」の中核的な症状が「記憶の障害」(「DSM-4」が確認を要求する「第一の要件」)に起因した症状ではないことに気づいてもいないのです。失語や失認や失行などの症状」が発現してくる(「DSM-4」が確認を要求する「第ニの要件」)「末期の段階」に目を向けている限り、何時まで経っても「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病のメカニズムを理解することはあり得ないことなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因は、日々の生き方に在るということに、政治家も、官僚も、国民も、お年寄り自身も、早く気づいて欲しいと、切に願うのです。    注)本著作物(Bー65に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください) 

 

  

 

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アルツハイマー型認知症の原因、治療と予防の方法-総集編(B-64)

2016-07-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

   一億総活躍社会達成への具体策の     提     言

                        有限会社エイジングライフ研究所

 &9 提言する基本構想のアウトライン(国が選定する組織との共同展開による、「実証研究PRJ」

○ 「大ボケ」の段階のお年寄りの「家族介護」は、制度化すべきではない

父母の老後の介護は(「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えた父母の介護は)、介護する側である家族の社会生活自体を奪い去ってしまうことになるのです。時の見当識も、所の見当識も、果ては、人の見当識さえも殆ど働かないレベルにまで「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下しているお年寄りを、介護し見守るという、実際の生活を想像してみて欲しいのです。介護を期待されている未だ若い家族の人生にとって、自らの社会生活、人生を捨ててまでして、父母の介護という負担を要求すべきというのでしょうか。家族介護の制度化は、我が国が取るべき政策ではないのです。家族主義的な価値観、或いは、その美風は、「家族介護」の正当化に持ち込むべきではなくて、「地域予防活動」を下支えし、活性化させる背景放射として持ち込まれるべきものと、私たちは考えるのです。介護離職と言う社会現象は、国策の誤りなのです。国政に携わる政治家達には、こうした認識を強く持っていただきたいのです。

認知症の大多数、90%以上の割合を占める「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、世界中の専門家達から、「発病を予防することができないし、治すこともできないタイプの認知症である」と言われ続けてきたのです。そのため、60歳を超える年齢の「高齢者」という発病の対象年齢に在るお年寄りにとって、「アルツハイマー型認知症」の発病と言う問題は極めて深刻であり、重大な関心事なのです。「アルツハイマー型認知症」の末期の段階に在るお年寄り達の姿を日常的に目にし、或いは、発病の原因(メカニズム)は未だ解明されておらず、「治すことも予防することも出来ない」タイプの認知症であるとするマスコミ報道を耳にするにつけ、心配や恐怖ばかりが先立って、自分自身が発病した場合に備える為に、出来るだけ倹約し貯金して、日常の消費活動さえも不活発になってしまっている世の中のお年寄り達に対して、私たちの主張である、「アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病であり、脳を活性化する生活習慣の構築とその実践により、発病自体を予防することもできるし、早期の段階で見つけて脳のリハビリに努めれば治すこともできる」ということを広く知らしめたい、周知させたいと強く願っているのです。更には、この提言に在る通り、小さな地域単位ごとに、「地域予防活動」が日本全国、通津浦々に浸透するまで、私たちのこれからの人生を捧げたいとも考えているのです。

その効果的な手段として、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復と言う「テーマ」について、このブログで提起している実証研究PRJ(以「実証研究PRJ」と言う)の実施により、「100を超える単位の市町村」で検証し、私たちの主張内容が正しいことを実証して見せることにより、私たちの主張の内容に権威と信頼とがつくことを期待しているのです「アルツハイマー型認知症」は、治すことも発病を予防することも出来ないタイプの認知症であるという「権威あるとされる人達の主張の内容」が誤ったものであっても、権威があるが故に、我が国の隅々にまで浸透してしまっている為に、皆さんがその主張内容を信じ込んでしまっている現状を突き崩すには、私たちの主張内容が正しいことについての権威を付与する必要があり、そのための極めて有効な手段として考え出した「テーマ」なのです。私たちの主張内容が検証され、主張内容の正しさが実証され、そのことが世の中に周知された暁には、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防を目的とした「地域予防活動」全ての「市町村」で、且つその小さな全ての「地域単位」毎に隈なく実践される日が出来るだけ近い日に達成されることを国民的な課題として、国の重要な政策として、制度化するよう提言したいと考えるのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復を目的とする「地域予防活動」を国民的な将来課題に

日本中の自治体及び日本国にとって、極めて重要で且つ重大なこの「テーマ」を日本中の全ての市町村の地区単位の小さな地域毎に、「地域予防活動」として、近い将来に具体的に実践するシステム及び体制を築く為の基礎となる「実証研究PRJ」を、特定の市町村を対象として先駆的に実施し、私たちが開発した「二段階方式」の手技及び主張の正しさと有効性とを実証的に確認した上で並びにその成果を医学会及びマスコミや政府関係者に対し、更には、国民全体に対して、広報し、啓蒙することが極めて重要だと考えるのです。これまでエイジングライフ研究所の独自の社会活動として展開してきた主張と「地域予防活動」の実績にとっての最大の弱点は、社会に通用し、社会を動かすだけの権威が無いことだからです。

社会的に権威がある組織と共同して行う実証研究PRJの実施による検証により、エイジングライフ研究所の主張内容の正しさと「二段階方式」の手技の有効性と更には、「地域予防活動」の有益生とが確認されることにより、必要な権威が付与される結果、市町村が「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とする「地域予防活動」を展開する上で、並びに将来の可能性としてエイジングライフ研究所が期待している「調剤薬局或いはコンビニ」による「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復(回復させることが可能な早期の段階の判定と脳のリハビリの指導による回復)事業の展開への道が開かれることになる、極めて重大で意義のある問題提起であり、或いは、その転機になると考えているのです。

上から押し付けるのでなく、導入市町村の自発的な活動、住民自身がその展開を強く望むやり方が重要

「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」は、できるだけ多くの高齢者が、自ら望んで参加することが極めて重要なのです。更には、脳の機能レベルの判定と脳を活性化する生活習慣の改善の指導を担う役割が期待される「保健師さん」達が望んでその職務に従事することが極めて需要なのです(1995年の活動の開始から僅か数年で、厚労省の目に留まり政府に呼び出され、全国展開を要望されるまでになりました。その活動の原動力の中心は、保健師さん達だったのです。極めて優秀で、予防活動の展開に対する情熱が極めて旺盛で、組織を動かす能力にもたけていて、人並み外れた行動力も併せ持っている人達ばかりだったのです。ところが、「地域予防活動」が拡大されるにつれて、それに反比例するかのように、意欲も情熱も低く、行動力もあまりない人達が「二段階方式」の実務研修会に参加してくるようになっても行ったのです。「地域予防活動」を全国的な規模に拡大展開する次のステージでは、この点に対する視点を持っておくことが重要だと考えているのです。その役割の重要性を強く認識し、意欲と情熱をもってその役割を担い、且つ活動を下支えしてくれる地域のボランティア組織を動かせる行動力も併せ持った人材を首長が自ら先頭に立って積極的に投入することが、活動を活発化させ、継続させる原動力を生み出し、延いては、「地域予防活動」の実践の成果を大きなものとさせてくれることに直結するからなのです。

更には、「地域予防活動」の重要な役割を担うことになる「予防教室」の運営の役割の一端を担う「地域のボランティア組織」が積極的に活動に参加し、下支えしてくれることも、「地域予防活動」の活発化と継続性にとっての極めて重要な条件となるのです。上から押しつけたのでは、活動の活発化も継続性も、望めないことをこれまでの活動の歴史の中で、私たちは痛いほど多く経験してきているからなのです。

「二段階方式」の主張内容の正しさと有効性及び有益性の実証を目的とした、権威ある組織の参加によるこの「共同PRJの実施」による検証により、私たちの主張内容の正しさと「二段階方式」の手技の有効性と有益性とが実証され、更には、そのことが全国に広報されることにより、上述した「地域予防活動」の活発化と継続性のキイとなる人達が、「地域予防活動」の実施とその拡大と継続とを強く望むようになる社会状態/情勢が生み出されてくることになると考えているのです。

「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストの手技の活用が不可欠

「地域予防活動」の展開による「早期診断」による回復というテーマ(回復させることが可能である、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の判定並びに脳の使い方としての「生活習慣」の改善となる「脳のリハビリ」の実践指導)にとって、必要不可欠である「二段階方式」の手技は、神経心理機能テストを活用することが不可欠となります。「アルツハイマー型認知症」の本質は、廃用症候群に属する生活習慣病であって、発病の原因は、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下及びそのアウトプットであり、アミロイドベータの蓄積でもタウタンパクの蓄積でも脳の萎縮でもないからです。医療機関が診断に多用しているCTやMRIやPET等の機器では、「前頭葉」を含む脳の機能レベルを精緻に判定することができないのです。それらの機器は、上述した「アルツハイマー型認知症」の回復可能な「早期の段階」の発見には何の役にも立たなくて、単に、「売上高」を嵩上げし、稼ぐ目的で活用されているに過ぎないのです。回復させることが困難な「末期の段階」(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)でしか見つけられない/見つけているのが医療現場の実態なのです。

医療機関は何故、「前頭葉」の機能レベルを精緻に、且つ容易に判定できる、「二段階方式」の「神経心理機能テスト」を使用しないのか。それは、「神経心理機能テスト」自体に対する保険診療点数が極めて低いがために、必要な売上高を稼ぎ出すことができないのが一番の理由なのです。医療機関は、赤字を出してでも、その社会的使命に応えて、「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストを使用しようとは考えないのです。「アルツハイマー型認知症」の患者数が天文学的な規模であるので、それ自体は無理からぬことではあるのですが、だからと言って、「アルツハイマー型認知症」の早期診断、回復させることが可能な「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落として(見つけられないで居て)、回復させることが困難な末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、しかも、「効きもしない薬」を処方して良い理由は無いはずなのです。CTやMRI、果てはPETまで動員して診断してもらって、高い診察費を払わされて、挙句の果てに、回復させることが困難な末期の段階である「重度認知症」の段階(「大ボケ」の段階)でしか見つけてもらえないで居て、皆さんはそれで満足なのですか。保険診療だから良いのですか。エイジングライフ研究所は、50を超える大規模な病院と「二段階方式」の使用許諾契約(有償ですが、社会的な貢献という視点から、市町村と同じ条件にしたのですが)を過去に締結したことがありますが、それらの全ての病院が、使用を継続できない理由として、上述の理由を挙げてきたという重い事実があるのです。

 「アルツハイマー型認知症」の診断には、発病の判定であれ、重症度の判定であれ、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるのです。更には、一部の医療機関が使用している「長谷川式」では、「神経心理機能テスト」の使用であるとはいえ、脳の後半領域の機能レベルの判定が或る程度出来ても(それ自体が、不完全と言うしかない上に)、肝心の「前頭葉」の機能レベルを判定することはできないのです(このことは、神経心理機能テストである「MMSE」についても同じことが言えることなのですが)。「前頭葉」の機能レベルに加えて、脳の後半領域の判定を行い、更には、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく「原因」である、脳の使い方としての「生活習慣」を詳細に聞き取り、総合的に判定している(且つ、精緻な判定ができる)のは、世界広しと言えど「二段階方式」だけなのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定する「二段階方式」の手技が不可欠のものとする「神経心理機能テスト」は、その活用に対する保険診療点数が現状では極めて低く、CT(「前頭葉」の機能レベルの判定ではなく、脳の形や器質的な変化の判定)やMRI或いはPET(「前頭葉」の機能レベルの変化について、或る程度は判定できるが、精緻な判定は出来ない)等の機器の出番が全く必要とされない下では、「アルツハイマー型認知症」の早期の段階の判定と「脳リハビリ」の指導による回復は、医療機関が事業として継続的に実施する上で必要とする規模での「収益」を稼ぎ出すことができないので使用できないということになるのです。

その上、「治療の効果を期待することはできないが、症状の進行を遅らせる効果がケースにより期待できる」との触れ込みで、現在使用されている「薬」さえも使用できないとしたら、一定規模の収益を獲得できることが至上命題である「医療機関」にとって、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防も、発病の診断も、更には症状を治すことも、共に、取り上げるべき「テーマ」ではなくなってしまうということなのです。治療を遅らせる効果があるとして販売されている「薬の効果」については、必要な因果関係の証明がなされてはおらず、症状の進行を遅らせる要因として考えるべき「他の重要な要素」に気づいていないだけなのです(私たちが集積した「脳機能データ」から、このことを指摘できるのであり、その根拠は、「症状の継続期間と脳の老化のスピード差をもたらす要因-(A-34)」に詳しく説明がしてあります)。現在使用されている4種類の薬の開発者(製薬会社)や医師は、私たちが集積してきた上述の「脳機能データ」が意味する内容について、反省の意味も込めて、十分に読み込んでいただきたいのです。

私達が生活する場面、言い換えると私達が意識的に何かの「テーマ」を実行しようとする世界では、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」が、「左脳」、「右脳」、「運動の脳」と協働し、且つそれらを支配し、コントロールしながら、自分が置かれている状況の判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想、テーマの実行内容の企画と計画、ケースシミュレーションに基づく必要な修正、実行の決断と脳の各部に対する実行の指令が行われているのです。廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」(食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」が、発病の原因)を本質とする「アルツハイマー型認知症」の場合には、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」から(「前頭葉」の機能だけが最初に)廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくのが特徴なのです(この発病の最初の段階が、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階)。脳全体の司令塔の役割、三頭立ての馬車の「御者」の役割を担う「前頭葉」が廃用性の加速度的で異常な更なる機能低下を進行させていく中で、同時進行的に、馬である「左脳」、「右脳」、「運動の脳」の順に廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくのです。「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な機能低下が進行していくにつれて、脳全体の機能レベルを厳密に反映したその機能レベルの直接のアウト・プットとして、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくるのです。それらの症状は、私たちの区分では、「小ボケ」(「脳のリハビリ」により回復させることが容易)、「中ボケ」(回復させることが未だ可能)、「大ボケ」(回復させることは困難)の三段階に区分されるのです。専門家とされる認知症の研究者や医師達が、未だに、このことにさえ気づいていないのです。

 生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」の継続、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が繰り返される日々、言い換えると、脳の使い方としての単調な「生活習慣」に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果として、「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきた際に、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の全ての機能が正常なレベルにあろうとも、脳全体の機能レベルのアウトプットは、もはや正常なものではないのです(私たちが規定する、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「小ボケ」の段階で発現する認知症の症状は、あの「DSM-4」がその第一要件に規定する「記憶障害」に起因する症状ではなく、「前頭葉」の機能障害に起因する症状だけなのです)。勿論のこと、回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階では、「DSM-4」が第二の要件に規定する失語、失認、失行の症状は、その欠片さえも確認することが出来無いのです。失語や失認や失行の症状は、回復させることが困難となる「末期の段階」、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の更に後半の段階、MMSEの得点が一桁(30点が満点)になって初めて発現してくる症状なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病であるとする診断に際して、これらの症状の確認を要求している「DSM-4」(世界的な権威があるとされる米国精神医学会の診断規定)の規定の条件に依拠して診断している限り、回復させることが困難な「末期の段階」(私たちの区分で言う、「大ボケ」の段階)でしか見つけることが出来ないのです。そのことにも気づかないで居て、「アルツハイマー型認知症」は治らないタイプの認知症であると誤解し、公言しているだけなのです。そんなレベルの医師達が、何故か、「名医」として各局のテレビに登場してきて、中核症状とか周辺症状とかの意味のない区分に拘泥して、物知り顔に語るのが現状なのです。

意欲、注意の集中力及び注意の分配力と言う「前頭葉」の三本柱の機能の加齢による機能低下に、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続に起因した廃用性の機能低下が加わることにより、「前頭葉」を含む脳全体の機能の低下が加速度的に進行していくとき、「三本柱」の機能低下に起因する「前頭葉」の個別認知機能の発揮度が低下していく構造になっているのです。自分が置かれている状況の判断も、実行すべき「テーマ」の発想や実行内容の計画も、ケース・シミュレーションも、果ては実行の意思決定も、不十分、不適切にしか行えないで、「優柔不断」がお定まりのコースになってしまい、その人らしさを表す様々な指標が失われていくことになるのです(「小ボケ」の段階で確認される症状の類型については、「B-32」を参照してください)。その結果、「小ボケ」の段階では、家庭生活やセルフケアには何らの支障が起きてこないのですが、「社会生活」面での様々な支障が起きてくるようになるのです。

「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下に起因して、且つ、その機能レベルに厳密にリンクした認知症の症状が発現してくるのが特徴である「アルツハイマー型認知症」の場合は、「記憶障害」に起因する症状が確認されるのは、中ボケの後半になってからであり、失語や失認や失行の症状が確認されるのは、大ボケの後半で「MMSE」の得点が一桁になってからのことなのです。その意味で、「DSM-4」が規定する「アルツハイマー型認知症」の診断基準としての「第一の要件」及び「第二の要件」の内容は、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階を判定する(見つける)基準としては、両者ともに誤った内容だということを指摘しておきたいのです。このような重大な欠陥を内包する「DSMー4 」の規定(米国精神医学会が定める「アルツハイマー型認知症」の診断規定)の基準に依拠して「アルツハイマー型認知症」の発病の診断を行う限り、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見つけることは、絶対に出来ないからです。医療の現場で使用されている「早期診断」という言葉は、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階のことではなくて、末期の段階である「大ボケ」の段階の中の比較的早期のことを言っているに過ぎないのです。そこで見つけて、薬を飲ませることが目的であり、しかもその薬は症状の更なる進行を遅らせることが期待されているというだけのものでしかないのです(但し、この薬の効能については、私たちは、因果関係についての反論となる「脳機能データ」を保有しており、その主張の概要は「A-34」に示す通りなのです。症状の更なる進行を遅らせている効果は、薬以外の別の要因であることを示す資料です(このデータが示す要因を排除した治験でない限り、有効性についての「因果関係」を立証しているとは評価できないはずなのです)。そもそも、回復させることが困難な「大ボケ」の段階で見つけることに、何の意味があるというのでしょうか。

 ○ 実証結果の発表が社会的に極めて大きな反響を呼ぶこととなる

実証を目的とする「共同研究PRJ」の実施により、関連「マニュアル」に基づいて、「二段階方式」の手技を活用して、エイジングライフ研究所が主張する「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム並びにその正体、発病の予防の可能性と予防の方法及び早期の段階の判定と回復の方法について、その有効性と有益性が実証されたときは、その成果を学会に共同して発表し(米英の医学雑誌に対する寄稿を含む)、更にはマスコミや政府関係者及び国民に対し、広報及び啓蒙活動を展開することを期待しているのです。

