春が足止めになったみぞれ交じりの寒い朝。
窓からの光は春を待つ優しい明るさになってきた。
今日のロビーで迎えてくれたのは内裏雛でした。
今日のマッサージはK理学療法士。
頼みますよ、頼りにしていますから。
右足の指が僅かに動いている気がしますがどうですか。
「ほんの少しですが動きが出ているような感じです。」
まだ少しだけ動いただけか。
残念だな。
夜中に布団の中で指を一所懸命動かしてみるのだけれど。
はっきり動いていると言い切れないようだ。
マッサージが終わり装具を着けて歩き出した。
後ろから声が掛った。
｢背が伸びましたね。曲がっていた腰が伸びたのか。」
｢背が伸びたのかと思ってしまった。ごめん。」
ほんの冗談でした。
でも嬉しい言葉。
本当なのか。
自分では見えないもどかしさ。
歩行の努力が報われたのかしら。
元に戻らないようにまだまだ歩いて歩いて！！
お願い、戻らないでね。
背が伸びたなんて、まだ成長しているのかしら？？？？
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