アニメ「時をかける少女」を手がけた細田守監督初の長編オリジナル作品。
脚本の奥寺佐渡子、キャラクターデザインの貞元義行など、「時をかける少女」のスタッフが再び集結して作られた。
舞台となっているのは長野県上田市。
上田市には細田の妻の実家があり、結婚の挨拶に訪れた際に抱いた「日本の原風景」のイメージを投影するコトを思い至り、この作品を作ったという。
サイバ-テロという内容を扱っているにもかかわらず、全編にあふれるあたたかい空気は、まさしく、誰もが懐かしく感じる「日本の原風景」のイメージであり、それがこの作品の核をなし、実に人間味溢れる作品に仕上がっている。
知性をもったハッキングA.I”ラブマシーン”の暴走によるサイバーテロなので、基本的に根っからの悪人も出てこない。
これ、ウチの奥さんがトトロを好きな理由でもあるので重要・・。
自分のイメージとしては、「となりのトトロ」と「2001年 宇宙の旅」、「マトリックス」を足したような作品。
サイバーテロで都市機能が混乱するくだりは「ダイ・ハード4.0」も彷彿とさせる・・。
(・・どれもちと古いか・・?)
ちょっと聞いただけでは、とても融合不可能な作品たちに思えるが、見ていただければ分かるが、これが実に見事に融合している。
・・でありながら、パロディやパクリでもない、厳然としたオリジナル作品として輝きを放っているのは、その根底に「家族愛」や「人とのつながり」という、しっかりとしたテーマがあるからであろう。
長野県の片田舎で、家族団欒しながらだだっ広い和室でサイバーテロと戦い、人類を救う・・とゆー構図は、それだけでも、なんだか”ほっこり”してしまう。
2009年8月1日の公開から、4ヶ月に及ぶロングラン興行を成し遂げ、観客動員数は123万人を越えたという実績が、作品の素晴らしさを物語っている。
また、今年3月に発売されたブルーレイ・ディスクは初登場5.4万枚のセールスで週間ランキング1位を獲得。
これは「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.11」の4.9万枚を抜き、当時、アニメ作品の歴代1位!
・・まあ、残念ながら、翌週、「機動戦士ガンダムUC 1」が5.6万枚であっさり最高記録を更新したそうだが・・。
・・ガンダム、恐るべし・・。
個人的には最近のジブリ作品より、よっぽど良い映画だと思った。
話題になったのもうなずける。
ジャパニメーション(和製アニメ)の奥深さ、底力を見たような思いがしたこの作品、ぜひ、1度ご覧あれ!
おすすめです!