その場合、「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を全国的な規模で展開し、活動を拡大していくための不可欠の準備として、「二段階方式」の手技を高度なレベルで活用することができ及び個別事例の判定と脳リハビリによる生活改善の指導並びに地域予防活動の開始に先立つ活動として必要不可欠となる認知症の予防講演会の「講師」が務められる人材を最小限100人程度は養成し、確保しておく必要があると考えているのです(公募により獲得した人材を養成する)。市町村が「地域予防活動」を展開するに際してその企画、展開指導及びボランティアの組織化、特に中核となり極めて重要な業務である個別事例の判定と生活改善の指導業務を担当する「保健師さん」のレベルは、意欲、能力の両面で様々なレベルのものとならざるを得ないのです。

「地域予防活動」の核となる業務、「二段階方式」を活用して「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定し、「脳のリハビリ」の指導により脳の使い方としての「生活習慣」の改善を指導し、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にある本当の意味での「早期の段階」のお年寄りを、正常なレベルに回復させてみせるという重要な役割を担う「保健師さん」を指導する役割を担うのが「女性の講師達」なのです。

    

&10 「実証研究」の対象となる「モデル地区」の選定

「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を国民的なテーマとする状況を創出する原動力となるという私たちの最終目的が実現される上記の状況をスタートさせる為の試金石、政府も、自治体の首長も、それを支える官僚の皆さんも、「二段階方式」に基づく「地域予防活動」の実践活動の主体となるべき市町村の保健師さん達も、更には、小単位の地域毎でのボランティア活動の主体となる組織の人達も、目的を十分に理解し、納得したうえで実践活動に参加していただけるような下地となる特定のモデル市町村での先駆的(実験的で実証的な)実践活動として、全国道州制の構想単位毎に幾つかの市町村を、更には、東日本大震災の被災地の市町村の全ての市町村を(両者合計で100くらいの市町村)「二段階方式」に基づく、「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とした「地域予防活動」の特別事業対象として選び、発病の予防及び早期診断による回復の成果を具現化し、実証してみせたいと考えるのです。

「東日本大震災」の被災地の市町村を対象に加える目的は、他のどの地域と比較しても異次元と言える程の割合で「アルツハイマー型認知症」を発病している「60歳を超える年齢の極めて多数の高齢者」の存在実態を明らかにすることができると考えているからです。その実態が明るみに出ることにより、私たちの主張内容の正しさが疫学的にも証明されることによって、他の市町村での「二段階方式」の導入と「地域予防活動」を実践する地域の拡大のスピードが加速されることになると考えるからです。

〇 例えば、長野県上高井郡小布施町のような実戦経験がある市町村をモデルの対象地区に

実証を目的とする共同研究PRJの検証モデル地区(「二段階方式」に基づく種々の主張とその成果を検証するモデル市町村)の一つに、長野県上高井郡の小布施町を推薦したいと考えているのです(現在、当社が、請負事業として平成15年度より「地域予防活動」を継続して展開中でもあります)。

小布施町は、観光立地条件にも優れているだけでなく、町の全体が小規模地区単位での「地域予防教室」が展開されていて、例えば、東京などの大都市に居住する高齢者が「脳イキイキ教室」での生活体験をする場合の「医療特区」としての将来的な候補地としてバック・グラウンドが十分に整っているからです。

&11 「二段階方式」の主張内容の実証後、「地域予防活動」を全国的規模に拡大する

○ 発病の予防も早期診断による回復も、医療機関には期待困難

いろいろな種類が数ある認知症の中で、「アルツハイマー型認知症」は全体の90%以上を占めているのです〔脳血管性認知症が、25%を占めているとするのが多数説ですが、それは、脳梗塞の既往さえ認められると、全て脳血管性認知症だと誤診する医療現場の問題があるのです。正しくは、20%の部分は「アルツハイマー型認知症」なのです。(25%=5%+20%)〕。(詳細な説明とその根拠は、公開中のGooブログ「認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム」のA-10及びA-11を参照してください)。

「アルツハイマー型認知症」の発病自体を予防し並びに早期診断による本当の意味での早期の段階(私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけて「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させる「二段階方式」の手技が日本全国津々浦々で実践される状況が来れば、発病の予防を考えることもなく、蛇口を開きっ放しにしたままで居て、その上回復させることが困難な末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、死ぬまで介護するだけの現在の制度設計下(CTやMRIや、果てはPETまで動員して、失語や失認や失行といった、MMSEの得点が一桁にならないと発現しない「重すぎる症状」の確認を規定している「DSM-4」に依拠して/むしろそのことを奇禍として、回復させることが困難な末期の段階「大ボケの段階」で見つけるだけ)での、医療機関による何の意味もない診断をなくすことが出来るのです。言葉はよくないのですが、(現状は、血税が垂れ流しにされているだけ)なのです。

○ 発病の予防と早期診断による回復を国民的な政策課題に

現在の制度設計の下で、医療機関による何の意味もない「診断」に支出している巨額の費用と早期の段階で見つければ回復させることが可能である「アルツハイマー型認知症」を「治すことができない」マンモスに仕立て上げて、介護するしかない状況が作り出されているが為に不可避となっている「介護」に支出している巨額の費用について、「地域予防活動」を全国的な規模で、且つ「小単位の地域」毎に、実践する日が実現されれば、それら無駄な費用の大半(相当な程度)を抑制することさえも可能になるのです。

「地域予防活動」による発病自体の予防と「早期診断」に基づく回復の活動により軽減された費用を小さな地域単位で実施される「地域予防活動」展開の原資に投入して、更なる拡大展開を図るというサイクルが実現されれば、そのプラスとマイナスの差による効果の規模から言って、社会面(家族介護が常態化するのを回避できる)からも、財政面(介護保険制度が財政面から破綻するのを回避できる)からも、極めて意義のある活動になり得ると考えるのです。エイジングライフ研究所の主張内容の正しさを検証する「実証研究PRJ」の成功が、「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とする「地域予防活動」を我が国の隅々にまで展開するという「国民的な政策課題」として議論することとなる転機/起爆剤にしたいと考えるのです。

 &12 二段階方式の活用と「アルツハイマー型認知症」の発病の予防及び早期診断による回復を目的とした「地域予防活動」の展開方法の概要

○ 前提となる条件

①認知症全体の90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」(狭義の「アルツハイマー病」とは、発病のメカニズムも発病後の進行過程も予防及び治療の可能性も全く異なるものであることに注意してください)について、回復させることが可能な早期の段階(「小ボケ」と「中ボケ」)の判定及び脳の使い方としての「生活習慣」の改善(「脳のリハビリ」)の指導による回復並びに発病の予防の為の「地域予防活動」の展開を明確な事業目的とします。

②「実証研究PRJ」により実証研究の対象に選定され、「地域予防活動」を展開する市町村は、エイジングライフ研究所と導入契約(「二段階方式」の手技の「有償の使用許諾契約」)を締結して、エイジングライフ研究所が開発した「二段階方式」の手技に基づいた実践を行うものとします。

③「二段階方式」の手技を実践する保健師さんは、エイジングライフ研究所が開催する「実務研修会」を事前に受講し、「マニュアル」に基づく「二段階方式」の手技の実務研修を受けるものとします。

④導入市町村は、「アルツハイマー型認知症」の個別ケースについて、早期の段階の発見とその症状から回復する為の脳の活性化を目的とした生活習慣の改善指導(「脳リハビリ」の指導)を行うと共に、地域単位での地域住民の自主参加による「地域予防活動」を実践するものとします。

「二段階方式」による「アルツハイマー型認知症」判定の概要

①神経心理機能テスト(「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」で、左脳と右脳の機能レベルを「MMSE」で判定する)により、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(A)を判定し、脳全体の機能レベルの直接のアウト・プットとして現れる症状(B)を「30項目問診票」により確認し、「前頭葉」を含む脳全体の機能の低下を加速させた原因である脳の使い方としての「生活習慣」、言い換えると、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続と言う視点での「生活歴」(C)を聞き取りで確認する。

②廃用症候群に属する「生活習慣病」である「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の低下には明確な順序(MMSEで判定される認知機能に、衰えていく順番の「規則性」)があり(エイジングライフ研究所が集積した「脳機能データ」の解析による)、そのことをテストの結果から確認すること及び脳の使い方としての「生活歴」の確認により、「二段階方式」の手技のみにより「アルツハイマー型認知症」の発病の有無(「アルツハイマー型認知症」の場合は、必ず、A=B=Cが成立する)並びにその症状の段階を精緻に判定することができるのです。

ⅰ)「二段階方式」の手技により「アルツハイマー型認知症」について、認知症のレベル(症状の程度)も判定することができる:

「小ボケ」-脳の使い方としての生活習慣の改善による脳の活性化により、正常レベルへの回復が容易

「中ボケ」-脳の使い方としての生活習慣の改善による脳の活性化により、正常レベルへの回復が未だ可能(小ボケレベルへの回復を経由して正常レベルに回復させることが出来る)

「大ボケ」-回復させることは困難(中ボケレベルへの回復さえも困難となる)

ⅱ)また、「二段階方式」の手技により、「アルツハイマー型認知症」以外の認知症の種類の判定並びに認知症と紛らわしい病気の判定も高度に判定可能なので、どの病院に送るかを適切に判断できる。

〇 「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を展開する活動の目的と要となる保健師さんとボランティア組織の役割

1.「二段階方式」の手技は、神経心理機能テストによる「前頭葉」を含む脳の機能テストの実施とテスト結果の判定に基づいて、「アルツハイマー型認知症」の回復可能な早期の段階を判定し、脳の活性化を目的とする生活習慣の改善指導(「脳リハビリ」の指導)を行うことで正常なレベルへの回復を可能にさせるシステムであり並びに脳の活性化を目的とする生活習慣の改善(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)を体験させることを目的とした小地域単位での「予防教室」の開催により、参加者の日常生活に「脳の活性化」というテーマを持ち込ませ実践させることにより、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を図る(脳の活性化を生活習慣化させることによって、「前頭葉」の機能レベルが正常な人を、正常なレベルのままに維持させる)理論的に体系化された、且つ440を超える市町村で実証された成果に裏打ちされた、実務的な「システム」なのです。

2.従って、活動の目的は、市町村の窓口における「個別事例の判定及び改善指導」と地域住民参加による小地域単位での「予防教室の運営」の二面性を持つ活動となります。

(1)個別事例の判定及び改善指導というテーマについては、個人と密接な継続的関係の維持が不可欠であるため、導入市町村の保健師さん達(女性)の役割が極めて重要なのです。更には、個別事例の的確な判定により、「小ボケ」や「中ボケ」の段階にあるお年寄りを見つけ、且つ、「脳リハビリ」の適切な指導により(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の適切な指導により)実際に治して見せる(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させてみせる)ことが、「地域予防活動」の活発化に大きく寄与することを忘れてはならないのです。「前頭葉」の機能テストを含む「脳の機能テスト」(脳の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてもらうこと)に対するお年寄り側の抵抗感を払拭させる上で、大きく寄与するだけでなく、逆に、積極的に「脳の機能テスト」を受ける雰囲気が住民の間に醸成されてくることになるからです。

(2)地域住民の自主的な参加による小地域単位での「予防教室」の運営というテーマについては、「脳の機能テスト」を実施する保健師さんの役割と脳を活性化するテーマの実施にかかわる予防教室の自主活動と運営(脳の活性化に資するテーマの選択、実施企画、実施指導及び組織化と運営)を担当する地域の各種ボランティア組織の参画とその役割分担がきわめて重要となるのです。

3.なお、「二段階方式」の手技については、その実施が「医行為」を含まない為に、保健師さんが全ての面について実施でき、活動を広範囲に展開できることが大きなメリットとなるのです。

    

&13「高齢者」の生活の活性化による「一億総活躍社会」の達成策

介護費用の心配から、貯蓄に励む高齢者の消費行動

 認知症を発病した人達(その90%以上の人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病者なのです)の、発病の有無の診断費用、投薬の費用、並びに介護のための費用の総計が、2015年度の実績ベースで、年間15兆円を超えるところまで来ているのです。我が国の財政を考えるとき、天文学的な規模に達していて、なおかつ増大の一途を辿るその費用は、既に1100兆円を超える規模の残高の政府債務を負っている我が国の財政にとって極めて大きな脅威でもあるのです。現状はデフレが問題となってはいるものの、この先のことを考えるとインフレの到来、最悪の場合にはハイパー・インフレの問題さえ脳裏をよぎるような状況に置かれているのです。私たちの将来と、子や孫たちの将来を考えると、とてつもない不安に襲われるのです。 そうした現状に対する高齢者の意識には、「認知症を患って、要介護の状態になった時に備えて、日々の消費を節約してお金を貯めておく」と言うのが基本にあるのです。その結果、趣味や遊びや交遊などにかける費用の支出(消費活動)も不活発になって居て、ひたすら「貯蓄」に励んでいるのです。

  高齢者の意識を変えて、消費行動を活発にさせる秘策

 これまで様々な「仮説」が提示され、発病の原因が不明で、発病を予防することも治すこともできないとされてきたアルツハイマー型認知症」の正体は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病であることが解明されたのです。脳を活性化する「生活習慣」の構築とその実践により「アルツハイマー型認知症」を発病する危険は日々遠のいていくのです趣味や遊びや交遊や運動を自分なりに楽しむ生活、そうした日々の過ごし方が、生き甲斐や喜びのある生活につながり、高齢者の「前頭葉」を含む脳全体の機能が活発に働くことになり、「アルツハイマー型認知症」の発病の危険を小さなものとし、発病して「要介護状態」に陥る日を、遠のいていかせることに直結していくのです。講演等の啓蒙活動によりこのことを我が国の隅々にまで浸透させ、「地域予防活動」ができるだけ小さな単位の地域で実践される体制とシステムとがすべての市町村で整った暁には、同時に、「高齢者」による活発な消費活動が我が国の隅々で、高齢化率の高い地方の田舎においても、発生しているはずなのです。

  高齢者の消費行動の活発化による地方の活性化

「アルツハイマー型認知症は、予防することも治すこともできないタイプの認知症である」との認知症の専門家達が発する誤った主張を鵜呑みにし、信じているが為に、日本中のお年寄り達は、「アルツハイマー型認知症」を発病し要介護状態に陥った時に必要となる巨額の「介護費用」を心配して、消費活動を意識的に抑制し、「貯蓄」に励んでいるのが現状なのです。

 そうしたお年寄りたちが、本実証研究PRJの結果に基づく広報を信頼して、「脳を活性化する生活習慣の構築と実践」により、原因不明で治すことができないものと信じ込み発病を恐れていた「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症が、「脳を活性化させる生活習慣の構築により発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけて、脳のリハビリに励めば治すこともできる」タイプの認知症であると確信的に考えるようになれば、その反映として、消費活動を抑制し貯蓄に励んでいる現在の不活発な行動態様から反転した自己実現をテーマとした活発な消費行動に、言い換えると、「趣味や遊びや交遊や運動や社会活動を自分なりに楽しむ生活」に時間と費用をかけて、脳を活性化させる生活習慣の構築と実践という従来見られなかった行動態様に大きく舵を切ることになり、消費活動が活発になることが期待されるのです。

 (1) その場合、お年寄り達が交流する場所としての平屋建ての施設 「交流駅舎」)を自治体が保有する土地を活用して、自治体保有の施設として、小さな単位集落ごとに一戸建設するのです。そこに、集落で生活している老年、壮年、青年、子供達(老年が主体となるのですが)が集い合い、語らい合い、助け合い、交流し合う場にするのです。駅舎の建設用木材は、国有林の間伐材を使用するのです。更なる施策として、国有林の間伐材の伐採作業のみを対象として、且つ安全な作業部分のみを対象として、地域の予防教室に継続して参加しているお年寄りが構成員となっているNPOのみを有資格として、その伐採作業を請け負わせるような政策を制度化するのです。 但し、当該伐採作業によりNPOが稼ぎだした作業代は、交流駅舎での交遊の費用に支出することをNPOの活動目的に入れさせることも制度化するのです。交流駅舎の自主的運営は、予防教室に参加している高齢者に任せるものとし、交流駅舎での交流には、誰であれ参加できることとするのです(地域内外の高齢者達は勿論のこと、壮年の人達も、年少の人達も、交流に参加できる場にするのです)。

 高度経済成長に突入する以前の我が国の地方にかつて存在した交流の場、「地域の老若男女が全て一緒になって交流した場」を再現させるのです。老、壮、青、子供たち、すべての年代の人達の頻繁な交流が、生きていく上での不可欠な「意欲」を高め、活発な消費活動にもつながり、ひいては、地方の再生にもつながると考えるのです。

 (2)更には、そうした「脳を生き生きとさせる生活」の構築の拠点と なる自身の住居のリフォーム(例えば、交遊の場としてのリビングの改築、食事を友人と楽しむ為の台所の改築、一日の疲れを癒す為の風呂場のリフォーム等)に対し、「予防教室」に継続して参加していることを条件にして、住宅のリフォームに要した費用の一定割合に相応する金額を補助する政策を制度化するのです。 そうしたテーマにも高齢者の関心が向くようになれば、関連する消費行動の活発化による経済的な規模も大きくなる上、高齢化率が高く商業活動が不活発な地方の経済の活性化の起爆剤にもなり得ると考えるのです。

 (3)それと時を同じくして、「地域予防活動」を展開する上でその基盤、中核となる「高齢者」の脳の機能レベルを定期的に判定する業務が女性を中核として実行される社会が実現することにもなるのです どんな小さな役場であっても、専門的なレベルでの「二段階方式」の手技を使いこなせる保健師さん(基本的には、女性)が居て、その保健師さんが、まるで小さな町の診療所のかかりつけ医のように、役場の窓口に行けば、「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを定期的に判定してくれ(1年間に2回)、改善、維持又は低下の判定結果に対応した、「脳の使い方としての生活習慣」のチェックと必要に応じて「生活改善の助言と指導」をしてくれる社会を実現させる、それを、「一億総活躍社会」を実現する上での重要な政策及び施策の中核の一つに据えるのです。

