2004年から週刊少年ジャンプで連載が開始し、現在もウルトラジャンプで連載中の「STEEL BALL RUN」(スティール・ボール・ラン)!
まったく読んでいなかったが、ここへ来てレンタル屋で借りて、ようやく一気に読んだ。
サンディエゴからニューヨークまでの全行程6000km、北アメリカ大陸を馬に乗って横断する”スティール・ボール・ラン”レースを舞台とした物語。
荒木飛呂彦の前作、「ジョジョの奇妙な冒険」は第1部から第6部の「ストーンオーシャン」で一旦おわり、新しいシリーズがはじまったのか?・・と連載開始当初は様々な憶測を呼んだ。
何しろ前作まで、主人公の”ジョジョ”たちは、第1部のジョナサン・ジョースターから、皆すべて血統的なつながりをもつ、壮大な大河ドラマのようなストーリーで、皆その名から”ジョジョ”の愛称をもつ。(カテゴリー/マンガ・アニメ:「ジョジョの奇妙な冒険」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/bdd844dcc67bf575dbb3d13bcea7d01a)
しかし、「スティール・ボール・ラン」(以下「SBR」)の主人公の名はジャイロ・ツェペリである。
ジョニィ・ジョースターという主役級の登場人物が出てくるが、ジョナサンからの血統的なつながりもなく、後に本名が第1部の主人公と同姓同名のジョナサン・ジョースターであるコトが判明するのだが、「SBR」の物語の時代背景自体が、1890年からレースがスタートしており、1889年に宿敵ディオと船上の戦いで絶命したジョナサンとは別人であるコトは明白。
本作が、それまで一貫していた前作までの世界とは違う作品であるので、作者自身もその位置づけに苦心したようだが、結局、”パラレル・ワールド”とゆーコトで「ジョジョの奇妙な冒険Part7」―すなわち、”第7部”と位置づけされている。
主人公のツェペリもそうだが、ディエゴ・ブランドー、ウルムド・アブドゥル、フリッツ・フォン・シュトロハイム、東方ノリスケ・・など、前作とのつながりを感じさせるキャラクターや、おなじみの「スタンド」も登場。
目に見えない「精神的なエネルギー」であるスタンドを、人物や動物の背後から出現するキャラクターのデザインとして絵で見せる本作は、”超能力”の画期的な表現として新たなジャンルを切り拓いた・・といっても過言ではない。
前作までは「stnad by me(傍に立つ)」から名付けられたものであったが、本作ではこの能力を「stand(立ち向かうもの)」(byマウンテン・ティム)・・としている。
ここであらためて作者の言葉を借りて、このスタンドという能力を説明すると・・
「人間が引き出す精神的なエネルギーの事を便宜上「スタンド」と名付けて呼ぶ事にする。・・(中略)・・こいつがパンチをくり出せば物質が破壊される。・・(中略)・・
そしてこの「スタンド」を心で見る事のできる才能を「スタンド使い」という。
スタンドには以下のルールが存在する。
①スタンドは「スタンド使い」の意思で動き、動かされる。
②スタンドはスタンドでしか攻撃できない。
③スタンドが傷付けば、その「スタンド使い―本体」も体の同じ箇所に同じ傷(ダメージ)がつく。
④「スタンド使い」が死ねば、その本人のスタンドも消滅する。
⑤「スタンド」が消滅すれば、逆に「スタンド使い」も死ぬ。
⑥スタンドのエネルギー・力の強さは、その距離に反比例する。
「本体」と「スタンド」の距離が近ければ近いほど、力は強く、正確性もスピードもあるが、2つの距離が遠ければ遠くなるほど力は弱くなり、動きのスピードも遅く、大雑把になっていく。
⑦つまり、スタンド使いには「うまい」「ヘタ」がある。
⑧スタンドは遺伝する。
⑨スタンドは1人につき「1能力」である。
⑩スタンドは、その本人によっては、力として成長する場合がある。
古代人の叡知はこのスタンドの才能を引き出す道具を偶然なのか なるべくしてなのかは知らないが、発明、作り上げている。
そして第1部「ファントム・ブラッド」の「波紋」や、この第7部「スティール・ボール・ラン」の「鉄球」は、このスタンドという才能に近づこうとする「技術」といえるのだろう。」(単行本10巻より)
古代人の叡知が作り出したスタンドの才能を引き出す道具とは「石仮面」や「矢」のコト。(知らない人はおいてけぼりですが・・)
「矢」に射抜かれた者が死なずに生き残ると、スタンド能力を身につける・・とゆーのは周知の事実(同上・・)であるが、本作では「悪魔の手のひら」とインディアンから恐れられる隕石が落ちた跡が登場し、人間の眠ってる未知の能力を引き出す。
「矢」も地球外から飛来した隕石から作られており、スタンド能力は宇宙から来たウイルスによる進化ではないか?・・との仮説もある。
「波紋」は仙道の”呼吸法”、「鉄球」は自然の中にある黄金長方形を結ぶ螺旋が成す無限の”回転”・・。
ジョジョだけに、”徐々”にスタンドの謎も明らかにされつつある・・。
さらに、SBRレース自体にも秘密があるコトが明らかに・・。
9つのステージが設定されたコースは、実はアリマタヤのヨセフが残した地図、ある”聖人”の「遺体」が隠された場所に沿ってコース設定がなされており、それぞれ動機をもってレースに参加したツェペリとジョニィも、その争奪戦に巻き込まれ、「遺体」を手に入れようとする大統領の追っ手、”スタンド使い”たちと予測不能なスタンド戦を繰り広げる・・。
その、ある”聖人”とゆーのが・・。
現在、単行本は20巻(通算100巻!)まで出ており、いよいよストーリーも大詰め!
しかし、なんといっても気になるのは、やはり、ジョジョ”第8部”もあるのか・・?
・・であろーか・・。
個人的には、ぜひとも続いて欲しいトコロだ・・。