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I Love Nature

自然の中で見つけたステキなモノ

夏の天山登山(佐賀県)その3

2012年09月08日 | 山のお話

雨山の山頂でタンナトリカブトとご対面した後は、雨山を下って天山の山頂を目指します。青空だった空に怪しげな雲がどんよりと立ちこめてきましたが、天山一帯はあまり日陰がないので、 むしろ少々曇っていた方が涼しくてちょうどいい! 雨が落ちてこないことを祈りながら、天山目指してLet's go

 

道すがらいくつかの植物達に出会いました。左は何だったか忘れましたが、右はセリ科のノダケ

そして鈴なりのヤマホトトギスのお花。一つの株に小さなつぼみからしっかりと咲ききった花まで勢揃い きれいだな~

背の高いオニユリの花に見守られながら進む登山道。夏山らしく腰の高さまで草が生い茂っています。 

去年は花が咲いていなかったこの植物、去年も今年も隊長に名前を聞いたのに、またしても名前を忘れてしまいました 隊長~!教えてください

*先日隊長から連絡があり、ジンチョウゲ科のキガンピ(黄雁皮)と教えていただきました!

これはしっかり覚えてますよ~ この小指の先ほどの小さな花を咲かせているのはゴマノハグサ科のキュウシュウコゴメグサ(九州小米草)。今年も去年と同じ場所で出会うことができました

数ある植物の中でも、可哀想な名前を付けられた悲運な植物ベスト3に入ると思われるアカネ科のヘクソカズラ(屁屎葛)。可愛らしい花を咲かせるのに、ちょっと匂いがするってだけでこの名前ですよ。本当にかわいそう でもね、調べてみたらサオトメバナ(早乙女花)っていうステキな別名もあるようです ちなみに花言葉は「誤解を解きたい」ですって。これは花言葉というよりむしろこの花の切実な気持ちを表しているのかも?

これはノイバラ系かな?うーん、でもちょっと違うような 分かりそうで分かりません

いろんな植物の写真を撮っている間に頂上が見えてきました~ 天山は駐車場から30分くらいで登れちゃうのであっという間です。

 天山山頂(1046m)に到着~ …っていつもは大体青空が広がってるんですけど、辺りは見事な曇天模様 お昼なのにすでに夕方みたいな薄暗さです。

 

そんな薄暗~い曇天模様の下でも天山の看板植物でもあるマツムシソウは淡い薄紫色の花をしっかりと咲かせていてくれました やっぱり何度見てもきれいだな~

空模様は曇りですが、とりあえず山頂で記念撮影。今までで一番薄暗~い記念写真となってしまいました こうしている間にも辺りがどんどん薄暗くなっていきます。どうか下山するまで雨が降りませんように

その4へ続く


夏の天山登山(佐賀県)その2

2012年09月08日 | 山のお話

前回の天山登山と同じように、天山の山頂に登る前にまずは雨山の山頂へ。お目当てはそこに自生しているタンナトリカブト(丹那鳥兜)というちょっと珍しい植物。花が咲いてるといいなぁ~ 

サイヨウシャジン(細葉沙参)にフタホシテントウがくっついているのを発見どういう訳か、この日は本当にたくさんのテントウ虫に遭遇しました ちなみにサイヨウシャジンとよく似た花を咲かせるツリガネニンジン(釣鐘人参)という植物がありますが、こちらの方は花が輪生状につくことで見分けることができるようです 

雨山への道は草がぼうぼうで歩くのが大変 足元が見えにくいので、石につまずいたりしないように気をつけながら登って行きます。 

 

登山道の傍らには秋の花がたくさん咲いていました。どちらも白くて小さな花がたくさん集まって一つの固まりになっているのですが、左はオトコエシ(男郎花)で右はヒヨドリバナ(鵯花)です。よくよく見ると花の形が違うので区別がつきます

こちらは秋の七草の一つ、オミナエシ(女郎花)。オトコエシの花の色は白ですが、オミナエシの花は黄色です。 日当りの良い草地に生える多年生植物なので、天山はオミナエシの自生地としては最適。時期がちょうど良かったのか、去年よりたくさん目に付いたように思います。

この紫色の花はウツボグサ(靫草)「ウツボ」というのは海にいるウツボではなく、矢を入れて持ち運ぶ筒状の入れ物のことで、花穂がその形に似ていることからこの名前がつけられたのだとか。別名をカコソウ(夏枯草)ともいい、枯れた花穂のことをそう呼び、漢方では抗炎症または利尿薬とされているそうです

こちらはお馴染みのヤマホトトギス(山杜鵑)。夏から秋にかけてとっても個性的な花を咲かせます

こちらはイタドリ(虎杖)の花。若芽を揉んで傷口に付けると痛みが和らぐのだそうで、「痛みを和らげる」という意味の「痛み取り」が和名の由来と言われています。漢字では「虎杖」と書き、「イタドリ」と読むことができませんが、これは中国名をそのまま使ったためなのだとか。ちなみに漢方での生薬名は虎杖根(こじょうこん)と言うそうですよ。ちょっと間際らしいですね

雨山の山頂が見えてきました 一面緑色の山にオレンジ色のオニユリの花が彩りを添えます。

雨山(996m)の山頂に到着~ 山頂はご覧の通りとっても狭いです。てっぺんに石碑が立っていて、その周りを一列になってギリギリ通れるくらいです。さてさて、お目当てのタンナトリカブトはあるかな~?