 (4)「実証究PRJ」実施の結果として、「アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病であり、脳を活性化させる生活習慣の構築と実践により、発病自体を予防することができるタイプの認知症であること並びに早期の段階を判定することにより治すことができる」というエイジングライフ研究所の主張内容が正しく、且つ、「二段階方式」の手技が有効で有益であることが実証された場合、「実証究PRJ」に引き続く次のステージとしての、そして、最終的には全国展開を目標とする「地域予防活動」を展開すること並びに対象市町村及び対象地域の拡大による活動の活性化により、「前頭葉」を含む脳機能全体の機能ベルの維持(正常な機能レベルのままに維持されること)により、安倍政権が政策目標として掲げる高齢者による消費活動の活発化と女性が活躍する社会が同時に実現されることになるのです

 従来は、増大する一方と予測されていた「アルツハイマー型認知症」を発病して要介護者となった年寄りに対する介護保険の適用により発生する巨額の費用やその診断に関わる巨額の医療費とが年々増加していくと言う現状がそのまま推移される場合に比べて、そうした巨額の費用が劇的に削減され、逓減されていく社会状況が、近い将来に現実のものとして達成されてくると考えるのです。

 (5) 上記の目標となる社会を早期に実現する上での原資としては、 前年度の介護保険の保険料の徴収総額の0.1%相当額を翌年度の活動の支援の為の原資として活用するよう制度化するのです。

 この制度化により、上述の諸活動が活発となり、対象地域が拡大していけばいく程、「アルツハイマー型認知症」の診断、投薬及び発病者の介護に支出される「医療費と介護費用とが削減される」金額の総額の方が、「地域予防活動」を展開する為に拠出する費用の金額の総額を上回ることになると考えるのです。

 注)本著作物(Bー64に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

    

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アルツハイマー型認知症の原因、治療と予防の方法-総集編(B-63)

2016-07-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

   一億総活躍社会達成への具体策の             提     言 

「アルツハイマー型認知症」発病の予防を目的とする特定市町村での地域予防活動の実証を基礎に全国の市町村における実施を将来的な課題とする実証研究の提言

                          (有) エイジングライフ研究所

   (B-63)とその 目         次

&6 「アルツハイマー型認知症」の段階的症状と各段階の期間          

&7 「アルツハイマー型認知症」は早期の段階で見つければ治せる    

&8「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する「生活習慣」

    

&6「アルツハイマー型認知症」の段階的症状と各段階の期間

○ 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

前回のブログの &5で詳細に説明したように、 60歳を超える年齢の「高齢者」(私たちが規定する発病の「第一の要件」)にとって、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々繰り返され継続される、「生活習慣」の下では(発病の「第二の要件」)、出番が極端に少なくなった「脳の機能」(「前頭葉」を含む脳全体の機能)が、「第一の要件」と「第二の要件」が同時に充足され重なり合うことの相乗効果により、加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです。その行き着く先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです(通常は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まってから早くて半年、遅くて1年程の期間の経過後に発症します)。

 ○「前頭葉」を含む脳の機能レベルの直接のアウト・プットが症状

いろいろな種類が数ある認知症の中で、私たちのデータから推測すると、認知症全体の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてくることに、直接に起因して発現する認知症の症状、私たちが回復の可能性という視点から三段階に区分する「アルツハイマー型認知症」の「段階的な症状」が発現してくるのが特徴なのです(内在する「正常老化」の性質に、廃用性の機能低下が加わることで、脳全体の機能の低下が加速される)。「アルツハイマー型認知症」の症状とその進行とは、発病の最初の段階であり、私たちの区分と呼称で言う「軽度認知症」(小ボケ)に始まり、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階を経て、最後は末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階へと進むのです。

○「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の「機能低下の規則性」を反映

 (1)私達が集積してきた「脳機能データ」の解析によると、「アルツハイマー型認知症」の場合には、廃用性の機能低下により脳の機能が衰えていく時、その「衰え方」に以下の特徴が確認されるのです。

ⅰ)「前頭葉」が廃用性の加速度的な機能低下を起こしてきて異常なレベルに衰えていく結果、「社会生活」に支障を起こす原因となる症状が最初に出てくる(軽度認知症「小ボケ」:この段階では、左脳と右脳と運動の脳の機能は、未だ正常なレベルのままなのです);

ⅱ)ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続を条件として、「前頭葉」が廃用性の加速度的な機能低下を継続する中で、次の段階からは、同時に「左脳」と「右脳」が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて更に異常なレベルに衰えていく結果、「家庭生活」に支障を起こす原因となる症状が出てくる(中等度認知症「中ボケ」);

ⅲ)ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続を条件として、「前頭葉」並びに左脳、右脳及び運動の脳が廃用性の加速度的で異常な機能低下を同時並行して更に進行させていく結果、「セルフ・ケア」にも支障を起こす重度の症状が出てくる(重度認知症「大ボケ」)。

注)ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続に終止符を打って、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる「生活習慣」の構築とその実践(「脳のリハビリ」の実践)により、正常な機能レベルに回復させることが出来るのは中ボケまでの段階であり、「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えてくると、回復させることはもはや困難となるのです。認知症の専門家達が、{「アルツハイマー型認知症」は、治らないタイプの認知症である}と主張しているのですが、それは誤りであり、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階で見つけているせいに過ぎないのです。

ⅳ)「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが、小ボケ、中ボケ、更には、大ボケの段階へと衰えていくとき、MMSで測定される「下位項目」には衰えていく順番に「規則性」が認められるのです(「下位項目」が出来なくなっていく順番の「規則性」とそのパターンについては、14689例の精緻な脳機能データの解析により確認されているものです)。

ⅴ)「二段階方式」テストにより得られる上記「4つの特徴」を客観的な指標として活用することにより、「アルツハイマー型認知症」の判定(診断)に際しては、他の種類の認知症との鑑別並びに認知症と紛らわしい病気との鑑別が精緻で容易なものになるのです。

(2)米国精神医学会の診断規定DSM4」の規定の「第二の要件」の問題点(誤り)

ⅰ)「DSM-4」の第二の要件」は、失語、失認、失行又は実行機能の障害(「前頭葉」機能の障害のこと)のいずれかの症状の確認を要求しています。ところが、「アルツハイマー型認知症」の症状としてのこれら全ての症状は、私たちが意識的に何かを実行しようとする際に起きてくる症状のことなのです。

ⅱ)私達の意識的な世界は、「前頭葉」が左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つ、それらを支配し、コントロールしつつ、自分が置かれている状況の理解と判断に基づく「テーマ」の発想、「テーマ」の実行内容の企画及び計画、実行の手順の組み立て、計画した内容の実行結果のシミュレーションに基づいた実行内容及び態様の選択に基づく実行が行われているのです。器質的な機能障害が起きてきているわけでもないのに(脳が壊れてもいないのに)、意識的に何かを実行すること自体に支障が起きてくるのが「アルツハイマー型認知症」なのです。学者や研究者達は、自分が置かれている状況の理解と判断に基づく「テーマ」の発想、「テーマ」の実行内容の企画及び計画、実行の手順の組み立て、計画した内容の実行結果のシミュレーションに基づいた実行内容及び態様の選択に基づく実行を行うには、「前頭葉」の三本柱の機能、中でも、注意の分配力の機能が働くことが不可欠となること並びに「DSM-4」が第二要件に規定する失語や失認や失行の症状が確認される人達の「前頭葉」は殆ど機能していないこと、就中、「注意の分配力」の機能が殆ど機能していないことを知るべきなのです。意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、推論、想像、問題の発見と理解、状況の判断、興味、関心、発想、連想、企画、計画、創意、工夫、予見、予測、シミュレーション、区別、比較、切り替え、執着、評価、修正、具象化、抽象化、整理、段取り、組み立て、機転、抑制、感動及び判断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の高度な「個別の認知機能」(猶、「学習」機能は、大脳辺縁系の機能であって、「前頭葉」の機能ではないことに留意する)を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とが共に、「三本柱」の機能の発揮レベルと「リンク」している)。この意識的な世界を構築する上で不可欠の機能要素である「前頭葉」の個別の認知機能を語るには、私たちが自我を完成させていく上で獲得した自分独自の「評価の物差しの機能」(自分独自の物の見方、感じ方及び考え方としての物差しのことを言うものとする)と自己体験と伝聞の集積体としての「記憶の倉庫の機能」の働きを忘れてはならないのです。プールの脇に在って、無数の花を咲かせているブーゲンビリアの巨木、露天風呂の脇の花壇に在って、しとしと降り続く梅雨の長雨に濡れて、濃い紫色の花を風に揺らせているグラジオラスの花、薄紅色の可憐な花を咲かせている百合の花の存在、形、色、或いは、それらが醸し出している風情、それらを私たちが意識的に認知し、認識し、観察し、感受し、感動する上で、「前頭葉」の「個別の認知機能」、「前頭葉」の「三本柱の機能」、「評価の物差しの機能」及び「記憶の倉庫の機能」が協働することによって初めてそうした世界が開けること及び私たち個々の、且つ、独自の意識的な世界が構築され発現してくるものであること、更には、個別の認知機能の認知度及び発揮度を左右しているものが、私たちが「前頭葉」の「三本柱の機能」と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能であること、そうした意識的な世界での「前頭葉」を含む脳全体としての認知構造、働き具合及び衰えるメカニズム等に気づくことが、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカ二ズム、又は、症状の発現のメカニズム、或いは、症状の重症化のメカニズムを解明する上で必要不可欠の「テーマ」となるのです。それ等とアミロイド・ベータの蓄積とかタウ蛋白の蓄積とかは、まったくの無関係なのだということに早く気づいて欲しいと願うのです。このブログの最後で提案してある、「交流の駅」の活動に継続的に参加している「高齢者」の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについて、その経時変化を3年間でも追跡してみれば、容易に判明することなのです。

私たちの意識的な世界、私たちが意識的に何等かの「テーマ」を実行しようとする世界では、「左脳」(言葉、計算、論理や場合分けなどのデジタルな情報を処理する為に機能特化している)、「右脳」(色、形、空間の認知や感情の処理などのアナログな情報を処理する為に機能特化している)及び「運動の脳」(身体を動かすために機能特化している)と言う「三頭立ての馬車」の御者の役割を「前頭葉」が担っているという脳の機能構造の理解を受け入れてください。

ⅲ)その為、「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階〔私たちが定義する「軽度認知症」(小ボケ)の段階〕では、手足である左脳も、右脳も、運動の脳も、その全てが未だ正常な機能レベルに在るのに対して、司令塔の役割を担う「前頭葉」の働き具合だけが異常な機能レベルに在って、且つその結果として、「前頭葉」の機能障害の症状だけが発現してくるのです。「アルツハイマー型認知症」の末期の段階〔私たちが定義する「重度認知症」(大ボケ)の段階〕の症状が確認されるようになると、それら全ての症状は、異常なレベルに衰えてきていて、殆ど機能することができなくなっている「前頭葉」の働きを中核とした脳全体の働き具合(廃用性の加速度的で異常な機能低下により、「前頭葉」だけでなく、左脳も右脳も運動の脳も その全ての機能が異常なレベルに低下してきている)を直接に反映したものとなってしまうのです。「アルツハイマー型認知症」の所謂末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の更に後半になって初めてその発現がみられる失語や失認や失行などの症状は、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させること(治すこと)がもはや困難な機能レベル、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接のアウト・プットとしての症状なのです。回復させることが困難になるこの段階で見つけていることこそが、医療現場の重大な誤りだと指摘しておきたいのです。

ⅳ)「意識的な世界」における全てのアウト・プットは、「前頭葉」が脳全体の司令塔としての役割を担う機能構造の下で、且つ「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(各々について、正常な機能レベルから異常な機能レベルを含む)の総合的な機能状態を必ず反映した症状、私たちが三段階に区分する様々な症状として、発現してくるのです(「DSM-4」が規定する「第二の要件」は、失語や失認や失行の症状と実行機能の障害を同列に扱い、並列で規定していることからも、この「重要な視点を欠いている」と言わざるを得ないのです)。

「アルツハイマー型認知症」の症状であり、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現している人達(換算後のMMSの得点が14点以下0点までの人達)の内で、その後半の脳機能レベルの人達、換算後の「MMSの得点が一桁」になっていて発現してくる「失語の症状」が確認される人達では、「前頭葉」が殆ど機能していない状態にあって且つ、左脳もわずかにしか働かなくなっているのです。それよりも更に脳の機能が衰えてきている段階で発現してくる「失認の症状」や、その段階よりも更に脳の機能が衰えてきている段階で発現してくる「失行の症状」は、右脳も、運動の脳も、ほんの僅かにしか機能し得なくなっているのです。これらの症状が発現するその基本には、「前頭葉」を含む脳全体の機能を異常なレベルにまで衰えさせた、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因(基礎に在る)なのだと私たちの「脳機能データ」が教えているのです。

ⅴ)「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、その発病の原因はと言うと、廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した、「前頭葉」を含む脳全体としての脳の機能レベルであり、その機能レベルのアウトプットとしての段階的な症状が発現してきているだけなのです。その意味で、「アルツハイマー型認知症」の特徴は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密に対応する形で認知症の症状が発現してくるのが特徴となるのです。とはいえ、その本質が、器質的な変化が原因ではなくて、廃用性の機能低下が原因であるために、「小ボケ」の段階であれば、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により容易に正常なレベルに回復させることが出来る(治すことが出来る)のであり、「中ボケ」の段階で見つければ、脳のリハビリにより正常なレベルに回復させることが未だ可能なのです(この場合も、小ボケのレベルを経由したうえで、正常なレベルに回復してくるのです)。

しかし乍ら、「大ボケ」の段階で見つけたのでは(「前頭葉」を含む脳全体の機能が、大ボケの段階にまで衰えてきていたのでは)、治すことは出来ないのです(中ボケの段階に回復させることさえも出来なくなるのです)。注)小ボケ、中ボケ、大ボケの各段階ごとの前頭葉を含む脳の機能レベルの定義については、Gooブログ(kinukototadao と入力して 検索)のA-16、A-18、A-20)を参照してください。アミロイドベータの沈着による老人斑とか、タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化とか、或いは脳の萎縮とか言った「器質的」な変化が「アルツハイマー型認知症」発病の原因ではないのです。

「DSM4」が第一の要件に規定する「記憶障害」の症状は、小ボケの段階では全く確認されないし、中ボケの段階になっても最後の段階、大ボケの直前にならないと発現してこないことに注目すべきなのです。アミロイド・ベータもタウ・タンパクも、脳内での情報の伝達に不可欠の重要な役割を担うたんぱく質なのです。アミロイド・ベータやタウ・タンパクの沈着や蓄積が神経細胞を侵し、それが原因で情報の連絡の不具合が起きてきて、「記憶障害」の症状を発現させているというストーリーは、誤解に基づく空想、「妄想」に過ぎないのです。研究者は、情報伝達に不可欠であるそれらのたんぱく質が、脳内に残留する結果として、神経細胞を侵すことになるその仕組みを調べるべきなのではないでしょうか。必要なのに使われなくなることによって(ナイナイ尽くしの「単調な生活」習慣が原因で)、神経細胞を侵すほど大量に残留することになるたちは考えるのですが、いかがでしょう。

ⅵ)症状の確認に際して、左脳、右脳、運動の脳と並列に「前頭葉」を扱う内容の規定となっている「第二の要件」は、上述の説明から容易に分かる通り、規定内容(条件)に重大な誤りがあるのです。

私たちは、「失語や失認や失行」の症状も、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する生活習慣により、「前頭葉」の機能だけでなくて、左脳、右脳及び運動の脳までもが「廃用性の加速度的で異常な」機能低下を進行させたことが直接の原因で発現してくる症状だと考えているのです。

「大ボケ」の段階(MMSの得点が、14点以下0点まで)にまで、脳全体の機能が低下してくると、「脳のリハビリ」によって回復させることが困難になってしまうのです(直前の「中ボケ」の段階に回復させることさえ困難になってしまうのです)。

DSM4」が第二の要件として確認している失語や失認や失行の症状が発現している人達は、MMSの得点が更に低くなってきて、「一ケタの得点」にしかならない人達なのだということに注目していただきたいのです。

 ○ 失語、失認、又は失行の症状の発現と脳の機能レベルとの関係

末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現している人達の脳の機能レベルは、私たちの意識的な世界を支配しコントロールしている脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」が殆ど機能していない状態にあって、且つ、言葉や計算や論理や場合分けといった機能をつかさどる役割の左脳も僅かにしか働かなくなっていて(「DSM-4」の規定する第二の要件からすれば、「失語の症状」が確認されているはず)、或いは、更に機能が衰えてきている段階では、アナログな情報の処理を行う役割を担う右脳も僅かにしか機能しなくなっていて(「DSM-4」の規定する第二の要件からすれば、「失認の症状」が確認されているはず)、それよりも更に機能が衰えてきている段階では、運動の脳も僅かにしか機能しなくなっているのです(「DSM-4」の規定する第二の要件からすれば、「失行の症状」が確認されているはず)。

「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくる失語、失認又は失行の症状は、「前頭葉」の機能が正常なレベルにあって起きてくる「通常の失語や失認や失行の症状」とは、発現のメカニズム自体が根本的に異なるのです

「アルツハイマー型認知症」の症状としての失語、失認、又は失行の症状は、「前頭葉」の機能レベル自体が症状発現の直接の原因なのであり、その基礎の上に立って働く構造となっている左脳、右脳、又は運動の脳のそれぞれの機能レベルをも間接的に反映したアウトプットであるという理解が不可欠だと指摘しておきたいのです。

小ボケに始まり、中ボケの段階を経て、大ボケの症状が発現してくるようになるまでに廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきて、更にその上に、失語や失認や失行等の症状が確認されるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてくると(言い換えると、大ボケの症状が発現してきて更に失語や失認や失行の症状が発現してくるまでに「脳全体の機能が低下した状態」が何年間か継続していると)、「廃用性の機能変化に加えて、器質的な変化が重複する形で起きてくる」のではないか、と考えるのです。つまり、失語や失認や失行の症状は、本来的には「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことを直接の原因として発現した症状だと考えているのです。

「DSM-4」が第二の要件に規定する「失語」や「失認」や「失行」の症状がみられるのは、換算後のMMSの得点が一桁になってからのことなのです。失行の症状が出てくるのは、失語や失認に遅れるのです。

失行のパターンが、「観念失行」であれ、「着衣失行」であれ、「構成失行」であれ、「前頭葉」の機能が殆ど働かなくなっていて、左脳や右脳の機能までもが僅かにしか働かなくなっていて、そうした脳全体の機能レベルを基礎として、意識的に何かのテーマをどの程度実行できるのか/出来ないのかが問われることになる訳なのです。

