kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『さよならドビュッシー』を観て

2013-01-27 23:36:33 | 映画・邦画

13-7.さよならドビュッシー
■配給:東京テアトル
■製作年、国:2013年、日本
■上映時間:131分
■観賞日:1月26日、ヒューマントラストシネマ渋谷(渋谷)
■料金:1,800円



□監督・脚本:利重剛
□脚本:牧野圭祐
◆橋本愛(香月遥)
◆清塚信也(岬洋介)
◆ミッキー・カーチス(香月玄太郎)
◆吉沢悠(新条医師)
◆相良樹(片桐ルシア)
◆相築あきこ(香月悦子)
◆清水紘治(鬼塚先生)
◆戸田恵子(桃山校長)
◆熊谷真実(綴喜みち子)
【この映画について】
第8回「このミステリーがすごい!」大賞に輝いた中山七里の小説を、久々にメガホンを取る利重剛監督が映画化。火事で重傷になりながらも、懸命にピアニストを目指す少女が不可解な事件に巻き込まれていくさまを、ドビュッシーやショパンの名曲に乗せて描く。
主演は、『桐島、部活やめるってよ』など話題作への出演が相次ぐ橋本愛。ピアノ教師を、テレビドラマ「のだめカンタービレ」の吹き替え演奏で知られる人気ピアニストの清塚信也が演じる。(この項、シネマトゥデイより転載しました)
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
ピアニストになることを目標にしている16歳の遥は両親や祖父、いとこらに囲まれ幸せに暮らしていたが、ある日火事に巻き込まれルシアと祖父が犠牲になり遥一人だけ奇跡的に生き残る。全身の皮膚を移植する手術を受け、まさに奇跡的に死の淵から生還した。
全身に大やけどを負い心にも大きな傷を抱えた遥だったが、ピアニストになることを諦めず、コンクール優勝を目指して猛練習を再開した。それは生前にルシアと交わしたある約束、プロになってルシアの為にドビュッシーの「月光」を弾くことだった。しかし、資産家である一家の一族を巻き込んでの遺産相続を巡って、12億円を相続することになった彼女の周囲で不可解な現象が続発し、彼女の身にまで不審な出来事が発生するなど不穏な空気が流れる。

橋本愛主演作のこの映画、彼女はいまや若手女優の注目株で昨年も何本か出ていたけど(「貞子3D」はイマイチだった)、今回はピアニストになる夢を持ちながらも全身に大やけどを負った少女という役所。 
ピアニストになる夢を諦めずに追って行く部分と、両親がアフリカ出張中に行方不明になってから暮らしていた家が火事で焼失して大火傷を負う部分とそれに纏わるミステリー部分が重なる展開。前半で仲良しだった遥とルシアの同い年のいとこ、この二人、実は良く似ていると言う点がミステリーのなぞ解きの伏線になっていて、最後に、遥とルシアが実は入れ替わっていたというオチに繋がっている。ミステリー部分のこの入れ替わりは確かにアッと思わされたが、ピアニストになる夢を追い続けていた理由が入れ替わった部分とも重なっている。
だが、この映画の見どころはミステリー部分よりやはりピアニストへなる為に岬からレッスンを受けながら成長していく部分だと思う。岬を演じる清塚信也の本職は俳優ではなくて「ピアニスト」である。音楽演奏シーンに有りがちな、音は吹き替え録音を使用し俳優は演奏している「フリ」をして合成するやり方では無い、本職が演奏しているだけに説得力がある。

橋本愛は今まで美少女ぶりが注目され、出演作に恵まれていた感じは薄かったが、やっとストーリー的(突っ込みどころは多いですが)にも役所的にもしっかりした作品に主役として出演し、しっかりとした演技で応えていた点は好感が持てる。


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