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聖杯伝説

2011年03月25日 | 都市伝説・ミステリー

映画「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」で、インディの父・ヘンリーが追い求めていたのが聖杯

この聖杯は、イエス最後の晩餐において、「これは、罪のゆるしを得させるようにと、多くの人のために流すわたしの契約の血である。」(マタイ26:28)といって弟子たちに葡萄酒を飲ませた杯とも、磔刑の際にイエスの血を受けたものとも(あるいは同じ杯とも・・)いわれている聖遺物である。

イエスの脇腹を刺した盲目の百人隊長、ロンギヌスは、目にイエスの血を浴び、それ以来、目が見えるようになったといわれ、イエスの血を受けた聖遺物は、奇跡を起こす力を秘めている・・と信じられ、時の権力者たちが”ロンギヌスの槍”や聖杯などを探し求めてきた・・と言われている。

映画でも、ヒトラーナチスが聖杯を追い求めているのは、1作目「失われた聖櫃(アーク)と同様である。

 

一般に「聖杯伝説」といえば、中世ヨーロッパで聖杯を探し求める騎士の物語、あるいは聖杯をモチーフにした奇跡譚のコト。

1180年代フランスの詩人、クレティアン・ド・トロワによる『ペレスヴァル、あるいは聖杯の物語』が、その最初と言われ、聖杯を手にするのが円卓の騎士の1人、パーシヴァルで、これ以降、聖杯伝説は、それまであったアーサー王伝説の中に取り込まれていく・・。 

 

一方、1190年代に同じくフランスの詩人、ロベール・ド・ボロンは、『聖杯の由来の物語』で、アリマタヤのヨセフが聖杯とともにアヴァロン島に渡ったとしている。

この「アヴァロン」とはケルト語”リンゴ”をイミするそうだが、場所はどこにあるか不明で、ブリテン諸島のどこかにあると信じられている。

またアリマタヤのヨセフは、グラストンベリーに渡り、ブリテン最初の教会を建てたともいわれており、他にも様々な伝承がある・・。

 

1982年ヘンリー・リンカーンらにより、イギリスで発表された『レンヌ=ル=シャトーの謎』(原題:「Holly Bllod、Holly Grail」)というノン・フィクションでは、「聖杯」(=Saint Graal)がフランス語で、「王の血統」をイミする"sang réal”に由来するとし、「聖杯=イエス・キリストの血筋」であるとした。

実際、フランスのレンヌ=ル=シャトーにあるマグダラのマリア教会ソニエール神父は、1886年、老朽化した教会の修繕をしようとした時、崩れた柱の中から1枚の羊皮紙を発見し、それまでは食べるのも管区民の寄付によるほど困窮していたにもかかわらず、教会を建て直したり、高価な骨董品を収集したり・・と、それ以来、突然、懐が潤うようになったという。

教会の上層部にも語るコトなく、ついにその羊皮紙の秘密は明かされるコトはなかったが、聖杯の在り処を示すものだったとか、イエスとマグダラのマリアの関係を示すものだったなど、様々な噂が広がった・・。

 

ちなみに『レンヌ=ル=シャトーの謎』は、映画にもなったダン・ブラウンによる小説、『ダ・ヴィンチ・コード』に多くのインスピレーションを与えたとされ、(要するに盗作したと・・)訴訟沙汰になったりもした。

「聖杯」が「女性=胎」、すなわち、イエスの血統(マグダラのマリアとの子)・・とする解釈や、メロヴィング朝がイエスの血統に由来する・・など、ほとんどのアイデアが『レンヌ=ル=シャトーの謎』から借用されたものとされている。

 

まあ、聖杯が奇跡を起こすパワーを秘めた聖遺物だろうが、イエスの血統だろうが、既存の教会権力を脅かすものであるコトに変わりはない。

 

そうした秘密を握った者が教会を脅し、大金をせしめたりするコトも出来るかもしれない。

巨大な権力を握るコトも可能かもしれない・・。

 

昔からある伝説や、小説や映画などの様々な作品で扱われているコトからも分かるように、「聖杯伝説」は物語としても、非常に魅力あるテーマである。

 

しかし、そもそも、そんな聖杯なんてない・・というのが、依然、最も有力な説のようであるが・・。

 

ちなみに「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」のラストで、自分の好きなシーンがある。

地割れとともに岩棚に落ちた聖杯を拾おうとする息子を、ゆっくりとヘンリーがたしなめ、父の声に気を取り直したインディが両手を差し出し、助け出される・・という場面である。  

ヘンリーにとっては、自らの人生を賭けて追い求めてきた聖杯を、目前であきらめるコトになっても、我が子を思う親心がそれに勝る・・そして、それに応える息子・・という、泣かせる名シーンである。

 

「人が全世界をもうけても、自分の命を損したら、なんの得になろうか。」(マルコ8:36)

 

 

 

 


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