末期の段階である大ボケの段階の更に後半になって発現してくる症状である、ズボンを頭から被ったりするのは、ズボンのはき方を忘れたからでも、体が動かないからでもなくて、ズボンをはくこと自体の意味が理解できなくなっているからなのです。自分が置かれている状況を判断したり、実行すべき「テーマ」の意味や目的を理解する上で不可欠の「前頭葉」の機能がほとんど働かなくなってきていることが原因なのです。

行為の意味も理解できない、形も不十分にしか認知できなくなっている脳の機能レベルでは(司令塔の「前頭葉」の機能を含む脳全体の機能レベルに鑑みて)、何かの「テーマ」に沿った体の動きを実行しようにも、「期待されるレベルのことは、実行できなくなっている」ということに過ぎないのです肝心の「御者」が眠り込んでいる)

意識的に何かの目的で身体を動かす際には、「前頭葉」が左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つそれらを支配しコントロールしながら、身体を動かそうとするテーマ、目的、意味を理解した上で、実行の手順を組み立て、目的となる身体の動かし方をシミュレーションし、最終的な決断を行ってから、指示を出しているのです。従って、司令塔の「前頭葉」の働き具合や左脳と右脳と運動の脳の機能レベルと言う視点で考えると、MMSの得点が6~8点のレベルでは、然も御者が眠り込んでいては、器質的な原因ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能的な原因から、合目的的な動作が出来なくなっていると考えるべきなのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病して何年もが経過し、大ボケの段階にまで脳の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて、さらに大ボケの期間が何年間も続いた人達の死後の脳を解剖したとき観測される様々な器質的変化(老人斑の沈着、神経原繊維変化、脳の萎縮等)は、廃用性の機能低下が進行していき末期の段階の後半にまで進んで行く過程で、使われる機会が減り酵素により分解される量が減ったアミロイド・べータやタウ・タンパクが大量に蓄積した結果としての残留物であり、この段階になって初めて器質的な変化が発生したのではないかと考えるのです(廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した認知症の症状の発症原因ではなくて、末期の段階にまで症状が進行し、且つその状態が何年間も継続した末で発現してきた状態、言い換えると、発病の結果としての「副産物」だと考えるのです)。

 ○「アルツハイマー型認知症」の症状の進行とその期間

60歳を超える年齢の「高齢者」(私たちが規定する「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」)が、「第二の人生」を生きていく日々の生活の中で「前頭葉」の出番が極端に少ない単調な生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される(私たちが規定する「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」ことにより、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに厳密、且つ直接的にリンクして(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに直接的に呼応する形で)、「アルツハイマー型認知症」の症状が段階的に進んでいくこととなるので、「小ボケ」の期間が3年、「中ボケ」の期間が2年あって、その後は何らかの他の病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるまで「大ボケ」の期間が続くことになるのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病していても、そのことが直接の原因で死亡することはなく、身体がもつ限り、言い換えると「何らかの他の病気(老衰を含む)が原因となって死を迎えることになる」その時まで、大ボケの枠の中で、更なる症状の重症化が進行していくことになるのです。「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまうと(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが、そこまで低下してしまうと)症状の更なる進行を止めることさえも/ましてや、回復させることもできなくなるので、「介護の費用」が増大していくだけということになってしまうのです。そのため、「老/老介護」や「認/認介護」や「介護離職」と言った社会問題が顕在化して来ることになるのです。認知症のお年寄りの世話をするための公的費用(診察、投薬及び介護の費用)が年間で15兆円を超える規模になってきて、我が国の政治家も官僚も、蛇口を開きっ放しにした状態で放置して居て、桶から水があふれそうになり慌てているだけ(発病の予防にも、早期診断による回復にも目を向けないで居て、「介護保険」の財政的な破たんが現実化する状態に大騒ぎしているだけ)なのです。皆さんの問題意識は、どうなのですか。

 ○ アルツハイマー型認知症と「アルツハイマー病」との相違点

第二の人生を送っているお年寄り達の間での発症、老年発症を特徴とする(極めて僅かな例外事例を除いて、60歳以降の年齢の「高齢者」だけが発病の対象となる)廃用型の「アルツハイマー型認知症」の場合は、若年発症を特徴とする(30歳代から50歳代までの年齢の人だけが発病の対象となる)遺伝子異常型の「アルツハイマー病」の場合とは、発病のメカニズムも、発病後の症状の進行具合も、治療の可能性の有無という点についても、さらには発病を予防する方法の有無という点についても、根本的に異なるものと言うべきものなのです(「アルツハイマー型認知症」と「アルツハイマー病」との「呼称の統合」は、大間違いなのです)。

   

&7 アルツハイマー型認知症は、早期の段階で見つければ治せる

○ボケの治療は脳のリハビリ「小ボケ」の場合

「アルツハイマー型認知症」も一般の病気と同じこと、早期発見、早期治療が肝心なのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下が本質であるので、早く見つける程、回復する可能性が高いのです。私たちは、回復の可能性と言う視点から、「アルツハイマー型認知症」の症状について、以下の三段階に症状を区分しているのです。

「軽度認知症」(小ボケ)で見つければ、簡単に治せます(回復容易)。

「中等度認知症」(中ボケ)で見つければ、手間はかかり大変だけど、家族の協力があれば何とか治せます(回復は、未だ可能)。

「重度認知症」(大ボケ)で見つけていたのでは、見つけても手遅れ、治らないのです(回復は、困難)。

世間では、「アルツハイマー型認知症」の末期段階の大ボケの症状を物指しとして見つけようとするので、せっかく見つけても治らないのです(「3つの段階」に分けられることにも、気づいていない)。

「アルツハイマー型認知症」を治す(「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を正常な機能レベルに引き戻す)には、脳の使い方としての日々の「生活習慣」を「前頭葉」の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを活発にしてやることが必要不可欠となるのです。

脳を使うというと、簡単な足し算や引き算の計算に励むとか、平仮名で書かれたおとぎ話を音読するとか、左脳に注目するのが世間のやり方なのですが、「前頭葉」の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、言い換えると、趣味や遊びや人づきあいをしっかり楽しむ生活を送ることなのです。

趣味や遊びや人づきあいを楽しむことで、自分なりに目標や喜びや生き甲斐があって、意欲が湧いてくるような毎日を過ごすのです。趣味や遊びや人づきあいを自分なりに楽しみ、その発想や企画や計画、実施方法や態様のシミュレーション、或いは、実行の過程や結果について、喜びや生き甲斐を覚えると言った生き方、右脳中心のテーマや生活の工夫と実行が、「前頭葉」の出番を増やし、働きを活性化させ、或いは「前頭葉」の元気を取り戻せるのです。やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような趣味や遊びや人づきあいを自分なりに楽しむ生活とその仕方を工夫するのが大切なのです。

小ボケの症状が出てきているということは、「脳と言う側面」からいうと、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働き具合が、既に正常なレベルにはなくて、異常域に入ってきているということなのです。自分で「テーマ」を見つけることが出来ないし、肝心の意欲も湧いてこなくなっているのです。周りが助けて、本人なりに毎日を楽しめる「生活習慣」を組み立て手挙げることが必要なのです。本人が辿ってきた過去の「生活習慣」に遡って、どんなことに熱中していたのか、どんなことなら意欲を持って取り組めていたのかを家族や周りの人達が調べてあげることも必要なのです。

○ 趣味も遊びも人づきあいも苦手と言う人には、運動の脳からの刺激が意外と効果的なのです(ここを「クリック」してください)。この場合、一日一時間の「速足での散歩」が目標となります(5000歩が目安)

 &8「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する「生活習慣」

○ 発病を予防するための「五箇条」

一、熱中し、夢中になれる趣味や遊びをできるだけたくさん持つ

二、気心が知れた関係の友達と交わる機会をできるだけ多く持つ

三、自分なりの生き甲斐や喜び、目標となるものを見つける

四、精神的な張りと適度に緊張感のある毎日を過ごす

五、散歩程度でも良いから、運動する機会を出来るだけ多く持つ

 ○ 「アルツハイマー型認知症」とは無縁で、自分らしくいきいきと生きる為に不可欠な「生活習慣」を打ち立てるための「指針」

「左脳」中心、「仕事偏重」だった第一の人生とは生き方を変えて、第二の人生では、「右脳」重視の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、自分らしさが前面に出るような生き方をして、自分がイキイキしていると感じられる脳の使い方(「生活習慣」)を毎日の生活の中に打ち立てることが「必要不可欠の条件」となるのです。

「左脳」を中心に据えて、「周りの人達に負けまいと頑張って生きてきた」第一の人生での「生き方」に大きく舵を切って、「右脳」を中心に据えて、「他人は他人として気にせず、自分なりの生活の楽しみ方」を追求すること、「自分の置かれた状況を肯定して、自分なりに人生を楽しむ生き方」が、第二の人生では要求されるのです。「この生き方」こそ、「アルツハイマー型認知症」を予防する唯一無二の、「特効薬」なのです。「キッカケ」となる状況が起きたときに、特にこの考え方、生き方が、立ち上がる「意欲」を喪失させない上で、必要となるのです。

「意欲」が自然と湧いて来るような自分なりのテーマ、「注意を集中」したり「注意を分配」したりする(複数の異なったテーマを同時並行して実行する「前頭葉」の機能 )ことができるだけ多い「テーマ」に取り組む中で、自分らしい「生き方」、自分らしい「生活の楽しみ方」を追及し、そうした暮らし方(「生活の仕方」)が「生活習慣化」するよう努力する生き方が必要不可欠となるのです。

 ○ 「超高齢化社会」の目標は、身体だけでなくて、脳も持たせること

「アルツハイマー型認知症」は、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が廃用性の加速度的で異常な機能低下により、衰えてくることが発病の最初の段階なのです(「小ボケ」)。逆に言えば、「前頭葉」が正常に働いている(正常な機能レベルにある)限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないのです(14689例の脳機能データがそのことを示している)。その「前頭葉」が生き生きと働いている状態を保つには、人生を自分なりに楽しむ「生活習慣」(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣)を組み立て、「前頭葉」の出番が多い生活を日々心がけることが不可欠となるのです。

趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」重視の生活が、「前頭葉」の働きを活性化させ、或いは「前頭葉」の元気を取り戻させるのに最も効果的なのです。

 ○「地域予防活動」を小地域単位で展開する為の活動拠点となる「交流の駅」の建設と運営

真の意味での「一億総活躍社会」と言うのは、その対象となる一億の人達の「前頭葉」を含む脳全体の働き具合が正常な機能レベルに在ることが大前提となるのです。世界でも稀な程のこの超高齢化社会に在って、本当の意味での、或いは、健全な意味での「一億総活躍社会」とは、「身体だけでなくて、肝心の脳が健全な状態、正常な機能レベルに保たれている社会」であることが、本人の精神的な意味からも、家族関係の健全性の意味からも、更には、国家の健全な財政と言う視点からも不可欠の条件となることを、私たち自身が、我が国の社会全体が理解すべきなのです。家の外に出て行って、他人と交わり、共通のテーマをそれなりのレベルで実行できるには、「前頭葉」が正常な機能レベルに在ることが大前提となるからです。私たちの意識的な世界を支配しコントロールしていて、左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」と言う脳機能が、正常な機能レベルで働くことが出来なくなった時、意識的に何かの「テーマ」を実行しようにも、家の外に出て行って、お友達と「趣味」や「遊び」を楽しもうにも、様々な程度態様の支障が出てきて、自分の脳の力では対応しきれない状態に陥ってしまうのです。その「前頭葉」が使われることが極端に少ない、出番が極端に少ない「生活習慣」の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が起きてきて、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働き具合が異常なレベルに衰えてきた時、実は、「アルツハイマー型認知症」が既に始まっている(「小ボケ」の段階に入っている)からなのです。

「一億総活躍社会」の提言の内容を見ていて感じるのは、「絵に描いた餅」ばかりということなのです。「介護施設で働く従業員の給料を少しばかり上げたり、人数をある程度増やす」などと言うのは、発想自体が貧困に過ぎるのです。この先も認知症を発病するお年寄りが増え続けることが発想の前提になっているからです。根本的な解決策」となるのは、認知症全体の90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期発見による回復と言う「テーマ」を国策化することなのです。今日は、その展開策としての一つの例として、以下に具体的に提案しておきましょう。

間伐材を活用して、老若男女が交流する場として、トイレ、水道、台所、土間の空間及び休憩室を備えた、平屋建ての「交流施設」を「高齢者」が自宅から徒歩で通うことが出来る小さな地域単位ごとに一つ建設するのです。建屋の周りには、花壇も設置して、活動に参加するお年寄りが四季の花々を植えて、管理することにするのです。建設場所は、小学校の跡地を含め、国や市町村が保有する遊休の土地を活用するのです。

建設と運営のための費用は、介護保険の一部から拠出するのです。交流が活発化することで、「高齢者」の「アルツハイマー型認知症」の発病が予防され及び発病の時期が先延ばしされることにより、余るほどの「おつりが出てくる」ことになるのです。

「交流の駅」は、ともすれば家に籠りがちな「高齢者」が外に出て行って、他人と交わる場、「前頭葉」を含む脳全体脳を活性化させる重要な場となるのです。人と交わって、とりとめのない話題について談笑し、時には花壇の世話をするだけでも、「前頭葉」の出番が有るので、脳活性化の効果は大きいのです。

出来るだけ全ての階層の老若男女が交流することを目的としつつ、実態としては、「第二の人生」を生きている「高齢者」が交流の中心となる場とするのです。「交流の駅」の運営は、カクシャクな高齢者が自主的に運営すれば、その企画や計画の場を持つこと自体が、その人達自身の脳の活性化ともなるのです。

日常的な交流の場としつつ、一方では、地域の人的な交流の活性化を目的とした春夏秋冬の季節ごとに一つの行事を高齢者が中心となって企画し、実行するする場ともするのです。お茶を飲んで、日常の些事について談笑するだけでも、脳は活性化するものなのですから。

 注)本著作物(Bー63に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

 

 

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アルツハイマー型認知症の原因、治療と予防の方法-総集編(B-62)

2016-06-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

    一億総活躍社会達成への具体策の   提     言

「アルツハイマー型認知症」発病の予防を目的とする特定市町村での「地域予防活動」の実証を基礎に全国の市町村における実施を将来的な課題とする実証研究の提言ー    

               有限会社 エイジングライフ研究所

                        

4「前頭葉」の諸機能と機能発揮上の「二重構造」のメカニズム

○ 「アルツハイマー型認知症」とその症状が発現する特徴

認知症を発病していて、日常生活に介護が不可欠の状態に在るお年寄りの数が、500万人を超えるところまで来ている我が国の実状、その数はこの先も増え続けていくものと予想されていて、介護保険制度が財政面から破綻しそうな状況の下、介護保険の適用を抑えて「家族介護」に頼ろうとしているのが現状なのです。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、二次性認知症、レビー小体型認知症など、様々な種類がある認知症の内の大半、90%以上の割合を占めているのが「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症なのです。その肝心の「アルツハイマー型認知症」については、我が国だけではなく、世界中の認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師達)から、発病の原因(メカニズム)が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症であるとのお墨付きが出されているのです。ところがそのことを奇禍として、製薬会社は効きもしない薬を量産して放出し、医療機関は、極めて高額の診療費を稼ぎ出すことが出来るCTやMRI、果てはPETまで総動員して、治すことが出来なくなる末期の段階で見つけて、その上効きもしない薬を処方して、売上高を稼ぎ出すことだけに腐心しているのです。私たちは、こうした世の中の不条理な状況を正そうとして、小さいながらも高い志に燃えて市町村における「地域予防活動」の展開を指導し、こうして、ブログで私たちの主張とその根拠となるデータを公開してもいるのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病した世界、正常なレベルへの回復(「アルツハイマー型認知症」が治る)の可能性と言う視点から、私たちがその症状を「三段階」に区分(「小ボケ」の段階の症状、「中ボケ」の段階の症状、「大ボケ」の段階の症状)する世界は、脳が壊れてもいない、器質的な障害が起きてきている訳ではないのに、「意識的」に何かをしようとする際に不都合が生じてくる世界なのです。世の中の専門家とされる人達は、「アルツハイマー型認知症」を発病して末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認されつつ何年間も生きていたお年寄りの、死後の脳の解剖による解剖所見を基礎として、そこに確認されるアミロイドベータの沈着による老人斑、タウタンパクの沈着による神経原線維変化と言う特徴に着目して、それぞれ、アミロイドベータ説、タウ蛋白説と言う「仮説」を主張しているだけなのです。「仮説」と言う意味は、その主張の根拠と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係が未だに立証できていないという意味なのです。それぞれの主張の内容に十分な根拠があるというのではなくて、主張している人達(機関)に権威があるが為に有力視されているだけのものなのです。

私たちは、彼らのような権威こそないものの、生きた人間の「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状、並びにその源となっている発病前後の数年間における脳の使い方としての生活歴についての精緻で、14689例にも上る数の「脳機能データ」の解析を根拠としていて、「アルツハイマー型認知症」は廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であって、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけることにより、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)を実践することにより治すことが出来るし、「前頭葉」を含む脳全体の活性化を基礎とした「生活習慣」の構築により発病自体を予防することが出来ると主張しているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病は、上述の2つの「仮説」が設定しているような脳の器質的な変化が原因なのではなくて、私たちが主張しているように「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因に過ぎないのです。就中、「前頭葉」の廃用性の機能低下が中核にあるのです。

私たちの主張に賛同して、私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技と称する私たちの「システム」の導入契約(有償期間が有期の「使用許諾契約」。有償の期間満了後は、使用料は無償となります)を締結し、実践してきた市町村は北海道から九州まで全国に分布し、その数は、私たちが活動を開始した1995年以来の累積数で、440を超えるのです。私たちの説は、仮説ではなくて、実践の成果に基づいてもいるのです。私たちの主張内容の正しいことは、その疫学的な証明と言う方法による立証という事態が、2017年の春か夏ごろには確認されることになると予告もしているのです。それは、東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の高齢者たちの間でひそかに進行している実態が明るみに出てくることになるからです。発病してから3年間は「小ボケ」の期間、その後2年間は「中ボケ」の期間、それ以降は「大ボケ」の段階となるという、私たちの「脳機能データ」に基づく、各段階の期間に関する基準値があるからなのです。言い換えると、認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病と騒ぐ症状が確認される段階の人達(私たちの区分で言う末期の段階である、「大ボケ」の段階の人達)が、我が国の他のどの地域のお年寄りたちと比較しても、異次元とされるレベルでの年齢別の発症率と発症者数とが確認される事態に直面することになるはずだからなのです。