ありました~ でも残念ながらまだ花は咲いていませんでした ご存知の通り、トリカブトは有毒植物で、ドクウツギドクゼリと並んで日本三大有毒植物の一つとされています。トリカブトの仲間は葉っぱがヨモギの葉に似ているため、不運にも誤食して亡くなられる方も…。当然のことですが、野草を食す時は十分に注意しなければいけません トリカブトはその毒性については広く知られているのですが、どんな花が咲くのかはご存じない方も多いはず。先日雲仙の九千部岳ウンゼントリカブトの花を撮影してきましたので、後日御紹介したいと思います。どうぞお楽しみに~

雨山で一息ついて、一旦山を下り、今度は天山の山頂を目指します。しかし天山の方は霧が立ちこめてきて、なんだか雲行きが怪しくなってきました。果たしてT小登山隊は無事に天山の山頂にたどり着けるのでしょうか

その3に続きます


夏の天山登山(佐賀県)その1

2012年09月08日 | 山のお話

8月のT小登山隊の定例登山は佐賀県の天山へ行ってきました~

今回の参加者は隊長・副隊長を初めとする計7名。まだまだ暑さが厳しい中、上宮登駐車場を起点に、去年と全く同じコースを歩いてきました。実は、当初は違うコースを予定していたのですが、隊長が前日に下見に行ったところ、炎天下では体力的にもかなり厳しいだろうということで、急遽比較的楽な去年のコースに変更となったのです。去年は9月半ばに訪れたのですが、一ヶ月違うと同じコースでも咲いている花や茂っている緑の様子も違っていたので、どうぞ去年の記事と比較しながらご覧下さいませ~

昨年の記事はコチラ

天山ハイキングその1
天山ハイキングその2
天山ハイキング最終回 

このコースの特徴は登山口に神社があること。お社らしきものは見当たりませんが、鯉が泳ぐ池があったり、石灯籠や鳥居があったりします。

こちらはヤシャブシ(夜叉五倍子)の実。カバノキ科の樹木で、この辺りにはたくさん自生しているようです。この実はクリスマスリースのデコレーションに使われたり、枝のまま生け花に使われたりもするようです

夏山らしい青草が繁茂した道を進んで行くT小登山隊。ここからはたくさんの草花たちに出会いました

まずはまぁるい蕾がチャームポイントのカラマツソウ(唐松草)。キンポウゲ科の植物なのですが、糸のように細くて白い花びらが特徴です

シギンカラマツ(紫銀唐松)の間違いでした!

この黄色い花はオトギリソウ科のシナノオトギリ(支那の弟切)か、またはセヨウオトギリ(西洋弟切)だと思われます。弟切草の由来ですが、『この草を原料とした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が怒りのあまり斬り殺した』という伝説があるからなのだとか。なんとも物騒な名前を付けられたものですね

こちらはシソ科のアキノタムラソウ(秋の田村草)。ほとんど花が落ちちゃってますけど、ナナホシテントウとのコラボが可愛らしくて思わず一枚パチリ

 

見かける度に写真を撮りたくなってしまう個性派のユリ科ヤマホトトギス(山杜鵑)。この夏は雲仙でも多良岳でもよく見かけました。 蕾も花も愛嬌たっぷりのヤマホトトギスの名前は、花の紫色の斑点が鳥のホトトギスの胸の斑模様に似ていることに由来するそうです

こちらはユリ科のホソバシュロソウ(細葉棕櫚草)。雲仙でもよく見かける植物で、えび茶色の花びらが特徴的です

これもアキノタムラソウかな?花がたくさん付いていてちょっと違うような気もしますが。どなたかご存知の方、この花の名前を教えてくださいませ!

去年は見かけなかったユリ科オニユリ(鬼百合)の花を発見 所々でぽつりぽつりと咲いているのを見かけました。一ヶ月違えば咲いてる花も違うものですね

な、なんと もうとっくに花期を過ぎているアジサイを発見 しかも8月だというのにきれいに咲いてます そういう品種なのかな?

歩き始めて15分ほどで雨山天山への分かれ道に到着~そのまま登れば天山の山頂まで駐車場からわずか30分ほどで着くのですが、それでは楽チンすぎるので、ストイックな我らT小登山隊は敢えて雨山の方へ。まだちょっとしか歩いていないのに、暑くて暑くて汗が止まらないので、喉が渇く前にちょっとだけ水分補給をして、最初の目的地である雨山の山頂を目指します

その2へ続く