昨日、長谷川穂積は2階級上げて、25戦無敗で同級1位のファン・カルロス・ブルゴスとWBC世界フェザー級タイトルマッチを戦い、見事、3-0の判定勝ちで、2階級制覇に成功した。
1階級飛び越しての2階級制覇は日本人初!
4月にフェルナンド・モンティエルに敗れて王座陥落した長谷川だが、再戦の希望も叶わず、リベンジ出来ないなら、減量苦をおしてバンタム級(-53.52kg)にとどまる理由がなくなり、フェザー級(-57.15kg)に戦場を移した。
(カテゴリー/格闘技:「長谷川穂積、王座陥落!」参照http://blog.goo.ne.jp/kinto1or8/e/434d841ff9f640d6e8c5a454f63a3a11)
バンタム級では毎試合、11kgの減量をして試合に臨んでいたという長谷川は、1階級違うだけで格段のパンチ力の差があるといわれる中、跳び級で王者となり、その実力を証明した。
リーチで劣る長谷川は、ベタ足のまま1歩もひかず、ショートレンジの打ち合いで挑む。
スピードと、高速回転の連打で戦う今までのスタイルとは違い、絶対に倒す!という気迫に満ちている。
―しかし!
7ラウンドにブルゴスのアッパーが長谷川の顔面をとらえる!
一瞬、ぐらつき、ヒヤッとさせたが、何とかダウンは免れ、猛然と襲いかかるブルゴスと果敢に打ち合う。
今回は、とにかく、足をとめて打ち合う長谷川!
ショートレンジで危険なパンチが交錯する。
8ラウンドで偶然のバッティングにより右目の上をカット。
そこからは足を使い、本来のスタイルに戻ったかに見えた。
解説も「今ので力みがとれましたね」と言っていたが、試合後のインタビューで、長谷川は「途中、右目が切れて、自分のボクシングが出来なくなった・・」と答えていたように、とにかく最後の最後までKOする!・・という戦い方にこだわった。
ポイントでは完全に上回っていたにもかかわらず、ポイント・アウトする気などさらさらなく、危険な距離で打ち合いに行くのだ。
ブルゴスも長谷川の的確なパンチで右目が腫れ、2人とも満身創痍!
おそらく、以前の階級なら、間違いなく倒れているだろう、いいパンチが何発も入ってるが、ブルゴスも意地を見せる。
頭上を・・
目の前を、互いの危険なパンチが飛び交う。
最終ラウンドで見せた長谷川のこの表情。
気迫と、「絶対に勝つ!」という強い気持ちで戦い抜いた!
試合後、同じ日に行われたWBCスーパー・フェザー級タチトルマッチで、王者、ビタリ・タイベルトからダウンを奪い、同じく3-0の判定勝ちをおさめた弟分の粟生隆寛と抱き合った後、リングサイドに駆け寄り、ガッツポーズ。
試合前、「俺の勝手なお願いやけど、2人でチャンピオンになって、おかんに報告させてくれ」と粟生にメールしていたという。
長谷川が駆け寄った先には、先月、亡くなった母の遺影を掲げた家族が。
まさしく、母に捧げた勝利だった。
10月24日にガンを患っていた母が他界、タイトルマッチ前の大事な時期であったが、5日間の休暇をとった。
正直、今も気持ちはひきずっているが、1ヶ月、練習する時間をくれた・・。
その母を安心させるためにも、必ずKOで勝つ!
―そんな魂の叫びが聞こえてくるかのような、気迫の試合だった。
恐妻家で知られる長谷川だが、リングサイドの妻も、夫の勝利に思わず涙ぐむシーンも・・。
10連続防衛、2階級制覇のチャンピオンといえど、やはり、おかんと奥さんには勝てないのだ・・。
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