私たちの意識的な世界は、条件反射などとは異なり、まず最初に、「前頭葉」を含む脳全体の関与が不可欠となるのです。意識は、「前頭葉」の働きによって作り出されるものだからです(ここを「クリック」してください)。その「前頭葉」の個別の認知機能は、様々な種類の機能に分化していて、私たちが確認しているものだけでも40種類を超えるのです。更にその中でも、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の働きが、極めて重要な役割を担っているのです。何かの「テーマ」を考え付くにも、言葉を駆使して何かを語ろうにも、何かの目的のために身体を動かそうにも、或いは、自分が置かれている状況を判断しようにも、この「三本柱の機能」が、正常な機能レベルで働くことが不可欠になるのです。

脳の働きを専門的に研究している脳科学者と称する人達、更には、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを研究している認知症研究の専門家達の誰もが、意識のメカニズム、或いは、「前頭葉」の働き方のメカニズム、更には、「前頭葉」の働きの衰え方のメカニズムについて、明確な表現で言えば、無知なのです。それらのメカニズムについて、或る程度の知識を習得しない限りは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについて、正しく且つ、十分な知識を獲得することは出来ないのです。

私たちの意識的な世界、思考であれ、言動であれ、行為であれ、私たちが意識的に何かを実行しようとする世界は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という機能が正常な機能レベルにあることが前提として要求されることになるのです。左脳、右脳、運動の脳という三頭立ての馬車の御者の役割を担う「前頭葉」が、三頭の馬を支配し、コントロールすることにより、私たちの意識的な世界での正常で、且つ、適切な結果を伴う思考や行為や言動の企画や計画、或いは、その選択及び決定が成り立っているのです。

60歳を超える年齢の高齢者(発病の「第一の要件」)が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続させること(発病の「第二の要件」)で、言い換えると、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることによって、「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な機能低下が進行していき、その結果として、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。更には、発病後もナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される下で、廃用性の機能低下が進行していき、「前頭葉」を含む脳全体の機能が更なる機能低下を進行させていくことにより、「アルツハイマー型認知症」の症状が重症化していくことになるのです。その段階的な症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが(一つの要素として「前頭葉」自体の機能レベルと、そして他のもう一つの要素として、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の機能レベルとが、相互に組み合わさった脳全体の機能レベルを言うものとする)、直接に反映されて、且つ、厳密にその機能レベル自体のアウト・プットとして、「アルツハイマー型認知症」の症状、私たちが回復の可能性という視点から「三段階」に区分する症状が、発現してくるのです。

 ○ 「前頭葉」の諸機能

一口に「前頭葉」の機能といっても様々なものがあり、私たちが確認しているものだけでも、数十種類もの数になります。以下に、その代表的なものをいくつか挙げてみることにします。自分が置かれている状況の判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想と選択、選択したテーマの実行に係わる内容の企画と計画、計画した内容を実行した場合の結果の予測、理解、考察、洞察、推理、構成、ケース・シミュレーション、ケース・シミュレーションに基づく修正、最終的な実行内容及びその程度態様の選択と決定、実行の決断と実行の指示。自分が行おうとする/行っている言動や行動や感情の発露の行き過ぎに抑制をかけるのも「前頭葉」の機能であり、何かに感動するのも「前頭葉」の重要な機能なのです。更には、これらの個別の認知機能が発揮されるときの機能の発揮度の問題があるのです。そして、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右しているのが、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。

○ 「前頭葉」の個別認知機能の発揮度と「二重構造」の問題

私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、判断、企画、計画、想像、推理、洞察、考察、理解、構成、修正、抑制、感動、決断、指示等「前頭葉」の個別認知機能の認知度及び発揮度を下支えしているという問題、私たちが、「二重構造」と名付ける構造問題が存在しているのです。

従って、発病後もナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていくことにより、三本柱の機能個別の認知機能が個別に及び/又は両者並行して廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて、私たちが区分する「軽度認知症」(小ボケ)に始まり、次いで「中等度認知症」(中ボケ)を経て、最後に「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が発現してくるようになると、その「大ボケ」の段階では、症状発現の原因である「前頭葉」の三本柱の機能と個別認知機能が殆ど働かない、(状況とテーマによっては、僅かに働くことがあるのですが)というレベルにまで衰えてくることになるのです。あの「DSM-4」が診断の「第二の要件」に規定している症状が発現してくる段階、MMSEの得点が一ケタになり、「失語や失認や失行」等の症状が発現してくる段階になると、「前頭葉」の三本柱の機能と個別認知機能はほとんど働かないレベルにまで、衰えてきているのです。

アルツハイマー型認知症というタイプの認知症の正体、発病のメカニズムを解明し、或いは、発病の予防や治す方法を開発する為には、「記憶障害」の症状に目を向ける以前に、「前頭葉」の機能及び上述した「二重構造」の問題に目を向けることが不可欠となるのです。

注)「前頭葉」の個別認知機能が正常なレベルにあっても、「前頭葉」の三本柱の機能がそれなりに衰えてくると(但し、かなひろいテストの結果は合格のレベルで)、注意の分配機能の加齢に伴う衰えにより記銘時の記銘度が低下してくる為に、「物忘れ」の症状が発現してくるようになるのです。

なお、「注意の分配力」の機能というのは、複数の異なった「テーマ」を同時に並行して実行する際に不可欠の脳機能なのです。例えば、相手が語る話に注意を傾けて大筋や重要な点を理解しながら、自分なりの意見を提示するには、この注意の分配力と言う機能が正常なレベルで機能していることが不可欠となるのです。注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきたとき、コミュニケーションに支障が出てくることになるのです。或いは、自分が置かれている状況を判断し、その判断に沿って適切なテーマを選択し、実行すべき内容を企画し計画するにも、或いは、その実行の可否を判断し決定するにも、この注意の分配力の機能が正常なレベルで機能していることが不可欠の条件となるのです。

 ○「前頭葉」の三本柱の機能に内在する「正常老化」の性質

 脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、各種の高度な働きを担当している「前頭葉」の機能、中でも、その個別の認知機能を正常に発揮する上でとりわけて重要であって、「前頭葉」の個別認知機能の「発揮度」や「認知度」の高さ、或は低さを直接左右している「前頭葉」の三本柱の機能である、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、以下に説明するように、趣味や遊びや交遊や運動を仲間と自分なりに楽しむ生活があり、自分なりの目標や生き甲斐がある生活(それなりに「前頭葉」の出番がある生活)を送っていても、「加齢とともに、それらの機能が老化し、衰えていく」という重要な性質があるのです(私たちは、これを「正常老化の性質」と呼んでいます)。私たちが発見したこの「正常老化の性質」は、人間であれば誰でも、生来的な性質として存在している、「前頭葉」の三本柱の機能に内在しているものなのです。

「正常老化」の曲線の存在

私たちが集積してきた年齢別の「脳機能データ」を基にして簡潔に説明すると、「前頭葉の三本柱」の機能には、18歳から20代の半ばまでがピークで、20代の半ばを過ぎる頃から100歳に向かって、緩やかではあるけれど、直線的に衰えていくという性質があるのです。

60歳代後半にもなると、「三本柱」の働き具合は、ピーク時の18歳から20代の半ばの頃に比べ、働きが半分以下になっているのです。70代、80代、90代、100歳代と、年をとればとる程、「三本柱」の働きが更に衰えていって、どんどん低空飛行になっていくという性質なのです。但し、脳が活性化する生活習慣の維持により、「前頭葉」の働きが正常なレベルを維持できている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することはないのです。

認知症の大多数90%以上を占めていて、高齢化率が高い市町村や高齢化率が高い地域等で、普段よく目にし、或は、耳にしている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、その発病のメカニズムを考えるとき、「前頭葉」の三本柱の機能に「正常老化」という問題が内在しているという理解が極めて重要になるのです。「脳の正常老化」という問題が基本にあるから、「アルツハイマー型認知症」は、若者には関係なくて、「60歳代以降のお年寄りだけが対象になる」のです(私たちが規定する、発病の「第一の要件」)。

脳の司令塔は「前頭葉」であり、その「前頭葉」の三本柱の機能に加齢と共に働きが衰えていくという性質、「正常老化の性質」が内在していることに気づくことが、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明する上で、不可欠となるのです。

脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う機能の性質や働き方のメカニズムを知らないで/或いは、着目さえしないで、(何時までも)アルツハイマーマウスとやらを追いかけて、又はアミロイドベータの蓄積であるとか、タウタンパクの蓄積であるとか、脳の萎縮の度合いであるとかのテーマを追い続けていたのでは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムをも、発病を予防する方法も、治療する方法をも、解明することは未来永劫困難な問題だと言うことを問題提起し、指摘しておきたいのです。水面に浮かんでいる状態から、沈んでいく間の状態、更には、沈殿し堆積していくまでの間をつぶさに観察してみれば容易にわかることなのに、堆積物の中を単に掘り起こし、出てくるものが発病の原因だとの仮説を展開しているだけのレベルなのです。それが、権威とかの仕業なのです。

 5 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

○ 私たちの主張の根拠となる「脳機能データ」の解析結果

 世界中の認知症の専門家とされる人達から、発病の原因さえも分からないとされている「アルツハイマー型認知症」について、発病のメカニズムを解明し、14689例にも上る「脳機能データ」の解析を基礎に理論面から体系化したのは、私たちが世界で初めてなのです。私たちは、「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」とそれに厳密にリンクした症状並びに加速度的で異常な脳機能低下という視点から、私たちが独自に開発した「二段階方式」という精緻な「神経心理機能テスト」を活用して「脳機能データ」を集積し、それを解析して、「アルツハイマー型認知症」の正体が「脳の使い方」と言う視点から言うところの廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であるということを突き止めたのです。

そのノウハウを体系化し、「二段階方式」の手技のソフトという形で実用化し、北海道から九州に至るまで全国440を超える市町村で、「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とした「地域予防活動」の実践を指導してきたのです。地域単位で開催される予防教室での脳の使い方としての「生活習慣」の体験を通して、「趣味」や「遊び」や「人付き合い」や「運動」、更には「社会活動」などの中に、自分なりの「テーマ」を見つけ、自分なりの喜びや生き甲斐が得られる生き方を追求し、「前頭葉」を含む脳全体の活性化を図る「生活習慣」を構築することにより、「アルツハイマー型認知症」の発病自体を予防し、且つ、早期の段階で見つけて脳のリハビリの実践により治すことを目標とした「地域予防活動」を1995年に活動を開始して以降、実践の成果が評判となって、導入先を起点としたドーナッツ現象が起き、急速に全国的に導入先が拡大していきましたが、合併前に340に上った導入先の数は、平成の大合併の多大な影響を受けて、合併後の市町村で新規に導入契約が締結された市や町の数は、合併後100程までに減少しました。吸収合併した市が業務の継続を認めなかったことが、最大の原因でしたが。2つ以上の市町村が合併して、新しい市や町に生まれ変わったので、新規に導入する契約のソフトの使用料を2倍にしたこともありますが、合併後も有償期間は5年のままに維持したこともあり、その活動は、現在下火の状況にあります(民間の企業とは異なり、市町村の場合は、有償期間の満了により使用料が不要になると、なぜか活動が下火になっていくのです。無償となることで予算化の必要がなくなると、人の配置もなくなってしまうのです)。こうした経験から、現在の使用許諾契約の有償期間は、10年の長期にしてあります。そこまで活動が継続されれば、有償期間が満了したことにより無償の期間に入っていっても、活動が消滅することは無いものと期待しているからです。使用の対価が有償とはいえ名目的な金額に過ぎなかったのですが、市町村で実践する場合は、予算化が必要なテーマという視点から、或る程度高額な対価の方がプロゼクトとしての実施が担保され、周囲や上層部の認知度も高くなるということなのです。更には、「主張内容」が正しいというだけでは足りなくて、主張自体の権威づけが極めて重要となることも学習したのでした。

とはいえ、「東日本大震災」の被災地の高齢者達に現在起きていて、認知症の専門家たちから(気づかれないで)見逃されている状況、他のどの市町村でも起きなかった規模と年齢別の発病率の高さでの「アルツハイマー型認知症」の発症と言う状況が、今まさに明るみに出ようとしている状況に対して(震災の被災をキッカケにして、ナイナイ尽くしの単調な生活に入ったお年寄りたちが、「小ボケの期間が3年、中ボケの期間が2年で、6年目以降は大ボケの段階に入る」という、私たちが有する「段階的症状の各期間」の指標から考えると、そろそろ「大ボケ」の段階に入ってきた人達が、然も大量の規模で出現してくるはずと私たちは考えている)、市町村で実践してきた活動による成果を、世の中に再び広めていきたいと、今は、考えているのです。「大ボケ」の段階の症状が確認されると初めて、認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病だと考えることになるので、マスコミを含め大騒ぎになると考えられるからです。

○「正常老化の曲線」の存在と年齢別の発症率

世界中の認知症の専門家とされる人達から、今なお原因不明の病気とされている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズムを解明する上で、極めて重要な要素、それは、意欲、注意の集中録及び注意の分配力の機能と言う「前頭葉」の三本柱の機能には、「20歳を過ぎてくると、年をとるにつれて100歳に向かって、緩やかではあるが徐々に働きが衰えていく」という特徴を有する老化曲線、言い換えると「正常老化の曲線」が存在すると言うことなのです。これこそが、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを知る、解明する上での出発点となるのです。それなりに「前頭葉」の出番がある「生活習慣」を維持していても、加齢とともに機能が緩やかにではあるが直線的に衰えて行くという性質があるのです。「高齢者」の入口である65歳頃には、「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが、最も高い20歳頃のほぼ半分くらいにまで衰えてきていることが注目すべき要点(ポイント)なのです。

「二段階方式」を活用して集積した「脳機能データ」の解析により、「前頭葉」を含む脳の機能の加齢による老化という要因を発見し、且つこの要因に着目し、60歳を超える年齢の「高齢者」であることと言う条件を「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一の要件」として私たちは規定しているのです。「大ボケ」の段階のお年寄り達の数だけでなくて、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階のお年寄り達の数を総合してカウントすれば、60歳代では12%、70歳代では30%、80歳代では50%、90歳代では75%、100歳代では97%にも上る人達が、「アルツハイマー型認知症」を発病していることをデータが示しているのです。

老化のカーブを左右するのは、脳の使い方としての「生活習慣」

自分なりの生き甲斐や達成すべき目標があり、趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活の機会が多くあるお年寄り、日々の生活の中で、たくさんの量と質のよい情報とが「前頭葉」に送られてくるような「生活習慣」が継続されているお年寄りは、老化の曲線は緩やかなものとなり、身体が持つ限り脳も保てる、所謂「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです。

「アルツハイマー型認知症」は、晩発型アルツハイマー病とも別称されているように、発病する対象者は60歳を超える年齢の高齢者であり、60歳代よりは70歳代の方が、70歳代よりは80歳代の方が、80歳代よりは90歳代の方が、発病率が高くなっていくのです。年齢が上がれば上がるほど発病するリスクが高くなっていくという特徴を有するのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。そうだからと言って、60歳を超える年齢の「高齢者」であれば(私たちが規定する「発病の第一の要件」の充足)、誰もが「アルツハイマー型認知症」を発病する訳ではないのです。そこには、もう一つ別の明確な条件が存在するのです。それこそが、発病の「第二の要件」として私たちが規定する条件、脳の使い方としての「生活習慣」なのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能の老化のカーブを左右する条件とは、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方であって、一部の説(仮説)が主張しているようなアミロイドベータの沈着でも、タウ蛋白の沈着でも、或いは顕著な脳の萎縮でもないのです。勿論のこと、食生活の在り方でもないのです。

私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されている生活習慣のことなのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていて、量も少なく、質も劣る情報しか脳に送られてこない(左脳、右脳、運動の脳を介して、最終的には「前頭葉」に)「生活習慣」が継続されているお年寄りは、発病の「第一の要件」(正常老化による機能低下)と「第二の要件」(廃用性による機能低下)が同時に充足される相乗効果により老化の曲線が加速度的で異常な低下の曲線を描き、急速に低空飛行の状態になっていくことになるのです。

○ アルツハイマー型認知症の症状は「前頭葉」の機能レベルを基礎

60歳を超える年齢の高齢者が、ナイナイ尽くしの単調な生活(脳の使い方としての「生活習慣」)を継続させていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、その行き着く先には、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。これこそが、世界中の認知症の専門家とされる人達から、発病の原因(メカニズム)が分からないとされている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズム(正体)なのです。

廃用性の機能低下の場合は、高度な機能から順に衰えていく、言い換えると、最も高度な機能である「前頭葉」の三本柱の機能が最初に衰えを開始し、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順に衰えていくのです。三本柱の機能は、源である「意欲」が進化し分岐して、注意の集中力を生み、「注意の集中力」が進化し分岐して注意の分配力の機能を生んだと考えられるのです。廃用性の機能低下が原因で、「前頭葉」の三本柱の機能が衰えていくとき、注意の分配力、注意の集中力、意欲の順に衰えていく、機能が高度なものからより低いものへと順に衰えていくのです。脳全体の司令塔の役割を担う前頭葉の機能が異常なレベルに衰えてきたその時から、左脳も右脳も運動の脳も、その全てが未だ正常な機能レベルにあろうとも、脳全体のアウトプットとしての症状は、「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくるのです。

私たち人間の意識的な世界では、全ての思考、行為、行動や言動が、必ず「前頭葉」の機能を介してアウトプットしてくる機能の機構になっているのです。そして、私たちの「意識的な世界」では、「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つそれらを支配し、コントロールしながら、状況の判断、状況の判断に沿った「テーマ」の選択、実行すべきテーマの内容の企画や計画、実行結果に対する考察、洞察、推理やシミュ・レーション、シミュ・レーションに基づく実行内容の修正、実行の決断、決断に基づく脳の各部への実行の指示などを行っているのです。このメカニズムで脳が機能するが故に、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきたことに起因して(リンクして)、それを直接に反映したアウト・プットが、「アルツハイマー型認知症」の「段階的な症状」として、発現してくることになるのです。

「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能の低下を進行させていき、且つ、そのことが直接の原因となって、「アルツハイマー型認知症」の「段階的症状」が発現してくるのです。脳の機能が「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルにあって、その全体としての脳機能のアウト・プットが「小ボケ」の段階の症状として発現するのです。脳の機能が「中ボケ」の段階では、「小ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、左脳及び右脳の機能も異常なレベルにあって、その全体としての脳機能のアウト・プットが「中ボケ」の段階の症状として、発現するのです。

脳の機能が「大ボケ」の段階では、「中ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、左脳及び右脳の機能も「中ボケ」の段階よりも更に異常なレベルにあって、更には運動の脳の機能も異常なレベルに衰えてきていて、その全体としての脳機能のアウト・プットが「大ボケ」の段階の症状として、発現するのです。このように、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の器質的な機能低下が発病の原因ではなくて、機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が発病の原因だと私たちは考えているのです。

廃用性のものであるからこそ、本当の意味での「早期の段階」で見つければ、「回復」させることが可能なのです

発病の最初の段階となるのが、回復の可能性の有無とその程度と言う視点から私たちが区分する「軽度認知症」(小ボケ)の段階で、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階があり、最後に、「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです(「小ボケ」に始まり、「中ボケ」の段階を必ず経由して、最後に「大ボケ」の段階に至るという重症化の経路が「アルツハイマー型認知症」の特徴でもあるのです)。

「小ボケ」の段階で見つけると、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させる(治す)ことが容易であり、「中ボケ」の段階で見つけると、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させることが未だ可能なのですが、医療の現場で行われているような末期の段階(MMSEの得点が換算値で14点以下)である「大ボケ」の段階で見つけたのでは、(厳密にいうと、前段階の「中ボケ」の段階にさえも)回復させることが困難となるのです。更に問題となるのは、末期の段階である「大ボケ」の段階は、症状の重さの程度の幅が極めて広いのです。回復させることを期待できないうえに、「大ボケ」の枠組みの中で(MMSEの得点が換算値で14点以下0点まで)、何等かの他の病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるその時まで、症状のさらなる重症化が進行していくことになるのです。身体が持ち続けるケースの場合には、最後は、「植物状態」のようになるのです。介護保険制度の財政面からの破たんと言う問題を恐れて、介護保険の適用条件を絞り、「家族介護」に頼ると、昼夜をいとわず介護が必要となる為、連れ添いのお年寄りも、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に追い込まれることにより「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが極めて高くなるし、現役世代が介護する場合は、「介護離職」の問題が現実化してくることになるのです。介護保険の適用条件を絞るのではなくて、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防及び本当の意味での早期の段階で見つけて治すということが可能となる「地域予防活動」を制度化すべきなのです。

MMSEの得点が14点以下の領域の全てが大ボケの段階なのですが、「大ボケの段階」でMMESの得点が(14点から10点までの)二桁の得点を維持している段階では、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の三本柱の機能及び個別認知機能が僅かにしか機能しなくなっていて、更に、左脳も機能が相当程度低下している状態に在って、右脳と運動の脳だけがそれなりのレベルで未だ機能しているという「脳の機能レベル」としての状態になっているのです。更に、MMSEの得点が一桁になるまで脳全体の機能レベルが衰えてくると、徘徊や不潔行為、或いは暴力行為等の「周辺症状」に区分される症状が脳の機能レベルの低下に呼応する形で、発現してくるようにもなるのです(「前頭葉」が殆ど働かないので、状況の判断が全くできない状態。加えて、左脳も相当程度機能が低下してきているので、言葉によるコミュニケーションも困難になってきているのです。機能がそれなりに残っている「右脳」と「運動の脳」が主体の反応や行動が起きてくるだけなのです)。このレベルのお年寄りの介護に際しては、その脳機能レベルの下で発現してくる言動や行動や状況の理解、或いは言葉のやり取りについて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがどのようなレベルのものであるかについての理解が不可欠となるのです。「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状は、器質的な変化ではなくて、「廃用性」の加速度的で異常な機能低下が原因で(基礎に在って)起きていることの理解が重要となるのです。

○ 食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」が原因

お昼にはココアを飲んで、夕食時には赤ワインを飲んで(同時に、カマンベールを食するとより効果的という説がテレビで紹介されていたりするのです)、出来るだけ青魚を多く食するようにし、その上「サプリメント」をたくさん摂ってDHA&EPAを補おうとも、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていたのでは、「アルツハイマー型認知症」の発病を回避することは出来ないのです。

「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する「生活習慣」の確立こそが「アルツハイマー型認知症」の発病を予防し及び「脳のリハビリ」の実践こそが本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階。医療機関がネットで呼びかけている早期の段階とは、「大ボケ」の段階の前半と言う意味なのです。「DSM-4」の規定に依拠して診断がなされている医療現場では、大ボケの段階の症状が確認されないと「アルツハイマー型認知症」とは診断しないからです)から正常なレベルに回復させることができる(治すことができる)唯一無二の方法となるのです。食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」こそが、発病を予防し及び/又は、発病から回復させる決め手になるのです。

〇「アルツハイマー型認知症」の治療薬は、発病及び症状重症化のメカニズムから考えて、開発することは困難

極めて重要なことなのでここで付言しておくと、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防したり、又は症状を治癒させたり、若しくは症状の進行を遅らせたりする効能を有する薬が開発されることは、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムからして有り得ないことなのです(詳細な主張の内容は、kinukototadaoと入力して検索し、Gooブログ「認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム」のA-15を参照 してください)。

何故なら、「アルツハイマー型認知症」の中核となる症状は、今日でもなお認知症の専門家達の間で世界的に権威があるとされる「DSM-4」が診断の第一の要件に規定している「記憶の障害」の症状ではなくて、廃用性の加速度的で異常な機能低下を原因とした「前頭葉」の機能障害(「実行機能」の障害)に起因する症状だからです(更に、「記憶の障害」の症状を第一の要件とする誤解が続く限り、側頭葉性健忘症を「アルツハイマー型認知症」であると誤診したり、働き盛りの若い年齢で「アルツハイマー型認知症」を発病する人が増えている等の「誤診」に基づく誤報が為されることにもなるのです)。

生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、キャッチコピー的な表現を借りれば、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されている状態のままで(私たちが規定する発病の「第二の要件」の充足)、薬を飲むだけで/貼るだけで、発病を予防することができたり、症状の進行を遅らせることができたり、或いは治すことができたりするということは、「前頭葉」を含む脳の働き方/衰え方のメカニズムからして、有り得ないことだと私たちは考えて、問題を提起しているのです。

 「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な衰え方を進行させていくことに直接リンクした段階的な症状となって発現してくるのです。「前頭葉」を含む脳全体の働き具合のアウト・プットそのものが、認知症の症状として発現してくるものなのです。アミロイド・ベータ説やタウ蛋白説や脳の萎縮説を唱える人達が言うように、神経線維の脱落による脳内での「情報の連絡」の不具合が、「記憶障害」の症状となって発現してきている訳ではないのです。

 分かりやすく説明しましょう。自転車のチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。「アルツハイマー型認知症」は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経線維)に支障が起きてくることが認知症の症状発現の原因だというのが、アミロイドベータ説やタウ蛋白説や脳の委縮説の考え方なのです。これらの考えに立脚しているので、ゴム管を繕って空気が漏れる量を少しでも抑える効果を期待できるはずとされているのが、現在販売されている4種類の薬ということなのです(治療薬ではなくて、「症状」の進行を遅らせる効果を狙うだけのものだそうですが)。

 私達は(廃用性の機能低下説)、ゴム管の部分に支障があるからではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を処理・発信してやる「前頭葉」等の機能)に支障が起きてきて(「廃用性の加速度的で異常な脳機能低下」)、脳が正常に働かなくなったことが(異常なレベルに機能が低下してきたことが)「症状」発現の原因だと考えているのです(私達が集積してきた14689例にも上る「脳機能データ」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体が症状だということを示しているのです)。

いくらゴム管を繕っても(神経細胞を壊すアミロイドベータやタウ蛋白の蓄積量を少なくしたり、脳の外に排出してやること)、そもそもポンプを適切に押してやる作業をしない限り(脳の機能がちゃんと働かないのでは)、空気は流れない(情報の処理も発信もない)ということなのです。アミロイドベータ説やタウ蛋白説の考え方の人達が開発を目指している「アルツハイマー型認知症」の「治療薬」とは、異常なレベルに機能が衰えている「前頭葉」を含む脳の機能レベルを、飲むだけで(貼るだけで)、正常なレベルに引き戻すことが出来る薬と言うことになります。

生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々繰り返され継続されている「生活習慣」の下で(ポンプを押してやることを一切しない状態下で)、飲むだけで/張るだけで、失語や失認や失行の症状が確認されるところまで機能が低下していた「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常なレベルに回復してくる(ポンプが適切に押されて空気が管全体に激しく流れていく)効能を有する薬が開発され得るとは、考えられないのです。 

末期の段階であり治すことが困難な「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りを抱えて介護に追われる家族の精神的、経済的負担は筆舌に尽くし難い程大きいものなので、治療効果がある新薬への期待はとても大きいのです。とは言え、そこに現実の市場は存在しないのです。治療薬の開発は、非現実だからです。飲むだけで(貼るだけで)正常レベルに回復させることがあたかも可能であるかのような「新薬開発」の言葉がマスコミの記事で踊る度に、市町村による「地域予防活動」への取り組みが遠のいていくことになるのを恐れるのです。

日本全体での高齢化率が30%を超えた時(現在は、26%を超えたところ)、取り返しのつかない状態がくるのです。予防は、啓蒙活動だけでは足りないからです。早期診断の窓口と小規模単位集落ごとの「地域予防活動」の実践が不可欠だと考えるからです。

我が国の医師や研究者や学者達が、「前頭葉」のことを知らなさ過ぎるのです。正常老化」の性質、機能発揮上の「二重構造」の問題、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていくその「キッカケ」、更には、脳の使い方としての「生活習慣」に起因する廃用性の機能低下等、基本のテーマについてさえ、何も知らなくて、アミロイドベータ説とかタウ蛋白説とかの「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の立証が未だに為されてもいない単なる「仮説」を根拠にして、マウスばかりを追いかけまわしているのです。人材の無駄遣い、税金の無駄遣い、時間の無駄遣いに過ぎないと言うべきなのです。

注)本著作物(Bー62に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 


 

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アルツハイマー型認知症の原因、治療と予防の方法ー総集編(B-61)

2016-06-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

     

      一億総活躍社会達成への具体策の    提       言                   

「アルツハイマー型認知症」発病の予防を目的とする特定市町村での「地域予防活動」の実証を基礎に全国の市町村における実施を将来的な課題とする実証研究の提言- 

                       有限会社 エイジングライフ研究所

  (B-61)とその 目     次

&1  プロローグ(「アルツハイマー型認知症」の知られざる真実)   

&2  エイジングライフ研究所の主張の概要と活動の歴史        

&3「アルツハイマー型認知症」の症状の発現と「前頭葉」の機能レベル                          

   

 &1 プロローグ(「アルツハイマー型認知症」の知られざる真実)

○ 「DSM-4」の規定の重大な誤りと私たちの主張

我が国には、現在500万人を超える数の認知症患者がいて、この先さらにその数は増大の一途をたどるというのが厚労省の予測です。私たちのデータによると、様々なタイプが数ある認知症の内、アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発病している人が認知症全体の90%以上を占めているのです(注1:脳血管性認知症が25%を占めるとされるが、そのうちの20%分は「アルツハイマー型認知症」を脳血管性認知症と誤診したもの。kinukototadaoA10及び11を参照)然も、肝心の「アルツハイマー型認知症」の診断に際して医師達は、米国精神医学会の診断基準である「DSM-4」の規定内容に依拠して「アルツハイマー型認知症」の発病の有無を診断するので、「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断された人達は、「DSM-4」が第一の要件として規定する「記憶障害」の症状に加えて、第二の要件として規定する「失語や失認や失行」の症状が確認された人達ということになるのです(第二の要件に規定がある「実行機能の障害」の症状についての問題提起は&6(2)参照)。

注)最新の規定は、「DSM-5」なのですが、診断基準としては曖昧な要素が多く(例えば、Major or Mild Neurocognitive Disorder等の規定内容の曖昧さ)、「DSM-4」の方が曖昧さが少ないので、診断に使いやすいのです。なお、「DSM-4」の規定自体の問題点については、&6(2)での詳細な説明と重大な誤りについての問題提起を参照してください)。

ところが、「失語や失認や失行」の症状が確認される人達ということは、MMSEの得点でいうと、30点満点で「一桁の得点」しか取れない人達のことなのです。更に、認知症の専門家達から見逃されている重要なことは、この症状が確認される人達の脳機能、特に脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルは、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で、殆ど働いていない状態に在るということなのです。そうした脳全体の機能レベルが、この人達の症状に直接反映されていることが見逃されていて、「前頭葉」の機能レベルと言う視点が欠けているのです。

「DSM-4」の規定は、第一の要件である「記憶の障害」の症状には程度や態様に関する規定がなく、第二の要件である「失語失認失行(又は、実行機能の障害)」の症状は、極めて重度の症状であり、並びに第二の要件も第一の要件も共に同じ人物に同じ診断時に確認されることが要求されることから、「記憶の障害」の症状も極めて重い症状の確認が要求されることになるのです。その帰結として、昨日レストランに行って何を食べたかを忘れていても第一の要件には該当しないが(健常者の「物忘れ」の症状とされる)、レストランに行ったこと自体を忘れているのは第一の要件に該当する症状となる(認知症の症状とされる)等の極めて不明瞭な例示がなされるのが、認知症の専門家達の考え方の通例なのです。

その結果、「DSM-4」の規定に余りにも権威があるが為に、世界中の認知症の専門家とされる人達から、「アルツハイマー型認知症は、治すことができない」タイプの認知症にされてしまったのです。その詳細については後述しますが、私たちのデータでは「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症こそが、発病自体を予防することもできるし、早期の段階で見つけると治すこともできるのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であると言うのが私たちの主張なのです(詳細は、&5で説明)。

そして、私たちが規定する「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」とは、60歳を超える年齢の「高齢者」であることなのです。脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かをしようとする世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)の機能自体に、どのような脳の使い方としての「生活習慣」が維持されていようとも誰でも、加齢と共に働きが衰えていくという性質、私たちが「正常老化の性質」と名付けている性質が存在するからなのです。

そして、私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、以下に述べるような脳の使い方としての「生活習慣」の継続ということなのです。

何かを「キッカケ」にして、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」の継続、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々続いていると、出番が極端に少なくなったことを直接の原因として、「前頭葉」を含む脳全体の働きが廃用性の機能低下を起こしてくることになるのです。

その結果、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足される「相乗効果」により「前頭葉」を含む脳全体の機能が、「廃用性の加速度的で異常な機能低下」を起こしてくることになるのですその行き着く先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。

  

廃用性の加速度的で異常な機能低下を発病の原因とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が認知症の症状として発現してくるのが特徴となるのです「段階的症状」の発現が特徴となる)。その最初の段階が「脳のリハビリ」(脳の使い方としての生活習慣の改善)と言う方法により治すことが容易な「軽度認知症」(小ボケ)の段階であり、次いで治すことが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の段階があり、最後に治すことが困難な「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです。認知症の専門家とされる人達は、治すことの可能性と言う視点から「三段階」に区分されることも知らないで、末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、それこそが「アルツハイマー型認知症」の症状であると誤解していて及び治らないものと誤解していて、それらの症状を「中核症状」であるとか「周辺症状」であるとかの意味のない区分に満足しているのが現状なのです。治すことが出来ない「末期の段階」である、「重度認知症」(大ボケ)の段階で見つけて、意味もない区分をして満足しているのです。

私たちが独自に開発した「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを駆使して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状、脳全体の機能レベルの直接のアウト・プットとしての症状、正常なレベルから、正常下限のレベル、並びに、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階での症状、就中、「アルツハイマー型認知症」の症状について、14689例と言う極めて多数の「脳機能データ」を集積したのです。その「脳機能データ」の解析により、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因(発病のメカニズム)を解明し、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症が廃用性の単なる「生活習慣病」であることを突き止めると共に廃用性の機能低下に起因して症状が段階的に発現してくる「アルツハイマー型認知症」の場合には、「前頭葉」を含む脳全体の機能に衰えていく明確な順番があることを発見したのです。

最初に、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が加速度的で異常な機能低下を起こしてきます。次いで、左脳、右脳、運動の脳の機能の順番に衰えてくるのです。勿論、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその過程においては、「小ボケ」の段階では「前頭葉」の機能のみが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていきつつ、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階にあっては、「前頭葉」を含む脳全体の機能が同時に廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです(このブログ中の、「アルツハイマー型認知症」の各段階の症状とその発現の基礎となる「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの説明の箇所を参照してください)。

「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴として、「脳のリハビリ」という脳の使い方としての「生活習慣」を改善する方法により、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させる(治す)ことができるという視点から、「小ボケ」(回復させることが容易)、「中ボケ」(回復させることが未だ可能)、「大ボケ」(回復させることは困難)という「三段階」に区分される症状が発現し、進行していくことになるのです。

  

私たちが開発した「二段階方式」では、「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」によって、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」によって判定します。「MMSE」で判定するとき、左脳と右脳の機能については、想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、、、、、、、の順番に、機能が衰えていくということなのです(14689例の臨床事例の解析結果)。

廃用性の機能低下を本質とする「アルツハイマー型認知症」の場合には、高度な機能から順番に衰えていくことになるのが特徴なのです。従って、この順番に衰えていかないときは、「アルツハイマー型認知症」ではないのです。その場合は、「アルツハイマー型認知症」以外の「認知症」であるか、或は、認知症と紛らわしい「病気」ということになるのです。

それ程この順番、「前頭葉だけが最初に衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えていくこと」が極めて重要な診断基準となるのです。更には、MMSEで判定される下位項目の衰え方にも、「想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、、、命名の順番に衰えていく 」という「衰え方の規則性」があるのです(MMSE「下位項目」の項目困難度に関する資料は、私たちだけが有する極めて重要な資料なのです)。

「衰え方の規則性」というこの指標は、廃用性のものである「アルツハイマー型認知症」の場合、極めて厳密であり、他の種類の認知症との鑑別及び認知症と紛らわしい他の病気(例えば、重度の記憶障害の症状を示していても、アルツハイマー型認知症ではなくて、側頭葉性健忘症であることの鑑別、或いは、緩徐進行性失語であることの鑑別等)に極めて有効なのです(基礎データは、「個別事例判定マニュアル-A」の巻末を参照)。

  

○ 発病者数にかかわる真実

「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのが「アルツハイマー型認知症」の症状発現の特徴なのです。

私たちは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという考え方の下に、「脳のリハビリ」によって正常なレベルに回復させることの可能性という視点から、軽い順に、回復させることが容易な「軽度認知症」(小ボケ)、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)、そして回復させることが困難な末期の段階としての「重度認知症」(大ボケ)という三つの段階に区分して判定しています(発病患者が訴える認知症の症状の重症化の順番については、私たちの「脳機能データ」を当時の東京都老人総合研究所が解析してくれた資料を基礎にしています)。

「アルツハイマー型認知症」は、緩やかにではあるが身体がもつ限り症状が進行していくので、(市町村での地域予防活動の実施により得られたものを含む14689例に上る脳機能データの解析結果としての、私たちのこれまでのデータでは)「小ボケ」の期間が3年間、「中ボケ」の期間が2年間で、発病して6年目以降になると末期の段階である、「大ボケ」の段階に入っていくことになる)、医療現場の現在の診断状況のように、正常なレベルに回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけることなく、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が放置され、継続されたままの状態でいると、やがては、回復させることが困難な末期の段階である「大ボケ」の段階にまで進んで行ってしまうのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが廃用性の加速度的で異常な機能低下によりそこまで衰えていってしまうと、もはや回復させることは困難になってしまうのです。「小ボケ」と「中ボケ」とを併せた数は、「大ボケ」の数の少なくとも2倍以上にはなるというのが、私たちの「地域予防活動」の実践体験に基づく数値なのです。現在、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」を発病している人達の数というのは、上記「三段階の区分」で言えば、「大ボケ」の段階の人達の数である(「小ボケ」と「中ボケ」の段階の人達の数は含まれていない)ということに注目していただきたいのです。

  

○ 医療の現場における診断の実態とその問題点

「アルツハイマー型認知症」については、「発病を予防することも、治すこともできない」タイプの認知症であるとの考えが、認知症の専門家とされる世界中の学者や研究者や医師達の間で定着しているのが現状なのです。医療現場の実態に見るように、「アルツハイマー型認知症」の診断規定として世界的に権威がある「米国精神医学会」の診断規定である「DSM-4」の要件(診断基準としての「第一要件」及び「第二要件」)に依拠して診断している限り、「脳のリハビリ」によって回復させることが困難な末期の段階(私たちの区分でいう重度認知症「大ボケ」の段階の更に後半の段階)でしか見つけることができないのです。

○ 私たちの研究と市町村での実践活動の成果に基づく帰結

私たちが開発した「二段階方式」の手技の活用により集積した14689例の脳機能データと440を超える市町村で実施した「地域予防活動」の実践の成果に基づく帰結として、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「廃用症候群に属する単なる生活習慣病である」と言うのが私たちの主張であり、これこそが、アルツハイマー型認知症の正体なのです。

 私たちが開発した「二段階方式」のような、精緻な「神経心理機能テスト」を活用すれば、「本当の意味での早期の段階」(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で容易に発病を判定することができるし、詳細について後述する「発病のメカニズム」についての私たちの見解にみるように、廃用性の「生活習慣病」をその本質とする「アルツハイマー型認知症」は、本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により、正常なレベルに回復させることができる(治すことが出来る)ものなのです。

   

エイジングライフ研究所の主張の概要と活動の歴史

〇 主張の概要と「二段階方式」の手技の活用の成果

(1) 世界中の認知症の専門家とされる人達(学者や製薬会社の研究者や医師達)から、発病の原因が不明とされてきていて、発病者数が世界中で数千万人に上る超大型の病気である「アルツハイマー型認知症」について、発病のメカニズムを解明し、「アルツハイマー型認知症」が廃用症候群に属する生活習慣病であることを解明し、理論的に体系化しました

(2) 発病を予防する方法として、脳の使い方としての「生活習慣」の改善と言う方法を発見し、市町村での「地域予防活動」の実践により、その有効性及び有益性を実証しました  

(3) 治すことが出来ないとされる「アルツハイマー型認知症」について、回復させることが可能な早期の段階の存在の解明とその判定の為の精緻で且つ簡便な手法である「二段階方式」の手技を開発しました

(4) 「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な状態に回復させるための手法としての「脳リハビリ」脳の使い方としての生活習慣の改善)の手法を開発し、その有効性及び有益性を実証しました

(5) 「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復の為の「二段階方式」の手技を柱として活用する「地域予防活動」について、累計で440を超える市町村で実践の指導をしてきました

(注)「二段階方式」の導入は、各年度ごとに契約を更新し、5年の期間を有償とする「使用許諾契約」の締結を条件としてきました。なお、対価の支払いが必要な有償の期間は現行様式では10年に変更されています。

(6) 「アルツハイマー型認知症」の本質は、廃用症候群に属する「生活習慣病」であり、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけて脳のリハビリに努めることにより治すことができることを、Gooブログへの掲載(内容を公開)という方法により、広報活動を行ってきました(kinukototadaoと入力し、検索:2012年3月に投稿を開始して以来、これまでの掲載回数は、丁度160回です。字数でいえば、累計で400万字を超えます。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因とそのメカニズム、症状が進行する原因とそのメカニズム、発病自体を予防する方法とそのメカニズム、早期の段階の判定と回復させる方法とそのメカニズム、更にはその根拠となる脳機能データと地域予防活動による実践の成果について、これだけ精緻に、体系的に且つ理論的に解説した書物は、日本だけでなくて、世界に例がないものと自負しています(二番手の走者は、その影さえ見ることが出来ない)。現在のところは、無償で公開していますので、関心のある方は、インターネットで検索して読んでみてください。

  

&3「アルツハイマー型認知症」の症状の発現と「前頭葉」の機能レベル

○「意識的な世界」を支配しコントロールしている「前頭葉」の機能

無意識の世界、意識は覚醒してはいないが意識度が低い世界、或は、条件反射の世界は脇に置いておき、覚醒された意識的な世界、私たちが意識的に何かを、或は何かの「テーマ」を実行しようとする世界では、「前頭葉」という脳の機能が脳全体の「司令塔」の役割を担いつつ活動しているのです。「前頭葉」が左脳、右脳及び運動の脳と協働しつつ、且つそれらを支配し、コントロールしながら思考や思索、言動や行動などを行っているのです。何かについての思考も、行為も、何かの「テーマ」についての言動も、行動も、或はその程度や態様も、その全てが「前頭葉」の支配とコントロールの下に、且つ「前頭葉」を介して為されていて、そのアウト・プット自体が症状として発現してくる(正常なものであっても、その発現の程度や態様に差異が生じてくる)のです。

言葉や計算や論理や場合分けなどのデジタルな情報の処理を担う左脳も、感情や情景、色や形や空間などアナログな情報の処理を担う右脳も、身体を動かす機能を担う運動の脳も、私たち人間の意識的な世界では、それらが単独で働くことは出来ない仕組み、メカニズムになっているのです。

私たちが意識的に何かを行う/行おうとするときに、言わば、「三頭立ての馬車」の御者の役割を担っているのが「前頭葉」なのです。従って、「脳が活性化」するということについても、或は、「脳の機能が衰えていく」ということについても、「前頭葉」が必ず関っていることになるのです(ここに言う、「三頭の馬」とは、左脳、右脳、運動の脳を意味し、「御者」とは、「前頭葉」を意味しているのです)。

脳の働き具合と言うとき、自分がその時置かれている状況の判断やテーマの発想から計画した内容の実行に至る過程での、「前頭葉」の関与の仕方/或いはその度合いがどのようであるか、そのことが極めて重要なのです。取り分け、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の仕組み及び段階的に発現してくる症状の特徴とその意味について、この視点を持つことが極めて重要なものになるのです。

「アルツハイマー型認知症」の症状、私たちが回復の可能性という視点で三段階に区分するその段階的な症状は、「前頭葉」の働き具合、言い換えると、「前頭葉」の機能レベルと密接不可分の関係にあるのです。認知症の専門家とされる人達は、未だにこのことに気づかないで、中核症状とか周辺症状とかの意味のない区分に終始し、満足しているだけなのです。それであるが故に、そうした状況の問題点について疑うことさえもしないので、「アルツハイマー型認知症の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルがそのまま認知症の症状として、発現してくるもの」であり、その症状は、小ボケに始まり、中ボケを経て、最後は大ボケの段階に進んでいくことさえ知らないのです。

上述したメカニズムにも気づかないでいて(「前頭葉」自体について無知でいて)、脳の活性化とか、「アルツハイマー型認知症」の予防という「テーマ」について、テレビに出てきて、物知り顔に語る認知症の専門家とされる人達が大勢いるのです。

三頭立ての馬車の老馬を若い馬に取り換えたからと言って、御者の腕前が良くなることには直結しないことが重要なのです。日常の生活面で「左脳」を使う場面が少しばかり多くなったからと言って、そのことが「前頭葉」の機能レベルの上昇には直結しないのです。

老人保健施設や介護施設で、脳を活性化するテーマとして、盛んに行なわれている、「日々の生活の中に簡単な足し算や引き算をする時間を組み込むこと、或いは、ひらがなで書かれたおとぎ話を音読する時間を取り入れた」からと言って、そのことが、「前頭葉」機能の上昇に直結する訳ではないということを強調しておきたいのです。

「物忘れ」の症状の軽減くらいのことを、「前頭葉」の機能の上昇の指標にするのは間違いだと指摘しておきたいのです(「地域予防活動」の実践に基づいて集積した私たちの「脳機能データ」からいえば、左脳および右脳の働き具合を調べるMMSEのテストの得点は容易に上昇するのですが、「前頭葉」の働き具合を調べるかなひろいテストの得点は容易には上昇しないのです)。

 そんな「テーマ」を脳の活性化に役立つと信じて生活に取り込んでいるお年寄り達が、趣味も遊びも人付き合いも中断して、朝も昼も夕方もそのテーマをやり続けるだけの生活を3ケ月間実行し継続してみれば、「前頭葉」が活性化するどころか、意欲が衰え、注意の集中力も衰え、注意の分配力の機能も衰えてきていることを知ることになるだけなのです。

  

○ 「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを客観的な基準で判定するのが、私たちが開発した「二段階方式」の手技の特徴

「二段階方式」の場合は、「前頭葉」機能の改善、維持又は低下について、それ自体を直接、然も客観的な基準で評価することができるのです。「地域予防活動」として展開される脳イキイキ教室に参加しているお年寄り達の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの変化を、「二段階方式」という神経心理機能テストを活用して、客観的な基準に従って評価しているのです(1年間につき2回定期的に判定する)。

「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復を目的とした「地域防活動」の枠組みの中で「予防教室」を長期にわたり継続して実践している市町村の場合は、個人別及び地域別、更には、男女別の脳機能データ、個人毎の「前頭葉」を含む脳の機能レベルの「改善、維持、低下」に関する経時変化のデータが取得され保管されているのです(脳機能データの管理ソフトは、エイジングライフ研究所が独自に開発)。

認知症の発病の予防、具体的には、いろいろな種類が数多くある認知症全体の90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を明確な目的とした「地域予防活動」は、小さな単位毎に運営が行われています。それらの活動の拠点となる「予防教室」に参加しているお年寄り達の「脳機能データ」の推移を比較してみると、教室が長期に経って運営され維持されている「予防教室」に参加しているお年寄りの方が教室の運営存続期間がそれよりも短い予防教室のお年寄りの場合よりも、脳機能の改善効果が大きいという明確なデータが存在しているのです。要介護認定者の割合を比較してみても、同様の結果が確認されているのです。

 注)本著作物(Bー61に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

  エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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アルツハイマー型認知症は、高齢者なら誰でも、発病の可能性があるのです(B-42)

2015-08-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

  座して脳の病死を待つのか 第二の人生

     発病するかしないか あなたの生き方脳の使い方次第  By kinukototadao  

        

&「アルツハイマー型認知症」の正体とその段階的症状

〇 高齢化率の増加に比例する「アルツハイマー型認知症」発病者数の増大と言う実態

 第二の人生を送っている人であれば男女を問わず誰でも、一番気にかかることと言えば、認知症(厳密には、「アルツハイマー型認知症」)になることでしょう。国全体での「高齢化率」が25%を超えるに至った超高齢化社会の真っ只中にある我が国では、何処に住んで居ても、「認知症」のお年寄りの姿に接する機会が多いからです。高齢化率が高い市町村や高齢化率が高い都会の地域では、そうした機会に接することが、「日常茶飯事」と言っても過言ではないでしょう。実は、「認知症」と一口に言っても、「認知症」と言う病気には、様々なタイプのものが数あるのです。

〇 「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関する学説(全てが、「仮説」)

そうした様々なタイプのものが数ある認知症全体の90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。その「アルツハイマー型認知症」についてはこれまで、日本だけでなくて、世界的にも「発病の原因」が分からないし、発病を「予防」する方法が見つからないし、「治す」こともできないタイプの認知症だとされてきているのです。発病のメカニズム自体を解明できていないだけでなく、症状の外観からの観測によって「記憶の障害」が第一義的な要素となる症状だと誤解していること等が、辿るべき道を踏み間違えたそもそもの原因でもあるのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病して、その症状が進行していき、失語や失認失行といった極めて重度の症状が確認されるに至った人達、すなわち「アルツハイマー型認知症」の末期の段階であり私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階の人達、これを言い換えて「客観的な指標」で示すとMMSの得点が(このテストの満点は、30点)一桁にまで脳の機能が衰えてきた人達の死後の脳の「解剖所見」にみられる老人斑の沈着やら神経原繊維変化やら、或いは脳の委縮の進行などを唯一の観測的な根拠として、それぞれに、アミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の委縮説といった「仮説」が主張されていて、未だに我が国の医学会では幅を利かせているといった状況なのです。

ところが、この3つの学説、アミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の委縮説はともに、「アルツハイマー型認知症」発病との間の因果関係を未だに立証できていないだけでなくて(すなわち、3つの説はすべてが「仮説」の状態)、アミロイドベータの沈着、タウタンパクの蓄積、脳の委縮、それ自体についてのメカニズムさえ未だに解明できないでいるのです。私たちは、「アルツハイマー型認知症」を発病して、さらなる重症化が進行していき、末期の段階であり私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで症状が進行した人たち(私たちの主張の視点と理解から言えば、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルがそこまでに衰えていった人たち)に共通する症状重症化の副産物であり、それは発病の原因ではなくて発病の結果に過ぎないのではと考えるのです。

〇 権威だけは有るが、肝心の実力が無い

東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」たち全員の「前頭葉」を含む脳の機能レベルを、「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストで判定してみれば、それらの仮説が間違っていることが容易に理解されるにも拘わらず、肝心の「前頭葉」に焦点を当ててみようとしないばかりか、そもそも「前頭葉」と言う脳機能を構造的に持たないマウス(アルツハイマー・マウスを含む)の行動とやらを追いかけ続けているのです。

〇 「誤った考え方」が我が国の隅々にまで浸透している現状

私たちが活動を開始した20年も前から主張されているのにもかかわらず、主張している原因(夫々の仮説)と「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病との間の「因果関係」を未だに立証できていないのです。但し、主張している機関(特に、有名大学の医学部や有名な独立行政法人)に権威があるがために、「アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないタイプの認知症である」との考え方が、我が国全体に(離島の隅々に至るまで)幅広く流布し、浸透してしまっているのです。「アルツハイマー型認知症」の研究や医療行為(診察と投薬)に関わる大学の医学部も、独立行政法人も、医療機関も、学者も、医師も、その結果一般住民もそれが誤った内容であるとは考えもしないで、「アルツハイマー型認知症」は原因不明で治らない病気だと信じ込んでいるのです。発病の予防ができる病気等とは、想像することさえできないでいるのです。

      

〇 「前頭葉」を含む脳全体の働き方の具合(「脳の機能レベル」)にリンクした症状

私たちはこれまで、生きた人間の脳の「前頭葉」を含む脳全体の働き方の具合(「脳の機能レベル」)と「脳の機能レベル」に厳密に対応した「症状」(正常な状態での病的ではない症状から異常な状態での病的な症状まで)並びにテストの実施前6年間の「生活歴」(脳の使い方としての「生活習慣」)を、私たちが開発した「二段階方式」と呼称する神経心理機能テストの活用により、精緻に計測し、客観的な指標の下に評価し、判定し、認知症としての症状を「三段階に区分」してきました(ここを「クリック」してください)。その精緻な症例数は、14689例にも上るのです。

〇 「アルツハイマー型認知症」の正体

   「アルツハイマー型認知症」というタイプのこの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり(食生活というようなものではなくて、脳の使い方という意味での「生活習慣」が直接の原因となって発病を惹き起こす病気だと考えているのです)、発病自体を「予防する」こともできるし、「早期の段階」で見つければ「脳のリハビリ」によって「治す」こともできるというのが、「脳機能データ」の解析と440を超える市町村で実践してきた「地域予防活動」の成果に基づく、私たちの結論であり、主張なのです(ここを「クリック」してください)。

  加えて、東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」達の間で起きてきていて潜に(それとは気づかれないで)進行している状況、認知症の専門家とされる人達が、末期の段階の中でも更に重度の症状しか見つけることができない規定内容となっている「DSM-4」(「アルツハイマー型認知症」と診断するための、米国精神医学会の診断規定)の規定に無批判に依拠して診断しているそのせいで、「不活発病」とかの名前を冠されるだけで、或は、単なる「老化現象」だと誤解されたままで、放置されている状況、明確に指摘すると、潜に進行している「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病者数の継続的な増加及びその症状の重症化の進行(発病の最初の段階である「軽度認知症」の段階から次の段階である「中等度認知症」の段階への進行並びに速い人の場合では末期の段階である「重度認知症」の段階への進行)という社会的に極めて重大で、且つセンセーショナルな問題状況があるということについて、警鐘を鳴らし続けているのです(ここを「クリック」してください)。  

     

私たちの区分で言う、「軽度認知症」(小ボケ)は「不活発病」とかのレッテルが張られるだけで放置され、或いは、「中等度認知症」(中ボケ)は「老化現象」と誤診されているのです。どちらも「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストで計測し、判定してみれば容易に分かることなのに、CTやらMRIやらPETやらと言った機器を総動員して、肝心な「脳の機能レベル」を図らないで、判定には何の役にも立たない「脳の形や萎縮の度合い」を計測しているだけなのです。これでは、何時まで経っても、「記憶の障害」が「アルツハイマー型認知症」の第一義的な症状だとする誤解」から抜け出すことは出来ないのです(ここを「クリック」してください)。

 

    

〇 東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」達に起きてきていること

2011年3月の被災から起算して、4年以上の歳月が経過している現在では、日々、発病したばかりの人達(「軽度認知症」の段階の人達)が出てきていて、「中等度認知症」の段階に移行してきている人達が大勢いて、(症状の進行具合が速い人達の場合は)末期の段階である「重度認知症」の段階の人達がそろそろ出てきているはずなのです。認知症の専門家とされる人達は上述した「DSMー4」の規定を金科玉条として信望していて、且つその既定に依拠して診断するので、「軽度認知症」(小ボケ)の段階にある人達や「中等度認知症」(中ボケ)の段階にある人達のことを知らないで見過ごしていて、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階の人達、私たちの区分でいう「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が確認されるようになって初めて、認知症の専門家とされる人達が騒ぎ出すことになるということなのです。その時期は、目前に迫ってきているのです(ここを「クリック」してください)。

日本全国の他のどの地域のケースと比較しても異次元といえる程の、そのあまりの人数の多さに驚くことになるのです(ここを「クリック」してください)。ところが、この段階、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の症状が発現してきている「アルツハイマー型認知症」の人達を見つけていたのでは、手遅れなのです(もはや治すことはできないのです)。もっと前の段階、本当の意味での早期の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つければ、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)によって治すことができるのです。認知症の専門家とされる人達は、重い症状のことしか関心がなくて(知らなくて)、こうした軽い段階(回復させることが可能な、本当の意味での「早期の段階」)があることを知らない為に見逃してしまっているだけなのです。そうした診断基準の適用による重大な過ちの結果、「発病を予防することも出来るし、早期の段階で見つければ治すことも出来る」病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」でしかない「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症を、「発病の原因もわからないし、予防することも治すことも出来ない病気」、モンスターにしてしまっているのです。

     

〇 家族介護ではなくて、発病自体の「予防」と早期発見による「回復」こそを国民的な課題とすべき

 「アルツハイマー型認知症」は認知症全体の90%以上を占めているので、その発病自体を「予防」し、或いは、早期の段階で見つけて「治す」ことができれば、既に年間何十兆円という天文学的な規模にまで膨れ上がっている「アルツハイマー型認知症」がらみの医療費(介護費用を含む)を大幅に削減することができるのです。本人も、家族も、自治体も、国も救われることになるのです。困るのは、医師と医療機関と効きもしない薬を販売している製薬会社だけなのです(ここを「クリック」してください)。 

どんな種類の病気であれ、先ずは「発病の予防」が最優先の課題であり、次いで、早期の段階で見つけて「治す」ことが課題であることに、皆さんは、何の異存もないと思うのです。ところが医療の現場では、「予防は愚か、治すことにも関心が無くて」、治すことが出来ない(「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることが期待できなくなってしまう)末期の段階である「重度認知症」の段階で見つけているだけなのです。然も、「アルツハイマー型認知症」の症状が、「三つの段階」(脳のリハビリにより回復させることが容易な「軽度認知症」の段階、脳のリハビリにより回復させることが未だ可能な「中等度認知症」の段階及び回復させることが困難な「重度認知症」の段階)に区分されることも知らないで居る(気づいていない)のです。

 その結果、回復させることが困難な末期の段階で見つけていて、医療機関としての社会的任を放棄していることに何らの罪の意識も感じていないのです。司令塔の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の働き具合(脳の機能レベル)には無関心で、脳の形を計測し判定するだけの意味しかないCTやMRIやPET等の高価な機器を使用して、高額な診療報酬が得られることで満足しているだけなのです。肝心の回復させることが可能か否かという視点をまったく持たず、中核症状だとか周辺症状だとかの意味もない区分をして満足しているのです。

   

〇 アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症とは発病のメカニズムも性質も全く異なるもの

「 第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の皆さん。未だ発病のリスク自体についての知識も懸念さえも無い現状では、他人事のようであっても、やがては、わが身自体に降りかかってくるのが、このブログで取り上げ、様々な視点から皆さんに問題提起してきている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。但し、ここで注意していただきたいのは、一部の学者やマスコミが混同しているような、「アルツハイマー型認知症」と「アルツハイマー病」とを混同することがあってはならないということなのです。両者は、発病のメカニズム自体が全く異なるうえに、発病後の症状の進行の度合いと速さとが全く異次元であるし、予防の可能性という面でも或いは治せる可能性という面でも全く異なるものであり、且つ発病の対象年齢も全く異なるし、発病数自体も全く異なるものだからです。 

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続される「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」のことを言います。食生活とは無関係なのです)の下で、廃用性の加速度的で異常な脳機能低下が進行していくことにより、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットそれ自体が認知症の症状(三段階に区分される段階的な症状)となるのであり、それ故にこそ、発病する対象は60歳を超える年齢の「高齢者」が対象となり(50歳代の年齢の人で「アルツハイマー型認知症」を発病する人は、皆無とは言わないまでも、極めてまれなのです)、発病後の症状の進行は極めて緩やかにしか進行していかないのです(誤解から、発病のメカニズムが同一視されることがある「アルツハイマー病」は、特定の遺伝子に生まれつき異常がある人のみが対象となり、且つ30歳代から50歳代までの若い人のみが対象となって発病し、発病後の症状の進行も極めて急激なのが特徴なのです。

 両者を混同している人たちは、両者の発病のメカニズムが全く異なるものであることを知らないのです)。「アルツハイマー病」は、発病の対象となる年齢が30代から50代までの若い年齢を対象とし、且つ、生まれつき特定の「遺伝子」に異常がある者しか発病しないし、発病後の症状の進行が極めて急激であるし、現代の医学技術では、発病の予防も治すことも、全く不可能なタイプの認知症だからなのです。但し、「アルツハイマー病」が認知症全体に占める割合は、幸いなことに1%程度にすぎないのです。

「アルツハイマー病」を発病した人達の死後の「脳の解剖所見」と「アルツハイマー型認知症」を発病して重度認知症の後半になって発現してくるような症状(「DSM-4」が第二の要件として規定している失語や失認失行等の症状)が確認されるまでに症状の重症化が進行していた人達の死後の「脳の解剖所見」とが似ているというだけの理由で並びに(「アルツハイマー型認知症」の第一義的な症状が「記憶の障害」の症状であるとの誤解に基づいた)重度の「記憶障害」の症状の発現の確認をその根拠として、この人達は、両者をまとめて「アルツハイマー病」と呼んでいるのです。誤解も甚だしいだけでなくて、その誤解による社会的な悪影響を考えるべきなのです。あー、嘆かわしや。

 

 

     

 & 「アルツハイマー型認知症」は、日々の「脳の使い方」が発病並びに進行の度合いを左右するのです

〇 「前頭葉」の機能に内在する「正常老化の性質」

私たちが「意識的」に何かを実行しようとするとき、自分が置かれている「状況の判断」も、状況の判断に沿ったテーマの「発想」や「選択」も、発想したテーマを実行する内容の「計画」や実行の仕方も、内容通りに実行した場合の結果の「洞察」や「推理」(ケース・シミュレーション)も、ケース・シミュレーションに基づく実行内容及び実行の仕方の「修正」も、最終的に行われる実行の「決定」も、脳全体の司令塔の役割を担っていて私たち人間だけに備わっている「前頭葉」と言う脳機能の働きによるのです。そうした「前頭葉」の機能には、それなりに生き甲斐や、目標があり、趣味や遊びや人付き合いを楽しむ生活習慣の下で日々の生活を継続している状況下であっても、働き方が加齢とともに緩やかながらも衰えていくという性質があるのです(この性質のことを私たちは、「正常老化の性質」と名付けています)。

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、この「正常老化」が進んできた年齢のお年寄り、60歳を超える年齢の「高齢者」を対象として(発病の「第一の要件」)、且つ、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続される「生活習慣」の下で日々を暮らしているだけのお年寄り(発病の「第二の要件」)のみを対象として、「前頭葉」の働きが廃用性の異常な機能低下を起こしてくることにより発症してくるのです。

脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かをしようとする際になくてはならない働きをしている「前頭葉」を含む脳全体の機能が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」の継続、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の下で、使われる機会が極端に減ったことに起因した加速度的で異常な廃用性の機能低下の進行により【情報を伝達する神経細胞が、器質的な病態を発現してくること又は廃用性の萎縮を起こすことにより、「記憶機能」が低下することが発病の原因なのではなくて、1つの要因としては加齢による機能の劣化がもう1つの要因としては使われる機会が極端に少ない生活習慣の下で神経細胞の再生が弱まってしまい、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能からなる「前頭葉」の三本柱の機能を中心として、各種の認知機能自体が廃用性の機能低下を起こしてくることの2つの要因が同時に充足される相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な機能の衰えが進むことが発病の原因であると私たちは考えているのです】、60歳を超える年齢の「高齢者」のみを対象として発病するのが、老年性のアルツハイマー型認知症」なのです。

そもそも、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(私たちは、これを「前頭葉」の三本柱の機能と名付けています)には、上述したように、加齢とともに機能が衰えていくという生来的な性質が内包されているのです(ここを「クリック」してください)。その上、「前頭葉」の三本柱の機能が、上記に列挙したような「前頭葉」の個別機能の機能発揮度を左右する構造になっているために(私たちは、これを「前頭葉」の「二重構造」と呼んでいます)、60歳を超える年齢の「高齢者」が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない生活のことを、私たちはナイナイ尽くしの「単調な生活」と呼んでいます)を日々継続していると、使われる機会が極端に少ないことに起因して、「前頭葉」の機能が異常で加速度的な機能低下、すなわち、廃用性の異常な機能低下を起こして来ることになり、認知症の症状が発現してくることになるのです。

 これこそが、世間で(日本を含めて世界中で)、原因不明で治らないと誤解され続けてきている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の症状発現の「メカニズム」なのです。


      

〇 同じテーマでも、「捉え方」次第で、こんなに「前頭葉」の活性化に影響するのです

そう。実は、Tadが抱え込んでいて、脇に追いやられていた「テーマ」があったのです。このところ、南箱根のダイヤランド(新規に立ち上げた、「脳活性化研究所」)に行くことが多くなって、且つ、そこに滞在する期間も長くなっていて、伊豆高原の家の庭が置き去りにされたままになっていたのです。梅雨が経過した後の本格的な夏の到来による日光の受容量が多くなったせいで、庭の草や樹木がみるみる成長してしまったのです。このままでは、まるで幽霊屋敷になりかねないと、私は潜に心配していたのです。でもこの私、幼いころからの体験と言えば、鉛筆を握ること、包丁を使うこと、それに車のハンドルを操ることくらいしか体験していないのです。それ以外については、私の運動の脳が未発達なのです。そこで、庭の草や樹木の刈り取りや切り落としと言った肉体作業は、Tadの登板と言うことになるのです。それにも拘わらず、Tadが取り掛かろうとする気配さえも示さないまま、この数週間放置されたままで居たのです。

そのTadの行動に突然異変が起きたのです。裏話をするとこういうことなのです。先月、「臨時掲載」で、皆さんにご報告したあの軽食&喫茶「ビブラ ビブレ」のことを覚えていますか。「もう忘れてしまったよ!!なんておっしゃってる方、日々の生活大丈夫ですか?」。ビブラ・ビブレに通うようになって、世間話をしている内に、私たちが「伊豆高原」からダイヤランドの家に通ってきていることが知れて、親しくお話しするようになったのです。皆さんには関心がないかもしれないのですが、この辺りでは、伊豆高原と言うと一端の別荘地なのです。それで、ビブラ・ビブレの人達(Tadの関心は、若い美女たちかな?)が伊豆高原の我が家に見えることになったのです。具体的な日時は、両方の都合を見て決めることにして、8月に入ってから訪問と言うことになったのです。

それが、先々週の木曜日のことだったのです。Tadが急に、伊豆高原に帰ると言い出したのです。勿論私は大賛成。お友達たちが私の帰りを待ってくれているから。Tadが急に帰ろうと言い出したその理由は、放置されたままになっている庭の掃除と言う「テーマ」の為だったのです。ビブラ・ビブレの人達を迎える為には、伸び放題の状態で放置されたままになっている伊豆高原の我が家の庭の草や樹木を刈り取り切り落とすことが「必須の命題」と、Tadの「前頭葉」が考えたということなのです。

   

それからの5日間、毎日30度を超す炎天下の下で、冷やしたお茶を飲み時には水をかぶりながら、Tadが一人で猛然と働いたのです。皆さん想像してみてください。下の玄関から上の玄関まで25段もある階段の両脇はサツキの植え込みになっているのです。それを全部刈り取って処分しました。上下二つある庭の下の庭には、大きなプールがあって、その周囲は花壇になっています。プールの清掃は、高圧の洗浄機を使って、タイルの一目毎に洗ってやるのです。プールの底の面、擁壁面、それに、テーブルや椅子を並べている広い通路面の全部のタイルを、一枚一枚、丁寧に洗浄機を使って洗ってやるのです。それが終わると今度は上の庭。中央には大型のピザ釜があり、その周囲、更には露天風呂の周りにも、樹木やら果樹やらがたくさん植えてあるのです。それらを全部剪定してから、庭一面に生えている草の刈り取り。そして最後は、最も難物である、巨木になっている3本のカナリーヤシの枝の切り落とし作業が待っているのです。これらを切り落として(トータルして、150本もの枝の数になりました)、それを1メートルの長さに切り分け、束にしてから処分するのです。カナリーヤシの枝は、長さが4メートルもあります。根元から1.5メートルくらいは、葉の先の部分がすべて針状になっているのです。長靴を突き抜いてしまうほど鋭利で強靭な代物なのです。どんなに気を付けていても、手や足に何度か突き刺さってしまうのです(幸いなことに、私ではなくて、Tadの手や足に、なのですが)。

そうした炎天下での大変な作業を、その上重労働でもあるのですが、私に対して不平や不満を並べるどころか、Tadはまるで嬉々としてやっていたのです。滝のように汗を流しながら。Tadに何が起きていたのか。これこそが、「前頭葉」の関与、其の在り方の問題なのです。私たちの意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う機能、脳全体のコントロール・タワーには、実は、私たち人間だけに特有な機能なのですが、「評価の物差し」と私たちが名付けている機能が備わっているのです。伊豆高原の我が家の庭の掃除、伸び放題になっている庭の草の刈り取りと樹木の枝の切り落としと言う「テーマ」を、どのような「目的」の下に、どのように実行するのかを設定し、決めるのが「前頭葉」の働きであり、且つその「目的」の評価の在り方次第で、その「テーマ」の実行が、楽しいものとなり(ケースによっては、「生き甲斐」につながる)、或いは、嫌で辛いものとなる(ケースによっては、「意欲」を引き下げることにつながる)のです。

同じ「テーマ」であっても、「評価の物差し」がその実行目的と状況をプラスに評価すれば、それを実行する意欲が湧いてくるし(今回のTadのケースで言うと、意欲が湧き出てきたみたい )、「評価の物差し」がその実行目的と状況をマイナスに評価すれば、それを実行する意欲が湧いてこなくなるということなのです。Tadがどのような「目的意識」でこのテーマを遂行したのか、Tadの行動を観察すれば明らかでしょう。

時が到来してビブラ・ビブレの人達が伊豆高原の我が家を訪ねてみえたとき、その人達がこの庭を見て、Tadの奮闘ぶりを高く評価しほめたたえた時、その評価が高ければ高い程、Tadは達成感や喜びを覚えることとなり(場合によっては、「生き甲斐」さえも覚えて!)、且つそのことが、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の機能アップと言う結果(効果)へと直結することになるのです。更に言うと、この三本柱の機能の機能アップそれ自体が、「前頭葉」の活性化の現われである「前頭葉」の個別機能の発揮能力のアップ(状況の判断、テーマの発想、テーマを実行する内容の企画、考察及び計画、洞察や推理と言ったシミュレーション能力、或いは関心や感動などの個別機能の発揮能力のアップ)にも直結することになるのです。脳を活性化させる生活、なかんずく、「前頭葉」を活性化させる生活の在り方(「テーマ」を遂行する上での目標の設定の仕方及びその捉え方)についての参考となる具体例として、今回のTadのケースを取り上げた意味を理解していただけたでしょうか(ここを「クリック」してください)。  

注)前回既にこのテーマは取り上げたのですが、脳(Tad)のことが分かり易いので、此処に再度取り上げました。


    

第二の人生を送っている、60歳を超える年齢の「高齢者」の皆さん、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、どこかの独立行政法人がかたくなに信じ込んでいるアミロイドベータが脳内に蓄積することが原因で発病するものではないのです。アミロイドベータの蓄積量が増えていくことによって症状が重症化していく訳でもないのです。脳全体の司令塔の役割を担っていて、意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」と言う脳機能が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続されることにより廃用性の異常で加速度的な機能低下を起こしてくることが直接の原因となり、且つそれが異常なレベル(一定の客観的な閾値)に衰えてくることにより、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発症することになるのです(最初の段階であり、私たちの区分でいう「軽度認知症」の段階では、司令塔の「前頭葉」のみが異常な機能レベルに衰えてきているのです。

 この「小ボケ」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルにあるのですが、思考や行為や言動を含めて私たちのすべての意識的な活動は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」がそれらの脳を主導し、それらの脳と協働し、且つそれらの脳をコントロールする機能構造となっているが為に、「前頭葉」を含む脳全体としてのアウトプットそれ自体は、異常なものとなってしまうことに注意してください。「小ボケ」の症状は、正常下限での症状なのではなくて、認知症の症状だということなのです。)。

廃用症候群に属する生活習慣病である「アルツハイマー型認知症」と言う病気は、「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきたとき発症するのです(その最初の段階が「軽度認知症」、「小ボケ」の段階)。このことを逆に言えば、「前頭葉」の機能レベルが「正常域」にある限り、「アルツハイマー型認知症」を発病する事態は絶対に起きてこないのです。したがって、あなたの日々の脳の使い方、生活習慣(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに注意)を今日すぐにでも見直して、あなたの「前頭葉」が活性化する生活習慣を構築し、明日と言わず今日から実践するのです。あなたの「前頭葉」の機能レベルが高いところにあればあるほど発病のリスクは小さくなる、「アルツハイマー型認知症」を発病するその日は遠ざかっていくことになるのですから(ここを「クリック」してください)。

 注) 本著作物(このブログ「B-42」に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

    脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)




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